魔法のオイル
シチュエーション


幸田俊樹は繁華街をゆっくりと歩いていた。
サングラスをかけているため傍目には解らないが、その目はすれ違うたびに女性を視姦している。

(あれも違う……、あれも外れだ……)

そんな事を心中で呟きながら。
俊樹はいくつもの道具を隠し持っていた。
右肩から下げたショルダーバッグにはガムテープ、革手錠などの拘束具が入っている。
ジャケットの左ポケットにはスタンガンが忍ばせてある。
そして右ポケットには、不思議な色のオイルを湛えた瓶が握られていた。



俊樹がそれを手にしたのは一ヶ月前の事だ。
バイト帰りの俊樹は明日が休みとあって気前がよく、何か美味い物でも喰おうと銀座の街を練り歩いていた。
ちょうど銀座と新橋の間辺りだったろうか。
雑多なビルの隙間に一人の老人が座り込んでいた。
ホームレスか。俊樹は思い、気紛れで老人の前に千円札を投げた。
老人が顔を上げる。

「何か美味いもんでも喰いなよ。今夜は冷えるぜ」

俊樹はややヒロイックな気分に浸りながら老人の前に屈みこんだ。
すると、老人がひひっ、と嗤うのである。

「こいつはすまないね。礼といっちゃあ何だけど、これ、持っていくかい」

訝しがる俊樹に、老人は瓶を手渡した。
瓶を月明かりにかざすと、中に青とも緑ともつかない、沖縄の海のような色のオイルが見える。

「アロマオイルか何か?」

俊樹が問うと、老人はまたひひっと嗤った。

「魔法のクスリさ。そいつは粘膜に塗りこんでやると、火照って火照って仕様がなくなる。
彼女さんにでも使ってやんな、もう大喜びだぜ」
「へぇ、媚薬ってやつかい」
「まそんな所だ。それと、こいつがその抑制剤になる」

老人はさらに錠剤のいくつか入った瓶を俊樹に手渡した。

「抑制剤…って、麻薬じゃあるまいし」

俊樹が言うと、老人は相変わらずの笑みで答える。

「論より証拠だ。兄さん、どうしても信じられねぇなら自分で試してみなよ。
ただし最初は耳かき一杯だ。男って奴あ快感に弱ぇからなあ」

老人と別れた後、俊樹は自宅で瓶を開けた。
話を信じてはいなかったが、試すぐらいは良いだろうと思ったのだ。

「耳かき一杯、か。」

俊樹は呟きながら、念のため指先で微量だけ掬って亀頭の先に塗りつける。

「さて、どんなものかな」

彼は余裕ぶりながら雑誌を手に取った。しかし数分後、俊樹はオイルが本物だった事を悟る。
塗った亀頭が異常に硬くそそり立ち、射精しても射精しても止まらないのだ。
眠ろうにも目が冴え、逸物が立って眠れない。
以前試したバイアグラにも勝るかもしれなかった。
しかも異常なことに、その効果がいやに長い。
バイアグラは丸一日もすれば収まる、しかしこのオイルは二日経ってもまるで効果が薄まらない。
それどころか射精すればするほど興奮していくようだ。
たまらず3日目、俊樹は抑制剤を呑む。するとたちまちに効果が収まったのだった。

本物だ。耳かき程度であの様、もはや疑う余地はない。
しかし効能が確かめられた所で、俊樹には使うべき恋人などいなかった。
自慰にのみ使うのも悪くないが、それだけでは余りに勿体無い。
悩みに悩んだ末、俊樹はある危険な考えに辿りつく。
スタンガンでもクロロホルムでもいい、女性を眠らせ、この薬を塗ろう。
必ず女性は火照って堪らなくなる。
そうした上で抑制剤の存在をちらつかせ、女を意のままにするのだ。
危険な考えなのはわかっている。
だがそれすら可能に思わせるほど、オイルの効果は凄まじかった。

そうなれば後は好みの女性を探すだけだ。
俊樹はより良い女性を求めて原宿の街を連日練り歩いた。
品があって、かつ今風でお洒落。原宿でそんな女性をよく見かけるからだ。



