コラボ2
シチュエーション


朝日が窓から差し込む中、冴夜は目を覚ました。
爽やかな夏の朝の日差しが、本来ならば照らしている者も爽やかにするはずだったが、照らされている冴夜の全身からは汗が噴出し、顔は青ざめていた。
目を覚まして数秒もしないうちに、強烈な吐き気が襲い、彼女はトイレに駆け込み、胃の中が空になるくらい吐き続けた。

「・・・最悪な夢・・・」

彼女は夢の中で今、都市伝説で最も話題の「兎」に犯された。
だが、なによりも「最悪」だったのは、行為が終わった後、殴りつけた兎の顔の下から、離婚した元夫の顔が出てきたからだった。
そこで、悪夢は終わり、冴夜は跳ね起きた。

カーテンを開けることもせず、風呂場に向かう冴夜。
汗と共に、落とすことは容易ではない悪夢の余韻を洗い流そうと考えたが、それは余計彼女の闇を暗くした。

「・・・くそっ!」

彼女の秘部は濡れていた。
壁を殴る。
普通の人間なら手の方が損傷する力で殴りつけているが、冴夜の苛立ちはコンクリートでは耐えることが出来なかった。

「ごめんなさい・・・優也・・・」

しかし、頭の中では兎が言った、優也が浮気した可能性がぬぐえなかった。

「私のも夢、優也のも夢・・・でも・・・でも・・・」

彼女はシャワーの雨に打たれ、泣いた。

その背後でインターホンが鳴る音が響いた。


高速で動く窓の外には海が見える。
少し波は高いようだ。
そう思った矢先、電車はトンネルの中に入り、黒い風景が広がるだけとなった。
優也は視線を窓から正面に移す。
向かい側の席には、後輩の長内美樹が居眠りをしていた。
電車の振動で、一瞬だけ彼女の襟元から傷跡が見えた。
それは過去に美樹の彼氏から受けたものだ。
その男は金使いが荒く、暴力癖があり、金の為に美樹を「売ろう」としていた。
その揉め事には優也や冴夜も巻き込まれ、一時は大騒ぎになった。
なんとか問題は解決したものの、その後その男は変死したらしい・・・。

「ふう・・・」

小さくため息をつく。
体がだるい。

優也は朝からそう感じていた。
昨日、変な夢を見たせいだろうか。
内容はよく覚えている。
夢の中でミサラという魔神とHをした。
非常にリアルな夢で、とても夢とは思えないものだった。

『夢の中とは言え、冴夜以外の女性を抱いてしまった・・・』

体には疲労感があり、心の中には冴夜への罪悪感があった。

『ごめん、冴夜・・・』

優也は心の中で呟いた。

窓から光が流れてくる。
トンネルを抜け、再び海が見え始める。
海から頭を出している岩に海鳥が羽を休めている。
その景色も電車の窓からすぐに姿を消した。
線路のカーブの先に港町があり、その次の駅が優也の降りる駅だ。

「そろそろ用意しなきゃ」

優也はそう言って、立ち上げる。

「あ・・・先輩・・・」

優也が立ち上がったのに気がついたのか、美樹が目を覚ました。

「ああ、おはよう」
「そろそろ降りるんですか?」

美樹が眠たそうに声をかける。
そうだよと、優也は呟き、荷物を用意する。
優也が降りる前の駅に着き、電車が止まる。

「あの、優也先輩・・・」
「ん?」

ベルの音が鳴り、ドアが閉まり、電車が動き出す。
二人の間に沈黙が漂い、電車の動く音と他の人たちの話す声が響く。

「そろそろ、降りるのかい?」

分単位であったと感じていた、わずか数秒の沈黙を優也が所属しているゼミの教授が引き裂く。
優也が教授や他のゼミ生に挨拶をしている間、美樹は下を向いていた。
彼は美樹の方に視線を向けたが、電車はすぐに優也が降りる駅に着き、二人の視線を交えることを許さなかった。

電車は名残を惜しむことなく、走り去る。
優也は疲れた体で駅に立つ。
工場地帯と田園が同居している変わった地域に建てられたこの無人駅は比較的新しい駅で、建てられた当初は、地域の発展に繋がるものと期待された。
そのために住宅地も立てられ、草木が多く生える湿地帯を改善して大きな公園も作られた。
しかし、結局は大きな店も商店街も出来ることは無く、望まれた発展までには至らなかった。
公園は湿地帯であった名残で、自然も多く残っており、鳴き声を大きくたてる蝉もここから声を上げていた。
優也はその歓声と真夏の太陽のスポットライトを浴びて、その無人駅に降り立つ。

