虜囚 一章
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シチュエーション


自分にできる限りのテクニックを極めて、愛おしげに舐める。
あそこから…とめどもなく蜜が溢れてきてしまう。
入れてほしくて、陰唇が無意識のうちに妖しく蠢く。

「…凄え、うまさだ…。
そんなに、男のちんぽしゃぶるのが、好きなのか……」

息を弾ませて、興奮しきった様子で話した。
驚嘆と喜悦が入り交じった、酔ったような表情で、男は
まじまじと美香の顔を見つめた。
楚々とした風情に似合わない、素晴らしいテクニックの持ち主。

両方の乳房を、キャミソールの上からぐっと掴まれる。
美香は喘いで唇を怒張から離した。

「ふふふ…2度目じゃなけりゃ、出しちまってるところだ…。
次に姦る時からは、最初の一発目は口で抜いてからだ。
それから、あそこにぶち込んでやるからな…」

次に………
最初の、一発?

…陵辱は、今日限りで終わることはない。
男の言葉の意味を知って、美香はぞくぞくと妖しいふるえが
背中に走るのを感じた。

「よかったぜ…。今度は、俺が感じさせてやるよ…。
何度でも、イキまくらせてやるからな…」

美香の耳に唇を寄せながら、男は自信たっぷりに言った。

そのまま、ベッドに押し倒された。
美しい乳房を覆う、薄布の上からやわらかく手で揉みしだかれる。

「乳首が、立ってるぜ」

言いながら男は、乳首を唇ではさみこみ、次に指でつまんで
こすり始めた。

「あんっ……。 ああ………。」

美香の口から、艶めかしい喘ぎが漏れ出る。

そのまま、ベッドに押し倒されて、レースのキャミソールごしに
舐められる。

「布の上からでも、感じるだろう…。次は、じかに舐めてやるよ」

薄い皮膜のような布地をめくられ、素肌の乳房がさらされた。
男は柔らかく揉みしだきながら、手のひらで円を描くように
してこね回す。
舌を突き出して、乳房のふくらみの外側…脇の下側から、乳首の
近くまでを舐めていく。
敏感な突起をわざとよけて、焦らされている。
そうされることで、かえって乳首が痛いほどに神経が集中する。

「ここ…舐めて、ほしいか?」

男の指先で、つうっと乳頭部分をこすられた。

「はあっ……」

美香の身体が勝手にのけぞってしまうほど、鋭い快感が襲った。

「どうなんだ? 舐めて、ほしいか?」
「…ええ……」
「乳首を、舐めてください、だ。言え」

美香の紅く染まる顔を見つめて、男は言い放った。

「……乳首を…舐めて、くだ…さい……」

羞恥と興奮のあまり、美香の声はとぎれとぎれに掠れていた。
男は、美香を言葉でも責めて、征服し、従属させようとしている。

「ようし…ご褒美だ」

そこから、本格的に胸への愛撫がはじまった。
唇で乳首をはさみ、舌でころがすように幾度も小刻みに舐める。
乳輪に沿ってまるく舌を使いながら、舌先で乳房全体を舐め回す。

ねっとりとした男の舌が…唇が、たっぷりと美香の左右の
乳房を交互に吸い、両手で乳房の形をさまざまに変えて揉んだ。

「あっ……。あ…… ああっ……。」

しつこいくらいに胸を集中的に嬲られ、美香はたまらずに声を
あげ続けた。
男の舌戯は、素晴らしかった。
唾液をたっぷりと塗り広げられ、ぬるぬると滑る舌の動き。
それをされた時、乳房への責めだけでいきそうになるほど感じた。

どのくらいの時間が経ったのか、ようやく男の顔が美香の
胸元から離れた。
強く吸われて、キスマークがついている箇所もいくつもある。
唾液が、糸をひいて乳首と男の唇を伝った。
男は完全に優位を取り戻し、薄く笑いながら美香を見下ろした。
せわしなく呼吸を乱している彼女の股間へ、指を伸ばす。

「凄え…。おもらししてるみたいに…濡れ濡れじゃねえか」

逞しい男の手が、濡れて秘所に張りつくショーツを脱がせにかかった。
やっと…挿入されるのかと思い、美香は切ない息をついた。
すべて脱がされる前に、布は翳りをむきだしにさせた所で止まる。