交差点で中学生ぐらいの少女とすれ違う。俊樹はじっくりと観察した。
顔は非常に良い、黒い三つ編みもお嬢様風でいい。
スカートから覗く腿は、スポーツで鍛えているのかややむっちりしているがそれもまた美味しそうだ。
思わず踵を返して追いかけそうになるが、踏みとどまる。
彼女ではダメだ。もっと上がいるはずだ。

俊樹は対象にオイルを塗ってすぐどこかへ連れ込もうとは思っていなかった。
まず初日はオイルを塗るだけ。
それから何日か時間を置き、対象がもう辛抱堪らないとなった頃合いで声を掛けるのだ。
そうでなくては上手くいかない。
相手の判断力のしっかりしている内に接触するのはリスクが大きすぎる。
とはいえどんなに気をつけても御用になる危険性は依然残る。
今からやるのはそういうギャンブルだ。
そこまでする以上は、その苦労に見合うほどの女性がよかった。
それこそ人生をかけて良いほどの。
しかしそれが決められない。
何しろ人が多すぎる。そこには洒落た格好の少女が多く、どうしても目移りしてしまう。
ミニスカートから覗く太腿が視界を通り過ぎ、どの娘も振り返るほどに可愛く見える。

結局収穫のないまま時計は4時を回った。
俊樹は棒のようになった足を休めるため裏通りの喫茶店に入る。
店内から眺める通りは夕陽が差し、人通りも少し落ち着いたように思えた。
やや離れた場所に小さなクレープ屋が見える。
何十と商品の並ぶ他店と比べて簡素極まりないが、案外ああいった店が美味かったりするのだ。
その店の軒先に、帽子を目深に被った女性がクレープを齧っている。
長袖シャツにシースルーのキャミソール、チェックのセミロングスカート、花柄のウェストポーチ。
この街の若者にしてはやや野暮ったい格好だ。
俊樹のように暇している人間でなければわざわざ目に留めないだろう。

だがよく見ればスタイルは異常に良かった。
胸はメロンのように大きく、腰は見ていて爽快なほどに細く締まり、スカートに半ば隠された脚はすらりと長い。
肩を過ぎたあたりで切り揃えられた黒髪も実に綺麗だ。
野暮ったい格好をしているのが不可解なほど徹底的に磨き上げた身体をしていた。
上京したばかりの田舎美人だろうか、と俊樹は思う。
その瞬間、俊樹は既視感に襲われた。
3日ほど前だったろうか、似たような風景の中で同じ感想を抱いた事がある。
野暮ったい格好だ、だがスタイルはやけに良い、田舎美人か……と。
3日前だけではない。1週間前、いや女性を求め歩くずっと前から見かけた気がする。
その度にわずか興味を惹かれただけで見過ごしていたが、思えば間違いなくあの人物だ。

そうなると俊樹は俄然興味が湧いてきた。女性をさらに観察する。
彼女はイチゴの乗ったクレープを大切そうに少しずつ食していた。
よほど好きなのだろうと食べ方からも窺える。定期的に来るはずだ。
俊樹が二杯目のアイスコーヒーを飲み終えた頃、ようやく女性はクレープを食べ終えた。
ハンドタオルで手と口元を拭いながら周囲を見渡した後で、女性は帽子を取る。
そして気持ち良さそうに伸びをした。
瞬間、その顔を見て俊樹は目を疑う。

(――まさか……か、河崎唯菜……!?)

河崎唯菜(かわさき ゆな)。
現役女子高生にして人気女性誌のファッションモデルであり、近年ドラマにも進出して女優としても認知されている。
特に人気俳優と共演した『忌避の夢』は今年度最高の視聴率を誇った。
将来有望な女優兼モデルとして、今や日本中から期待を寄せられている少女だ。

(他人の空似だ。河崎唯菜がここにいる筈がない)

俊樹はそう考えようとしたが、余りにも符号が合致しすぎる。
176cmの超長身に均整の取れた完璧なスタイル、涼やかな目元、目深に被った帽子、野暮ったい服装。
この異常なアンバランスが示す事実はひとつ。
本物の河崎唯菜が、お忍びであのクレープ屋に通っているのだ。

