黒き娼婦と白き王子 二章
シチュエーション


王の寵愛を受けて、ひと月ほどたったある日。
サウラは今日もまた夜のお勤めを終えて、専用に用意された自室へと戻った。
客室ながら、扉は一室ごとに異なる玉壁をはめ込み区別をしている。
豪華といよりも、色と形の方が見分けがつくだろうという親切心らしい。
その豪勢な扉の取手に触れると、妙な違和感があった。

「あら? ……ふうん」

サウラは扉を開けた瞬間、一目見て異変に気付いた。
普通の人間にはわからない色彩の妙とも言うべき違い、
空気の香りから人の気配が残像のように見えている。
特に棚の中に入れていた私物、
指輪や首飾りの位置が微妙に違っていたのは決定的だった。

「さて、面白くなったわね。ふふ」

問題なのはどんな目的なのかではなく、誰の仕業か、差し金か、であった。
それにしても、それなりに気を配って探っていたのはわかるが、
技術としてはあくまで素人の範疇だ。
プロの手口ならここまで痕跡は残すまい。
サウラは備え付けの鈴を鳴らす。
しばらくして専属の侍従が扉をノックした。

「入って」
「失礼します」

侍従は礼をして室内へ入る。

「誰かこの部屋に来たかしら?」
「い、いえ。誰も入ってませんが」

訪ねてきたのか、という意味の問いに対して、
わざわざ入ったかどうか答えるのは変である。
まあ答えをもらったようなものだが。

「あら、そうかしら」
「はい」
「ふーん……まあいいわ。行きなさい」

サウラは扇で回れ右をするよう指示をした。
多少むっとする顔をしたが、しったことではなかった。

さてさてと、サウラはベッドに腰掛け思案する。
簡単に考えて、不在の間を狙ったとなれば、自分の行動が掴める立場の人間なのは間違いない。
つまり不定期な王の夜伽を知っている者。
それだけでも大分対象を搾れそうだったが、まだ王宮の内情を把握していない。
さすがに特定は無理だ。
おまけに連絡係が話を漏らす可能性を考慮すれば際限がない。
アウェーのつらさもあって、協力者も身内に限られれば対策も難しい上、
パザンたちも忙しいらしく、協力を頼んで時間を割くのは好ましくない。

「まあねぇ……」

頼れるのが己のみとなれば、罠を張ることにした。
罠と呼ぶほどの物ではなく、単純な情報撹乱だが、
とりあえず現場を押さえればどうとでもなる自信があった。

*****************

今宵は狩りにおあつらえ向きな満月だった。
風の強さが窓を揺らすが、同時に雲も流してくれる。
サウラは月明かりが差す中、物音をたてぬようよっくりと扉を開いた。

「ふふ、どうなさいました」

中に居た者は、いたずらをしかられた子犬のように飛び跳ねた。
だが獲物を逃すつもりはない。
さり気なく出入り口が隠れるよう直線上にして近づく。
全体の明かりを灯し、お互いの顔が見えた。

「あっ……、サウラさん」
「そうです。お見知りのようで光栄ですわ、セドル殿下」
「こっ、これが物珍しくて。サウラさんの国の物ですか?」

奇妙な形をした置物に目を引かれたのだが、
本当はそんなことよりも別の目的で探していたのだろう。
好奇心旺盛なのは良いことだが、間者がその調子ではまずかろうに。
サウラくすくすと楽しそうな笑顔を見せる。

推測の通り、素人の興味本位混じりの行動だと思ったが、まさに予想通りだった。
後は王とのやりとりを手早く済ませれば、こうして現場を押さえることも出来た。
だが王家の一粒種、セドル王子だったとは意外の一言につきる。

「それは香炉ですわ」

パザンの品だったが借りてきた物だ。
台座ごと中央のテーブルに置くと、セドルを手招きして座らせた。
素直に言うことを聞く様子にサウラは微笑する。
臨機応変に作戦を変えたというより、
単に相手のペースに飲み込まれているだけだったのが
面白いように表情に出ていたためだった。

「荷物のほとんどは海に沈んでしまいましたが、
幸い密封した香料と炉は水に浮いて無事でした」
「それは良かったですね」
「本当です。ふふ、何故だか緊張なさってるようですわね」
「そ、そうですか」

