これは悪夢か?
シチュエーション


朝目が覚めて気がついたら、僕はベッドに縛り付けられていた。

「なんで!?」

思わず声が出る。四肢に力を入れて暴れてみるが、ベッドがガタガタ音を立てるだけで抜け出せる
気配は全くない。
さらにひどいことに、何故かパジャマのズボンがトランクスごとずり下げられて、朝立ちした逸物
がギンギンにそそり立っている。

(何でだ!?いつもはこんなに元気じゃないぞ!?)

ある意味どうでもいいことを考えながら、僕は必死でこの場から逃れようともがく。
しかし何重にも硬く巻きつけられた荒縄は、決して僕の体を逃そうとはしてくれない。

「あら、コウちゃんったら朝から元気なのねえ」

妙に浮ついた声が聞こえてきた。すぐ近くだ。焦る。

(誰かいる!?って言うか、今の声は……!)

ベッドの脇に見覚えのある人が立っていた。アズサ――姉ちゃんが、僕の股間をじっと凝視している。
もちろん見ているのは勃起している逸物である。しかも、何やらやけに興奮した様子だ。
とろんとした目と上気した頬。緩んだ唇からは今にも涎が垂れてきそうだ。
息も荒く、しきりに太股を擦り合わせるようにモジモジ動かしている。間違いなく、性的な興奮状
態にあるらしい。

(え、誰コレ……?い、いや、姉ちゃん、だよね……?)

長身に黒髪ロングヘアと穏やかな美貌。これがいつものアズサ姉ちゃんだ。
大和撫子という言葉がぴったり当てはまるような清楚な美人で、もちろん僕はアズサ姉ちゃんのこ
んな表情を見たことがない。

「なにこれ、なんなの姉ちゃん?」

こわごわ訊ねる僕の声には答えず、姉ちゃんはその場に膝立ちになり、僕の股間に向かって手を伸
ばしてくる。
そして、脈打つ逸物を愛しげに一撫でした。手の平の冷やりとした感触が伝わってきて、僕の背が小さく震えた。

「ちょっと、姉ちゃん!?」
「ああ、コウちゃん、コウちゃん……!わたしが、どんなにこの日を……!」

熱に浮かされたような虚ろな口調で呟きながら、姉ちゃんは待ちきれないように上半身を伸ばしてくる。
いつもは詩でも読み上げるようなおっとりした声を発する姉ちゃんの唇が、大きく開いて僕の逸物
を飲み込んだ。
僕は今年中学二年生になったばかりだ。性交の知識はもちろんあるが、もちろんこんなことをして
もらった経験はない。
そもそもまだ女の子と手を繋いだことすらないというのに、何がどうなってこんな事態になっているのか。
混乱する僕を尻目に、姉ちゃんはフェラチオと呼ばれるその行為を熱心に続けていた。
僕の逸物を口いっぱいに含んだまま、絶妙な速さで頭を上下させる。
亀頭に伝わる刺激から察するに、喉まで使っているのではないだろうか。
だが、ある程度冷静な思考が出来たのはそこまでだった。
絶え間なく押し寄せる未知の刺激に耐えるのが精一杯で、まともに考えている余裕がない。
その内、あれがやってきた。いつも自慰で味わっている、あの感覚。

(あ、ダメだ、もう……!)

股の奥から何かがこみ上げてくるのを感じ、僕は咄嗟に声を出した。

「ね、姉ちゃん、離れっ……!」
「えっ?」

声に反応した姉ちゃんが驚いたように顔を上げた瞬間、ついに僕は限界を超えてしまった。
姉ちゃんの口から離された逸物が、今まで見たこともないような勢いで白濁を吹き上げる。
本当に、物凄い勢いだった。勢いだけでなく、量も凄い。僕の射精を至近距離で呆然と見つめる姉
ちゃんの顔が、どんどん白く汚されていく。

(あ、ああ、ああああああ!)

いつもおっとりしていて、僕を見て優しく微笑むアズサ姉ちゃん。
たとえ年が上だろうが姉だろうが、男ならこんな女の人を守ってあげなくてはいけない。
心ひそかにそんな風に思っていた姉の顔を、自らの欲望のままに汚してしまうとは。

(最低だ、僕は醜い人間だったんだ)

情けなさと罪悪感で涙がこみ上げてくる。しゃくり上げる僕を見て、姉ちゃんが心配そうな顔をした。

「どうしたの、コウちゃん。ごめんね、お姉ちゃん気をつけたつもりだったんだけど、どこか痛かった?」
「ち、違うよ……姉ちゃん、汚れて……」

状況が上手く把握できないながらも僕が必死に謝ろうとすると、アズサ姉ちゃんは安堵したように
微笑んだ。

「ああ、そっか、汚れちゃったのが嫌なのね?」
「う、うん」

そう、姉ちゃんが汚れたのが――

「じゃあ、綺麗にしてあげる」
「え?」

僕に止める暇を与えず、姉ちゃんは再び僕の体に唇を寄せた。
逸物やその周辺、下腹部に太股……先程の射精で垂れ落ちた白濁を、ねっとりとした舌使いで丁寧
に舐め取っていく。

「ね、姉ちゃん、ちがっ、僕じゃなくて、姉ちゃんが……!」

なんとか誤解を解こうとして姉ちゃんの顔を見たとき、僕は絶句した。

「コウちゃん、コウちゃんの精液……えへへ、全部、全部、わたしのもの……!」

爛々と輝く理性を失った瞳、熱く荒い鼻息、僕の白濁を一滴たりとも逃すまいと這い回る、蛇のよ
うな舌。
そこにいたのは、一匹の獣だった。
普段の清楚な表情など完全に吹っ飛んでしまっている。
と言うよりも、この表情のインパクトがあまりにも強すぎて、僕は「普段の姉ちゃん」の顔を上手
く思い出すことが出来ないほどだった。

(……普段の姉ちゃん?普段の姉ちゃんって、なんだ?)

今思えば、姉ちゃんは元々こうだったような気がする。
確かに清楚で大人しくておっとしていて、大和撫子という言葉がピッタリ似合う人ではあった。そ
れは確かだ。
だが、それだけだっただろうか?

(思い出せ、思い出すんだ、公一……!)

よくよく思い返してみると、姉ちゃんはたまに妙な表情を見せていた気がする。
僕が風呂上りでラフな格好をしているとき、赤い顔で足の辺りとか腕の辺りとかを見つめていた。
洗面所を通りかかったとき、誰かの洗濯物に思いっきり顔を埋めていたような気がする。
一緒に寝てあげる、なんて割と本気っぽい顔で言っていたのは、単に僕のことを子供扱いしている
から、だけだったのか?

(……怪しいところ多すぎじゃないか!なんで今まで気付かなかったんだ!?)

いや、気付けなくて当然かもしれない。
誰だって、まさか姉が自分に欲情しているなどとは思うまい。
幾分か冷静さを取り戻した頭で僕がそこまで考えたとき、姉ちゃんは「掃除」を終えたようだった。

「ああ、おいしかった」

うっとりした顔で呟いたあと、「あら、コウちゃんたら」と、上気した頬に手を添えて呟いた。

「まだまだ元気みたいね。お姉ちゃんの、気持ちよかった?」

その視線は、またも僕の股間に注がれている。さっき射精したばかりだというのに、未だに元気に
天井を指している逸物。

「ち、違うよ、そんなんじゃ……!」

僕は慌てて弁解するが、ギンギンにそそり立ったままの逸物を前にして言っても全く説得力がない。
不思議だった。僕だって中学生で思春期真っ盛りだから、確かに多少は元気なのかもしれない。
でもこれは明らかにおかしい。いつもなら、どんなに勃起していても自慰をすればすぐに収まるも
のなのだが。
悩む僕の前で、アズサ姉ちゃんは意味深な微笑と共に何かを取り出した。

「お薬、効いたみたいね」
「ちょ、なに仕込んでるの姉ちゃん!?」

姉ちゃんの手に握られている小瓶を見て、僕は目を見開く。
姉ちゃんはにっこりと笑って、小瓶を揺らして見せた。

「これはね、コウちゃんのことを元気にするお薬なの。昨日の晩御飯に、ちょちょいっと、ね?」
「ね?じゃないよもう……」

僕はうんざりする。昨日、僕が好物のハンバーグを食べるところを、アズサ姉ちゃんがヤケに熱心
に見つめていた理由がやっと分かった。

(ああ、こんなことならあんなガツガツ食べるんじゃなかった!)

後悔してももう遅い。姉ちゃんはクスクス笑いながら小瓶を仕舞うと、いそいそとズボンを脱ぎ始めた。

「ほら、コウちゃん、見て?」

誘うように言いながら、姉ちゃんはそっとショーツをずり下ろす。
茂みに覆われた股間から透明な液体が太股を垂れ落ちている。僕は絶句した。

(愛液……って言うんだよな。興奮すると出てくる、とか言う)

しかし量が尋常ではない。どれだけ興奮しているんだろう、この人は。
そもそも、いくら興奮しているとは言え、こんなに出るものなんだろうか。

足を伝って床に達しつつある姉ちゃんの愛液を見て、僕は心底疑問に思う。

「分かる?お姉ちゃんね、コウちゃんのをここに入れたくて、たまらないの。今までずっとそう
だったの、気付いてた?」
「ううん、全然」

思わず普通に返事を返してしまう。姉ちゃんは悩ましげな吐息を零した。

「そうよね。だって、ずっと抑えてきたんだもの。せめてコウちゃんが14歳になるまでは我慢しよ
う、って」

どういう理屈なのかは知らないが、とにかくそういうことらしい。
僕は今日で14歳の誕生日を迎えたのだ。
それで、姉ちゃんは自分の中の掟に従って、ついに抑え込んでいた欲望を解放することにしたらしい。

(それにしても誕生日当日の朝に早速って……姉ちゃん、よっぽど我慢してたんだなあ)

変なことで感心してしまうのが自分でも少しおかしい。
あまりの事態に脳がついていけず、逆に冷静になってしまっているのかもしれない。

「じゃあ、コウちゃん……いい、よね?」
「なにが?」

聞き返してしまったが、姉ちゃんが何を聞いているのか、本当は薄々感付いていた。

「ああ、コウちゃんのその無邪気な瞳……お姉ちゃん、たまらないの」

たまらないらしい姉ちゃんが、かすかに体を震わせながら、下半身を露出させたままベッドに上がる。
そして、僕の股間の両脇に足を突くと、ゆっくりとしゃがみ込み――

「ま、待って!」

女性器と亀頭の先端が触れ合うか否かのギリギリなところで、僕は慌てて姉ちゃんを止めた。

「やぁ、じらしちゃいやよ、コウちゃん」

鼻にかかったような甘い声だ。姉ちゃんの黒い瞳が、何かを渇望するように潤んでいる。
大好きな姉を泣かせているという罪悪感に、またも僕の胸が痛くなる。

(いやいや、だからってこの状況でこのまま黙っていられるか!勇気を出すんだ、公一!)

僕はありったけの力で自分を奮い立たせ、言った。

「姉ちゃん、こういうことは、よくないよ。だから、ええと、その……やめてくれない、かな?」

たちまち、姉ちゃんの顔が悲しげに歪む。潤んだ瞳から涙が零れ落ちた。

「……やっぱり、こんなお姉ちゃんは、嫌い?」

姉ちゃんが僕の腹に座り込んで泣き出してしまった。
その重みを感じながら、僕は慌ててフォローを入れる。

「ち、違うよ姉ちゃん、嫌なワケじゃなくて……!」
「本当?」

姉ちゃんが、不安そうに聞く。僕は何度も頷いた。

「本当。いや、そりゃもちろんビックリしたし、姉弟でこういうことをするのは……っていうのはあるけど、
だからって、姉ちゃんが嫌いになった、とか気持ち悪い、とか、そういうことは絶対にないよ」

これは本当だった。自分でも少し以外だが。

「じゃあ、どうして嫌なの?」

姉ちゃんが小さく首を傾げる。年上なのに妙に可愛らしく見えるその仕草にいつもの姉ちゃんを垣
間見て、僕は少しだけほっとした。

「あのさ」

ここから先を言うのは、少し勇気が必要だった。

「こういうのって、普通は好きな人同士でやるもの、だよね?」

姉ちゃんの顔がさっと青ざめる。

「じゃあやっぱりお姉ちゃんが嫌いなのね!?」
「違うよ!そういうことじゃなくて、さ……」

その先をどうしても言えずにいる僕を見て、姉ちゃんはようやく事情を察してくれたらしい。

「分かった!じゃあコウちゃん、誰か、好きな女の子がいるのね?」

ポンと手を打った姉ちゃんの言葉に、僕は頬が熱くなるのを感じた。当たりだった。

「ふーん。そうなの。コウちゃんも、お姉ちゃん以外の女の子を好きになるような年になったのねえ」

やけにしみじみと頷き姉ちゃんに、僕は苦笑してしまった。

「そりゃそうだよ。僕もう十四だよ?」
「そうよねえ、十四だものねえ。ああ、4歳ぐらいまでは、『ぼくお姉ちゃんと結婚する!』って
言ってくれたのに……あのときのコウちゃんは、とっても」
「あはは、可愛かった、とか?」
「うん、思わずその場で犯しそうになるぐらい……」
「ちょ」
「大丈夫よ、その日の夜一晩中オナニーしてなんとか抑えたから」

安心させるように微笑む姉ちゃんとは裏腹に、僕は背筋が冷たくなるのを感じていた。

(姉ちゃんって、今年大学二年で僕とは6歳違いだったよな。じゃあ、10歳の頃から4歳の僕に欲情し
ていたことに……。しかも一晩中オナニーって)

衝撃の事実だった。
よく今まで自分の貞操が守られていたものだと、感心するというか驚嘆するというか。

「それで」

不意に、姉ちゃんが悪戯っぽい微笑を浮かべて、僕の隣に体を横たえた。
息がかかるぐらいに顔を近づけて、内緒話をするようにそっと聞いてくる。

「コウちゃんが好きなのって、どんな子なのかな?」

先程までの興奮がなりを潜め、純粋な好奇心が瞳を輝かせている。
こういう、少し子供っぽいところも、いつもの姉ちゃんだ。
僕は縛られているしお互い下半身を露出させたままだが、僕はほっとしながら答えた。

「ええと、隣の席に座ってる子で、名前は見原綾香って言うんだけど」

いつかは姉ちゃんに相談してアドバイスを聞きたいと思っていたことでもあるし、見原さんのこと
を喋るのに抵抗はない。
見原さんは、一言で言えば大人しい女の子だった。
頭の高いところで癖のある髪を二つに結った、小柄な女の子。
少し垂れ気味な大きな瞳と、いつも小さくしか開かない唇が、僕は大好きだった。
もちろん外見ではなく、性格もいい。声だけでなく発言の内容も控え目で、話す人全てを穏やかな
気持ちにさせてくれる。
隣の席でよく話すし、たまに僕の方をじーっと見つめているのを感じるから、多分筋はあると思う。
この間なんか、目が合っただけで見原さんの顔が真っ赤になっていた。
多分、僕だけじゃなくて彼女も僕のことが好きなんだ、と確信できた瞬間だ。
そんなことを、興奮のあまりちょっとつっかえながら話すと、姉ちゃんは満足げに頷いて言った。

「分かったわ、コウちゃん。お姉ちゃんに任せなさい」
「え、どうすればいいの?」

年上の女性としてのアドバイスをしてくれるのかと期待していたら、姉ちゃんは笑顔のままとんで
もないことを言った。

「3Pしましょう!」
「……は?」

耳を疑う僕の前で、姉ちゃんは唇に人差し指を添えて説明し始める。

「コウちゃんのテクで、ウブな綾香ちゃんを優しく導いてあげるのよ。もちろん、お姉ちゃんも協力するわ。
そうねえ、話を聞いた限りではMっぽいから、とりあえず後ろからお尻でも弄ってあげようかしら」
「ちょ、姉ちゃん、何言って」
「あ、でもどっちにしても、コウちゃんにもある程度の技術は必要よね!やっぱりお姉ちゃんが教
えてあげなくちゃ。そういうわけで」

姉ちゃんはいそいそと、またさっきの体勢に戻った。僕の股の両脇に足をついて、ゆっくりと腰を
下ろして、

「コウちゃんの初めて、いただきまーす!」
「ちょ、姉ちゃん、ま、あ、いや、だめぇぇぇぇぇぇっ!」

……それから先のことは、何というか、あまり思い出したくない。
少なくとも、姉ちゃんが満足する頃、僕が精も根も枯れ果てた状態だったことは確かだ。


そうして、一ヶ月ほどの月日が経った。
僕と姉ちゃんの関係がどうなったかは、まあいちいち説明するまでもないと思う。
両親がおらず僕と姉ちゃんと妹の三人暮らしのこの家屋内において、逃げ場などあるはずもない。
そもそも僕に姉ちゃんを拒めるはずがないのだから、どんなに抵抗しても結局最後はベッドまで
行ってしまうわけで。
ペースは、一日大体十回ぐらい、ということだろうか。
最初は耐えられなかったこの日課も、最近ではほぼ平気になりつつある。
こういう能力も鍛えられるものだということを、改めて実感する日々である。
さらにもう一つ、追記するべき大きな変化があった。

「こ、公一、くん……」

ベッドの縁に腰掛けた僕の眼下で、四つんばいになった見原さんが哀願するように瞳を潤ませている。
彼女は裸だった。いや、正確には裸に近い格好だ。
頭には犬の耳を象ったヘッドセットをつけているし、肛門には犬の尻尾を象ったバイブが突き刺
さっている。
そして極めつけ、首に巻かれた首輪と、そこから伸びる鎖。鎖の先は僕の手に握られている。
これが本日の彼女の希望だった。
すなわち、犬プレイ。

「ダメじゃないか、綾香」

精一杯努力して冷たい声を出しながら、僕は鎖を強く引く。見原さんが、かすかな吐息を漏らして
前につんのめった。

「犬が、人間の言葉を喋るの?」
「……ん……わ、わん……」

犬の鳴き真似をする見原さんの顔は、ほんのりと赤く染まっている。
それこそ犬のようにだらしなく垂れた舌と、焦点を失った潤んだ瞳は、彼女が紛うことなき興奮状
態にあることを示している。
まあ、いちいちそんなことを確認するまでもなく、眉やら唇やらが明らかに悦びの表情を作ってい
るのだけれど。

(ああ、内気で大人しかった見原さんがこんなに乱れて……)

僕自身多少興奮はするものの、嘆く気持ちの方がやっぱり強い。
別に、ここまで親密になろうと思っていたワケではないはずなのだが。

「おほほほほ、いやだわこんなに濡らしちゃって、躾のなってないワンちゃんね」

ボンテージに身を包んだアズサ姉ちゃんが、見原さんのお尻をぱしぱしと叩いた。
そのたび、見原さんは熱っぽい吐息を漏らして身をよじる。

「ほらコウちゃん、飼い主として、ちゃんと躾てあげなくちゃダメよ?」

姉ちゃんはやたらと楽しそうだった。純粋に、こういうことが大好きなんだろう。

(まあ、僕はこの一ヶ月で、その事実を嫌ってほど思い知らされたワケだけど)

僕は内心ため息を吐きつつ、表面上は冷たい笑みを浮かべて頷いた。

「そうだね。ダメだよ綾香、いくら君がいつもサカってばっかりの淫乱な雌犬だからって、
ちょっとは我慢しなくちゃ、さ?
「わ、わふぅ……」
「ほら、今だけ人の言葉使ってもいいからさ。言ってご覧よ、昨日は何回オナニーしたの?」
「……じゅ、十三回ぐらい、です……」
「呆れたね。あのあとそんなにやったんだ。何を考えてたのかな?」
「あの、昨日鞭で叩いてもらったこと、とか……ん……もしも、公一君がっ……わ、わたしのこと学
校でも、お、犯してくれたら、とかぁ……っん」

見原さんの声がどんどん上ずっていく。自分の言葉に自分で興奮しているらしい。

「へえ。綾香は、学校でも犯してもらいたいんだ?」
「は、はいぃ……あのっ、い、今みたいな格好で、学校の中、公一君と一緒にお散歩したいですぅ……
ああ、み、みんながわたしを見て、薄汚い犬だって言って笑うの……!その中で、わ、わたし、
公一君に後ろから目一杯犯してもらうのぉ……!」

その光景を想像しているのか、見原さんは恍惚とした微笑を浮かべている。

(……最近、ますます加速してきた気がするなあ、彼女のMっぷり……)

僕は内心ため息を吐く。
見原さんは姉ちゃんの睨んだとおり、Mだった。それも、ただのMじゃない。ドがつくほどの凄まじいMだ。
なんでも、見原さん的に僕は理想のご主人様にぴったり当てはまる男の子だったのだそうだ。

「一体どんなところがさ?」
「あの、顔もそうだし、表情とかも……あと声とか口調とか仕草とか……と、とにかく、全部が全部、
わたしが日々思い描いては想像の中で犯していただいていたご主人様に、そっくりなんです」

真っ赤な顔で拳を握って力説する見原さんを見て、僕はどう反応していいのか分からなかったものだ。
授業中に僕のことを見つめていたときも、

(あの声で罵ってくれないかなあ。メチャクチャに犯してくれないかなあ)
(公一君の足、舐めてみたいなあ。踏んでほしいなあ)
(わたしが授業中にこんなこと考えてるの知ったら、お仕置きしてくれるかなあ)

と、いうようなことを考えていたらしい。もちろん僕は全く知らなかった。
まあとにかく、そんな訳で、姉ちゃんのアドバイスを受けつつ見原さんに告白した僕は、その勢い
で見原さんからも性の告白を受け、彼女の要求に答えつつ今日に至るわけだ。

(それにしても)

お仕置きと称して見原さんにフェラチオをさせながら、僕はこっそりと、部屋の入り口の方に目を走らせる。
本人は気付かれていないつもりなのだろうが、わずかに開いた扉の隙間に、妹である穂波の顔が見えている。
食い入るように僕らの行為を見つめながら、その腕は絶え間なく股間をまさぐっている。

(なおかつ)

窓の方に目を向ける。隣家の二階のカーテンは閉じられていたが、その隙間からビデオカメラのレ
ンズらしきものが突き出している。

(隣の家のお姉さんまで……)

多数の女の人に欲情の篭った目で見つめられている現実を顧みて、僕は悲しい気持ちになる。
姉ちゃんに犯されて以来、注意しながら周りを見てみると、クラスの担任の先生や部活の先輩委員
会の後輩、よく行くコンビニのバイトのお姉さんや、通りかかるたびに挨拶してくれる近所の家の奥
さんやら、みんなの視線に何か尋常でないものが宿っているのを自覚できるようになったのだ。

(みんながみんなそうなのかな……いや、まさかな。きっと僕の勘違いだよな、うん)

自分の心にそう言い聞かせつつも、おそらくその予想が当たっているだろうことを、僕は半ば確信
している。
どうやらこの先、僕が痴女の皆さんから逃れる術はなさそうである。

「ほら、どうしたの、コウちゃん」
「ご、ご主人様……」

ふと我に返ってみると、見原さんのフェラチオはもう終わっていた。
代わりに、彼女は僕に尻を向けて、期待するような目で肩越しに僕を見ていた。
姉ちゃんの方はニコニコしながら見原さんの尻に手を添え、彼女のひくつく肛門をこれでもかとい
うほど大きく広げている。

「ほらコウちゃん、綾香ちゃん、ここに欲しくてたまらないんだって」
「お、お願いしますぅ……」

嬉々とした姉ちゃんの声と、見原さんの切ない懇願を聞きながら、僕はゆっくりと立ち上がる。
喜ぶべきか嘆くべきか、股間の逸物様は今日も全開ギンギンだ。
姉ちゃんと繋がったあの日以来、十発ぐらいなら余裕で持つようになってしまった。ひょっとした
ら何か変な薬でも盛られているのかもしれないが、もはや考える気にもならない。

(僕、まだ中学生なんだけどなあ……)

心の中で嘆きのため息を吐きながら、僕は見原さんの小さな尻を乱暴に引っつかむ。

「そんなに欲しけりゃいくらでもくれてやるよ、この雌ブタ!」

ヤケクソ気味に叫びながら、何の前準備もなしに見原の肛門に逸物を突き入れる。
直腸の熱と強い締め付けを感じながら、勢いの任すままに思いきり腰を前後させる。
見原さんが甲高い悲鳴を上げた。

「ご、ご主人、さまっ……!い、いつもより、は、はげしっ……!」
「あはははは、コウちゃん、とってもお元気ね!あとでお姉ちゃんにもいっぱいちょうだいね?」

僕の腰使いを見つめながら、姉ちゃんがうっとりと頬を染める。

(あーもう、こうなったらやってやるよ!誰でも、何人でも来いってんだ!)

何か大切なものが切れてしまったような頭で考えながら、僕はまず扉の影で自慰している妹をそば
に呼びつけるべく、大きく口を開いた。






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