「暑い・・・」

そう呟き、辺りを何度も見渡す。
おかしい。
そう優也は思った。
本当なら冴夜が迎えに来ているはずだ。
けど、いない。
携帯にもかけたが、繋がらない。
悪い予感がした夏の暑さにも関わらず、悪寒を感じながら優也は駆け出した。

冴夜の家に着いたが優也は異様な雰囲気を感じた。
家の外に見知らぬ車が止まっており、その中には誰もいなかった。
息を切らしながらインターホンを鳴らす。
はい、という声がすぐに返るがそれは冴夜の声ではなかった。
優也の顔は青ざめた。

「・・・だれ・・・?」

その問いに答えるように、静かにドアが開く。
そこには見知らぬ少年が立っていた。

「八房 猛紀(やつふさ もうき)と言います。冴夜の弟です。始めまして」

高校生くらいの少年で、確かにどこと無く冴夜に似ている。
話には聞いていたが、優也が会うのは初めてだった。

「冴夜は・・・?」
「姉は本家に召還されることになりました」
「え・・・?」

猛紀を乗り越える形で家の中に入る優也。
冴夜はすぐに発見できた。

「優也・・・」

憔悴した顔になっている冴夜。

「冴夜、どうしたの・・・?」

冴夜は優也の匂いをかぐ。

「ああ、やっぱり・・・」

そう呟くと、優也の問いにしばらく口を閉ざす冴夜。

「夢の中でだけど・・・兎に犯されたの・・・」

優也の世界が凍りついた。
凍った世界の中で、冴夜だけが動いて見える。

「ごめんなさい、優也・・・これも浮気よね・・・でも、優也だって浮気したよね・・・匂いで分るわ・・・女の匂いするもの・・・」

ぽろぽろと涙をこぼす冴夜。
優也は、息が止まりかけた。

「で、でも、僕だって、夢で・・・冴夜のだって、夢だろ!?だったら、気にしなくても・・・」

優也は枯れた声を絞り出す。
喉が異様に渇いているのが分る。

「分ってるわ・・・でも・・・許せないの・・・自分も優也も・・・」

数秒の沈黙。
優也を支配している氷の世界はいまだに溶けずにいた。

「それに、今日実家の方から、帰って来いってきたの・・・一族に戻るチャンスをもう一度、貰えるって・・・」

そう言うと、冴夜はすすり泣いた。

「姉さん、そろそろ行かないと・・・」

猛紀が遠慮がちに部屋に入ってくる。
後ろにはもう一人男が立っている。
冴夜は静かに立ち上がると、用意していた荷物を持って、立ち上がった。

「うん・・・じゃあね、優也、さようなら・・・」
「待ってよ!冴夜!」

追いすがろうとする優也を男が殴りつける。
壁にぶつかり、視界が暗くなった。

「何をするの!やめなさい!!」

冴夜の叫び声が聞こえる。
自身を呼ぶ冴夜の声が少しずつ遠くなって・・・。

視界に白い光が見える。
それを蛍光灯の光だと認識するには10秒ほどかかった。

「ここは・・・」

冴夜の家だった。
しかし、床とかではなく、ベッドの上だった。
軽い痛みを思い出し、頭に手をやると、そこには包帯が巻かれており、優也は事の次第を思い出した。

「・・・冴夜・・・」

このベッドは何度も冴夜と愛し合った場所だ。
優也はすすり泣いた。

「・・・優也クン・・・」

すすり泣いている優也の耳に声が届く。
顔を上げると、部屋の入り口に京香が立っていた。

「気がついたんですねえ。良かった」

京香はタオルを持ってきて優也に渡した。
暖かく濡れたタオルで優也は顔を拭く。

「冴夜さんが、慌てた口調であたしに電話くれたんですよ。来てみると、寝ている優也クンがいまして・・・応急処置は冴夜さんがしてくれてたみたいですね・・・でも、一体、何があったんですか?」

京香が優也に視線の高さを合わせるためにベッドに座る。
優也は始めは黙っていたものの、少しずつ口を開いた。

「はあはあ、なるほど。うーん、優也クンも冴夜さんも非常に真面目ですから、そうなるんでしょうねえ・・・」

と言うと、うーんとうなる。
優也の方は、また泣き出している。

「ほらほら、優也クン、涙を拭いてください。目が真っ赤ですよお」

優也にタオルを近づけようとするが、何かに気づき、手を止める。

「優也クン・・・失礼します・・・」

京香は優也の頭の包帯に挟まっている何かを発見し、それを取り出す。
それは折りたたまれている紙だった。

「それは・・・?」
「住所ですねえ・・・冴夜さんの字で書かれてますね・・・」

紙を優也に渡す。

「・・・これは・・・」
「『私を迎えに来て』ということでしょう・・・」
「冴夜・・・」
「優也クン、冴夜さんも勿論、未練があるんですよ。たった一つや二つの事柄で、見捨ててはいけません。迎いに行きましょう」
「・・・無論」