「可愛い顔して…ここは、結構濃いんだな…」

その言葉が秘毛の濃さを指すのか、それとも女性器の色の濃さを
示しているのかは、わからない。
そして男はゆっくりとショーツをずり下げると、一度目に美香を
犯した時と同じに、片方の足にひっかけた。

「膝を立てて、足を広げろ」

のろのろと、膝を立てるまではできた。でも、美香はほんの
数センチほどしか広げなかった。

膝頭が、こきざみに揺れている…震えていた。
男の眼前に、すべてをさらけ出すのはどうしても抵抗があった。

「足を、広げろ」

男はもう一度、語気を強めて命じた。

…美香は諦めて、少しずつ…ゆっくりと広げていった。
男の鋭い視線が、股間を刺し貫くように…見ている。
視姦されているのを感じながら、膝を立てたままの状態では
辛くなる寸前の姿勢にまで、開脚した。
恥ずかしさで、いたたまれない……。
美香は目を閉じ、顔を横に向けて羞恥に耐えた。
すかさず、男は言った。

「顔を、そむけるな。俺の目を見ろ」

男は、彼女が自分の世界に逃げるのを許さなかった。

仕方なく、美香は虚ろな目で男と視線を合わせた。
切れ長の二重瞼に鋭さを秘めた眼光が、今は欲情に煙っている。
微笑を浮かべた男の顔が、開ききった股間へと近づいていった。
濡れ光る秘毛を指でかき分け、愛液で潤んだはざまをさぐる。

「くくく…。ここは結構、使い込んでるようだな…。
ふふ、いい色してやがる…」

美香のそこは、完全なピンク色ではなく、くすんだ色をしている。
それを男に指摘されて、思わず耳を塞ぎたくなるほどだった。
膣の入り口付近をまさぐりながら、なおも男は卑猥な言葉を
容赦なく浴びせかけた。

「足おっ広げて、おまんこ見られて…それでも、感じるんだろう。
汁がどんどん、あふれてくるぜ……」

男の言うとおりだった…。
恥辱のポーズをとらされながら、濡れている自分が確かにいた。

「クリも、割と大きいな…。おおかた、自分でもクリとおまんこ
いじって、愉しんでるんだろう?え?そうだろう…」

そんなことを言われてしまい、頬と腰が熱く火照る。
事実、美香は日常的にオナニーをしているのだから…。

指でいじくる訳でもなく、舐める訳でもなく…
男はそこを観察し、逐一美香に猥語を言って反応を確かめていた…
…はずなのに、ふうっとそこに息を吹きかけられ、美香はつい

「ああん……」

と甘い声を出してよがった。
次に、クリトリスにそっと口づけられる。

「あ……!ああ!あっ………!!」

もう、限界だった…。
美香はその瞬間、強烈な絶頂感に昇りつめていった。

「あ……。……ああん……」

色っぽく喘ぎながら、余韻を楽しもうと膣内をひくつかせてしまう。

「イったのか…。」

くく、と男は低く笑った。

「どこを…どうすると、感じる?

自分でしてることを、やってみせろ」

「…え…?」
「俺の目の前で、オナニーして見せろ」

あまりにもいやらしすぎる命令に、美香は言葉を失った。

「もう、一度イったんだろうが…。いまさら…恥ずかしいのか?」

小さくうなずいて、美香は顔を伏せた。

「それなら、俺がおまんこ気持ちよくさせてやる…」

男はそう言うと、美香の秘所に顔を埋めた。

…舌が、まるで別な生き物のように動き回った。
半透明な液が湧き出てくる膣口に舌先を入れ、クリトリスを唾液と
愛液で濡らす。
膣からクリの間を、秘唇に沿ってぬらぬらと舌が上下に這う。

「は、あっ……。ああ……。…ああ………」

絶妙な舌の蠢きに、美香は身体の奥底から感じいっていた。
もう一度、イキそうに追いつめられていく。
艶めかしい声で、男の責めに応える。

唐突に、男は舌遣いを止めた。

「ああっ……」

美香の口から、小さな悲鳴が出る。
もちろん、やめないで、というサインだった。

「どうした……?」

男は美香のせつない表情を見上げながら、嘲るように言った。

「つづけて、ほしいか?」

うなずく美香に、男は突き放すように言った。

「続きは、自分の指でしろ。オナって見せて、イったら…
そのあと、おまえがイクまで舐めてやる」

どうしても、男は彼女に自慰を強制したいようだった。

美香は、男に言われるまま…白い指を、クンニでうずいている
あそこに伸ばした。
膣口からクリトリスまでを、そっと指でこすりあげながら
指先で軽くクリトリスを持ち上げるように、上下に擦りはじめた。
目をかたく閉じ、ひとりの世界に没入していく。
男にされた淫らな行為を、淫猥な言葉責めを思い出しながら…。

