電車の女子生徒
シチュエーション


「そんなこと辞めなよ、オッサン。」

言ってやった。遂に言ってやった。
僕の震えながらの蚊の鳴くような小声に、そのオッサンは乱雑に手を振り払うと、逃げるように他の客の流れに混じって電車から降りた。
僕の後ろには顔を赤らめながら気まずそうに俯く女子生徒の姿があった。
彼女は違う学校の制服ではあったが、いつもこの電車で同じ駅に降りる顔馴染みだった。
もちろん、それは僕からの主観であって、彼女自身は僕のことなんて気にも止めない存在なんだろうけど。
その電車に乗るもう一人いるよく知った顔の乗客が、さっきのオッサンだ。
オッサンはいつも反対側のドアに窓を向いたまま乗っている彼女の後ろに立って、短いスカートに自らの股関を押し当てニヤニヤと卑猥な笑みを浮かべているのだ。

痴漢である。
それも常習的に彼女ばかりを狙う、かなり達が悪い部類だった。

だから、言ってやった。
車内の天井を見上げ悦の表情を浮かべるオッサンと、顔を真っ赤にしてとても申し訳なさそうに下を俯く彼女の間を無理やり割り込んで。
彼女のスカートの下まで伸びる、オッサンの真っ直ぐ伸びた灰色の背広の腕をグシャグシャになるまで強く掴んで言ってやったのだ。

オッサンはすっかり下も含めて萎縮しているようだった。
無理やり手を振りほどきラッシュの波に消えたオッサンの顔は、恐らくはもうこの電車で見ることは無いだろう。
すぐに乗客が乗り込み車内は再び鮨詰め状態になった。

「大丈夫?」

背中越しだが彼女はゆっくりと振り向いた。

「なんで止めるの、馬鹿。」

その瞳は一瞬キッとした鋭いものとなり僕の心を痛烈に刺した。

「えっ…」

ドアが閉まる。電車は動き出し、靴底から機械振動が伝わる。

「わっ!!」

突然彼女が発したあまりに意外な一言に足の力を入れることを忘れた。
僕の体は傾き、その股関は彼女の柔らかい尻に思い切り密着した。
それと同時に後ろの乗客がトコロテン式に僕の体を押す。
これで、学ラン姿の男子生徒が、ブレザー姿の他校の女子生徒に背中越しに密着している図の出来上がりだ。

「あっ…♪」

消え入りそうな程に小さい彼女の声が聞こえた。

「マズい…これじゃ」

そう、僕は今まさに、毎朝嫌悪していたあのオッサンと同じことをしているのだ。
不意に、女子生徒は身をよじるように反転すると、初めて笑みを見せた。

「まあいいや。キミでも。」

とても艶っぽくて、気だるげな声。

「はうううっ…」

それと同時に僕は下半身に苦しみを感じ悶えた。
下を見ると、長く伸びたカーディガンの袖から僅かに見える彼女の細い手が、僕の股間をズボン越しに掴んでいる。
ゆっくりとその指は獲物を捉え確かめる蛇のように蠢く。

「イイよぉ…」

欲情しきったとろんとした瞳。
これまで僕がお嬢様学校として知られるその制服から想像していた、清楚でたおやかな彼女のイメージが氷河のようにゆっくりと崩れ落ちる。

「キミ可愛いね。カッコいいのに可愛い。なんで…はぁん…すごくイイ」

むにむにとリズミカルに、彼女は僕の一物を確かめる。

「はぁあああん♪」

電車の揺れに乗じて、色っぽい溜め息を上げながら胸元に倒れ込んでくる彼女。
栗のように茶色がかったショートカットからは甘ったるい香りがする。
あっという間に膨張する僕の一物。
ズボンから伝わる彼女の手のぬくもりがよりダイレクトで直感的なものになる。

「ほら大きくなった♪感じてるんじゃん。」

愛おしげに囁く艶声が僕の脳髄をとろけさせる。

「あ、ああ…」
「ダメだよ…そんな声出したら聞こえちゃうんだからぁ」

だが、彼女はまるでそんなことお構いなしに僕の一物を強くもみほぐし始めた。

「くっ…やめ」
「やーだよっ」

ジッパーが降ろされ、遮蔽物を無くした僕の一物はそれ自身がまるで意志でも持つかのように彼女の手の中に勢い良く飛び込んだ。

「ふふっ…熱いし大きいしヌルヌルしてグジョグジョしてるぅ。なんで?ねえ…」

うっとりと頭を傾げ楽しそうに手のひらで亀頭を練り回す彼女。
我慢汁に濡れた僕の一物は彼女が織りなす快楽に委ね踊り狂う。
僕自身では止められないビクビクという躍動感と、それを楽しむ彼女の笑みは魔性さえ帯びていた。

