ネギバイブ
シチュエーション


夕暮れ時。
病人がいる部屋だというのにもかかわらず、俺は大きな音をたてて襖をあけた。
さらに容赦なく叫び嘲ってやる。

「くっくっくっ…弱っているようだな、妹よ!」

妹は、俺をじろりとにらみあげた。

『なにやってんのこのバカ兄貴』

風邪でほとんど声が出ないらしい。
唇の動きで悪口だというのはわかったが、いつもより短かった。

「ふふん、好きなだけわめけ。声も出せんようだがな。母上から聞いたぞ、重症のくせに
薬も飲まなかったとか」

眉をひそめ、妹は布団に潜り込んだ。すっかり頭まで布団の中だ。
聴こえないかもしれないが、俺は言いたいだけ言ってやった。

「そういうわけだから、この兄が直々に薬を詰め込みに来てやった。無理矢理にでも体内に
押し込むから覚悟しておけ」
『いらないわよ!バカ!』

一瞬だけ布団を剥ぎ、叫ぶ顔だけ見せると、妹はまた引っ込んだ。
元気なようだが、悪口が短くなっていく。その弱々しい様子に兄としては心が痛んだ。

さっそく、持ってきた風呂敷包みを解く。
まるまる1本のネギ、ニンニク2欠片、つまようじ、なんかぬるぬるした油の壷、綿棒の束。
風呂敷の上に盆を置き、それらを並べる。
まず、皮を剥いたニンニクにつまようじで穴を開け始めた。

「お婆様から民間療法を教えていただいたぞ。薬が嫌だと言うお前のためにわざわざ教え
を乞いに行ったのだ。感謝しろよ」

穴を適当に開けたニンニクを置いて、今度はネギの根元になんかぬるぬるした油を塗る。

「ニンニクは1欠片でも栄養ドリンクくらいの効果があるそうだ。今は風邪を引いている
から余計に2欠片持ってきてみた。ネギの外側の皮を剥いたぬるぬるの部分も効くらしい。
食べるのはきついから食えとは言わん。安心しろ。腸の粘膜から摂取すると、臭くもなら
ないしすぐに元気になるらしいからな」

ガバッと布団が跳ね飛んだ。見ると、妹が鬼のような形相で俺の手元を睨んでいた。
太いネギは、根元10cmほどをてらてらと光らせている。
そろそろいいだろう、と俺は盆にネギを置いた。
妹は口をあけたまま、ワナワナと震えている。表情も、長い黒髪が乱れている様も恐ろしい
が、乱れて太ももがはだけている寝間着はなかなか艶めいて愛らしい。

「ふっ、無理をして起きるな。お前は病人なのだから、俺も特別に優しくしてやる」
『ふざけるなー!!そんなもんいるか!!!さっさと出て行け!…いや、私が出て行く!!』

よろけつつ立ち上がろうとする妹を、俺は冷静にひっくり返した。
なおも暴れようとするので、仕方なく寝間着の紐を解いて手首と膝をくくってやった。

『離せ!破廉恥な!腸の粘膜にだと!!なにを考えている!!お婆様がそんなことをおっしゃ
るはずがない!!!』

妹の脛を足ではさんで抑えながら、俺は綿棒にぬるぬるした油をつけた。

「じっとしていろ。お前のきれいな菊門を傷つけたくはない」

言いながら尻たぶをつかみ、伸ばした肛門にそっと油をつけてみた。
冷たさに慄いたのか、未経験の刺激に怯んだのか、妹はびくりと体を震わせた後静かになった。

「よし、ちゃんと入れる前に菊門をほぐしてやるから、怖がらず待てよ」

妹が歯を食いしばり、目をつむるところを確認して、俺は綿棒を動かし始めた。
たっぷりと油をつけた綿棒で、皺のひとつひとつをなぞる。油が表面全体にいきわたったところ
で、ゆっくりと綿棒を中に入れていく。
妹の歯軋りがうるさくなっていく。尻たぶをもんでなだめながら、綿棒に油をつけては挿入し
続け、1ダースほどつっこんだ。

「ふむ、これくらいでいいかな」

綿棒をまとめてぐりぐり動かしながら、俺は妹の様子を見た。布団に顔を押し付け、表情など
さっぱりわからない。ゆっくり抜き差ししても、顔をあげようともしない。
だが、尻は震えているし、ほとから水も湧き出してきている。小水か愛液か微妙なゆるさだ。

綿棒をまとめて抜いた。
あきらかにほっとしたように、妹の体から力が抜ける。
その隙間を縫うように菊門へニンニクをひょいひょいと入れた。
それらを奥に押し込むように、外に飛び出さないようにネギを突っ込む。