男の目の前で、こんなことをさせられている…。
そんな暗い愉悦が、美香の性感をいやおうなしに高めていった。
まもなく、美香は二度目の絶頂を迎えた。

「あああっ……ああ……。だめ…。い、くっ…………」

高くか細い声で、自らの指で慰めながら快感を訴えた。

まだ荒い息をつく美香の股間を開かせ、すぐに男の舌が這った。
分泌された愛液が潤滑液となり、ぬるぬると滑る舌の猥褻な動き…
それは指とは比べものにならないくらいの快美な感覚だった。

「いいか……?」

男は、舐めながらくぐもった声で訊いた。

「ええ……」
「おまんこ、感じるか?」
「…感じ、ます……」
「ちゃんと言え。言わないと、やめるぞ…」

男は、今度は美香にも猥語を言わせようとしていた。

「……お……まん、こ……感じ……ます……」

恥ずかしさを懸命にこらえながら、きれぎれに美香は言った。

「自分の指と……俺の口と、どっちが感じる?」
「あなたの……あなたの、口です……。あ、ああ……。
あなたの、ほうが…感じ、ます………。 ああっ………」

それは、嘘偽りのない本心からの言葉だった。

「そうか…。そうだろう……。」

男は満足げに笑いながら、美香の顔を上目遣いに見つめた。

「おまんこ、舐められるの、好きか?」
「はい……、好き、です……」
「そうじゃないだろう。言い直せ」

男は声を低く落として威圧した。

「……おまん、こ…舐め、られるの……。好きです………」
「そうだ……。言う通りにすれば、もっと気持ちよく
させてやる…。イク時は、イクと言えよ……」

再び、男の舌はさかんに動き始めた。

「…ああ……。もう……いき、そう…です……」

美香は、顔を快楽で歪めて首を振っていた。

「イケよ……。これで、三度目だな」

ぺろり、とクリトリスの上を大きく舐めあげながら、吸われる。
その途端、急激にエクスタシーの波がやってきた。
美香は、立て続けに三度目の大波にさらわれていった。
気が…遠く、なる……。
淫らすぎる男のテクニックに、美香の肉体は完全に屈従を
強いられていた。

少しの間、美香は動くこともけだるく、ただあおむけになって
高ぶりが過ぎるのを待っていた。
男が、唇を奪いにくる。
さきほどまで、秘所を舐めていた舌を差し入れられても…美香は
抵抗もできずに舌をからめて、ディープキスに応じた。
もう…あれが、ほしくてたまらなくなっている。
太くて固い、男のものを思いっきり突き入れてほしい…。
そのためになら、なにを命じられても従おう…本気でそう思った。
これ以上、じらされたら… 気が、狂いそうになってしまう……。

唇に、男の怒張が押しつけられた。
なにを求めているかは、わかりきっている。
わかっているのに口を開けずにいると、男が美香の顔に跨って
指を口に入れてきた。
フェラチオの真似事を指に対して行うと、じきに指が抜かれ…
ゆっくり、唇を怒張で犯しにくる。

美香が男のものに舌をからめると、男は美香の顔の上で
自分から腰を使ってきた。
イラマチオ…強制フェラチオのかたちをとらされる。
男は、息を乱しながら美香の口内を犯し続けた。

「もう、たまらねえ…。イキそうだ…。…出すぜ……」

美香は、それを聞いて男根を口に含んだまま、いやいやと首を振った。
口から引き抜くと、男はさらに訊いた。

「こんなに、ちんぽしゃぶるのがうまいんだ……。
男のちんぽ汁くらい、飲んでるんだろうが?」
「いいえ……」

なおも、美香は首を振って否定する。

「見え透いた嘘を言うなよ」

男はせせら笑った。

「これだけのことしてやれば、男はおまえの口の中でイキたがるだろう?
我慢できずに射精しちまってもおかしくない。
俺だって、今イクことを言わずに出して、おまえに無理矢理飲ませる
こともできたんだぜ……」