どことなく居心地の悪さがあったのは確かだ。
無断で女性の部屋に入った挙句物色していたのに、
そのことについては何も触れてこない。
どこか含むところがあるのだろうが、
それはお互いさまなのが痛いほどわかる腹の探りあいだった。

「さ、殿下も少々かいでみてください。
緊張がほぐれ、リラックスいたいますから」
「確かに良い香りです……」
「深く息を吸って……吐いて……香炉の中心を見つめてください」

セドルは香炉の奥に仄かに燈る火をじっと見つめた。
すっとする爽やかな香りに、
ふわっと浮き上がるような感覚に包まれる。

「それで、私の部屋で何をなさってましたか?」
「……えっと……」

サウラは反応を窺うが、うまく思考回路がつながらないらしい。
香炉の吹き出し口を調整して香りを少し弱める。
風通しの良さを重視するザムーラと建物の造りが違い、
寒さで部屋の密閉性が重視されているおかげで効きが良いようだ。

「ええっと、そう……私はサウラさんのこととても綺麗で素敵な人だと思ってるけど……」
「まあまあ、嬉しいですわ殿下。
でもそれなのに何故、私の部屋で盗人の真似事などを?」

少し節目がちにして話す。

「サウラは悲しいです」
「あっ……ごめんなさい。どうしてもってお願いさらえて」

微妙に舌が回っていない。
すこぶる良い反応だ。あせって弁解すればするほど術中にはまる。

「何をお探しで?」
「さ、サウラさん、黒い肌で……その、悪魔だって言う人がいて……。
私はそんなこと全然思わないんだけど……そう言う人がいて……。
証拠になりそうな物を探して来てほしいって言われたんです」
「ふふ、誰の差し金でしたか?」
「はあっ、はあっ、それは……」

サウラは立ち上がって横に座るが、セドルの目線は彼女を追わず香炉の一点を見つめる。
火と香料を使った簡単な催眠だったが、相手が純粋な分あっさりとかかっていた。

「大丈夫です。本当は私、全て知っているのですよ」

セドルの両頬に手のひらを添えて耳元で囁いた。

「そうなの……あぁ」
「そうです。だから安心して答えてください」

耳の裏から舌でくすぐり胸を撫でて、
服の上から乳首をさするだけでピクリと身体が跳ねる。

「さ、誰の差し金でした。心置きなく答えてください」
「くぁ、は、あ、アズメイラ……王妃です……」

やはりとは思ったものの、腑に落ちない点もあった。
サウラが曲りなりとはいえ、王の寵愛を一身に受けているのが気に入らなかったのだろう。
だがなぜお抱えの家臣ではなく王子に探らせたのか不思議だった。
王子なら何かあっても荒事になるまいという楽観からか。
確かにそうだが、そもそもこちらに荒事を起こそうなどと企んでも人がいない上、
立場上弱い者ため後工作も儘ならず露見、処断されるのが関の山だ。
微妙に不可解であったが、
どうであれ王子のような重要人物が網に掛かったのは、僥倖であることに変わりはない。
それに労を惜しむ必要もないほど美味しそうなのだ。
丁寧に整えられた薄い色の金髪、碧の玉のごとき瞳がある愛らし目元、
鼻梁から口元まで爽やかな好青年であること慎ましやかに主張していた。
眉目秀麗とはよく言ったものだと感心する。

「あら? ここをこんなにして、恥ずかしくありませんか」

催眠状態で理性が緩んでいるためだろう、
間近で触れあうことだけで、男の象徴部は膨らみを形成していた。

「ふふ、可愛い殿下。さっ……ん」
「ん……ちゅ、ん。やっ……ああぁ! そんな強くしたら」

セドルの口腔へと舌を入れ、股間へ手を伸ばした。
同時に香炉の蓋を全部閉め、外気を遮断し自然鎮火させる。
ここから先は徐々に目を覚ましてもらわなくてはならない。
もうすでに痛いほど勃起しているのが布越しにわかる。

「ん、はあっ! サ、サウラさん」
「いいですか殿下、段々とサウラを犯したくなる。さ、言ってみてください」
「はあ、はあ。段々と……サウラを犯したく……なる」
「そうですわ。ふふ、一回私の口に射精いたします。
だけど殿下はもっとしたくて私を求めてきます。けれど私はそれ以上許しません」

