義姉さん4
シチュエーション


「ただいま」

普段より十分ほど遅い帰宅。オレは台所のテーブルの上に食材が入ったスーパーの袋を置くと、袖をまくって流しで手を洗う

「お兄ちゃん、お腹すいた〜。今日のごはん何?」

居間でテレビを見ていた麻美ちゃんが、袋の中身をガサガサと物色する

「あ〜っ。ちょっとお兄ちゃん、私ピーマン嫌いなんだケド」

不機嫌な声でぷくっと頬をふくらませる

「ガキみたいな事言ってないでさ、肉と一緒なら食べられるでしょ?すぐご飯作るから、あっちで待っててよ」
「む〜〜」

麻美ちゃんはいたし方ないという感じで、また居間に戻っていった

袋の中からピーマン、半玉キャベツ、豚肉スライス、絹ごし豆腐を、冷蔵庫から斜め切りにした長ネギが入ったタッパー、おろしにんにくとおろししょうが、みつばを取り出してテーブルに並べる
コンロの上に水をはった鍋とフライパンを置き、水屋から茶碗を取ってくる
その中に豆板醤、醤油、酒、みりん、おろしにんにくとおろししょうがを入れて混ぜ、タレを作る
キャベツとピーマンはざく切りに。その間にフライパンを熱しておく。野菜を切るのが終わった頃には、適当にあったまってるハズなので、油を敷く。この時に鍋にも火をかける
フライパンから白い煙が立ち始めたら、ピーマンを最初に入れて炒める(根拠は無いが、その方がいいような気がする)
それから豚肉、キャベツ、長ネギを入れて炒め、全体に火が通ったら、タレをかけ回し、また少し炒める。その後、火を止めて蓋をして蒸し上げる
二、三分したらフライパンから皿によそう

次に鍋の水が湯立ったら、だしの粉をこさじ一杯分入れて溶かす。沸騰しそうになったら弱火にし、さいの目に切った豆腐を入れ、一、二分ほどあっためる
そこに味噌を溶かし入れ、溶けきったらゆ〜っくりかき混ぜて、しばらくしたら火を止める
みそ汁を汁椀に入れ、最後にみつばをちょんちょんと乗っける

……オレ流ホイコーローとオレ流豆腐のみそ汁の完成……

味はどうかな?…うん、美味い。これなら会社を辞めても食い物屋に就職できるな
ご飯は残ってるかな?…まだ大丈夫だが、念のため夕食後に新しいのを炊いておこう

茶碗にご飯を盛り、おぼんに料理を乗せて、居間までいそいそと運んでいく

「ごはんだよ〜」

ちゃぶ台の上の料理を囲んで、いつものように夕食が始まる

「麻美ちゃん、美味い?」
「うん」
「みそ汁、美味い?」
「ずずっ、うん」
「…張り合いのない返事だなぁ」
「何がよ、おいしいって言ってるんだからいいでしょ?」
「もうちょっといいリアクションってもんが……ほらぁ、ピーマン残してんじゃん」
「あ〜っ、もう!お兄ちゃん、お母さんよりうるさいぃ〜」

麻美ちゃんは口をとがらせて、ピアスをもじもじといじる

「いい具合に味ついてるから、大丈夫だよ。ほら、食ってみて」
「うん…」

麻美ちゃんはのそのそとした動きで、ピーマンを箸に取り、口に運んだ

「どお?」
「……おいしい」

麻美ちゃんがここに来て、ひと月近く経つ。最初は家事を分担するつもりだったが、彼女の家事能力は悲惨の一言であったため、自然とオレが全て担当する事になった
最初は愚痴を言いながらやっていたが、今ではすっかり家事に目覚めてしまい、会社が終わると速攻で帰宅して、料理、洗濯、掃除をするのがちょっとした楽しみになっている
まあ、そんなオレが会社に行ってる間、麻美ちゃんは寝てるかテレビ見てるかのどっちかだが……やっぱ麻美ちゃんって男をシモベにする才能があるのかな?