俊樹は鼓動が早まるのを感じた。
彼はミーハーではない、ミュージシャンに会っても芸能人に会っても喜んだりはしない、
と思っていた。
だが視界の中に本物の河崎唯菜がいるという事実は彼をときめかせる。
昨日も化粧品広告の彼女で抜いた。ドラマは毎週欠かさず録画していた。
バイト先はいつも彼女の妄想話で持ちきりだった。
あの亀頭にオイルを塗った晩も、オカズにしたのは女性誌でポーズを取っていた彼女だ。
その唯菜があのクレープ屋の常連だったとは。

俊樹は右ポケットの瓶を掴んだ。
顔良し、スタイルこの上なく良し、状況良し。
オイルを使う条件には当てはまっている。だが余りにも存在の大きな相手だ。
まるでヒグマに殴りかかるような無謀な行為。
だが彼の足は、迷いながらも店を出る唯菜の後をつけていた。
まさに千載一遇。
この機に出会いながらそれを逃せば、もう納得のいく使用対象など生涯現れないと悟ったからだ。

唯菜はクレープ屋を出た後、人気の少ないほうへ少ないほうへと向かった。
お忍びなのだから当然だ。
流石にストーキングには慣れているのか途中幾度も振り返るが、看板など障害物の多い路地は圧倒的に隠れる方に有利だった。
しばらくすると、唯菜は寂れた道路で足を止めた。
ひび割れたアスファルトが続く。国道ができてから使われなくなった旧街道だろうか。
唯菜は手首を返して腕時計を見ると、溜息をついて傍らの壁に背を預けた。
そしてi-podに耳を傾けながらリズムを刻みはじめる。
恐らくはマネージャーが車で迎えに来るを待っているのだろうが、様子からしてまだ時間が掛かるようだった。

俊樹は逡巡したが、好機と見て行動に出た。
音楽の世界に浸っている唯菜に忍び寄り、首筋にスタンガンを当てる。

「あっ」

唯菜は小さく叫んで天を仰ぎ、地面に倒れこんだ。
俊樹は人目を避けるために唯菜の身体を急いで路地へ引きずり込む。

「はぁ…っはぁっ……!!!」

息が上がっているのが分かった。とうとうやってしまった。
気絶している少女の傍に屈みこみ、その帽子を取る。やはり唯菜だ。
化粧をしていないので雑誌やテレビとは印象が違うが、むしろそれより美人に見える。
本物の美人は化粧しないほうが可愛い、友人がそう言っていたのを思い出す。
河崎唯菜はすっぴんでも可愛い。この事実を日本で何人が知るだろう。
俊樹はこの時点でその特別な一人になった事を感じながら、急いで瓶を取り出した。
目の前の身体に悪戯したいのは山々だが、マネージャーが来ては厄介だ。

俊樹は瓶を片手に唯菜の腰を弄った。
腰にはベルトが締められている。ベルトの一番きつい穴よりさらに一つ穴を開けて締めているようだ。
スタイルのいい少女は俊樹も何人か見たが、ここまでの細い腰は初めてだ。
一流の凄みに圧倒されながら、俊樹は硬く締まったベルトを外すのは諦める。
代わりにセミロングのスカートを捲り上げた。
ショーツが露わになる。河崎唯菜の今日のショーツは無地の薄ピンクだ。
俊樹には少し意外だった。イメージとしては黒いレースのついた下着という感じだったし、
事実、歌番組に出演した唯菜が一度だけショーツを覗かせたシーンではその様な物だったが、
普段は案外こんなものなのだろう。
また新たな発見をしながら、俊樹はそのショーツに手をかけ、ずり下ろす。
鼻息が耳に届くほどに荒ぶるのがわかった。
ずり下ろす指に唯菜の腿が触れていく。暖かい。人である以上当然だが、その温もりも感動的だった。

ショーツをずり下ろすと、ついに秘部が露わになる。
俊樹は今までどんなにそこを想像したことだろう。
俊樹は妄想の答えあわせをするように唯菜の秘部を観察する。
黒い茂みが見えた。17歳にもなれば生えていて当然だが、かなり濃い。
墨で塗ったような黒ずみの周りに筋のような陰毛が絡んでいる、といった具合だ。
夏のシーズンには水着を着る為に綺麗に刈り込んでいたはずだが、冬である今は油断していたのだろう。