「ねえ。キミさ、こんなにダラダラ我慢汁垂らしてエロい。
私よりエロい。ふふっ」
「やめてって…」
「ふふ、でもオナニー。最近してないんでしょ?」

彼女は僕の耳元に問いただすようにその言葉を発すると八重歯を覗かせ笑う。
僕を掌握したという自信と余裕に満ちた、女王様のように強気な表情でだ。

「だからだよね?ヌルヌルして熱いの止まんない…」

手慣れた手つきで我慢汁を全体に塗りたくり逆手でしごき始める彼女。
ぐちゅぐちゅという卑猥な音が車内で微かに響き渡る。

「やめろって、皆にバレちゃうっ」
「イイ、ビクビクしてるぅ…この感触たまんないよぉ。」

僕の忠告なんて聞いていない。
もう彼女には僕の一物以外見えてないのだ。
しごく度にショートカットの小さな頭が揺れ、内巻き気味に緩やかにカーブした髪から見える横顔がどうしようもなくエロくて、僕までHな気分になる。

ビクン!

「あはっビクビクしてきたぁ♪」

彼女は楽しそうな声を上げ、こちらの顔色を伺う。
トロンとした瞳に弛緩しきった口元からよだれが垂れている。
これまで想像することさえなかった酷く淫らな彼女が僕のすぐ目と鼻の先にいるのだ。

(か、可愛いっ…)

どうしようもなく気持ちいいモノが尿道をさかのぼってくる。
僕は思わず片腕を彼女の肩先にある壁に突き出し、被さるようにもたれた。

「イキそう…」

申し訳なさそうに囁いた僕の声に手の動きが止まり彼女が見上げる。

「あはっ♪いいよ、イカせてあげる
だから名前教えて。
学校は制服でわかるから…キミ西高でしょお?」
「うん、西高…西高だからぁああうう」

舌っ足らずな彼女の間延した一言一句にいちいちムラムラしてくる。
もうどうでもいいから早くイキたい。

「ねえ?イキたいんでしょお?」

どんどん、どんどん、精液が上ってくる。
止まんない、止まんないよお…
焦燥感だけが快楽と共に理性をすり鉢のように押しつぶす。

「うん、イキたい、イキたい…早く。」

気がつくと僕は、彼女の華奢な肩に首を傾け、すがるようにして密着していた。

「じゃあ名前教えて♪」

彼女の吐息混じりの囁きが僕の理性を一枚一枚削ぎ落としていく。
それに比例して登り詰める射精欲。

「なぎひこ、なぎひこだよぉ。はぁはぁ…」

僕はしゃにむに身をよじらせ彼女の答えを待った。
早くイキたい、清楚で可愛い顔を被った、淫乱な彼女の手のひらに思い切りあの液体をぶちまけたい。
その感情だけが僕を支配した今、周りの乗客の訝しげな視線など眼中に無かった。

「そう、なぎひこくんって言うんだ♪」

語尾が上がり、待ち焦がれたような彼女のうわずった声。

「イッちゃえなぎひこくん。」

思い切り握りしごかれる。

「あ、あ…あああ!!」

その瞬間、強烈な射精感が僕を貫き、モノが二度三度激しく躍動した。

どぷううううううっ

ぼたぼたと、溜まりに溜まっていた糊のようにねっとりした白い体液が彼女の手のひらを汚してゆく。

「ふわぁ…暖かい…ひゃああん♪」

耳元で催眠術のように囁かれる彼女の矯声がねっとりと絡みつき離さない。

びゅばびゅばあああああああ!!!!

尚もしごかれ続けられる僕の一物は溜まった精液をこれでもかと吐き出し続ける。
尿道の奥からごっそりと吸い出されるような射精感が続き、僕の意識は絶頂感と共に遠のいた。
車窓風景だけが夢見心地でぼんやりと流れる。

やがて、電車が止まりドアが開く。

「じゃあね、なぎひこくん。」

彼女は僕の一物を押し込めジッパーを上げると、
精液にまみれたその手を僕の学ランの裾でねっとりと拭ってそそくさと電車を降りた。

「また明日ね♪」

振り返った彼女の顔は毎朝見ているものに戻っていた。

ああ、僕はとんでもないことをしてしまった。
精液に濡れた学ランと床にできた白い溜まりに目を落としながら、僕は途方にくれた。
これから毎朝、僕はこの車内で彼女に弄ばれるのだ。

(あ………♪)

ぴくっ…

そのことを考えただけで、萎えていた僕の一物は尿道の中で切なげに戦慄いた。






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