ほんとうは、いままでに何度も飲んだことがある。
味わうことにも、抵抗はさほどなかった。
ただ、このままこの男の命令を素直に受け容れることは、したくない。
少しの抵抗が、一層男を燃え立たせるのを知った上でのことだった。

「俺の、精液を、飲め。…飲まないと、あそこにちんぽぶち込んで
イカせてやらないぞ……」

いうことをきかない幼児をあやすように、優しく男は囁いた。

「しゃぶれ…」

美香は、男の言葉に操られるまま、フェラチオをはじめた。

「俺が出したら、そのまま口でまた大きくさせろ。
そうしたら、たっぷりおまんこをイカせまくってやる。いいな…」

美香の秘所が、その言葉でうずくと同時に、男への奉仕を始めた。
…ウラスジに舌を擦りつけて、上下に往復させる。
カリ首のくびれに舌を巻き付け、ぐるりと周囲を舐めまわす。
そのまま張ったカリに吸いつき、亀頭を歯でこする……。

「……ああ……。いい……。おまえの、唇は……最高、だ………」

男は冷静な表情が崩れ、凛々しい顔を陶酔のあまりに歪めていた。
美香の舌戯に加え、自分から腰を動かしつづける。

「出すぞ…。おまえの、色っぽい口に、全部出してやる…
汚して、やる…。 …おまえの口を、俺のザーメンでな……。
一滴も残さずに、飲め………」

ああっ……と、抑えられない快楽の声をあげて、男は激しく射精した。
美香の口内に、生ぬるい粘液が大量に浴びせられる。
口の奥深くまで注ぎこまれる液を、美香は呑み込んだ。
二度目の射精にしては、量が多いような気がする。
味も濃かった。わずかな苦みが、舌に感じられた。
決していやな味に感じない…。むしろ、その逆だった。
美香は、放出の快楽に脈打つ怒張の亀頭部分を舐めた。
鈴口からこぼれてくる精液の残滓を、巧みにすくい取る。

「…ああ…そうだ。ちんぽについてるのも、みんな、きれいにしろ…」

男のものの硬度が、射精によって失われかける。
美香が奥までくわえ込み、吸い続け、舌と唇を使いまくると
口の中のものは、また力を取り戻しはじめた。

「うまいぞ……。もう、感じてきたぜ……」

美香の舌遣いもさることながら、男の回復力も目を見張るほどだった。

それほどに興奮しているのか、すぐに熱さと固さを漲らせてきた。
男は、美香に口での奉仕をやめさせた。
そそり立つものは彼女の唾液で濡れ、てらてらと妖しい光沢を
放っている。

「約束通り…こいつで、たっぷり可愛がってやるよ…。
俺がイクまでに、おまえを何度も、何度も…おかしくなるくらい、
イキまくらせてやる……。」

激しい陵辱を宣言されて、美香は腰から下の力が抜けていき、
しびれるような、たまらない快感を感じてしまう…。

「その前に…おねがい……」
「なんだ?言ってみろ…」

美香は、怯えと情欲の昂進に葛藤しながらも、口を開いた。

「ゴムは…つけて、して……」

一度は避妊をしてくれても、口内射精を強制させられて…今度は
膣内射精をされることを恐れていた。
男の要求がエスカレートしない保証はどこにもない。

「…安心しろよ…。ナマでは、出さないから」

くくっ、とおかしそうに笑いながら男は続けた。

「…自分から、犯してくれ…と言ったも同然だな」

男が指摘した通りだった。
避妊さえしてくれれば、犯されてもいい。そういうことだった。
しかも、女の自分からそれを求めている。

「それじゃ…着けてもらおうか」

男は、ベッドの背もたれの上の箱をあごで示した。

「あそこに、コンドームがある…おまえの手で、ちんぽにかぶせろ」

瞬間的に、屈辱感と、羞恥心が当然湧き出てくる。
けれど、それらを凌駕する切実な性の欲求には勝てなかった。
ベッドに膝立ちする男に、美香は逞しい怒張にコンドームを被せた。

それは、いかにもいやらしい黒い色をしていた。
黒色の男根を見ただけで、美香は新たな蜜をこぼしてしまう…。

「よし…よく、出来たな」

男は美香を押し倒し、乳房を激しくしゃぶりながら秘所に怒張を
押しつけてきた。
それだけで、美香はうっとりとその感触を愉しんだ。
足を広げられ、男に両足を抱え上げられる。

