保守
シチュエーション


「あ、だめです……だんさまっ、ふあっ…いけません!なか、は……あっ、ああっ」

今にも達しそうな私の高ぶりを内部で感じているようで彼女は力の入らない腕で必死に私の胸を押す。体を離そうとしているくせに、内部は蠢き吸い付き私の精を搾り取らんと複雑に締め付ける。

「大人しくして」
「あっ……できちゃ、っ!あッ」
「いいかい。こうして私たちが交わることは大事なことなのだよ」

冷静に語りかけたつもりが声がだいぶ上擦っている。
彼女が一瞬怯んだ隙に、深々と奥まで突き込んで欲望のすべてを吐き出した。
射精感が全身を支配し、彼女のすべてを満たした歓喜に私は身を震わせる。

「ああ、私の可愛いレディー」

繋がったまま抱き寄せると彼女の中がきゅっと締まった。

「いけませんと申しましたのに」
「さっきも言ったけれど私たちが交わることはとても重要なことだ」

髪を避けて額に口づけ、私は彼女に微笑みかけた。

「時にはこうして交わり、その様を皆に見ていただくことでスレの存続を保たねばならない」
「しかし旦那様。それは中で果てることとは関係がないのでは」
「それは違う。私と君の間に子ができればその子が保守というかけがえのない仕事を継いでくれる」

彼女は納得がいかないような顔をしている。言っていることに嘘はないが、中で果てたかっただけというのが理由の八割だとバレているのかもしれない。
私はまだ衰えていない滾る欲望を使い、彼女を丸め込むことに決めた。

「ほら、もう一度。神々の降臨を待つ間、スレを保守しなければ」
「や、だんなさま……少しやすませ、ああっ」
「だめだよ。そうして気を抜いている間に圧縮がきたらどうするんだい?神々を待つ間は私たちがスレを守るんだ。義務なのだから、さあ続けよう」

ずっとこうしていられるなら過疎でもいいかと思った私の気持ちを見透かしたように彼女が涙ぐんだ目で睨みあげてきた。
……冗談です。神々の降臨お待ち申し上げております。
彼女のこめかみにキスをして、私はしばしの睦事を思う存分楽しもうと誓った。






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