シチュエーション
![]() 美香は、電車の中でうたた寝をしていた。 夜の11時を過ぎていて、電車の中も人がまばらになっている。 車両連結部の側の、ボックス席に腰を下ろして間もなく、眠気が襲ってきた。 ここは丁度陰になっていて、他からの視線を鬱陶しく思うこともない。 …夢を見ているようだった。 それも、ただの夢ではなかった。いやらしい夢…。 スカートの膝あたりに、誰かの手がかすかに触れている。 はじめは気のせいかと思ったけれど、その手はしだいに膝をさわりにきて 足のあわせ目から、そっと内ももの部分へと移動してくる。 痴漢……。 いままでにも、何度も遭ったパターンだった。 うとうととしていて、それに気づく。途中で目が覚めても、結局は 気づかないふりをして、寝たふりでやりすごす。 そうしていれば、触る以上のことはしないでやめる男が多い。 でも、中には大胆にショーツの奥にまで指を入れられたこともあった。 美香は、その時…悔しいけれど、感じてしまっていた。 目を閉じたまま、小さく「いや…」と言っても、男はやめてくれなかった。 濡れているのを痴漢の男に感づかれてしまい、コンドームを着けた男の 勃起を手でしごかされた。 男は美香の脚を開かせ、犯そうと試みたが、それだけは抵抗した彼女の 秘所を何度もこすっているうちに、射精して果てた。 男が脱力しているその隙に、美香はかろうじてレイプから逃れることができた。 それは、おぞましい記憶のはずだった。 今までにも、何度か痴漢にあったことはある。でも、こんなにまで 危険な目に遭ったことはこれが始めてだった。 その男は、はじめからコンドームを着けたままでいたようだった。 と、いうことは…。 痴漢を仕掛けた上で、最後にはレイプすることが目的だったとしか 思えない。 男は真面目そうな会社員風で、指での愛撫はものすごく巧みだった。 美香も、いやだと思いながらも感じてしまっていた。 あと、少しのところで…ほんとうに、犯されていたのかもしれない。 無事に逃げられた安堵感からか、快感の余韻に浸りながら 美香はそのことを思い出しながら、何度もオナニーをしてしまった。 それは、一年ほど前の出来事だった。 それがなぜ、いまさら夢になって出てくるのか…。 夢の中の男の手は、美香のミニタイトのスカートへ忍びこんできた。 太ももをまさぐりながら、指先でひっかくように、布の上から 秘部をくすぐりはじめる。 ゆっくりと……やさしく、指でクリトリスの周囲を撫でてくる。 …美香も、次第に濡れはじめている。 ああ……。 気持ち、いい……。 あのときと同じに、痴漢行為をされているのに、感じてしまう…。 あまりにもリアルな責め方に、美香は夢とは思えないほど感じていた。 でも、以前にも男にクリトリスを責められて、イってしまった 夢を見たこともあった。 …男の指が、濡れてあそこに張りつく布のわきから、ぬるりと 入り込んできた。 うるむ膣口に指を入れて、愛液をクリトリスに塗りつけられる。 夢ではなかった。 実際に、隣に男が座っていて、美香に悪戯をしている最中だった。 はっと目を開いて男の方を見ると、男の手が彼女の口を塞いだ。 「声を出すな…。痛い目に、遭いたくなかったらな」 低く、ドスの効いた声が耳元で囁いた。 途端に、全身に氷が這うような緊張に襲われる。 背中の奥のあたりが、恐怖感ですうっと冷たくなっていく。 口を塞がれたまま、美香はこっくりとうなずいた。 「ようし…。いい娘だ…。おとなしくしていれば、いまにもっと 気持ちよくさせてやるからな…。」 男は語気を緩めて、ほとんど息だけの声をまるで恋人に囁くように 優しい口調で言った。 ふるえる彼女の白いうなじに、唇をつけるとたんねんに舐めはじめた。 そうしながら、一方の指は美香の女の部分をいじり続ける。 