………来る………。
美香は、胸を躍らせて挿入を待った。

「いくぞ……」

男のものは、ぐうっと膣内に侵入してきた。

「あああっ………!ああ………」

灼熱の肉棒が、美香の秘境を充たしていく。
ものすごい充足感に、頭と腰がじんじんと強くしびれていってしまう。
焦らしに焦らされ、クリトリスで三度もイかされ、そのあげくでの
やっとの挿入だった。
感じないはずがない。
男は腰を使いはじめた。
出し入れをされるたびに、太いものが突き刺さる。
そして、膣から出ていく寸前まで引き戻される。
特に感じる膣の入り口を、いやらしく張ったカリ首で突つかれると
美香は急速に頂上に突き上げられていった。

「あああっ……!イっちゃう……。ああ………。
もうダメ、はあ、ああっ………」

絶頂の瞬間、男のものを締め付けて、快楽を追いつづける。

「ふふっ…もう、イったのか……。おまんこが、きゅっと締まってる。
そんなに、おれのちんぽが感じるのか………」

勝ち誇った様子で、男はふたたび動きはじめた。

「まだまだだ…もっと、もっと、何度でもよがらせてやる。」

ゆっくりと、男はリズミカルに律動を加える。
今度は、クリトリスの裏側に位置するくぼみ…いわゆるGスポットと
呼ばれる部分に突きあたってくる。

「あっ……あん、そこ……。いい……。」

男の緩慢な動きがもどかしく、美香は自分からはしたなくねだった。

「おねがい…。もっと…。
あ……。もっと…。ああん、うごいてぇ……」

鼻にかかる甘い声で、まるで恋人にせがむように言う。

つい数時間前までは顔を合わせたこともない、赤の他人同士だった。
ただ電車で乗り合わせて痴漢行為を働かれ、感じさせられてしまった。
そしてここに軟禁されるかたちでのレイプ。
しかも、そのレイプでさえも素晴らしい甘美な悦楽を伴っていた。
美香のすべてが、男の思うままに操られている。
いけないと思いながらも、肉体は容易に意志を裏切り快感を貪る。
男の巧妙な仕掛けに、美香自身が望んではまりこんでいっている。

「自分で、腰を振れ……」

乱れる彼女を上から見下ろしながら、男は冷たく笑った。
言いながら、あくまでもゆっくりとしか動かない。
美香は男に組み敷かれながら、腰を前後、左右に使いはじめる。
そうせずにはいられないほどの、快楽だった。
すると、男は突然美香の膣内から腰を引いた。
愛液が淫らに糸をひいて、男の黒い怒張と美香の尻を結んだ。

「ああんっ……いやっ……」

思わずそんなことを口走ってしまう。

男は、ベッドにあおむけになった。

「上に、なれ……自分で、入れてみろ」

とことんまで、美香が自分から犯されることを望むかたちに
させるつもりらしい。
男の逞しい筋肉質な肉体に、それにふさわしい威容を誇る
黒い男根がそそり立っていた。
見ているだけで、あそこがうずいてくる眺めだった。

おずおずと男の側に寄り、男のものを見つめる。
これが、美香に与えられる悦楽の源泉だった。
犯されているということを忘れ、男の厚い胸板に頬ずりしたくなる。
愛する男でもないのに、積極的に男を歓ばせたいと願う衝動にかられた。
見ればみるほど、男の秀麗な顔も、長身で鍛えられた肉体美も、
なにもかもが美香を魅了してやまなかった。
はじめは無理にでも、今は合意の上でのセックスをしているとしか
思えないほどだった。

美香は、思い切って男の腰に跨り、漆黒のゴムに包まれた怒張に
手を添え、股間に導いた。
すぐには入れずに、亀頭部分が秘所をこする快感を味わう。
このまま、クリトリスを刺激されればまたイってしまう。

「ふふ…俺のちんぽで、オナニーか?
好きなようにしろよ…全部、見ててやる。おまえの恥ずかしい行動を。
…さあ、そろそろ入れてみろ……」

太く熱いものを、美香は男に呼応して包み込んだ。
騎乗位になっているせいか、さっきよりも男のものが太く感じる。
美香の膣内も下を向いて、締まりがよくなっている状態だった。