優也は起き上がり、頭の包帯を外す。

「その意気です」

そう言って、拍手をする京香。
優也はすぐさま用意を始めるために、部屋を出て行った。

「・・・さて、あたしはあっちの方も何とかしましょうか・・・」

京香は、そう呟いた。


「ふーん、私に抱かれたいというのは貴方ですか」

寝ている京香に声がかけられる。
兎だ。
まあ、と呟き、ベッドから起き上がろうとするが体が上手く動かない。
よく見ると多少の動きは出来るくらいに鎖で縛られていた。

「あら、いやですねえ、鎖よりは手錠の方が良いのに」
「そうでしたか、申し訳ありません。少し、理解が足りなかったようですね。でも、今日はもっと貴方を理解させていただきましょう」

京香の寝巻きを剥ぎ取る。
たゆんと形の良い乳があらわになる。

「あらあ、乱暴ですねえ。そんなのだと女性に嫌がられますよぉ」
「おや、そうですか? でも、そこそこ乱暴にしても、いままでの女性は結局、喜んでくれてますよ」
「あらあ、そうでしたかあ」

そういう呑気な会話が続いてる最中でも、兎の攻めは続いていた。
円を描くように胸を手でこね、舌でなぶりまわす。

「あ、うん・・・なかなかですねえ。でも、あたしはその程度では感じませんねえ。おちんちんに負けるわけにはいかない、というやつです」
「ふーむ、なかなか、言いますねえ。そういう人には」

兎は京香のショーツを剥ぎ取る。
黒く艶やかな陰毛が濡れて光っている。
ショーツもすでに濡れており、京香が感じていることを明らかにしていた。
そして、兎はそのショーツを京香の口に突っ込んだ。

「むぐ」
「少し、静かにしていただきましょうか。丁度良い具合に、オマンコもさらけ出されていますし」
「もがー!もがー!(ちょっと!女の子はもっと、大切に扱うものですよぉ!)」

京香が抗議するが、何を言っているのかは無論、兎には分からない。

「さて、どんなに喚いても、イカせるものはイカせるのです。では失敬して」

男性上位のシックスナインの格好をとり、京香の秘部を嘗め回し始める。
京香もさすがにたまらず、うめき声を上げる。

「おや、もの凄く濡れていますよ。その愛液、飲み干してあげましょう」

襞の部分を軽くなぞっていただけの舌が膣内に入り込み、唇も上手く使い、京香の愛液をすすり始める。

「ひゃう!ふはあ!」

もがくがそれは、鎖をジャラジャラと鳴らすだけの抵抗に過ぎなかった。
舐め続けるたびに兎のペニスが膨張し、そのペニスが事あるごとに京香の顔に当たる。
舌は肉を掻き分け、京香の弱いところを探し、見つけ、嬲る。
唇は陰核を振動させ、愛液を増幅させていた。

「う、ううー!」

京香は首をふり、身を捩じらせて抵抗するが全く意味は無かった。

「ぷはっ、飲みきれませんね」

兎は顔を上げる。愛液を堪能した際に口の中に入った陰毛を取り除く。

「凄い量です。仕方ないので掻き出してあげましょう」
「ううー!!」
「お、歓迎してくれますか。ではそれにお答えしましょう」

そう言うなり、指を入れる。
入れたのは人差し指と中指。
指はすんなり入り、丁寧に泥をこねるように動かし始める。

「うぅうー!ううー!」

京香が首を振る。その度にいやらしい匂いがする兎のペニスが顔に当たる。
その匂いも京香の何かに火をつけるのであった。

「さてと、やっと発見しましたよ。Gスポット」

兎は女の壷を発見すると、的確にそこを攻め始めた。

「っふうううう!!」

京香の体が反り返る。
今までに無い感覚だった。
これまでのSEX中に味わったことの無い、膣内の部分的な膨らみと、強烈な尿意とも取れる感覚。

『ああ・・・もしかして、コレが・・・・』

我慢しているが我慢できない。
腰が我慢するのを勝手に止めるのだ。

『潮・・・』

そこまで思考が回った途端、股間が開く感覚に襲われ、頭の中が白くなった。
京香の秘部から、透明な液体が吹き上がる。
兎の指の動きに合わせるかのように、ぴゅうぴゅうと吹き出し、兎の顔を濡らす。