そのまま脱がし、露わになる男根を握った。
怯えか期待か、がくがくと身体を震わせる。
初々しい反応を察するに、女性経験はほとんど無いか、もしかして皆無なのかもしれない。

「あ、はあ……くっ」
「でも殿下は止まりません。いいですか、無理矢理にでもサウラを犯します。
サウラがダメって言っても止まってはいけません。わかりましたか」

セドルは夢うつつのまま頷いた。
それよりも早く処理して欲しい。そのことで頭がいっぱいだった。
サウラもこれ以上待たす気はない。
上下にしごく先っぽへと舌で触れる。
雄々しく先走りに溢れ、口の中に塩味が広がる。

「んん、ちゅ、ちゅるる……んふ、はあ、じゅ、んっんん」

口腔いっぱいに含み、喉奥まで咥えた。
若い男の戸惑いが伝わるようで、ついついサービスしたくなる。
限界が早々と迫っているため、サウラはこのまま絶頂へと導く動作に入った。
唇ではさみ、顔を上下に振ってしごきあげる。
唾液をたっぷりと絡ませ、零れ落ちるのもかまわずに頬張った。

「ん、ん、はふ。さあ、遠慮なく出してください。じゅるる、ちゅ、んん」
「あっ、あはあぁ! もう……出る! 出る!!」」

飛び跳ねる肉棒をしっかりと押さえ、舌下に噴出して広がる濃厚な粘液を味わう。
脈動とともに跳ねる勢いもさることながら、量も尋常ではない。
長いこと何も処理していなかったのか、サウラは若い男の溜めた精液に恍惚となる。
舌先ではずむその感触、塊を成して崩れない弾力性。
香りを楽しむため口を開けて指で捏ねくると、今度は引き伸ばして粘度を見定め、
やはりうっとりした眼差しを精液そのものと元の持ち主に注いだ。
そのまま指先から伝い口腔内へ戻し、舌なめずりをしつつ唾液と絡めて攪拌する。
鼻腔いっぱいに広がる青臭い風味が絶品だった。
もっと堪能したかったが、襲い掛かるセドルによって中断させられてしまった。

「はあっ、はあっ! サウラさん……もっとサウラさんが欲しい!」
「あっ、はあん」

胸元に飛びつき、服を捲り上げて形の良い乳房をへと愛撫されて堪らず喘いだ。
本当なら進んで股を開きたかったが、ここはぐっと我慢する。
我ながら損な役割などと、サウラは真実思っていた。

「ダメ……ダメですわ殿下。あん、そんなところ……や」

腰にある下着の結び目は、あっけなく解けおちる。
早々とさらけ出された秘裂はてらてらと光っていた。
膝を押えて強引に脚を開き、ひっぱられる陰部が姿を晒す。
セドルは妖しさを秘める性器への誘惑に頭がくらくらした。

「はあっ! はあっ!」
「ああぁ……殿下、それ以上はご無体を」
「ダメなものか! 最初に誘ったのはサウラさんだし、それにここをこんなにして」

まったくもって正論だった。
案の定、甘い蜜を滲ませる秘所は、ずりゅるっと吸い込むように入っていく。
そのくせ中は狭く、締め付けながらも手厚く迎えられているみたいだった。
押し分けられ、ふっくらと盛り上がる恥丘を見ると、
自分の生殖器がはっきり挿入されているのを意識し、
牡が牝を従えてる支配欲を満たす。

「暖かいよ、サウラさんの中……まるで春の日差しみたい」

少しだけ抜いて、そしてすぐにも腰を打ち付ける。
そんな簡単な動作だけでも、肉襞とのむつみに痺れるような快感をもたらした。
溢れんばかりの性欲をそのままに、サウラの膣内へと何度も行き来する。

「やっ、そこ……ああぁ!」

熱い吐息すら、覚えたての青年には過激な燃料だ。
セドルは両脚を押さえつけ、結合した部位を眺めながら腰を打ち下ろす。
魔女の鉄槌ともいうべき、
一切の手心を加えない強烈な責めにサウラはたちまち昇りつめる。