またその生え具合は、唯菜がしばらく男と交わっていない事を表してもいる。
性意識のある少女なら、男に見られる可能性があれば必ず手入れをする筈だからだ。
スタイル抜群の若者のセックスシンボル・河崎唯菜はその性意識の最たるもの。
もっともそのセックスシンボルですら、仕事ばかりで男気がないとこれだが。
女子高生らに知れれば悲鳴が上がりそうな生々しい現実である。
俊樹はその陰毛をしょりしょりと触りながらほくそ笑み、さらに指を進めた。
割れ目がある。そこへ2本指を曲げて沈み込ませる。
2本の指は割と簡単に飲み込まれた。入り口はやや緩めだが、中はそれなりに圧迫感がある。
興奮していない素の状態でこれなら、いざ事になればよほどの名器となる事が窺い知れた。

どんな奴がここを使ったんだろうな……俊樹は考える。
彼女のような経歴で、なおかつ処女であるというような馬鹿げた幻想は持っていない。
小学校の頃から顔もスタイルもよく、中学では山のような男に群がられ、高校でグラビアのスカウトを受ける。
そんな少女が一度も経験していない事はありえない。
相手が上級生か有名俳優かは知らないが、普通の少女なら1人付き合えて御の字という最高級の男達と経験を重ねている筈である。
時の人となった今はともかく、過去には男には不自由していなかったという噂は多くあった。

「くそっ、何人咥え込んだんだ……」

俊樹は思いを馳せるうち、激しい嫉妬のような感情に囚われた。
或いはそれは、真っ当な方法で彼女と関係を持てた男達に対する劣等感か。
自分の今触っている唯菜の膣が、齧りかけのサーロインステーキのように思えてしまう。
赤みは軟らかくほぐれ肉汁を表面にじりつかせ、極上なのは嫌というほど分かるが貴族の食べ残しである。
そんな虚しさを覚えてしまう。

唯菜の膣はもう人のものだ。これまでも、これからも。
ならば、と俊樹の指は割れ目から抜き去られ、そのままその後ろに滑った。
そして排泄を司る不浄の穴へと指をくじ入れる。
硬い。唯菜の肛門は指一本すら通さない弾力できゅうと締まっていた。
これこそは紛れもなく未使用……処女だ。

「ここだ、ここに……たっぷり塗りこんでやる」

そろそろ時間のない事を思い出した俊樹は、唯菜の身を横たえると瓶からオイルを掬った。
そしてその指を肛門に塗りこめる。
掬っては指をくじ入れ、粘膜に塗り、抜き出して掬い、くじ入れて塗りこめる。
やりすぎているかと思える回数よりさらに2回多く繰り返し、瓶の3分の1を使い切った。
唯菜の閉じた肛門から青い泡が見えている。

俊樹は急いでショーツとスカートを戻し、ついでに彼女のウェストポーチを探る。
携帯電話が2つ出てきた。私用と仕事用だろうが、区別はついた。
一つは最新の機種で、いくつか宝石などのストラップがついている。
もう一つは古い機種で、こちらにはストラップがついていない。
俊樹は私用と思しき洒落た方の携帯番号を控えた。これでいつでもコンタクトが取れる。

全てを終えると、俊樹は唯菜を元の道路に壁にもたれるようにして寝かせた。
そして路地の影から見守りつつふと指を見る。
今の今まであの河崎唯菜の恥ずかしい部分を弄くり回していた指だ。
それがまるで夢のような事に感じ、俊樹はその指の匂いを嗅ぐ。
生臭い匂いが鼻腔をついた。間違いなく1人の人間の臓器に手をいれた匂いだ。
俊樹はその事実に酔いしれる。

5分ほど後、一台の軽車が急ブレーキで到着した。

「ゆ、唯菜!!どうしたの!?」

スーツを着た女性が車を降り、慌てて唯菜を抱き起こす。唯菜のマネージャーらしい。

「あ、れ……?あたし、なんで……」

唯菜は首筋を押さえながら目を覚ます。

「全く。ちょっと遅れたのは悪かったけど、こんな所で寝ないでよ。襲われたらどうするの?
貴女はもう女学生以前に国民的アイドルなんだから、もっと自覚を持って……」
「あーはいはい、分かったわよ。これからまた収録なんだから、これ以上ストレス溜めさせないで」

