若君と女家庭教師
シチュエーション


「本当に、私があのグレイザー卿のご子息の家庭教師で、よろしいのですか?」

エリザは、澄んだ湖のような蒼い大きな瞳を、歓喜の涙で潤ませながら、囁いた。

「ええ。貴方のように、若く思慮深い、女性を、主は探しておられたのです。」

ニッコリと執事のアルバートは微笑みながら、告げた。

(……しかし、この方もすぐ落胆されてしまうかもしれない。)

屋敷で新たに家庭教師を求めるのは、これで五人目だ。
原因は言わずと知れた、この屋敷の若君ロベルトだった。
17歳になり、紳士として社交界へのデビューは当然果たしていなければ、ならない筈なのに、
未だそれは果たされない。いつまでも、子どもの様に野山を駆け回り、犬や獣達と戯れている。

(国の英雄とご主人様は讃えられているが、若様は……)

「どうぞ、明日からよろしくお願いいたします。」

きっちりと貴婦人としての礼にかなった所作で、エリザは挨拶をした。
主に対する畏敬の心。若く美しい彼女は、教育者としての情熱に、満ち溢れていた。

(今度こそ、若様を変えてくれると信じていますよ。)

「こちらこそ、よろしくお願いいたします。」

アルバートは彼女なら、若君を救えるかもと一縷の望みを託し、深いお辞儀をした。

「こちらこそ、よろしくお願いいたします。」




「…っ!せ、先生。このような、動きで…よろしい、でしょうか…」
「あぁ…。と、とてもお上手です。こ、これならどんな貴婦人も喜ばせることが、
…―んっ。あ…」

しがみついた豪奢な机の脚が、二人の激しい動きにあわせギシギシときしんだ。
エリザの金色の髪は乱れ、汗ばむ額に張り付いた。いつもはきつく閉じられた前ボタンは開かれ、
豊かな乳房がこぼれ出しロベルトの手で、優しく愛撫されている。
背後から貫かれているエリザは、振り返り潤んだ瞳でロベルトにキスをねだった。

「んっ。…はぁ…キスを…」

荒々しく、エリザの桜色のふっくらとした唇を、ロベルトはついばんだ。

「ほ…ほんとにお上手に……」
「お―お願いです。もう、出させてください。」
「い、いけません!まだ、まだ……やっ!あぁぁぁ」





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