源平物っぽいもの第二夜
シチュエーション


「ああ、あぁぁぁ……」 

暗い暗い部屋の中ただ蝋燭の明かりだけが二人を照らす。
時折聞こえるものは、肉を打つ音と、
後は、
女のあえぎ声。

「ア!! ァァァァ……うう、もっと、もっと激しくお願いします!!」
「フン、そうか……なら此れならどうじゃ!!」

バシン!!

凄まじい音が部屋に響き渡る。
何重にも巻いた藁束が女の柔らかき肉を打つ音だ。

「うあ……! オオオゥォォ……いい、いいです」

女はだがその痛みに快楽を覚え大きく体を揺らし恍惚の表情を浮かべる。
その身は何処も真っ赤に染まり、
巻いた藁束の衝撃は柔らかき内腸まで届いているであろう。
血や汗が汗がぽたぽたと床にこぼれる。
だが床にこぼれるものはそれだけではなかった。
ねっとりとした体液が股坐より垂れさがる。

女は被虐性癖者(マゾヒスト)であった。

「ふん、どうじゃ、これで満足か? 」

巻き藁で女を叩いていた男がそう呟く、
頭をつるつるにそり上げた大入道である。
問いかけてにやりと笑うその顔はまるで京の都に出没する鬼を思わせた。

だが人であった。
そしてその男は、
この世の栄華を手中に収めた男であった。

男の名は平清盛

日ノ本を治める平家の棟梁で合った。

「ああ、いい……すさまじき悦楽にございます……」

女はそう言うと恍惚の表情を浮かべて気絶した。

―――――――――――――――

「ねえ、ヨシツネのお姉さんってめちゃめちゃ美人だね」

うっとりとした顔で弁慶はつぶやいた。

「ムう、当り前であろう? わらわの姉上じゃぞ?」

口をアヒルのような形にして義経はつぶやいた。
何かちょっと不満がある時の彼女の癖だ。
すぐに言葉と顔に出る。

(全く子供だよ)

その顔を見る度に弁慶は思う。

「なんじゃ弁慶何を考えておる」
「え? 義経の言うとうりだなって」
「ふむ、そうじゃろう! わらわの姉じゃ! 綺麗なのは当たり前じゃ!」

にっこりと笑い、『弁慶はやはり正直ものじゃ、可愛いのう』
そう言いながら頭をなでてくる。
そんな彼女の様子を見ながら、

(全く子供だよ)

と、弁慶は思った。


二人は京より鎌倉に向い、そこで義経の姉である
源氏の棟梁『源頼朝』と会い
平家討伐の任を任された。

「きっと平家を打ち倒したら姉上は大喜びをしてくれるぞ、弁慶お主もそう思うだろう?」
「え、ああ、は、はい」

生半可な返事をして頷く。

そうは思わなかった。
はるばる京から妹が来たのにほとんど話もせずに

「大義です義経、あなたには平家討伐の一軍を与えます、期待しておりますよ」

とだけ告げた。
言われた義経は一瞬悲しそうな顔をした後
また元の明るい顔に戻った。
無理をしているのが弁慶には痛いほどわかる。

(全く子供……だよ)

弁慶は思った。


――――――――――――――――――――――


「お集まりの皆さま、これよりこの場所をあの世間知らずの田舎者、
源氏の軍を率いる源義経が通ります」

馬上から、大勢の兵士が並ぶ中よく透き通る声でその少女は兵たちに話しかける。
その少女は美しいがどこか冷たい感じの印象を与える少女であった。
知恵随一と呼ばれる清盛の長女『平維盛(たいらの これもり)』である。