あくまでも優しく、敏感な部分を感じさせる動き。 男は、刃物やその他凶器になるものは持っていないようだった。 勤め人風には見えないけれど、まだ若く30に手は届いて いなさそうだった。 レザーのコートにインディゴブルーのデニムシャツ、ブラックジーンズ。 視線を落とした美香の目が、はっきりと盛り上がった男の股間を見た。 こんどこそ…ほんとうに、犯されてしまう…。 絶望感が湧く中に、密かに行為への期待をしている自分もいる。 それほど、男のテクニックは美香を酔わせていた。 恐怖に支配されて、硬くこわばっていた身体の芯をときほぐすような ていねいな愛撫が続く。 美香の喉元に、男の唇が移動する。 思わず、彼女はのけぞってしまう。 男の指が、美香のブラウスのボタンを外しにかかった。 白いレースのキャミソールを肩から落とし、同じ色のブラの 上からゆっくりと男の手が這う。 男性的な、凛々しい容貌をしている…男は、美香の好みのタイプに あてはまった。 ブラを外さず、つけたまま布をめくり上げられる。 Cカップの、形のいい白い乳房が痴漢男の目にさらされた。 男は、淫らな笑みを浮かべていた。 「ふふ…たまんねえ、きれいなおっぱいしてるぜ…。」 男は両手で美香の乳房を揉みほぐしながら、舌を使って舐め回した。 ぴちゃぴちゃと、いやらしい水音をさせながら、乳首やそのまわりを 指でこすり、唇に含んでこね回される。 片方の指はまだ、美香の熱くぬかるんだはざまを犯していた。 乳房だけでの愛撫でも、いきそうなくらいに感じている。 見知らぬ男…いくらタイプだとはいえ、深夜の列車の中で 犯されかけている。 異常な状況としかいえない。なのに、気持ちいい…。 男への嫌悪感も、与えられる快楽の前には消し飛んでしまう。 「くっくっく…。おまんこ、ぐしょ濡れじゃねえか…。 なあ…感じてる声、出してみろよ…。」 男に言われるまでもなく、もう美香は声を押し殺せなくなっていた。 男の指が、クリトリスを素早くこすり始める。 いままでは、焦らすようにゆっくりとした動きでしかなかった。 「あ……。はぁっ……」 ついに、声をもらし始めた美香に男は満足そうに笑った。 「ふふふ…いい声出すぜ…。もっともっと、いい声で泣かせて やるぜ…」 男はそう言うと、感じやすい部分への指の攻撃は激しくなった。 クリトリスを指で押さえるようにしながら、上下に引っ張るように こすり続けられる。 彼女がもっとも感じる、弱い責め方だった。 「ああ……。 はぁ…ん……。」 もうすぐ、いきそうになる。 痴漢に、あそこを弄ばれながら、いかされていまう。 それなのに、男に媚びるような甘い声をあげて、快感を訴えてしまう。 「ああ……。いき…そ、う……」 「ふふふ…。思いきり、イケよ…」 指は、素早くクリを擦りつづけている。 「あ……。 ああ〜………。ああ…ン……」 美香は、白い頬を興奮で上気させながら、のけぞって喘いだ。 気持ち、いい…。 この瞬間のためなら、どうなってもかまわない…。 そんな危険なことを思わせるほどの、刺激的な快楽だった。 男は、美香の絶頂を確認しても、まだ指での責めをやめない。 急激に昇りつめて、まだ快感も醒めきらない秘所に、すぐまた 新たな刺激が与えられる。 もう一度、いける…。 「ああ……。ああ、また……。 だめ……。……いくっ……!」 立て続けに、二度…痴漢男の指戯で、いかされた。 まだ余韻にひたって、荒く息をつく美香の前に、男が立ち上がった。 眼前に、男のはちきれんばかりに膨隆した股間。 「気持ちよかっただろう…。今度は、俺を愉しませてもらう番だぜ…」 わざと、ベルトを外すところを美香に見せつけながら、男は ジーンズのジッパーを下ろした。 黒のブリーフの合わせ目から、赤黒い怒張が顔を出した。 濡れ光る亀頭部分から、先走りの粘液がにじみ出て、あとから あとからこぼれてくる。 