「ふうううううぅぅぅぅ!!!」

自分のショーツ越しに叫ぶ京香。

「おやおや、吹きましたね。なかなか、美しい潮吹きですよ」

兎は京香の秘部にキスをすると、体を動かし、京香と向き合う。

「息が苦しそうですね。いやらしく咥えたショーツを取って差し上げますよ」

兎がショーツを取り、京香は息を荒く吐いた。

「これが、潮吹きなのですね・・・気持ち良いですが・・・イクまではいかないのですねえ・・・」
「おや、まだ、そういう強がりを言えますか・・・たいしたものです」

兎としては、少し面白くないという表情をした。

「でも、これならどうでしょう?」

膨張したペニスを膣口にあてがう。
京香は一瞬目を見開き、鎖をガチャガチャと鳴らした。

「・・・大きすぎますねえ。大きければ良いってものではないのですよ・・・」
「ふふふ、強がりもここまでですよ」

そう言い放つと、兎はペニスを一気に挿入した。

「くっ!・・・ふふふ・・・」

巨根の挿入に、京香は一瞬顔を歪めたが、すぐに笑みをこぼした。
その笑みに、兎は背筋に寒いものが快感と同時に走った。
しかし、腰は動きを開始しており、それを止めることは本人でもままならなかった。

「な、なにが・・・うおっ!?」

兎がうろたえる。
腰が勝手に動き、急激な快楽に見舞われた。
膣肉が兎のペニスに合わせて大きさを変え、しっかりと包み込み離さなかった。

「かかりましたね。さあ、しっかり動いてくださいねえ」
「おお、くっ、なんと!」

止めようとし、抜こうとするが適わなかった。
兎の腰に合わせて、京香も腰を動かし、兎の射精を要求する。

「お、おおっ!」

兎は京香の中に射精した。

「ああっ」

京香も兎の射精に打たれて声を上げる。
射精により、一時的ではあるが、兎のペニスが縮小し、京香の膣も出ることを許した。

「な、なんですか、今のは・・・」
「気持ち良かったでしょう。貴方のおちんちんに合わせた膣にしてみたんです」

うつ伏せで狼狽する兎を、京香は恐ろしい速さで仰向けにした。

「な・・・なぜ・・・」

京香は鎖で縛られて、動けないはずだった。
しかし、いつの間にか鎖が解けている。
なぜ、解けた?と言う疑問を口にする前に、ペニスを何かが包んだ。

それは京香の口であった。

「ほほきい(大きい)・・・」

丹念に、しかし、激しく唇と舌を動かす京香。

「や、やめなさ、い!」

兎は激しく動揺していた。
なによりも鎖が解かれているのに、脅威を感じていた。
この空間は兎が作り出した世界だ。
空間に存在する、招き入れた存在以外は全て自身が作り出したもので、自身の思うままだった。
自分の意思と関係無しに、物が出来たり消えたりすることは無い。
はずだった。

「それは貴方の力があればの話ですけどねえ」

兎の疑問を見越したかのように、京香が亀頭の裏側を舐めながら言う。

「やっぱり、先ほど精液を出した途端、力ががくっと下がりましたねえ」
「なん・・・うっ!」

兎は再び射精し、ベッドに深く沈む感覚に襲われた。

「まだまだですよぉ。次は」

尿道口の辺りをちろちろと舐める京香。
右手は睾丸を優しく回していた。

「男性の潮吹きです。本当は優也クンのを最初に見たかったんですけど・・・」

兎の精液に塗れた左手で、亀頭をこすり続ける。

「ううっ!や、やめ・・・!」
「やめませんよぉ」

舌を小刻みに動かし、尿道口を刺激し続ける京香。
その動きは、手の動きとも合わせられており、それは素晴らしく統率の取れたものだった。

「ああっ!」

我慢出来ず、兎のペニスから透明な液体が吹き上がる。

「わあ、凄いです!」

京香は優しい刺激を続けながらも、その光景に感心する。
初めての経験に兎は、腰が抜け、意識を失いかけた。

「初めて見ました。噴水みたいですねえ。量も多いですねえ」

京香の声だけが、耳に響く。
兎は声を小さく上げ続け、潮吹きが止まった後は仰向けに崩れ落ちた。

京香は力が抜けた兎をうつ伏せにするにする。
抵抗しようとしたものの、力は完全に抜けておりすることは出来なかった。

ガシャ・・・。

兎は両手両足に違和感を覚えた。

「な・・・」

先ほど京香がされていたように、兎が鎖で繋がれている。

「な、なぜ、こんなことがっ!!」

パニックに陥りかけた。

「ありえない、と思ってるのでしょう。まあ、無理もありませんねえ。でも、これであたしと貴方は逆転です」
「あ、貴方は、な、何者ですか。ただの人間に・・・!」
「ああ、そうですねえ・・・。あたしは普段は『佐藤 京香』と名乗ってますけど・・・」