唯菜は言いながら立ち上がる。
そしてスカートの後ろを押さえて訝しげな表情をしながらも、マネージャーに急かされて車に乗った。

「残念。もう手遅れだぜ……」

俊樹は走り去る車を見送りながら嗤う。
これから唯菜のアヌスがどうなるのか考えると興奮が止まらない。
ほんの微量でも3日勃起が止まらなかったのだ。その何十倍かを塗りこめた。
どれぐらい持とうか。
どうせなら苦しんで苦しんで、憔悴しきった頃にコンタクトを取ろう。
俊樹はそうほくそ笑んだ。



河崎唯菜の情報を仕入れるのは極めて容易い。
むしろ今や、彼女の情報を何一つ得ずに過ごす方が難しいほどだ。
テレビをつければ清涼飲料水のCMに出ている。外を歩けば宝石店の巨大広告をやっている。
コンビニにいけばテレビガイドと女性誌で並んで表紙を飾っている。
俊樹はしばらく唯菜に関する情報を集め続けた。
異変が起きたのは4日目辺りだ。
その日はバラエティ番組の生放送で、唯菜がゲストとして呼ばれていた。
唯菜は終始笑顔で座っていたが、明らかに落ち着きがない。
20分の時間の中で何度も何度も座りなおし、すらりとした足を組み替える。

『緊張したのかな?』

そう周りに茶化されながら、端正な顔には汗が浮いていた。

「あれ絶対おしっこしたかったんだよ。ホント可哀想だったよね〜」

翌日、世の少女達がフォローするのを、俊樹が笑いを堪えながら聞いた。

1週間後、ドラマの中で人気俳優・武石清吾とのキスシーンがあった。
そのシーンははじめ、唯菜がまだ女子高生とあってソフトな口づけになる予定だったのが、
唯菜が目を潤ませ唇を震わせる迫真の演技をしたせいで武石がそそられ、結局かなりのディープキスとなってしまった。
そのシーンの唯菜は何度見返しても発情しきった女の顔をしており、
迫真の演技と褒め称えられる一方で『痴女』という陰口も叩かれた。

10日後、ある雑誌にドラマ共演者による唯菜の暴露話が掲載された。
内容は、唯菜は先週辺りから台詞をとちる事が多く、おまけにすぐ撮影を中断させてトイレに行く。
余りにもトイレの頻度が高いと探りを入れたところ、便座がギシギシ鳴っていた、どうも自慰らしい、などだ。
掲載雑誌が毎度でっち上げをする所なので話を真に受けるファンは殆どいなかったが、
真相を知る俊樹は笑いが止まらなかった。

そろそろ唯菜も限界と思われる2週間後、俊樹はついに電話をかけた。

『よう、尻の調子はどうだい』

唯菜は薄々勘付いていたのだろうか、その一言で全てを悟った。

『何なら、とっておきの抑制剤があるんだ。そっちの出方次第じゃ使ってやっても良いぜ?
今夜9時、場所は………』

俊樹が時間・場所を指定すると、唯菜は予定をキャンセルして行く、と固い口調で告げる。
俊樹は笑いながら電話を切った。
内心では震えていた。
もしこの脅しを通報されれば終わりだし、待ち合わせ場所に他の人間が居ないとも限らない。
だが俊樹は、唯菜ならそれをしないだろうと確信していた。
プライドの高い唯菜が、他人に尻の穴が疼く、脅されているなどと漏らすはずがない、と。

その読みは正しく、唯菜は1人で待ち合わせの場所に現れた。



待ち合わせの場所はあるインターネットカフェ最奥の個室だ。
2人用の広めの個室で、ソファがベッドのように広がっている。
俊樹はそこへ先に入って唯菜を待った。
9時、ドアがノックされて唯菜が姿を現す。
灰色のニット帽に紫のニットセーター、青いジーンズ。目には赤いサングラス。
シンプルな格好ながら、唯菜の外人めいたスタイルと合わされば非常に垢抜けた印象になった。