男が興奮しきっている証拠だった。 「脱ぎな……」 男が、欲情に掠れたような声を出した。 「…いや……」 小さく、震える声で美香は拒否した。 欲しい…。でも、やっぱりこわい…。 「こいつが欲しいんだろう?え?お嬢ちゃん…」 美香は男に背を向けて、それを避けようとした。 あっさり男にのしかかられ、濡れすぎて下着の役割を果たして いないショーツを脱がされた。 男は、何度か美香のはざまを先端でこすりつけた。 脚を開かされ、ゆっくりと浅く…膣口に、怒張が押し入った。 「ああ……」 美香は、うわずった声をあげてしまう。 …ついに、犯されてしまった。 男のものは、カリ首が太く張っている、見るからにいやらしい形を していた。 それが膣の入り口にひっかかって、えもいわれぬ悦楽を彼女に もたらしている。 男は美香の反応を確かめるように、ゆっくりと動いた。 「あっ…。あ……。」 男のものが出し入れされるたびに、声が出てしまう。 膣が勝手に、太く充実した男根の感触を味わうために締め付けて しまう。 「…いい具合だぜ…。ふふ…。お嬢ちゃんのここ…おれのちんぽ くわえ込んで、締めてくるぜ…。感じるんだろう?なあ……」 男が言う通り、美香は男のものの魅力に負けてしまいそうだった。 久しぶりのセックスでもある。 恋人と別れて以来、2ヶ月近くご無沙汰だった。 その恋人とは、比較にもならない。 この男は凄いほどのセックス巧者だった。 男が、少しずつ腰を使いだした。 それでも、まだ完全には埋没させきっていない。 もっと、奥まできてほしい…。 美香は、背後から犯されながら、男の与える愉悦に耐えていた。 座席に手をつき、腰を抱えられながら、艶めかしく声を漏らしている。 バックからの姿勢で、美香のそこは正常位をとるよりも狭く なっているはずだった。 長く美香を感じさせた男が、いつ耐えきれずに放出するか… その不安だけが、彼女を行為に没頭させなかった。 「ねえ…。お願い……」 可愛らしい声で、美香は男に囁いた。 「なんだ…?」 「…中には… 出さないで…。お願い、だから…」 美香の声は、小さく震えていた。 ふっ、と男は笑った。 「わかってるよ…」 すると、次が終点だと伝える車内放送がかかった。 男は、美香の尻から離れる。 急に引き抜かれて、美香は思わず不満の声をあげそうになるほどだった。 まだ天を仰いでいるものを、男は無理にジーンズに収めた。 美香は、男が身支度をしているのを見て自分も服を整えた。 これで…終わってしまうの? 皮のコートで猛った股間を隠しながら、男は美香の肩を抱いた。 そこではじめて、キスをされた。 はたから見ると、恋人同士に見えるに違いない。 男は美香を連れて、終点で下りると駅前のラブホテルへと歩いた。 男の力強い腕に肩を抱かれて、美香は抵抗できずにホテルへ ついてきた。 電車の中で味わわされた、男の性戯の凄さ… さきほどまで屈辱の体位で犯されていたあそこが、まだ熱く うずいている。 男のものの感触が、まだはっきりとそこに残っている。 もっと… …して、ほしい…。 それが、彼女の偽らざる本音だった。 男は美香よりも頭ひとつ背が高い。 180p前後はある長身で、がっしりとした体格をしている。 見た目も、許容範囲というよりも…むしろ彼女の好きなタイプといえる。 男は広い部屋を選び、美香の腰を抱きかかえるようにして 部屋へ入った。 美香が部屋の玄関に上がると、男は黙ったまま後ろ手で ドアの内鍵をかけた。 もう…あともどり、できない。 彼女自身の意志で、ここまでついてきてしまった。 逃げようと思えば、逃げられるものを… はじめて会ったばかりのこの男の、淫靡な責めの罠に、自ら進んで 堕ちようとしている。 レザーの黒いコートを脱ぐと、男は美香のクリーム色のハーフコートを 脱がせにかかった。 