「そういえばお兄ちゃん、もうすぐ給料日でしょ」
「…何で知ってんの?」
「こないだ自分で言ってたじゃん」
「そうだっけ」
「お兄ちゃん、そしたら…私としに来るの?」

結構大胆な事を言うもんだから、こちらとしては赤面して顔を逸らしてしまうしかない

「んっ…そうだといいけど」
「え、何で?」
「だってさぁ、そんな簡単に行けるような所じゃないよ」

エロティックパレスは、いわゆる高級店の類ではない。だが質に自信があるためか、値段はやや高めだ

「お兄ちゃん、そんなに給料安かったんだ?」
「そうだね。食費が一人分増えたからね」
「むぅ〜〜。…でもさ、お兄ちゃん、たまってないの?」
「ご心配なく。何とかしてるよ」
「へー?女の子と一緒に住んでるのに、一人でしちゃってるんだ?」
「…じゃあさ、これからはオレがたまってきたら、麻美ちゃんの部屋に行っていいの?」

今度は麻美ちゃんがカーッと赤面した

「バ、バカ!お兄ちゃんのエッチ!やっぱり私の事、そういう目で見てたんだ!」

残りの料理を一気にかっこむと、ガシャンと箸を置いて、すっくと立ち上がる

「ごちそうさま!」

ぷいっと顔を背けると、どすどすと足音を立てて、寝室に入っていった

(言ってる事が支離滅裂だ…)

同居するにあたり、寝室は麻美ちゃんにあげて、オレは居間に着替えと布団を持ちこみ、そこで寝起きしている
正直、何度も寝室に忍び込もうと思った事はあるが…出勤の度に、クタクタになって帰ってくる麻美ちゃんの姿を思い出すと、どうしても躊躇してしまう
慣れていない上に、人と合わせるのが下手な性格だ。望んで就いた仕事とは言え、かなりキツいだろう。だから、家にいる間くらいは、ゆっくりさせてあげようと思ったのだ
…って、ハハハ。自分で自分に言い訳してやんの、オレ

(とりあえずこれ片付けて風呂に入るか…)

そんな事を考えながら、おぼんの上に、空になった食器をかちゃかちゃと乗せていった

それから数日後…

(あっ、当たってる……!?)

昼休み、携帯でモト6の結果発表を見て、オレは腰を抜かした。だが、何度見てもオレの番号…!

(し、しかも…賞金四十万……!)

当たるわけないよなあ、と思いつつ、ひょっとしたら、いつか当たるかも…という期待を込めて、週一に一口のペースで買いはじめたのが約三ヶ月前
遠い将来がこんなに早く来るとは思わなかった…。ホントに私でいいんですか!?ゆっくり考えていいんですよ神様!

「……はっ!?」

何かの物音がした…ような気がする。実際には、全くそんな事は無かったのだが…。突然舞い込んだ幸運に、オレの警戒心はMAXになっていた

(と、とりあえず、誰にも知られないようにしないと…)

他人にバレると面倒だ。誰の目にもつかないよう、慎重に社内を移動する。実際には結構な人数に目撃されていたのだが、その姿はかなりの挙動不審者に見えた事であろう
そして、なんとか会社の外に出ると、希望と期待を胸に、最寄りの銀行まで駆け出していった

(四十万入ったらどうする…!とりあえず…とりあえず…!今日の昼飯は豚骨ラーメントッピング全のっけ…!)

『え〜っ、残業で遅くなるの〜!?』
「ごめんごめん、いきなり仕事が増えちゃってさあ。晩飯は適当になんか食べててよ。お金はあるでしょ?」
『お兄ちゃん、今日はカレー作るって言ってたのに〜』
「ごめんね…。あと仕事終わったら少し飲みに行かないといけなくなったから、もうちょっと遅くなる…。先に寝てていいよ」
『むぅ〜、わかった…』
「明日は絶対早く帰るから、ね?」
『うん…』

通話を終えて、パタンと携帯を閉じた

(許してくれ麻美ちゃん…。今度は何だってご馳走してあげるから…)

正直言って、罪悪感はある。だが、今の今だけは…自分のために金を使わせてくれ…!

「ふぅ…。さぁ〜て!何して遊ぼっかな〜〜!!」

……で、オレは今、またしてもエロティックパレスの前にいる
大金を手にした途端、ムクムクとスケベ心が湧いてきて、女の子遊びでもしようかな?と思ったのだが…
ナンパは失敗するに決まってるし、キャバクラは一人で行ってもつまらない。他の風俗店はやっぱ怖いし…
という訳で、遊べる所と言えば、ここしか思いつかなかったのだ。年食ってから女を知った男は、これだから困る

(はは、オレって節操ねえなぁ)

とにかく、麻美ちゃんは家にいるし、義姉さんは今日休みのハズだし…やっぱ行ってみるか
意を決して店に向かおうとした時、突然声をかけられた

「あら、アキトくんじゃない」
「げっ、ね、義姉さん!?今日は休みのハズじゃあ…」
「ええ、そうなんだけど、オーナーと話をしてたの。もう帰る所だけどね。あなたは遊びに来たの?」
「は、はい…」
「ん〜、でも今日は麻美ちゃんも休みのはずだけど…」
「……」
「浮気?」
「ね、義姉さん!この事は麻美ちゃんには…!」

