とある純愛コピペ (非エロ)
シチュエーション


5歳の時、君を愛してると言ったよね。すると君は首をかしげて、
水晶のようにキラキラした目で瞬きしながら、
不思議そうに聞いたよね。『それはどういう意味?』ってね。


「15歳の時、君を愛してると言ったよね。すると君はまるで真っ赤な夕日のように顔を赤らめて、
顔を下に向けたまま、洋服の襟をいじってたね。あの時君はどこかうれしそうだった。


「20歳の時、君を愛してると言ったよね。すると君は頭を僕の肩に乗せたまま、
僕の腕を抱きしめたよね。
まるで次の瞬間に僕が消えてしまうことを心配しているかのように。


「25歳の時、君を愛してると言ったよね。すると君は朝食をテーブルの上に置いてから、
僕の鼻を小突いて、
『分かったわよ!ものぐささん、もう起きなきゃダメでしょ!』と言ったよね。


「30歳の時、君を愛してると言ったよね。すると君は笑いながら、
『あなたって人はもう!もし本当に愛してるなら、仕事が終わったらあちこちぶらぶらしないでね。
それから、買ってくるようにお願いしたものを忘れないでね!』と言ったよね。


「40歳の時、君を愛してると言ったよね。すると君は食器を片づけながら表情も変えずに、
『はいはい、さっさと子供に復習させてね』と言ったよね。


「50歳の時、君を愛してると言ったよね。すると君は毛糸玉を丸めながら顔も上げずに、
『本気で言ってるの?本当は私に早く死んでもらいたいんじゃないの』
と笑いが止まらない様子だったよね。


「60歳の時、君を愛してると言ったよね。すると君は笑いながらパンチをしつつ、
『いい年こいて何言ってるの!孫もこんなに大きくなったって言うのに、口の減らない人ね!』
と言ったよね。


「70歳の時、二人でロッキングチェアに座って、老眼鏡をかけながら、
50年前に僕が君に渡したラブレターを読んだよね。
もうしわくちゃになってしまった二人の手がまた一つになり、君を愛してると言ったよね。
すると君は感慨深げに僕を見上げたけど、
しわだらけの君の顔はやはり美しい……お湯を沸かしているポットが湯気を上げ、
温かい雰囲気が家じゅうに広がった……


「80歳の時、君は僕を愛してると言ったよね。僕は何も言わなかった。涙が止まらなかったから。
でもあれは僕の人生の中で一番うれしい日だったよ。
だって君がようやく『あなたを愛してる』と言ってくれたんだから。






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