美香の、背中までかかるきれいな黒髪をかきわけて、白いうなじに 唇を押しつけられる。 「あ……」 思わず、声が出てしまった。 「ベッドに、手を突きな」 男の命令に従って、両腕を豪華なキングサイズのベッドに突いて 前屈みになる。 ベッドの前には大きな鏡が張ってあった。 男が美香に覆い被さってブラウスの前をはだけさせるのも、それを されている彼女自身にも見える。 ブラをつけさせたまま、布を押し下げて両方の乳首をつままれる。 「あん……」 つい、甘い声をもらしてしまう。 「ふふっ…。いいぜ、可愛い声、出しなよ…。 ここじゃ、我慢することないんだ…思いきり、いやらしい声 あげさせてやるよ…」 満足そうに、男は言った。 スカートをめくりあげると、濡れすぎて重く冷たくなっている ショーツを下ろしながら、指でそこをくすぐる。 「ふふふ…。よっぽど電車の中でのことが、気持ちよかったん だろう…。太ももまで濡れてるぜ…」 美香も、そこはもう前戯すら必要ないほどに濡れているのを 自覚していた。 いつまで、こうして焦らされるの…? また、あの挿入されたときの気持ちよさを、味わわせてほしい。 男が乳房と秘所をいじっていた手を止めて、何かしている。 自分の服を脱ぎ始めていた。 男は、黒のブリーフだけの姿になる。それを脱いで、猛り狂った ものに予め用意していたコンドームをかぶせている。 電車での哀願を聞き届けて、避妊してくれるのだ。 美香は安堵した。 自分は全裸になっても、いつまでも、男は美香の服を脱がせようとは しない。 どうやら、このまま…服を着せたままで、犯すつもりでいるようだった。 「ほうら…尻を、もっとこっちに突き出しな」 スカートを穿いたままで、でも下着をつけずに無防備に潤んだ 股間を男の目にさらされる。 ショーツは完全に脱がされたわけではなく、片方の膝に頼りなく からみついていた。 男は低く笑った。 「いい眺めだぜ…。色っぽくてよ。この方が、気分が出るだろう…。 犯される、っていう気分がな…」 犯される…。 そんな刺激的な言葉を、今まさにそれを実行しようとする男から 浴びせられる。 そう…これは、脅されてのレイプだ。 いくら感じさせられて、身体は男を受け容れようとしても、 はじめのきっかけは無理に脅されてのことだった。 「あんたは、見も知らない男に犯されるんだぜ…。 電車の中で、あんな恥ずかしい格好させられて…。 今も、こんなことされてても、ここはたっぷり濡れてく一方だ」 男の言う通り、そんな卑猥な言葉を聞かされても、美香に とっては欲情を高めていく効果しかなかった。 そんな自分に、美香自身が戸惑ってもいる。 男が、ふくらみきったものを美香の開いてはじけたはざまに押し当てた。 「ああ……」 美香は長く、溜息をついた。 「どうだ…。こいつが、欲しいんだろう? ちんぽが、感じるんだろう?え?どうなんだよ…」 男も興奮しているらしく、息を弾ませながら陰唇のふくらみに沿って 亀頭をこすりつけてきた。 「あ……。はぁ……」 はやく…。はやく、ほしい……。 焦らされきって、内ももまで愛液で濡らしているのが自分でもわかる。 「犯して、と…言いな……」 性器同士がこすれあう、淫らな水音をさせながら、男は命じた。 身体はとうの昔に屈服しているこの女を、今度こそ心までも 従わせようとしている。 美香は、羞恥で全身がかっと燃えるように熱くなった。 言わなければ、入れてはもらえない…。 御主人様に従う奴隷のように、男の命令を受容しなければならない。 「……して……。」 「…なんだ?もっとはっきり言え」 「……お……かし、て……」 恥ずかしさで、とぎれとぎれにしか言えない。これが精一杯だった。 「つづけて、いってみろ」 男は許さなかった。 「……犯して……。」 