唯菜は部屋へ入るなりサングラスを取り、俊樹を睨み据える。

「教えなさい。あんた、一体あたしに何をしたの」

強い瞳で告げる。長身と強烈なスタイルも相まり、普通に対すれば俊樹は気圧されただろう。
だが彼は自分が圧倒的有利な状況だと知っていた。

「知りたきゃあ、下を脱いで尻を見せなよ」

俊樹の言葉に、唯菜が眉を吊り上げて胸倉を掴む。

「いい加減に…!」
「おっと、抑制剤がいらないのか?それ目当てなんだろ」

俊樹が制すると、唯菜は整った顔を強張らせ、口を数度開閉させた後、悔しげな顔で手を引いた。
俊樹には分かっている。
オイルをたっぷり塗りこんでから実に2週間。もう肛門の疼きは脳髄をかき毟るほどになっているだろう。
どんな事をしてでもその苦渋から逃れたい、頭の中はそれで一杯の筈だ。
ゆえに唯菜は、どれほど屈辱的だろうとも俊樹の言うなりになるしかない。

唯菜は部屋の隅でベルトを外し、ジーンズを下ろす。

「ジーンズにしたのは、愛液が垂れてるのがバレないようにか?」

俊樹の嘲りに眉を顰めながら。
ジーンズを下ろすとレース付きの赤いショーツが露わになる。股の部分以外が透けた勝負パンツだ。
唯菜は俊樹の視線を受け、かなり躊躇いながらもそのショーツを足首から抜き去る。
俊樹がひゅうと口笛を吹いた。

紫のセーターに包まれた臍より下、モデルらしくすらりとした下肢が全て露わになっている。
下腹はよく締まりながらもつるりと滑らかで、太腿は逞しさと軟らかさ、しなやかさの同居した芸術的な張りだ。
上質の弓のような曲線は足首、指先に到るまで一切の無駄がなく、女性の身体の美しさを事細かに説くかのようだった。
俊樹は今更ながらに、なぜ唯菜がトップモデルたりえるのかを理解した。
そして再び恥ずかしい茂みが露わになっている。
今度は見られることを覚悟してきたらしく、綺麗に三角形に刈り込まれていた。
しかしそれが陰毛と呼ばれるものである以上、やはり見られて平気ではないはずだ。

「も、もう満足でしょ……。抑制剤を………!!」

唯菜は片手で下腹部を庇って恥じらう。
だが俊樹はさらに命令を下した。

「まだだ。ソファに乗ったまま仰向けになって尻を持ち上げろ。
尻の穴がどうなってるのか、確かめてやる」

唯菜が唇を噛み締める。


唯菜は言われた通りにソファに上がり、仰向けに身体を沈めた。
そして躊躇いの後、脚を腹につけるようにして持ち上げる。

「もっとだ」

俊樹の言葉に、唯菜はさらに“マングリ返し”の格好を取らされる。

「よし、そのまま指で尻穴を開いて見せろ」

唯菜の細い指が尻肉にかかり、柔らかな臀部に皺を刻みながら肛門を引き開く。
これ以上なく惨めなポーズだった。
トップモデルと呼ばれた女子高生が、ソファの上でマングリ返しになり、自ら肛門と性器を曝け出している。

「うっわ、こりゃあひでぇ」

俊樹は思わず呟いた。
慎ましかった菊輪が朱色の土手のように盛り上がっている。
2週間前は小指も通らなかったが、今や指3本が入るほどに開いている。
赤らんだ内粘膜からは異様なほど粘り気のある汁が滲み出し、指で開いている間にも菊輪のひくつきに応じて背中側へと垂れ落ちていく。
よく見ればその粘液のせいで、唯菜の内腿全てがてらてらと濡れ光ってもいた。
これは痒いことだろう。見るだけでそれがわかった。

「すげえや。よっぽど尻穴オナニーしまくったんだな、おまえ」

俊樹が問うと、唯菜は頬を赤らめてそっぽを向いた。

「抑制剤……っは、はやくっ………!!!」

つらいのは一目でわかる。
だが泣き喚くような肛門を前にしても、俊樹に容赦はない。

「抑制剤はまだだ。それから、俺の許可があるまで尻穴をほじるなよ。破ったら抑制剤は無しだ」

俊樹の言葉は、肛門を拡げる唯菜の指が少しずつ穴の淵へ迫る動きを察してのことだった。
プライドの高い唯菜が俊樹の眼前で浅ましくも尻穴をほじろうとする、それほどに切羽詰っているのだ。
俊樹はそれを重々承知の上で辱める。