『ぐっ…うう……』

太いネギをつっこまれるとさすがに落ち着いてもいられないのか、体をよじらせうめきをあげる。
なだめるようにあちこち撫でつつ、頭を枕に戻し、布団をかけてやった。

手首と膝を縛られ、ネギを突っ込まれたままなのに布団を戻しているのが理解できないのだろう。
妹は涙をにじませながら、不可解といった視線を投げかけてきた。
安心させるように笑いかけ、髪をなでてやる。

「ニンニクは一晩入れておくんだ。じわじわと栄養が出てくるからな」
『さっさとほどけ』

見下すように睨んで言ってくる。恥ずかしい目にあっているのに、なかかかの胆力だ。

「大人しく寝ているんだぞ。さもないと罰を与えるからな」

再び微笑みかけてやるが、ぶつぶつと文句ばかり口の動きだけで伝えてくる。

「大人しくしていそうにないな…仕方ない、罰がどんなものか、ちょっとだけ教えてやろう」

俺は布団の上から妹におおいかぶさり、押さえるようにしながら中にすばやく腕を突っ込んで、
ネギの緑の部分の股に隠れたスイッチを押した。

妹は声にならない悲鳴をあげ、暴れようとした。
当然だろう。今までどんな刺激も受けたことのない肛門に、太いネギを入れられ、しかもそれが
振動するなどという予想外のことがおきたのだ。
1分くらい待って、俺はスイッチを止めてやった。

「どうだ?なかなか嫌だろう。動かされたくなければ大人しく寝ていろよ」

そっと布団から離れ、あからさまな足音をたてながら部屋を出て廊下をしばらく歩いた。

角までいったところで、こっそり戻って襖の隙間からそっと妹の様子を見る。
予想通り、妹は布団から出ていた。器用なことに広げたままの風呂敷へ尻をのせ、自由になる
膝から下を使ってネギ型バイブを抜こうとしている。
足先でネギを挟み、必死で肛門から抜こうとする姿は滑稽だが、変わった自慰にふけっている
と考えると勃たなくもない。
いくらか抜けたところで、襖をいきなりあけた。
妹はおどろいてネギから足を離してしまう。
その姿をにやにや見ながらゆっくり近づくと、妹は後退りするかネギを抜くことに専念しよう
とするか迷って慌てふためいた。

「大人しく寝ていられなかったのか?」

低い声で静かに叱ると、いつもは悪態をつくばかりのはねっかえりも泣きそうな顔になった。
ネギをゆっくりと、先ほどより深く挿入しながらささやいてやる。

「悪い子には罰だ。大人しく寝るまでな」
『やめて…やめてください兄様……』

久しぶりにしおらしい言葉を聞いた。やさしく可愛がってやりたくなったが、なんとか耐える。

ネギの先は三又に分かれており、それぞれ長さが違う。
一番短い葉の中にあるスイッチは、先ほど動かした振動のもの。
今手をかけたのは一番長い葉の中のスイッチだった。

『あううう…兄様、気持ち悪いです……やめて、止めてください………』

肛門をうねるような動きでえぐられ、妹は泣き出してしまった。これは好くないのだろうか。

短いほうの葉のスイッチを押す。うねるほうのスイッチが切れ、振動が始まった。

「どうだね?こちらは耐えられそうかい?」
『うう…ぐっ……あうっ』

うめきながらも妹はうなづいた。
しばらく待つと、息を整えられたらしい。妹の表情から苦しさがなくなってきので、ネギを
少し出し入れしたり、回してみたりする動きを入れてみた。

『ああっ……兄様、いつまで……いつまで耐えれば………』

表情を艶めかせ、体もうねらせながら妹が赦しを乞う。

「お前が大人しく薬を飲んで寝るまでだよ」

俺も優しく答えてやる。
いつの間にか、反抗期の憎まれ口から、幼い頃の中睦まじい雰囲気になってきた。
ただし、妹の尻は俺を勃起させる色気を出しているが。
ほとからよだれのように愛液をたらし、その上のお豆はふくらみすぎていたそうだ。
勃起を必死でガマンしていると、妹が顔をあげた。

『薬を、飲みます』

すすり泣きながら言われては赦すしかない。
妹のみだらな姿を目に焼き付けながら、俺は名残惜しく思いつつネギを抜いてやった。



3日後。

寝間着をはだけた時間が長すぎて風邪を悪化させるかと思ったが、妹は全快した。
ニンニクが効いたのか、なんかぬるぬるする油に入っていたネギエキスが効いたのか。
それとも大人しく飲んだ薬のおかげか。
風邪も治ったし、無意味な反抗期もおさまった。

副作用――俺に幼い頃のように甘ったれるようになったことと、紐とネギによるお仕置きを
求めるようになったことを除けば、この上ない大団円である。






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