男はもっと言葉で嬲ろうとしたが、もうこれ以上耐えられなかった。 「くくく…。言ったな…。 自分で、犯して、と言ったな…。 いいぜ…たっぷり、犯してやるよ……」 時間をかけて言葉嬲りを愉しんだあと、男は一気に突き入れてきた。 「あああ……」 男の、熱く太いものが侵入してきた。 自然と、声を絞り出さずにはいられない。 電車内で犯されかかってから、また暫く焦らされていた。 男のそれが、あそこをいっぱいに充たしている。 熱く焼けた鋼の棒のようなようなようなものが、膣の中をゆっくり 出たり入ったりを繰り返す。 そのたびごとに、美香はせつない声をあげた。 声を、我慢しきれない……声を出さずにいたら、気が狂ってしまい そうなほどの、よさだった。 はじめはゆっくりだったその動きが、美香の内部が濡れすぎて滑る せいか、男が感じているせいか、次第に早まっていく。 同時に、美香の性感も極限近くまでに高められていた。 クリトリスのちょうど裏側にあたるGスポットの周囲に、男の 怒張のカリ首が当たる。 時々、子宮の入り口にまでつつかれる。 そうされるたび、美香は無意識に膣口と内部を締め付けて、男根の 味を自分から積極的に味わおうとしていた。 そうしなければいられないほどの、凄い快感の波が彼女を翻弄している。 「はぁん……。ああん……。 ……ああ……。」 「どうだ……。ああ…。気持ち、いいか……。んん……? 犯されて、気持ち、いいのか……。こうやって、うしろから… おまんこに、ちんぽ、ぶち込まれて……感じるのか……」 息を荒げながらも、男は刻み込むように淫語を囁いた。 男も、抜き差しをいっそう激しくさせてきた。 もう……。もう、だめ……。 美香は、自分の膣が激しく収縮するのを感じた。 「ああ〜〜〜〜ん…… だめっ……。……ああ……。 イクぅっ……!」 絶頂に達した彼女の締め付けに、男も強烈に感じていた。 断続的に、男のものを絞り込むようにしてくる。 「たまんねえ……。お……俺も……いくぜ………」 男もまた、美香に遅れて激しく射精した。 その瞬間に、男の肉の棒がものすごく膨らむのを、美香は感じた。 次いで膣の中で、ビクッ、ビクッとひくついていく。 その感覚が、達したばかりの美香の性感を新たに刺激する。 気持ち、いい……。 こんなにもいいのなら、何度でも犯されたかった。 男の虜になっても、いい。 好きなように、して……。 そんな言葉を言うのも厭わないほど、素晴らしい快楽だった。 好き同士の恋人とのセックスよりも、遙かにずっと強烈で長く続く 快感が美香を狂わせようとしていた。 気が付くと、男はいつのまにか美香から離れていた。 水の音がしているので、シャワーを浴びているようだった。 男は、全裸で身体を拭きながら出てきた。 「あんたも、シャワー浴びてきなよ…。ぐしょ濡れだからな…」 男は笑いながら言うと、ベッドに向かう。 慌てて、美香は男の脇をすりぬけてシャワールームへ駆け込んだ。 鏡に映る自分の姿を改めて見て、美香は顔を赤らめた。 ブラウスを着て前をはだけられ、ブラがずらされて乳首がのぞいている。 スカートははぐられ、ショーツは脱がされかけて脚にからまっている。 あの男が夢中になるのも無理はない、扇情的な姿をしていた。 シャワーを浴び終わり、脱衣所に出ると…そこには、美香が 脱いで置いてあった服はなかった。 それを知って、美香は瞬間的に混乱してしまうほど驚いた。 よく見ると、そのかわりに、薄紫色の下着らしきものが置いてある。 おそるおそるそれを手にとって広げると、総レースで仕立てられた セクシーなランジェリーの上下だった。 これを…着けろって、いうの? 服はどこに隠されたか気になった。でも、男に逆らうことはできない。 上気してピンク色に染まる美香の素肌を、さらさらとしたシルクに 似た感触の布が包み込む。 