「あ……。ああ………」

今度もGスポットを狙い、男のものがそこを突くように仕向ける。
まもなく、確実にその部分に快感が押し寄せてくる。

「あっ……。あっ……。ああ……。あ………」

切ない声をあげて、切れ目なく上下の運動を楽しみはじめた。

喘ぎながら、自分で乳房を掴みしめたくなる。
自分の乱れた吐息と、時々もれる粘膜をこする水音だけが響く。
男は、下から半眼になって美香の痴態を見ている。
目の前で揺れるたわわな乳房に手を伸ばし、揉みほぐす。
乳首を指でつままれ、こすられる。
その刺激が、いっそう美香の内部を収縮させ、快感が増していく…。

「いいのか…。乳首、感じるだろう…。おまんこ、締まってきたぜ…」

Gスポットのへこみの部分を、男の亀頭が小刻みにこすりつける。
少しずつ…前から奥へ、奥から前へ。突いては引き、引いては突く。
美香の声は絞り出すような声に変わり、眉間に皺を寄せている。
苦痛に耐えているのではなく、迫り来る頂点に向けて集中していく。
男の胸に手を突き、上半身を揺らしながらよがり続けた。
口をついて出るのは、いい…いい…と、すすり泣くような声だった。
感じる部分に男根の先を固定して、あとは腰の上下の運動から
前後への蠢きに変わる。
そこへ、男の動きが加えられた。
素早く、刻み込むように美香の秘奥をつついてこする。

「こうか…こうすると、いいのか……」

美香は、もう声も出せずにただ息を弾ませるばかりだった。

もうすぐ、いく…。
歓びが、美香の中で真っ白にはじけた。
膣内が、途方もなくふるえ、わななき、激しくひくつく。
長く、深く続く快楽は、数十秒以上続いていった。
それが美香には無限に続くかのように思えた。
頭がしびれて、なにも考えられなくなる……。

…一瞬、美香は意識が遠のいていくのを感じた。
身体に、力が入りきらない…。
自分で自分の身体を、支えていることができないほどの陶酔…
次いで脱力感が襲ってくる。
男の上に跨ったまま、前のめりに倒れんでしまった。

男の胸に上体を預ける形で、美香はまだ口を半開きにして
呼吸を整えようとした。
まだ、男のものは美香の中で確かに息づいている。
繋がったまま、頂点を迎えた直後の激しい膣内の収縮に耐えている。
さすがに3度目になる射精を前にして、まだ男には美香の身体を
愉しむ余裕が見てとれた。

「…よかったか?」

美香の髪を撫でながら、男が訊いてくる。

「ええ……」

思わず、素直にそう答えてしまう。

「まだ、入ってるのがわかるだろう…」

男が、下から腰を突き上げてくる。

「あっ………」

美香は、小さな高い声をあげてしまった。
そのまま、男は再びゆっくりと動きを加えはじめた。
快楽の余韻に浸りきるいとまもなく、美香はいやおうなしに
男の責めに応じなければならない。

「あっ、いや……。
ああ、もう……。ゆるして……」

言いながらも、美香は男の緩慢な突きに官能を刺激されていた。

「そんなこと言いながら、よく締め付けてくるぜ…
これが、好きなんだろう?」

男はあくまでもスローモーに、美香の内部を突き上げた。
下から、男の手が美香の細くくびれたウエストにまわる。
もう片方の腕が、腰をぐっと押さえるようにして固定する。
……男は美香と繋がったまま、身体を起こした。
より一層結合が深くなり、美香は大きく喘いだ。
騎乗位から対面座位に、体位を変えられる。

凄い……。
美香は、胸の中で呟いた。
密着感を高めるように、向かい合って抱き合う形になった。
そのまま、美香を貫いているものは太さも固さも増したように思える。
彼女自身、そんな姿勢をとっていることで膣内の締め付けも強くなっている。

美香を腰の上に乗せたまま繋がり、男は再び突き上げを始めた。
膣を充たしている男根の先が、ときおり深奥の子宮近くまで届く。
強靱な腰遣いで、ぐっと膣口の近くにまで引き戻される。