そう言い、兎の耳に近づき、

「本当の名前はですねぇ・・・」

小さく呟く。
その途端、兎の顔色が氷のような色になった。
全身から汗が流れ、巨根も収縮していた。

「な、なんですと・・・な、なぜ、貴方のようなお方が・・・」
「・・・夢魔として、女性の精気を吸うのは仕方ない事なのですが、あたしの大切な人たちを泣かせたのは許せませんねえ」

兎の尻を持ち上げる。
それは大した抵抗のないまま終わった。

「特に優也クンはあたしが手をかけて『再生』させた子です・・・それに、折角、次の満月に優也クンと冴夜さんを交えて3Pしようと思ったのに・・・台無しです」

京香の目に異様な光が帯びたように見えた。
それよりも兎が目を疑ったのは、京香の股間から巨大なものが生えていることだった。

「そ、それは・・・」
「貴方のおちんちんをコピーしたものです。本当に立派なものですねえ」

ゆっくりと、兎の尻穴にペニスを当てる。

「さて、男の人も『ハメ潮』するんですかねえ・・・」

京香が挿入を開始し、兎は絶叫した。


一方、優也は冴夜の元に向かっていた。


「噂の兎さんもこの程度でしたか、少しガッカリですねぇ」

鎖に繋がれ気を失った兎の顔を撫でながら、京香は溜め息を吐いた。

(まさかこんな小物に先を越されるとはですね。優也君は無事に冴夜さんに会えたでしょうか)

予定外の兎の登場により、京香の書いたシナリオは大きく修正を迫られた。
いや加筆云々等はどうでも良い。
自分が手をかけ、見守ってきた二人がこんな形で傷つけられたのが許せなかった。
兎の得意分野で兎をやり込める事には成功したが、一向に溜飲は下がらない。

「やはりこのまま消してしまいましょう」

京香は右手に魔力を集め、兎の額に優しく触れた。

「さようなら兎さん。初めての潮吹きまぁまぁ気持ち良かったですよ」

別れの挨拶を済ませ、集めた魔力を解き放そうとした瞬間、京香は背後に気配を感じ後ろを振り返った。

「こんばんは、京香様。それとも本名でお呼びした方がよろしいでしょうか?」

そこには跪き京香に対し敬意を表する兎がいた。

「いいえ、京香でかまいませんわ。貴方は?」

京香は少しだけ驚いたが、それを少しも表に出すことなく、新た現われた兎に尋ねた。

「私はソロモンの魔神が一柱、序列32番の大いなる王に使える者です」
「七つの大罪の……」
「京香様には以前、王のお供としてお目にかかったことがございます。私、王から72の軍団の一つを任されており、そこにおる者は私の配下になります」

兎はチラッとだらしなく気を失っている部下に目をやり、言葉を続ける。

「この度は配下の者がとんだ失礼を働き、申し訳ございませんでした。その罪を思えばその者の処刑も仕方のない事ですが、王からお預かりしている軍団の一魔を無闇に損ったとなれば、私、王に対し会わせる顔がございません」

兎は頭を下げ、更に続けた。

「もう二度と優也様達には手出しをさせません。勿論他の配下の者達にも厳しく言って聞かせます。ですから、その者の処分は私に任せていただけないでしょうか?」
「……わかりましたわ」

京香は少し考えたが、兎の要望を聞き入れる事にした。
ここであの兎を殺しても、優也と冴夜の傷が癒える訳ではない。
それよりもあの二人に二度と手を出させないと、兎に約束を得る方が意味があると思ったのだ。
兎の背後にいる存在に気を遣った結果でもある。

「悪魔の世界も面倒ですわね」

京香はやれやれと首を振った。

「ありがとうございます。ふふっ、どこの世界でも同じですよ」

兎が手を横に振ると、鎖に繋がれていた兎の姿が消える。

「ところで、京香様はまだ満足されていないご様子。もし宜しければ私がお相手させていただきますが」
「今日は遠慮しておきますわ。あの二人が気になりますし」
「それは残念です。ふふっ、また機会があればいずれ」

そう言い残し兎は消えた。

「これでこちらの方は片付きましたね。後は優也君の頑張り次第です。負けないで」






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