「は、はは。最高だよ! 世の中にこんな……こんなすばらしいことがあったなんて」
「あん! 硬いのおくぅぅ! ひゃん、やぁ!」
「出る! もう……すぐ」

肉竿の付け根から出口を求めて迫り来る圧力が、
我慢の限界を超えて今にも決壊しそうだった。
少しでも長く味わいたい思いに合わせて、
一突きごとに渦巻く熱が濃縮されていく。

「中は……ダメですわ。そんな、はあはあ、さっきみたいな濃いの出したら……ああぁっ!」

セドルは行為でもって反論を封殺する。
子宮口まで硬く張ったエラが挿入されれば、
女性器は意に背けるはずもなく従属の愛を交わすだけだった。
それは本当に愛おしく、血管を浮き立たせた怒張をしごき上げる。
そうすれば更に大きくなり、待ち望んだ牡の精を受け取れるためだ。

「ひぃ、ん……はあ、やあ……んあぁ! あああぁあぁああ!!」

高らかな声は絶頂の証だった。
身体ごと押さえつけられながらも豊満な女体はびくびくと震え、
全身の筋肉が収縮する。
だが肉の隘路に挟まれながらも、
飛び散る蜜に誘われるまま全力で腰を前後させ交合した。
もう我慢は臨界点を突破していた。

「はあ、ん! くあぁ! で、出る!!」

そう宣言すると同時に、男根が膣内で一際大きな鼓動を鳴らした。

「あはぁ。ら、らめぇぇ……ん、中は……」

最奥まで男根を挿入すると、ぐいぐいと飲み込まれるような蠢動に背筋を反らした。
脳髄まで痺れる衝撃に、陰嚢に溜められた熱源が開放される。
原初の獣のごとく咆哮を上げ、女を孕ませるべく管を通って子袋へと精を注入した。
粒化状のまま鈴口から飛び出す射精の気持ち良さに、すべての意識が真っ白になる。
若さ故の勢いそのままに、よく粘る白濁とした精液が子宮内へと注がれていった。
量も濃さも、最初と変わらぬどころか、それ以上と言っても過言ではない。

「くぅうぅ……はアぁああ!」
「ああん……出てるぅ……。すっごいたくさん熱いの、びくびくって中で出てる……」

細い奥への隧道は、前もって存分に先走りが練りこまれ、
生殖行為を邪魔立てすることなく友好的に通行を許す。
ほとんど固形状の精液は粘膜に張り付き、
言葉とは裏腹に期待に震えていた胎内は密度の濃い子種を堪能する。
何度も突き、抉り、脈動をしては最奥で射精し、
彼なりのやり方で優秀な相手を褒め称え、包み込む感触に満足した。

「はあ、はあ……ふあぁ」
「あふぅん。殿下ったら、本当にいけませんわ」
「はあはあ、あ……わあぁ! っご、ごめんなさい!!」

セドルは出す物を出し、完全に催眠が解けて冷静になると、
今更ながらとんでもないことをしてしまったことに気付く。
サウラに公式な肩書きは単に用意されていないだけで、
父である国王の実質上愛妾に手を出してしまった。

(い、いや大丈夫か?)

非常に苦しいが、彼女はまだ客分扱い。
言い逃れができなくもない。

「まさか言い逃れしようと考えてますか?」
「はは……は」
「あらあら、サウラのここをこんなにしたのは……」

そう言って、サウラは身を起こし片膝を立てる。
隠す物などなく露わになった秘洞からは、白い粘液が垂れ落ちた。

「殿下ですのに」
「その通りですぅぅ」
「その男らしさ、サウラは嫌いではありませんわ」
「えっ、あっ」

しどろもどろになるセドルに比べ、サウラはにんまりと笑顔を浮かべる。

「私のここに、殿下のものを無理矢理入れられたとき、
本当は嬉しかったんですわ。あんながちがちに硬く勃起させたペニスで……」

二本の指で秘裂を開き、まるで犯される一面を再現するように自ら中指を沈める。
あの指にまとわりつく、肉襞の気持ちよさは先ほど体験済みだ。
思い出すだけで、セドルははっきりと一物がいきり立つのを感じた。