「私の分析によれば義経は山奥に引きこもり、世間知らずで幼稚さが目立つとの事
その様な者にわれら平家が負けるわけありません」

「うおおお!!!」

一斉に上がる勝鬨、それを維盛は嬉しそうに眺めていた。



――――――――――――――――――――――


「義経様! ココより先に平氏の軍勢が」 

物見から帰った兵が義経に報告をあげる。

「ええ!! そ、そんな、ど、どうしよう、ヨシツネ」
「ふむ、大将は誰かわかるか?」

狼狽する弁慶を尻目に静かに呟く義経。

「おそらく……知将と謳われる維盛かと」

それを聞き義経は腕組みをする、
そして、

「よし、弁慶ついて参れ! そのものに会いに行くぞ! 」

馬に鞭を入れるが早いか、単騎で駆けだした。

「え!? ヨ、ヨシツネ! ま、まってよ」

驚く一同を尻目にかけ出した義経を追いかけて弁慶もまた駈け出した。

(全く、子供なんだから!!)

手綱を握りながら弁慶は心の中で毒づいた。

「平家の将はいずこか? 九郎義経が参った!」

どこからこんな大きな声が? と言わんばかりの声で叫ぶと兵士の軍が二つに割れて
ゆっくりと見るも見事な女性が静々と歩いてきた。
間違いなく平氏の軍を率いる平維盛であった。

「おお、お主がこの軍の将か」

そう叫ぶとぴょんと馬を下りてつかつかと歩み寄る。
警戒する平氏の軍勢をすっと維盛は手で制する。

「お主は平家一門で最も知恵者と聞く、真か?」

その質問に平家方から失笑が出る、あまりにも間の抜けた質問だからだ。
その質問に対して維盛は

「私が随一か、わかりませんが」

と、告げた。
だが、義経が次に発した言葉を聞き居並ぶものは皆腹を抱えて大笑いを始めた。
義経が

「ならば知恵比べをしようではないか」

と、告げたからである。

「ちょ、義経、君、そう言うの苦手だろ!?」

いつも弁慶が寺で覚えたことをいろいろ教えようとすると、

「わらわはあたまをつかうの、にがてじゃぁ……」

と言い、すぐ投げ出してしまう。

そんな義経が知恵勝負。
勝てるわけがないのにすぐ対抗しようとする。

(全く子供なんだから)

弁慶は心の中で舌打ちをした。

「ほほう? どのように比べますかな?」
「簡単じゃ、わらわが問題を出す、お主はそれに答えれば良い、
正解を出すまでだれも手助けはしてはいかん、3問答えられればお主の勝ち
これでどうじゃ?」
「良いでしょう、ですがこちらからも条件があります、あなたしか分からない様な
特別な質問は無にいたしませんか?」

義経は少し考えた後、

「そうじゃのう……、うむ、ではいくぞ、皆の者手出しは無だぞ約束せよ!!」

かなり動揺している、如何やら大方『今日の朝ごはんは何だったでしょう?』
などと言いだすつもりだったのだろう。

(うう、いざとなったら、僕が義経を助けなきゃ)

弁慶の全身から嫌な汗がどっと沸いてくる。
義経は言い終わると、維盛の方を向き、にやりと笑う。

(いつも何か悪いことを思いついた時の顔だ)

弁慶がそう思ったとき。

「では第一門じゃ、いまわらわが触っておるお主のこのコリコリした物を何と言う?さあ皆に聞こえるように大きな声で言うがよい」

そう言いながら義経はコレモリの服の胸元に素早く手を差し入れて少し固くなった胸の先端を指で摘まんでいた。あまりの早業にだれもあっと言う暇もなかった。

「な! そんなもんだい……」
「分からんのか? お主の身体じゃぞ?」

そう言いながら指先を器用に使いコレモリの胸を攻め立ててゆく。

「ひゃぁあぁ!」

涎を飛ばしながらコレモリの口から悲鳴が上がった。

「よ、義経たばかったか!!」

平氏方が刃を抜き切りかかろうとした刹那、馬で弁慶が間に割って入る。

「し、静まりなさい! 義経様はたばかってなどおられぬ! 約定道理に問題を出しているだけです、平家方は約束一つ守れぬ卑怯物か!?」

精一杯の大声であった、今までのどんな時よりも。
それに圧倒されたか、
平氏方は静まりまた下がってゆく。

その間も義経の問答が続きコレモリは悲鳴を上げていた。
大勢の前で恥をかくか、それともこのまま恥辱を受け続けるか、
ならば答えは一つ。
そう判断したコレモリはぎゅっと唇をかみしめてキッときつく義経を睨みつけると、
震えるような声で言葉を発した。

「そ、そなたが触っているのは、私の乳首だ……」

オオオっ!!

コレモリの意を察した平家方から歓声が飛ぶ。

「ほう、この大勢の前で弄られて固くピーンと張ったものは乳首と言うのか」

大きな声を出してコレモリの羞恥心を煽る義経、あまりの恥辱のために
顔を真っ赤にして彼女は打ち震えていた。

「さてと、では第二問目に行くぞ」

そう言うと

チュプリ

先ほどと同じ素早さで、下袴の中に手を差し伸べると今度はコレモリの秘所へと指を差し入れた。

「うはぁ!? あ、あおお」

クチュクチュとわざと大きな音を立てるように動かし続けて、義経はコレモリの陰核と
陰部を攻め続ける。
先ほどまでの胸責めでコレモリの股坐は限界に達しようとしていた。

「くっ、お、オノレ義経!!」

顔を真っ赤にして、快感と恥辱に耐えながらコレモリは義経を睨みつける。
トロトロとした愛蜜がピチャピチャと義経の指先を濡らしてゆく。
何とか体をそらし逃れようとするコレモリに対して、
器用に手を使い休むすきを与えずに義経はコレモリを攻め立てて行った。

「フム、コレモリ殿、股間がビチャビチャに濡れておるが大丈夫かの?」
「うっ!?」

コレモリはじっと義経の顔を睨みつける。

(く、どこまでも汚い手を)

ここで自分が感じてないと言えば嘘になる、すなわち、問答に負けたと言う事だ。
だが大勢の見守る中、憎い敵に弄られて感じているなどとは、コレモリの自尊心に掛けて、口にすることなどできなかった。

「う、あ、ああ」

そうしている間にも義経の指技は止まらない。
足ががくがくと震えて力が入らない。
目の裏がじんじんと熱くなり、開きっぱなしの口からは、たらたらと涎が垂れてくる。
快感の漣がコレモリの全身を支配してゆく。

このままでは達してしまう!!

(わ、わたしは、平家の武士! このような恥辱耐えてみせる!!)

そう、意を決すると、ゆっくりと言葉を吐きだした。

「あ、ああ……、感じておる……! お主の指技で狂う寸前じゃ!!」

勝った!!

コレモリは屈辱を噛みしめ、血を吐くような思いで義経に告げて、勝利を確信した。
次に何を聞かれようとこれ以上の屈辱はあるまい。

(平家の武士として今はこの屈辱に耐えてみせる!!)

そう覚悟した瞬間、義経の口から信じられない言葉が飛び出した。

「ふむ? わらわは、そなたの身を案じて『平気か?』と、ただ聴いただけだったのだが
まあ良い、では第二の質問いくぞ」
「なぁ!?」

コレモリは呆気に取られて大きく目を見開いた。

(わ、私は唯思い違いをしてただけ、私は)

「ああ、ああ!!」

その瞬間身を大きくビクンと震わせると白目をむいてコレモリは大きく気を吐いた。
コレモリの袴がビシャビシャと濡れてゆく。
自らの恥辱のために遂にコレモリは達してしまったのだ。



「ふむ、これでは答えを言えぬのう、では問答はわらわの勝ちじゃな、はよう、お主らの大将を手当てしてやるがよい、今ならまだ助かろう」

ダラダラと涎を垂らし、それどころかベットリと下袴まで濡らしている大将を手渡されて、
平家方の将たちは一斉に兵を引いた。

「フム弁慶どうじゃ、われらの勝ちだぞ」

そう言いながらコレモリの愛液でべたべたになった指をパクリと加える義経を見て弁慶は

(なんて子供だろう)

と思った。






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