大きな鏡に映った、その姿は… …淡く色づいた乳首も、か黒い艶やかな翳りも、ほとんどが透けて 見えるチュールレースの素材だった。 それはまさしく、男の欲情をそそること…ただ、それだけのための 目的のものだった。 全裸になってすべてをさらけだすよりも、よほど淫靡な雰囲気になる。 激しく犯されたあとの余韻の残る、まだけだるいからだで 美香はベッドルームへと戻った。 男はベッドの背もたれに、裸の上半身をあずけている。 そこではじめて、彼女は男の顔をまじまじと見つめた。 後背位で貫かれていたためもあり、また恥ずかしさから まともに見ることはできなかった。 荒削りだが、割に整った顔立ちをしている。 切れ長の、わずかに目尻が吊り上がったような鋭さのある目つき。 でも、その中にほどよい甘さがある。 いかにもな二枚目とは違うけれど、彼女の目からすると十分に 「格好いい」タイプ、といえた。 「ベッドの側に来い」 言うとおりに近づくと、男は美香の身体を舐めるように見た。 視姦されている。 目で…犯されている。 恥ずかしさに耐えきれず、美香は胸と秘所を腕でかばった。 「手をどけろ」 男は低く命じた。 その声に鋭い威嚇を感じて、美香は再び無防備に立ちつくした。 男の心の中で、自分が陵辱されている… そう思うと、たまらなく蜜が溢れてきてしまう。 「その格好、似合うじゃないか…。裸になるより、色っぽいぜ。」 男は、顔を淫らな含み笑いで崩した。 はじめから、こんな下着を用意してあったのかと思うと 美香は背筋の産毛が逆立っていくような感覚になった。 でも、ラブホテルには大抵大人のおもちゃやセクシーな下着を 売っているはず… それよりも、なくなった服の行方が気にかかる。 「あの……」 思い切って、美香は重い口を開いた。 「わたしの、着てた服は…どこへ……」 「さあ…どこだろうな」 男はからかうように、とぼけてみせた。この男が隠したのには 違いないのに… 「俺を愉しませてくれたら、返してやるよ…」 やっぱり、男はそのつもりだった。 美香を軟禁して、セックス奴隷にするつもりでいる… そのことを悟ると、なぜか彼女の胸は高鳴っていくばかりだった。 男の身体は、なにかスポーツをやっているらしく、逞しく 肉厚で筋肉質だった。 鍛え上げられた身体を、美香は見惚れてしまいそうになる。 もともと、がっしりとした体つきの男性にそそられる質だった。 その方が、征服されているという気分になれるから…。 美香は自分の中に潜むマゾの気を、このときはまだはっきりと 自覚してはいなかった。 男は、ゆっくりと身を起こした。 「俺の隣に来て、座りな」 彼女は、男に逆らえなかった…もとより、逆らうつもりもない。 ただ、男の命じられるままに動く。それが彼女自身をも 快楽に導く術であるからだった。 「一度だけで、済むと思うのか…?」 美香の肩を抱いてそう囁くと、男は喉元に唇を這わせた。 「あ……。」 自然と、声をもらして顔をあげてしまう。 首筋から耳元へ、感じやすい性感帯を男のぬめる舌が這った。 それだけで、美香の女の部分に蜜が溢れてきてしまう…。 男が与えた新しい下着の股間に、指が入り込んだ。 「あっ……」 美香は小さく喘ぎながら、ビクンと身体を震わせてしまった。 「もう…こんなに、濡らしてる…。 いやらしい…女だな」 男は彼女を辱るように、ゆっくりと刻むように指を動かした。 耳元に熱い吐息を浴びせながら、卑猥に囁く。 いやらしい女…。 そう言われたことで、美香は身体に痺れるような甘い脱力感が 襲うのを感じた。 「キスして、いいか?」 …なぜ、男がわざわざ許可を求めるのかわからなかった。 でも、たぶんこれからされることを告げることで、美香を高ぶらせる ためなのだろう… うなずくしかなかった。 男の熱い唇が、美香のそれを覆った。 