咄嗟に、義姉さんに頭を下げるオレ。みっともないったらありゃしない

「はぁ…。でも、お客様を邪険にするわけにはいかないわね…。わかったわ。今日は見なかった事にしてあげる」
「あ、ありがとうございます」
「麻美ちゃんともい〜っぱい仲良ししなきゃダメよ?じゃあね」

義姉さんは、コツコツとヒールの音を響かせながら帰っていった

……義姉さん……オレと麻美ちゃんの事を……?
い、いや、せっかく見逃してくれたんだ!集中集中!
気合いを入れ直して、店に入って行った。頭の中は、二人への詫びでいっぱいだったが

「ふぅ……」

いつも通り、ベッドに腰掛けてを待つ。今回も女の子はおまかせにしてしまった。どんな子がくるのだろうか…。まあ、この店の事だから、変な子は寄越さないとは思うが…
そうしていると、ドアをコンコンとノックする音がした

「しつれいしまーす」

なんだこのアニメ声は

「こんばんわー」
「あ、どうも…げっ!?」

入ってきた子を見て、オレは仰天した
ぱっちり大きな瞳に長いまつ毛に、小さく形のいい桃色の唇
かわいらしさに満たされて整っている顔立ちと、柔らかにウェーブした髪が頭の両サイドで結わえられていて、とてもよく似合っている
ミルクのように白い肌は、室内の光を弾き返して、みずみずしく若さを誇示している

…と言えば余程の美人のように思えるが、そうじゃない
小さい。顔も、体も、胸も、腰も、手も、足も、頭身も、なにもかも小さい
赤に近いピンクのベビードールに身を包んだその子は、小学生にしか見えなかった

「はじめてのお客様ですねー。はじめまして、ほんじつお相手をさせていただきます、ともです」
「………」

オレの脳裏に『摘発』という言葉が浮かんで、内蔵が苦しくなった

「あ、わたしこんな風ですけど、ねんれーははたちだからあんしんして下さーい」

これで二十歳…。なら大丈夫だな、よかった。…じゃねえよ!…ビックリ人間ショー?

「ごーほーロリだから、オッケーですよ?にひひっ」

唖然とするオレを尻目に、彼女は真夏の空のように、明るくにかっと笑った
可愛い。確かに可愛い
だがそれは性的な可愛さではない。本当の本当に可愛いのだ。だからこそオレのヤる気は、しゅるしゅると音を立てて萎えていった

「お客さま、きょうはおしごとのかえりですかー?」
「…え?あ、うん」
「ひゃー、おつかれさまですぅ。それじゃあきょうは、ストレスもせいよくも、パーッとすっきりさせていって下さいねー」

…待て、オレはこの子で性欲をすっきりさせんといかんのか

「それでは、シャワーにごあんないしますねー」
「あ〜、ちょっと待って」
「どーされました?」
「えっとね…お名前は何ちゃんだったかな?」
「はい、ともですぅ。よろしくおねがいしまぁす」
「あ、そう。ともちゃんね。…………チェンジ」
「えーっ!ど、どーしてですかー!?」
「いや、だってオレそういう趣味ないし」

さすがに、小学生くらいにしか見えない子とするのはオレには無理だ
つーかこんな子まで在籍しているとは…。品揃え良すぎだろ、この店

「あはっ、さいしょはみなさんそう言うんですよ?でもさいごにはみーんなすっきりして帰られるんですからぁ」
「うーん、でもオレ、逮捕とか怖いしなぁ」
「だ、大丈夫ですよ!こー見えてもわたし、ちゃんとせいじんしてますから!もう大人の女なんですぅ」

小さな体をバタバタさせながら訴えているその姿は、大人の女とは程遠いものがあった

「いや、実年齢の問題じゃなくて、見た目の…」
「な…っ。で、でも、わたし『てくにっく』には自信がありますからぁ!いっぱい、い〜っぱいサービスして、ぜったいまんぞくさせてあげますぅ!…ね、だからわたしに決めて下さいよぉ、お客さまぁ…」

キンキンのアニメ声で、オレにウッフ〜ンという感じの目線を送ってきた
…が、マセガキがいっちょ前に、色目を使ってるおねだりしてようにしかオレには見えない

「へえ、そんなにすごいテク持ってるんだ」
「はい、ぜったいきもちいいですよ?」
「いっぱいサービスしてくれるんだ?」
「はい、せーいっぱいごほうしさせていただきますぅ」
「………チェンジ」
「な、なんでダメなんですかー!?」
「だってさあ…見た目子供だと立たないよ、やっぱ」
「じゃ、じゃあ、わかりました。ためしにちょっとだけわたしのサービスをうけてみてぇ、それから決めてもらうというのは…」
「そんな事したら、チェンジできなくなっちゃうじゃん」
「うう…どうしてもチェンジですかぁ…?」

ともちゃんは、眉をゆがませた。困った顔もまたかわいらしい

「そうだなぁ、悪いけど、そうしてもらえる?」
「むぅ……こうなったらしかたありませんね…えいっ」

がばっ

チュッ

「あっ?」

ベッドに腰掛けているオレに突然しがみついてきて、軽く唇を奪った

「へっへー、おくちどうしでキスしちゃったから、もうチェンジできませんよーだ」
「な、なにィ!?」
「これでもうわたしのお客さまですねー」

してやったりという笑顔と、勝ち誇ったような物言い。普段は温厚なオレだが、いい加減キレた

「むっか〜〜!!何やってんだこのガキ!店長を呼べ!」

いくらなんでもしつこすぎる。悪質と言っていい

「ねー、そんな事いわないでぇ、もうここまでしちゃったんですからぁ、ちからいっぱい楽しみましょーよー」

オレの怒りをよそに、ともちゃんは、胸にほっぺをすりつけながら、ニヤニヤとオレの顔を見上げている

「あー!もう何言ってんだ!いい加減離れなさい!」
「そんなにイヤなんですか?」
「当たり前だ!こんなしつっこい客引きまがいの……」
「うぅ…ぐすん…えぐっ…えぐっ…」
「…ん?」
「おねがいします…わたしと…あそんでってください…」

いつの間にか、ともちゃんの目は涙で潤んでいた。泣き出すのを耐えているのか、下唇を噛んで、小さな両手はオレの服をぎゅっと掴んでいる

「困るんです…お客さまにあそんでもらえないと…わたし、困るんですぅ…」
「お、おい…」
「どんなおつとめもいたします…。ですから、おねがいしますぅ…」

彼女の両腕がオレの首に回され、お互いの頬が密着する。マシュマロよりもなお柔らかな感触に、不意に体が熱くなった

「おひげがちくちくしますね…。わたし、これ大すきです…。男のひとってかんじがします…」
「……」

オレには子供の趣味は無い…ハズなのに、心臓はギュンギュンと動き出し、局部に血液を集め始めていた
異性と肌が触れ合っている、という事実に、肉体が精神を無視して反応しているのか

「わたしとあそんでください…。でないと…でないとわたし…。うっ、うっ、うええぇぇん……」

ともちゃんはとうとう泣き声を上げてしまった
この、「女の子を泣かせた」という事が最大の要因になって、オレの心は、ついに折れた

「はぁ…、わかった、わかったからさ、もう泣かんでくれ…」
「ぐすっ…、じゃ、じゃあ…」
「アンタの顔を立ててさ…、ちょっとだけお世話になるよ…」
「ホ、ホントですかぁー!?」
「ホントホント…」
「やったー!わーい!それじゃあ、さっそくシャワーにごあんないしますねー」

ともちゃんは、オレからぴょんっと離れると、さっきの涙はどこへやら、コロコロと笑いながら、両手を振ってオレを手招きした

「………」

やられた…。あんなナリでもお嬢はお嬢というわけか…。それにしても、泣き落としにひっかかるとは情けないな、オレ…

「それでは、おきがえはこちらでおねがいしまーす」

浴室の前はちょっとしたスペースになっていて、ここで着替えを行う

「そういえば、お客さまも、わたしに『お兄ちゃん』ってよばれたいタイプですかぁ?」

しぶしぶ服を脱いでいると、ともちゃんに話し掛けられた

「…え?お兄ちゃん?」
「はい、わたしのお客さまって、『オレをお兄ちゃんとよんでくれー』って人がほとんどだったんです。だから、お客さまも、そうなのかなー、って」

(お兄ちゃん…)

頭の中に、麻美ちゃんの姿が浮かぶ

「いや…お兄ちゃんはやめよう。名前でいいよ」
「え、なまえで…?おなまえはなんておっしゃるんですかぁ?」
「……高城アキト」
「たかしろアキトさん…。ふっ、ふふふっ」

オレの言葉に、彼女は何故か笑った

「アキトさんですか。じゃあ、あっちゃんでいいですねー」

…いきなりあっちゃん呼ばわりか。しかし馴れ馴れしい子だ。天真爛漫というか、見た目通りに子供っぽいというか…
そんな事を思いながら、カチャカチャとベルトを外し、全裸になる。他人の前で裸になるのは若干慣れてきたものの、まだ照れが残っている。ましてや、こんなロリ大人相手では、なおさらだ

「では、おめしものはこちらでおあずかりしまぁす」

ともちゃんは、オレが脱いだ服を全て集めると、正座をして、それらをテキパキと畳み、籠の中へ綺麗に収める。それから三つ指をついてぺこりと一礼すると、しずしずと籠を運んでいった
…前言撤回。子供っぽさの無い、なかなか堂に入った大人の動きだった。フルチンで、彼女の所作を眺めているこっちの方が子供っぽい

「では、わたしもしつれいしまーす」

ともちゃんはオレの目の前まで歩み寄ると、音も無くベビードールを脱ぎ、下着に指をかけると、するすると下ろしていき、足から抜き取った

「あはっ、二人ともはだかんぼですねー」

「………」

ともちゃんの裸身を前にして、オレは絶句した
膨らみかけ…とも呼べない、腫れ物のような胸。ちょっとだけ生えてる…と言うより、ほとんど無毛状態の股間。細い手脚は筋肉が存在しないかのようにぷっくりしていて、真っ白な肌が、全身の未成熟さをより際立たせている
これが二十歳の体…。これでは、最近の小学生の方がよっぽど発育しているのではないか

「やだぁ、じっとみてますねー」

胸を隠して、イヤンという風なポーズをとる

「あ、いや…」
「うふふ、あっちゃんもぉ、しまいにはこのちびっ子ボディが大すきになりますよぉ?」

確かにこの体は、ナイスバディの女性と同レベルの衝撃がある。でも大好きになるってのはちょっとヤバい気がする…

「ささっ、それじゃあ、はだかのおつきあいを始めましょーねー」

ともちゃんは、そう言うと、オレの手を取って、浴室のドアをガチャリと開けた

浴室の中は思ったより広い。部屋一面は清潔感のある白で覆われており、一見風俗店とは思えない雰囲気だ。だが、背後にはプレイで使われる道具一式が置いてあり、ここが特別な場所である事を思い出させる

「それでは、ほんじつはショートコースでのごあんないですので、お背中のおながしだけですねー」

手慣れた様子で、髪を素早くタオルで巻きながら、ともちゃんが言う

「おい」
「はい?」
「さっきどんなお勤めもするって言わなかったか」
「たしかに言った気もしますけどぉ、じかんもないし、ショートはシャワーだけってきそくですのでぇ、いろいろ省略しまーす」

(このガキィ……)

「ま、そんなことよりぃ、はやくあったまりましょーねー」

憮然とするオレをよそに、彼女はシャワーのハンドルをキュッと回す
…こんな事なら金をケチらず、長めに時間取ればよかった…。せっかく大金が入ったのに…
いや、ともちゃんとお風呂プレイができないのが残念、ってワケじゃないよ?

「どうですか?あつくないですか?つめたくないですか?」

シャワーから出るお湯を、ちょっとずつかけながら尋ねる

「うん、大丈夫…」
「はい、ではおせなかおながしいたしまーす」

背中にシャワーがかけられると、温かな感覚に、思わずひと息つく。ともちゃん小さな手が、背中をなで回しているのが予想外に気持ちいい

「あっちゃんは、こーゆー所にはよくくるんですか?」
「…何度か」
「このお店は、はじめてですぅ?」
「…いや、ここにしか来た事ないよ」
「ひゃーっ、たいへん!おとくいさまですねー!いつもありがとうございますぅ」

ともちゃんはシャワーを壁にかけると、ボディソープを手に取り、ねちゃねちゃと泡立て始めた

「おとくいさまにはぁ、こちらもきれいにさせていただきますよぉ…」

ぺろりと唇をなめると、オレの正面にしゃがみ込んだ。彼女の小さな顔が、オレのモノと相対する

「お、おい…何を…」
「あっちゃんのここ、ごーほーショタですねぇ。でも、毛はいっぱいはえてますぅ。ふふふ…」

…ごーほーショタって何だ?よくわからんが、あまりいい意味ではないような気がする

「うふっ…お店にはないしょですよ…?」

「ぐっ…!?」

ともちゃんのぬめった手が、オレの竿と玉を猛然と洗い出した。いや、洗うというよりは、ぬるぬるを利用して、揉んでいじくり回すと言う方が近い
物凄いスピードで袋と睾丸を揉み回すが、痛みは全く無い。それどころか絶妙な力加減で刺激を与え続けるので、思わず腰が動いてしまう

(ヤ、ヤベぇ…!これ…っ!)

睾丸と逆に、ぬるついた手が乱暴に、勃起していないペニスを皮ごとしごき上げる。暴力的ながら快楽のツボを的確に捉えた手指の動きによって、海綿体がむくむくと膨張し始める
オレの股間はあっという間に白い泡まみれになった

「っぐ〜!?」

彼女の指が、オレの包皮の中にずぶりと入ってきた。子供のように細くて小さな指と、ボディソープのぬめりによってできる芸当だろうか
ともちゃんのかわいらしい指が、皮の中をぐちゃぐちゃとほじくり返す。包皮内を弄ばれているオレのペニスの先端からは、快感の証しの粘った液が分泌され、膣内をいじられた女のように、ねちゃねちゃと淫らな音を立てていた
あまりの快感と初めての感覚に、ペニスは一気に最大の硬度を示した

「あはっ、洗いやすくなりましたねー。でも、まぁだまだですよ?」

相変わらず屈託のない笑顔のともちゃんの右手が、オレの包皮を剥き下ろす
そして左腕全体にボディソープを塗りたくると、それをオレの尻の方から差し込んで、睾丸をわしづかみにした

「さ、こっからが本番でーす」

ともちゃんの右手が上下に、左手が前後に、いずれも高速で動き出す

「〜〜〜っ!」

右手は亀頭ごと竿を擦り上げ、左腕は睾丸、戸渡り、肛門をぬるぬると刺激する。エロ本等で見知った程度の知識はあったが、肛門への責めがここまで衝撃的だとは思わなかった
オレの尿道は、すでに射精への欲求で満たされつつあった

「どうですか?きもちいいですか?」
「………」
「んふふっ、いいみたいですねー」

返事をしたいが、声が出せない。圧倒的な手技によって、文字通り、オレは彼女の手の中で完全に躍らされていた
両腕の愛撫はさらに加速して、粘着質な音とともに、四ヶ所への刺激は一層強まる
オレの亀頭は限界まで膨らみ、先走りの汁は裏筋の泡を流しはじめていた。絶頂はもう目の前だった

「うぅ…も、もう…」
「ん?もう出ちゃいますかぁ?」

オレは苦悶の表情でうなずいた

「出しちゃいましょうね…」

淫らな眼差しと声色が、ともちゃんの返事だった

両腕による愛撫は速く、強く、細かくなり、快感を与えるよりも、射精へ導くための動きになった

「出したくなったら、いつでも出していいんですよ?」
「ぐっ…!」
「あっちゃんのおしりの穴、ひくひくしてますぅ」
「はっ…がっ…」
「たまたまも、ぐにぐにうごいてますけどぉ?」
「……っ!」
「はずかしがることはないんですよ…?」

彼女の小さな手と指と腕による刺激は泡を撒き散らすほど激しくなった

(ダ、ダメだ…!)

射精欲は、ついにオレの意志を蹴り破った。精液は猛スピードで尿道を駆け上がり、勢いをつけて鈴口から飛び出した

「ぐぅっ!ああぁっ!」

思わず声を上げてしまった。白い精液は孤を描いて、白く無機質な床をびちゃっと濡らした

「ひゃー、いっぱい出ましたねー。おつかれさまでしたー」

ひと仕事終えたともちゃんは、まだピクピクと余韻にひたっているオレのペニスを、笑顔で見つめている

(なるほど…テクニックには自信がある、か…)

はぁはぁと息を切らせながら、先程の会話を思い出していた

「んー、でも、おちんちんはもう一回シャワーしないといけませんねー。にひひっ」

「それでは、おからだおふきしますねー」

ともちゃんの小さな手が、真っ白で清潔なバスタオルで、オレの体を拭う
先程の余韻で、心臓はまだどくどくと早鐘を打っている。それとは逆に、オレの分身は、力を出し尽くしてだらんとうなだれている。皮も、少しずつ元の位置に戻り始めていた

「どうでした?きもちよかったですか?」

腋の下も、指の股も、丁寧にごしごしと拭いてくれている。オレは意識がまだ少々ほうけていて、彼女の声に反応する事ができなかった

「んふっ…。ど・う・で・し・た?」

突然、バスタオルに包まれた手で、オレのペニスをぎゅうっと掴んだ。オレはくぐもった声を出して、反射的に腰を引いてしまう

「きもちよかったですかぁ?あ〜っちゃん?」

今度は尻を力強く拭われた。…主に、割れ目を重点的に
ともちゃんは、可愛らしい笑顔とは似つかわしくない、嗜虐的な、いやらしい眼差しでオレを見上げている
若干情けなく思いながらも、この場における力関係を思い知らされて、オレはため息まじりに小さく笑った

「わかった…、わかりましたよ…」
「ん〜、何かわかりましたぁ?」
「認めるよ…。ともちゃんはプロの女だ…」

実際に体験してしまえば、認めざるを得ない。オレは、目の前の小さな『女性』にすっかり降参してしまった

「あはっ、ありがとうございまぁーす」

ぴたっ、と抱き着いてきた幼くて細い身体は、意外にも肉感的だった

「でもさぁ…、何であんな事したの」

ともちゃんは、しゃがみ込んでオレの脚を拭いてくれている。やや申し訳ない気もするが、ちょっとした優越感もある

「えへへ。だってぇ、あっちゃんてば、わたしのこと、ガキだー子供だーとか、逮捕されるーとか言うんだもん。ちょっとムカついちゃってぇ、思わずおちんちんいじめしちゃった。ゴメンね」
「やっぱり仕返しかい。…て言うかいつの間にかタメ口とか」
「だってあっちゃんてカワイイんだもーん。うーうー言いながらぴゅっぴゅって出してるの、かわいかったよ?」
「ちっ…」
「女の子みたいにぃ、アソコに指いれられてうなったりしてさぁ。にひひっ」
「………」

さっきの事を思い出すと、自分事ながら赤面が止まらない。完全に弄ばれてる

「…はい、ふきおわりましたよー。あとはベッドであそぼうね」

ともちゃんはすっと立ち上がると、バスタオルと、髪に巻いていたタオルを、備え付けの脱衣籠の中に入れた

「でもこれ、時間内に復活するとは思えないんだけど…」

オレのナニは意気消沈して、本体は皮の中へすっかりお隠れになってしまった

「やっぱ、もうちょっと長めに時間取ればよかったかな?」
「んふふっ、へーきへーき!それはもうけーさんずみで出させたんだよ。ぜったいにふっかつさせる自信、あるもん」
「ホントに…?まぁ、今回はプロの言う事を信じましょうか…」
「そうそう。わたしの言うこときいてくれたらぁ、おまんこでもおちんちんいじめしてあげるからね」
「………」

アニメのキャラクターみたいな顔と声で卑猥な言葉を言われると、胸がドキッとする。中身は大人とは言え、やはりいけない事をしてる、みたいな感覚
「あっちゃん、はやくベッドいこーよー」

マットの上で、もぞもぞと足の裏を吹いていると、少女のような視線で催促された

「……」

小さな身体…。すぐにでも折れちゃいそうな身体…

「どうしたのー?」

やってみようかな…。アレ…

「ね、ともちゃん?ちょっとお願いしたい事があるんだけど…」
「なに?」
「こっち、来てくれる?」「うん」

はてな顔のともちゃんがオレの目の前に立った。近くで見ると、彼女の全身のか弱さが再確認できる
やれる…。これはオレにもきっとやれるぞ…
オレは「うしっ」と短く気合いを入れると、彼女の両脚と背中を抱え込み、一息に持ち上げた

「きゃあっ!?」
「うはっ、よっしゃ!やっぱできたぁ!」
「ひゃー!す、すごぉい!おひめさまだっこだぁ!?」
「ははっ、一回やってみたかったんだぁ」

男の夢、お姫様抱っこ。こんな形で実現できるとはなあ。…思ったより全身の負担大きいけど

「きゃはっ!わたし、こんなのされるの、はじめてだよー!」
「怖い?」
「うーうん、おもしろーい!きゃははっ」

ともちゃんはにこにこ笑顔ではしゃぎ声を出している。こうなってくると、オレも調子に乗ってしまう

「よ〜し、じゃあもっと面白くしてやるっ」

オレは彼女を抱いたまま、くるくるとその場を回転した

「わぁー!ま、まってよー!」
「ともちゃんは軽いなぁ。鳥みたいだ」
「やだあ、こわいぃ、こわいよー!あはははっ」
「さっきの仕返しだっ」
「あはははっ、ごめんなさいぃ、ごめんなさぁーいー!あはははははっ」

怖い怖いと言いながら、ともちゃんは上機嫌で笑っていた。オレはしばし夢の実現に酔っていたが、やがて遠心力を引っ張られるように、彼女をベッドの上にとさっ、と下ろした

……だって腕の筋肉が限界だったんだもん

「あはははっ、…ふぅ。おひめさまはぁ、王子さまにベッドまではこんでもらいました。…な〜んて。あははっ」
「…楽しかった?」
「うんっ。…あっちゃん、もうバテてない?」
「い、いや…、そんな事は無いよ?」

