赤線の富美子
シチュエーション


昭和は二十五年の五月のこと。とある地方都市に、米の進駐軍がやってきた。いや、戦後間もないころから居たのだが、なぜか急激に増えた。
今となっては判るが、朝鮮戦争が六月から始まり、その地方都市は中継点としての役割を担っていた。
そして、増えた米軍人による女性の被害が相次ぐ。齢十五の『富美子(フミコ)』も米軍人により強姦された。
家に両親は不在だった。
その後。
彼女は、家族や知人を振り切り、こぢんまりとした特殊飲食店で働きはじめる。
周りには似たような店が立ち並び、その辺りは地図では赤で囲まれていて――『赤線地帯』と呼ばれた。

昭和三十年四月。
セメントと木材でできた特殊飲食店の二階――さらに四部屋あるうちの右奥――に、富美子はいた。
上等とはいえないものの、まだ使い古されてはいない着物を肌に纏っている。
肩の半ばまで伸びた黒髪は、充分に魅惑的だ。
そんな富美子の前には、若い男が一人――富美子とそう変わらない年齢。

「もしかして、お兄さんは学生さんですか?」

正座している男は、うん、と頷いた。話を聞くとどうやら帝国大学の学生らしい。『女』を知りたくて、そして『男』になりたくて来たのだ
のだそうだ。

「私も、実は今日が水揚げでして。うまくできなくても、ご容赦くださいな。……これでも緊張しているんです」

富美子は柔らかく微笑んだ。彼女は美人ではなかったが、それでもその笑顔は男を誘惑するには充分だった。
男は服を脱ぎ捨て、猿股だけとなる。富美子は着物をすっと脱ぐ。
……身体の線が、襦袢越しでもわかる。
そして富美子は襦袢を着たまま、布団に入る。

「どうぞ」

男はヨロヨロと布団の中にもぐった。
富美子は男の手を、自分の胸にあてる。けして小さくはないその乳房の感触に、男は酔っていた。

両手で、両の乳房を揉む。何度も何度も、ひたすら。

「あ、ふぅ……。もう少し優しくしてくださいな」

男は富美子の言葉に従い、力を弱めた。しだいに、富美子は快感を覚えはじめた。

「あぅ……ふぅっ。はぁ……、あっあっ……!」

更に男は片手を離し、今度は顔を胸に近づけ、舌で、ピンっと勃った薄茶の乳首を舐めはじめた。

「あくぅ…!ふ、はぁぁ……ッ!あっ、あああ、くぅっ!」

快感に身をよじらせ、声をあげた。
男は親指と人差し指で富美子の乳首に愛撫を続ける。もちらん、舌でもう一つの乳首をずっと舐めている。

ぴちゃ、ぴちゃとたてられる音は、富美子をより快楽に向かわせていた。
そして。

「あ、あぅぅ、くぅぅ…!あぁぁぁあ……!!」

富美子は強い快感に、身体を痙攣させてしまった。

しばらくして落ち着いた富美子に、男は語った。
自分は初めてではない。もう何度も来ている。とある企業の一人息子である、と。
そして、今日は自分が富美子に快感を教えてやる、と。
男は猿股を脱ぎ、自分の肉棒を富美子にさらけ出した。一瞬、その大きさに恐怖を感じたが、「仕事だから」とおずおずしながらも、襦袢と下着を脱ぐ。産まれたままの姿になった二人。

男は富美子の股に手をあて、上側にある小豆に愛撫をくわえる。

「ひゃ、はぁあっ」

突然の気持ち良さに涙を流してしまう富美子。
しかし彼女は、その快感を受け入れる。

「あ、あぁ、はぅう……!くぅ、あぁん、あああ、はぁっ!」

さらに男は人差し指を、膣穴に挿入する。膣壁はもうかなり濡れていた。
人差し指をピストンさせながら、空いた親指でしだいに肥大化している豆を刺激する。
ネチャ…っと音がたつ。それは富美子の膣から溢れる愛液。

「あぁあん、ああっ!く、ふぅ、ああっ…気持ち、いい…!」

男は富美子の言葉に満足したのか、トドメとばかりに自分肉棒を富美子の膣にあてがった。

「かふぅっ!」

ずぬぬぬ…っと音をたてながら、肉棒は膣の中に侵入る。
やがて、奥まで挿入した男は腰をつかいピストンをはじめた。
パン、パンと腰をうちつけられるたびに、快感が富美子を襲う。

「あ、あっ、ああ、くっ、…ふぅう、きもち、いいっ!もっと、もっと、あああんっ!」

男は富美子の言葉に応えるように、さらに腰を激しく動かす。
やがて。

「ぅあああああんんッ!」
「く、で、出るぞ……ッ」

男は肉棒を引き抜くと、ザーメンを富美子の腹にかけた。

余韻に浸る富美子に紙幣を支払うと、男は満足そうに、店を出て行った。






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