カルメン 続編
峰龍太郎×三木清良


前回:カルメン(千秋真一×三木清良)

俺は、彼女の様子がおかしいことに、とっくに気づいていた。
ニューイヤーコンサートの前、鬼気迫る、気合い入りまくりの猛練習・・・。
合間を見計らって俺が話しかけても、どこか うわの空。
公演用のドレスを選ぶのにも、ついて来なくていいと言った。
ーーまた、なにか悩んでんのか?


軽井沢で見たときにも「いい女だな」とは思ってたけど。
清良の弾く無伴奏ソナタを初めて聴いて感動して、思わずその場で「告白」してから
俺たちはなんとなくお互いを意識しはじめ、一緒にいる時間が増えていった。

俺は、好きな女のことはよく見てる方だから、いろいろ気づく。
同じオケの男からこっそり手紙を渡されてたな?(ラブレターか?)とか
コンクール前でナーバスになって、R☆Sの方に気持ちが入ってないな、とか
本舞台の清良、見ただけで、ん?首がおかしいのかな と思ったし

そんな俺が、心にぬぐいきれない思いを抱えてることを、清良はきっと知らない。
今は俺の彼女だけれど、ーーコイツはもしかしたら、千秋が好きだったんじゃないだろうか。
流れで(?)俺と付き合い始めなかったら、最初から千秋と付き合いたかったんじゃないのか。
実際、千秋めがけて桃が丘まで来たわけで。(でも、それが無かったら今こうなってないわけだけど。)
ーーR☆Sオケ初演の後、うっとりと千秋との握手を思い出してる彼女を見てしまってから、
その思いは消せなくなってしまった。

正直、千秋と勝負したら俺の方が 分が悪いことなんてわかってる。
あいつに比べたら才能ねぇし、努力も足りねぇし、頭、悪りぃし、家柄も大したことない。
けど、そんな俺は、地球上の誰よりも清良を愛してる。
惨敗したコンクールの後、さんざん酔ったあげくにホテルに誘われて、びっくりしたけど
俺は前から彼女を大事に想っていたし、大切にする自信もあったから、寝たんだ。

コンマスに高橋君を迎えて、清良をウィーンに送り出そうと考えたのだって、無い知恵 絞って。
一人で悩んでいた彼女に対して、俺にできることがないか、俺にしかしてやれないことは何か
を考えて、実行したんだ。

「龍・・・ありがと・・・」

千秋のいる前で彼女を抱きしめた事で、どっか気持ちが少しだけ軽くなってるのを感じてた。

ーーーだけど。

「ゴメン、急用。先行ってて」

コンサートは大成功で、清良のカルメン幻想曲も最高に良かった。
でも終演後、このメール以来、彼女と連絡がとれなかった。ーーー千秋とも。

その急用のことは、今でも何も言おうとしない。
今の彼女は、一見普通に見えるけど。ーーー身体だって、こうして、前と同じく合わせてるけど。
心が、合ってない感じ・・・。 こいつ、まさか、ーーいや、そんな。
もうすぐウィーンに行ってしまうから、少し不安なだけだろ? 俺も、きっと彼女も。

「い、痛い」

抱き締めていた腕に知らないうちに力が入りすぎてたらしい。腕の中の彼女が小さく叫んだ。

「あ、ゴメン」

そう言って彼女を見たけど、彼女は俺を見ようとしなかった。 カッと身体が熱くなり、
次の瞬間、彼女の中に入っていた俺自身に 一気に熱いものが集まって、
彼女の中がはちきれてしまいそうな程、ぱんぱんになった。
それを合図に俺は、彼女の肩を押さえつけ、激しくピストンを始めた。

「あっ、やだっ・・・きゃぁっ!」

叫ぶ声にもかまわず、無言で、激しく、突き上げ続ける。
わざと音を立てるように荒っぽく、ぐちゃぐちゃにかき混ぜる。
前側のざらざらした部分を、思いきり擦るように腰を打ち付ける。
気持ちいいのかどうかなんて、もうわからない。つか、もうどうでもいい。

俺は、彼女を、俺にできるかぎりで愛してきたのに...。

「イヤぁ・・あぁ、・・もう、やめ・て・・!!   ・・・・・龍?」

彼女が。やっと俺を見た。俺は頬を涙が伝っていたのにやっと気づいた。

「・・・清良」

彼女が千秋と寝たなら、しかたがない。ーー俺は、彼女の何もかもすべてを愛してるんだから。
のだめを迎えに行き東京に連れて帰って来た千秋は、多分こいつを選ばないんだろうし、
こいつも、自分には俺がいるのはよくわかっているんだろう。
その上で、なお、千秋と寝たかったのか・・・。そして、千秋も。
脳裏に、小さかった裂傷が だんだんと大きく深くなっていくさまが浮かんだ。・・・・痛ぇ。・・
誰かを愛したら、こんなに痛い思いをしなくちゃなんねぇのか?


「痛いわ・・・」

彼女は動きを止めた俺から身体を離すと足許に降りて行き、俺のモノをそっと握ってキスをした。
そしてゆっくり口の中に含み入れ、やさしく舐めた。
さっき激しくしすぎたからちょっとヒリヒリする。でも、気持ちいい。清良の、襞の中とはまた違って。

「好き・・・好き。大好き・・・」

清良はそうささやきながら、俺を見つめながら舐め回してる。

「好きよ・・・・龍」

こんなこと、彼女が言うなんて珍しい。それに、柔らかい、甘い顔をしてる。 清良・・・・・?
そして彼女に誘われるまま、初めて俺は、彼女の口の中で果てた。


気持ちの整理が ついたのかな・・・。俺の胸にもたれて眠る彼女の顔は、とても安らかだ。
きっと、ずっと前からの千秋への気持ちに、けりをつけたんだよな・・・

清良。オマエはいつだって、オレの真っ赤なルビーだからな。

ーーーどこへ行ったって、どんなことがあったって。






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