舌が、閉じた彼女の唇の上をつうっとこする。 美香の半開きになった合わせ目に舌を滑らせて、侵入を試みる。 ぬめる舌が、絡み合った。 口腔内で、男の舌はたっぷりと動いた。 舌先で歯の裏をこすると、上顎の下をつついてくる。 思わず、美香も応じてしまう… 恋人同士の行うような、ねっとりとした濃厚な舌と唇の愛撫だった。 長いディープキスだけで、彼女の頭のしんがぼうっとしてしまうほどだった。 やっと男の唇が離れると、美香はせつなげな熱い溜息をついてしまった。 ふいに、男の大きな手が彼女の白いたおやかな手を握る。 その手を、男は一度放出を終えてふたたび息づく勃起に導いた。 「ほら…もう、こんなになってるんだぜ…。握ってみな…」 男の手が、彼女の手を強引に開かせて、隆々とそびえ立つものに 触れさせた。 熱い…。 熱くて、堅いものの感触が、てのひらから伝わる。 「熱いだろう…。ふふ、しごいてみろよ…」 彼女の手でそのものを握らせ、その上から男が手を添えて、なかば強引に ゆっくりと上下にしごかせた。 …痴漢男に犯され、感じさせられて… そして今また、美香をよがらせたものに淫らな愛撫を加えている。 …いずれ、また…犯される。 諦めと、期待の入り交じった複雑な感情が湧き出てくる。 男の怒張の先端から、半透明な液が滴り落ちてきた。 見ている美香の方が恥ずかしさを覚えるほど、淫猥な現象… そして、それを見ていることで密かに腰の奥が甘くうずいている… そのことを知られたくなくて、美香は男のものから目を反らした。 そむけた白い顔を、男は勃起へと向き直らせた。 「…見るんだよ…ほうら。 ようく…見るんだ。おまえを、よがり狂わせたモノをな…」 男は、とことん言葉で嬲るつもりらしかった。 そうされることで、美香の興奮の度合いを高めていく効果を 知り尽くしているように。 言外に、これで犯されることを覚悟しろ…そういう意味を美香は悟った。 また、あの陶酔の時がやってくる。 なにもかも忘れて、ただ男の与える性の愉悦に浸りきるときが…。 屈辱も、強制も、命令も…すべてが、彼女の被虐の欲望を満たすための 手段にすぎなかった。 ベッドの上で、美香はひざまづくように言われた。 ちょうど、口元のあたりに男はいきり立ったものを向ける。 頬を、そっと先端がこする。 濡れた液が彼女の頬を汚した。 「いや……」 小さくそう言うと、男の卑猥な責めから逃れようとした。 「いやじゃ、ないんだろう?ん…?」 優しく言いながら、ショーツの中に男の指が差し入れられた。 潤みきったそこを、そっと男の指がいじり始めた。 「はぁっ……」 思わず、悩ましい溜息を吐き出してしまう。 男が、嘲るように笑った。 「こんなに…おまんこ、ぐちょぐちょじゃねえか……。 気持ちよく、なりたいだろう? だったら…俺のちんぽも、気持ちよくさせてもらうぜ…」 優しく囁くような口調の中に、否とは言わせない強さがあった。 わななく美香の唇に、先端が押しつけられた。 閉じた唇をこじ開けようとしてか、左右にこすりつけてくる。 「しゃぶりな…」 有無を言わせない響きが、男の声にこめられている。 美香は目を閉じて、口を犯すものを受け容れようと決めた。 「目を開けろ。見るんだよ…。 可愛いお口を、俺のちんぽが犯してやるところをな…」 男に言われて目を開いた美香は、眼前にそびえる怒張を 見つめた。 熱い、ゴムのようにつるつるした亀頭部分に舌を這わせた。 先走りの液がこぼれ出てくるのを、舐め取る。 少ししょっぱいような味がするそれを、美香はためらわずに呑み込む。 舌で鈴口の割れ目をさぐり、歯を当てて軽くこすってみる。 同時に、男のものがビクッ、と跳ねた。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |