AV女医
シチュエーション


「絶対駄目。却下」

断定的に言われて自分が困り顔になるのが分かる。

「でもこれ便利なんですよ」

自分の格好は下がズボンの術衣の上に白衣、外科系の医師の一般的なものだ。あとは聴診器とPHSが標準装備だ。

この姿で彼の部屋に行くと駄目だしをされてしまった。

「そんな色気のない格好は嫌だ。絶対にスカートはいて」

それはセクハラでは。その思いが顔に出たのだろう、それでも彼は自説を曲げない。

「だって、ほら、すごく間抜けな格好になるけど?」

その場面を想像する。上ははだけるだけでいいとしても下だけを脱がされた姿は確かに間抜けだ。

「全裸になるのなら話は別だけど。スカートなら下着をはずすだけで事足りる」

そんな理由で推奨されるのか。合理的なのか屁理屈なのか分からない。

「分かりました。では間抜けな姿は晒したくないのでこれで失礼します」

一気に言ってとっとと部屋を後にする。閉じるドアの隙間から待って、とか今度からで、とか聞こえた気がしたが、
うん、多分気のせいだ。
しかしスカートか。白衣に眼鏡にスカートなんてAVのザ・女医のテンプレのようじゃないか。


「それ、最高」

断定的に言われてそんなものかと思う。

「へえ、こんなのがあるんだ、便利さと色気が両立されている」

彼は私のストッキングにひどく興味をそそられている。腹部まではくタイプではなくガーターストッキングと呼ばれる
大腿のところの幅広の滑り止め加工のレースによって、ガーターベルトなしに止められるタイプのものだ。
下着にストッキングを重ねて蒸れるのも気になったし、なにより行為のたびに靴を脱いでストッキングを外すのは
彼の言い方でいえば合理的でない、から探してみたらこんなものが売られていたのだ。
これなら下着をはずすだけでいい。だが彼に関してはそれ以上に効果があったようだ。

「ストッキングをはいたままでか、実にいいね。肌とのコントラストも見ごたえがあるよ」

たまたまの黒のストッキングを絶賛されてしまう。
しかしこれこそAV女医だよな。そんな思考も彼の指に翻弄されると保てなくなる。

「いいな。すぐに触れる」

興奮気味の彼はショーツの上から手を入れて指をいれ、陰核を撫でさする。指で膣の中の上側を押されて軽く達した。
黒いストッキングをはいたまま、はよほど興奮を誘ったのか。彼に余裕がないように思う。
噛み付くように口付けられ、激しい抜き差しに自分を保つのが精一杯だった。
白衣の袖を噛んで声を抑えようとするけど、くぐもった呻きをあげてしまう。そのうちに体が震えて

「んんっ――、う、あぁ」

初めて彼によって中でもイかされてしまった。
瞬間、彼の腰をストッキングをはいたままの脚で締め付けていた。
落ち着いた頃に、これは危険な装飾品かもしれないと気付いた。だが彼は満足したらしい。

「今後は必ずそれで。あ、本物のガーターストッキングでもいいよ」

はあ、と間の抜けた返事になりながらどうやら彼のツボをついてしまったようだと思った。






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