などと言ってみたが、鼻の穴は極限まで開いて、大きく肩で息をしている。呼吸は乱れて、喉はもうからからだ

「フルチンでつよがってもぉ、あんまかわいくないよ?んふふっ」

……ま、それもそうだな。オレはよいしょとつぶやくと、ベッドに腰掛けた
ハハ、オレももう若くないな

「えへっ、でもありがと」

ともちゃんはオレを背中から抱きしめると、頬にチュッと口づけをしてくれた

「ね、どうする?もうハメちゃう?」
「うん」
「ホントにぃ?子供にはきよーみなかったんじゃないのぉ?」
「オレは…大人の女にしか興味はないよ」

そう言って、彼女の手をきゅっと握りしめる

小さな体の、そこかしこに見られる大人の証

さっき抱き上げた時に感じた、子供のように柔らかいだけではない、みっちり中身のある肉体
今オレに握られている手は、かわいらしいだけではなく、幼さではない、若さを感じさせる肌触り
そして香水の隙間をかいくぐって、微かに漂ってくるいやらしい汗の匂い

外見で見るだけではわからなかった。触れ合ってみなければわからない事は、やっぱりここにもあった

「へー、ホントにそうおもってるぅ?」
「思ってるよ。しかもプロの女だ」
「…んふっ、ありがと。じゃあ、大人のえっちしようね」

ともちゃんは、オレの頬に、もう一度チュッと口づけをくれた

オレのペニスは、少し時間が空いた事で、若干の力を取り戻していたとはいえ、本来の三割程度と言った所だ。本番可能なまでには程遠い

「じゃああっちゃん、よつんばいになって」
「なれば免許を返していただけるんですね?」
「なにいってんの?ほら、早く早くぅ」
「わ、わかった…。これでいい?」

ともちゃんに尻を向けて、かなり情けない格好になる

「うん。じゃあちょっとまってねぇ…」

彼女の手には、いつの間にかコンドームとローションの瓶があった

「ホントは大の字になったほうがいいんだけどぉ、あっちゃんははじめてだからね…」
「お、おい…?うっ!?」

肛門に、ローションが垂れてきた。さらに、ゴム質の細い物が、ローションを尻穴に塗りたくり、なじませている。どうやら、指にコンドームを被せているようだ

「じゃ、ちょっとしつれいしまーす」

ともちゃんのゴム付きの指が肛門にゆっくり入ってきて、何かを探すようにぐねぐねと内部をいじり回す
初めての感覚に、オレは息を殺して耐えていたが、彼女の指がある箇所を刺激すると、突然、全身に衝撃が走った

「あーーーーっ!!?」

巨大な槍のような鋭い快感が、背骨を貫いて脳天で弾けた

「あったあった。あっちゃんのGスポットはっけーん」

ともちゃんの指が、つんつんですらない弱い動きでそこを撫でると、ペニスが一気に最大まで硬化した
むくむくと大きくなるのではない、本当に突如として勃起してしまった

「んー、これならえっちできるねぇ。よかったよかった」

張り詰めたペニスをにぎにぎしながら、肛門からずるりと指を抜き出す

「ともちゃん…、な、何?今の…」
「うん、ぜんりつせん。きいたことあるでしょ?」
「前立腺…」
「げんきがない時はこれがいちばん!なんどもやっちゃいけないけどね。にひひっ」

前立腺まで扱えるとは恐れいった…。一体どんだけ引き出し持ってんだこの子は…

「それじゃ、あおむけになってね」

彼女に促され、ごろんと仰向けになる。前立腺マッサージで怒張した物が天を突いている
ともちゃんは新しく取り出したコンドームを口にくわえると、ずるるっとそれをペニスに装着した

「んふふっ、おたがいじゅんびオッケーだね」

オレの上にまたがると、両手の指で割れ目を開いて見せた
濃いサーモンピンクの性器は、粘着質に光を反射して、彼女がオレを受け入れる意志があることを示していた。だが、やはり不安はある

(小さい…)

オレの物も大きいとは言えないが、彼女のそれは輪をかけて小さい。物理的に無理なのではないかと思えてくる

「しんぱい?だいじょうぶ。わたしの、けっこう広がるんだよ」

オレの不安が伝わったのだろうか。だが彼女は余裕の態度でにかっと笑った
そしてゆっくりと腰を降ろすと、性器が亀頭に口づけをした

「ちびまんこでおちんちんいじめしゃうね…?にひひっ」






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