「はぁっ……。ああ………。」

軽いめまいを起こしたように、頭がくらっと揺れるほどのよさが
彼女の内部を痺れさせていた。

凄い……。
この男は、凄い……。

こんなにも自分を乱れさせながら、それでいて男は殆ど乱れた様子を見せない。
冷静な、真面目とも言える表情で美香を刺し貫いていた。
艶めかしく開いた美香の唇に、男が唇を重ね合わせる。
舌を差し入れられると、彼女も夢中でぬめる舌を男のそれにからめる。
そのうちに、男の舌のリズムは、同時に美香を貫くものとほとんど一緒の
タイミングだということがわかった。
浅く入り口に入っているときは舌先だけが動く。
深く差し込むときには、舌の根元までを強めに吸い、舐めてくる。
こんな技巧は、美香がはじめて味わうものだった。

興奮のあまりに頬を上気させ、とぎれとぎれに喘ぐ美香の表情を
男はただ見つめていた。

「どうだ…?気持ち、いいか…?」

淫らな笑みを浮かべながら、また言葉で美香を嬲りにかかる。

「……いい……。あ……。…ああ……」
「気がついたか?さっき、キスした時……」
「ええ……」
「どういうことか、言ってみろ」

これは、舌と男根が同時に動いて責めたときのこと…。
美香はそう答えた。

「そうか……」

男はそれを聞いて、満足そうに笑った。

「ずいぶん、気持ちよさそうにしてるな…。そんなに、俺に姦られてるのが
いいのか?」

まだ男には美香を弄ぶゆとりがあるらしい。
既に二度射精している。
じっくりと、時間をかけて美香を責め苛むつもりのようだった。

「おまえは、無理矢理やられてるんだぜ…。好きな男でもなんでもない、
今夜初めて遭ったばかりの俺に。
それなのに、おまえは何度イった?犯されてるのに、何度も感じまくって
よがり狂って……」
「いやっ……!いや………」

そんなふうに、卑猥な言葉で辱められ、責めたてられることで、美香はいっそう
身体が熱く燃え上がってしまう。
なおも男は続けた。

「いやらしいことなんて知りません、なんて可愛い顔して…
中身は、ものすごい淫乱なんだ。
おまえ、さっき自分が俺になんて言ったか…覚えてるか?」
「……知らない…知りません!」

美香は首を左右に振り立てるばかりだった。

くくく、と男は低い笑い声をもらした。

「俺が、ちんぽ動かさなかったら…“お願い、もっと動いて!”
なんて言ったんだぜ。
俺が入れる前に“ゴムは着けてして”とも言ったな。」

……その通りだった。
情欲の熱狂に任せて、とんでもない淫らなことを口走っていた。

「自分から、俺に犯して欲しい、と頼んだんだ。
電車の中でも…そう言ったな。
駅に降りる時にでも、いくらでも逃げるチャンスはあった筈だ。
俺は刃物で脅したわけでもない。そんな物も持ってない。
ここについてきたのは、おまえ自身がそう望んだからだろう。
俺にこんなことをされるのを、期待してたんだろう」

有無を言わさず、男は得々と畳みかけるように語った。

そう……そうよ。
あなたの、いうとおりよ。
あなたが、素敵だったから。
あんまり、気持ちよすぎたから……。

表面は何も言えず黙っている美香の胸を、男は揉みしだいた。

「あ……」

途端に、美香はよがり声をあげてしまう。

「おまえは、レイプでも気持ちよくなれればそれでいいんだろう。
俺が相手でなくとも、他の男でも誰でもいいんだ。
ちんぽぶち込んでくれれば、誰でも歓ぶんだろう」
「いやあっ……!ちがう……。
ちがいます、そんな……そんなこと……」

男は淫らな蔑みの言葉を吐きながら、少しずつ興奮の度合いを
増してきた様子だった。

相変わらずゆっくりと、時にはまったく動きを加えずに
男は美香の内部を責めていた。
口先では男の言葉を否定してみせても、この男はなにもかもを
見透かしているように思える。
美香の心の奥底に潜む、暗く深い部分のすべてを。
それが美香の隠し持つ性癖…マゾの快楽、そのものだった。

自分では認めたくなくて、認めることが怖くて心底から
考えたことはなかった。
なぜ自分が、あの異常な状況で男に身体を許してしまうのか。
身体だけではなく、心までも男に操られてしまう。
男の言うなりになっている自分。
淫猥きわまりない要求を満たそうと、男にかしづき奉仕してしまう
自分……。







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