「こういう風に逞しいもので、サウラも夢のような心地を……。
はあぁ、ん……ああぁ、こんなふうに」
「ん……あ、はあはあ」

うつ伏せになり、下半身はおろか尻をセドルに向けてオナニーする。
指から伝うように零れ落ちるのは愛液と、先ほど中で思う存分出した精液。
荒い息遣いが聞こえる中、目が膣口に釘付けのまま放せなかった。
出てくるなら、またその分入れなければならない。
強い使命感を持って、腰の括れを掴み、
サウラが自ら待ち遠しく開く肉孔へと牡生殖器を埋め込んでいった。
それだけでびくびくと張り詰める膣の感触に、再び彼女を同意の上で犯しはじめる。

「う、ふあぁ……さっき弄ってたけど気持いい。ここのぷっくりしてるところ。
はあはあ、サウラも感じてほしいんだ」
「あ、あっ! そこ、ひゃん!」

セドルは肉芽を愛撫するたびにのたうつサウラが楽しく、
そして吸い上げてくるような膣の動きに誘われるまま腰を前後させる。
手入れの行き届いた抜群の肉体が悶える様は興奮をもたらす。
結合部での濃密な饗宴に加えて、
背後から覆いかぶさりながらうなじを舐めてくすぐり、その髪の匂いを吸い込んだ。

「あは、良い匂い。泥の匂いなんて全然しないよ」

どこの誰だったか忘れたが、滑らかな褐色の肌を見て、
きっと泥くさいに違いないと言った奴は馬鹿に違いない。
髪からは良い香りが漂い、肌に浮かぶ汗の匂いは官能的である。
その風味を確かめ背中から脇まで舌を絶えず這わせつつも、腰は律動することを止めない。
全身にむしゃぶりつく責めに、サウラは背筋を反らして喘ぐ。

「殿下ぁ、ああん。もうサウラは……」
「ねえ、セドルって名前で呼んでよ」
「セドル! セドルさまのものでサウラは最高の心地です」
「いくよ、もうすぐまたサウラの中にいくよ!」

尻を奪い、ぎりぎりまで抜かれた肉竿が一気に女性器へと挿入される。
何度も繰り返された行為であっても千変万化にうねり、
抵抗をもたらす牝孔に牡の生殖器は着々と準備を進めた。
ぐちゅっと卑猥な音を鳴らして飛沫を飛ばし、
また新鮮なザーメンを注ごうと躍起になるのを柔らかな尻肉が受け止める

「出して! サウラの中、射精して! セドルさまの子種で真っ白に」

痛いほどの締め付けも、簡単に快楽に変換される。
限界まで高められた欲望が、一気に弾けた。
尿道を粘液が助走し、次々と肉炉へぶちまけていく。

「はあああぁ! サウラの中、熱くて気持ちよくて、止まらない」

喜悦に満ちあふれた性行為は膣内射精という最高の儀を迎える。
先端に口付けする子宮への通り道、
そこにぴったりと宛がい子種を仕込んでいった。
サウラは達した身体のまま、容赦ない剛直からの白い間欠泉を胎内に浴びる。
若い牡特有の圧迫感に連打されて、すでに意識は宙を彷徨っていた。

「やっ、はああ! まだ……イってるのに、はあん!
熱い、セドル様の子種汁が、こんなに愛情いっぱいに中で出されたらきっと受精……しますわ」
「はあはあ、そうだよ。私が……受精させるんだ!」

柔らかな尻に指を食い込ませて固定し、
狂おしいほどの欲求を乗せて腰を前後させ、
サウラは高貴な遺伝子情報を獣の体位で注がれる。
あいつぐ子宮口との接吻はサウラの精神を虜にし、妊娠を望む身体へと最適化されていた。
その上若者の活きの良い精子を二回も注がれれば、実を結ぶ確率は低くなかろう。

「はあ、はあ……」
「セドルさま……満足されましたか?」
「サウラは太陽みたいだよ」
「ふふ、ではまたいつかお会いできますね」

まだまだ腰を密着させながら、セドルは何度も頷いた。
それは希望という段階だったが。

「ん……れろ、ちゅっ……んん」
「ああぁ……サウラ……」

お互いに抱きしめて深いキスをした。
この国で太陽に形容されることが、
最大級の賛辞だとサウラが気付くのは後の話。






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