「っ! …………じゃ、じゃあお願い、ちょっとだけ指で撫でて。それでいいの」
「どこを?」
「…あ、あたしの……お、おしりの、穴っ………!」

唯菜は苦悶と羞恥で声を震えさせながら哀願する。だが俊樹は涼しい顔だ。

「やだよ。何で俺がおまえのクソの穴なんか。モデルがファンにしていい発言じゃないな」

俊樹はそう言いながら、拡げられた尻穴の上に目をやった。

2週間前は弄るだけで見ることの叶わなかった秘部がある。
割れ目は綺麗なものだった。小ぶりの陰唇に薄いピンクの粘膜、慎ましいという表現がよく似合う。
だがそこも尻穴の疼きの弊害か、溢れるほどの愛液に塗れていた。

(これがあの河崎唯菜のおまんこか)

俊樹は鼻を近づけて匂いを嗅ぐ。

「変態っ!!」

唯菜の声がする。その彼女の秘部は、慎ましい外見とは裏腹に強烈な牝の匂いを放っていた。

「さ、撮影後にシャワーが浴びられなかったのよ、あんたに呼び出されたせいで!!」

唯菜は俊樹が何かを言う前に、何とか外に漏れない声でまくし立てた。
唯菜は耳の先までを赤らめている。
一日のモデル活動と興奮で、匂っているのが自分でもわかるのだろう。

俊樹は何も言わず、目の前で開く陰唇に見入っていた。
使用済みなのは確かだろうが、それを疑いたくなるほど初々しい。
サクラや桃に似たピンク色は異常なほどに性欲をそそった。
俊樹は陰唇に口をつけ、中の愛液を啜り上げる。ずぞぞぞっと蕎麦でも啜るかのような音が響く。

「ちょ、ちょっと……!」

唯菜はその音に慌て、顔を上げて個室の外を窺う。幸い人はいないらしい。
あるいは行為に気付いた上で黙認されているのか。
ずず、ずずっと俊樹は愛液を啜り続ける。愛液はかなり量があるらしく、ごくんと喉を鳴らしてさえいる。

「くっ…」

尻穴を拡げながら秘部の愛液を啜られる。唯菜にとっては人生最大の恥辱だろう。
だが抵抗する術もなく、彼女は長い脚を俊樹の肩に預けた。ずぞぞっと音がするたびにその足先が伸びる。

「どんどん溢れてくるな」

俊樹は陰唇から口を離し、入れ替わりに指を沈める。
膣の中は愛液に塗れ、指を抜き差しする度にぬるっぬるっと絡みつく。
唯菜の敵対心むき出しの目を浴びながら、俊樹は本物の河崎唯菜を征服しているのだと改めて実感した。

「なぁ、潮噴いてみせてよ唯菜」

俊樹は掌で包むように中指・薬指を沈めながら、腹部側に指を曲げる。
唯菜の腰がぴくっと跳ねた。

「ここがいいんだ?」

俊樹は手首のスナップを利かせながら激しく指を繰り始めた。
ビデオでやっていた事の見真似だが、溢れるほど感じている秘部でGスポットを激しく擦りあげているのだから、
やられる唯菜は相当にきついだろう。

「う、う、う、う!!ふぁ……っや、ふぅ、ぁ!あ…あう、ふぁあっ……!!」

溜息のような喘ぎと押し殺した嬌声が織り交ざる。

「すっげ、指が食い千切られそうだ。よくこんなエロく締まるよな」

俊樹は2週間前を思い出して嘲笑った。やはり感じてくると名器だ。
そう、唯菜は感じているのだ。俊樹の指使いで、今。
そう考えると手首にも力が籠もった。

ちゃっちゃっちゃっちゃっ。

水音が個室に響く。

「あ、あ―――ッあ!」

唯菜がある時声を上げた。常に腹筋を使って身を起こしていたのが、ソファに力なく沈みこむ。
俊樹の肩に乗っていた脚が片方は床に落ち、片方はソファの背に乗せられる。
苦しさから逃れるためだろうが、結果として俊樹に対し大股を拡げてしまう格好となった。

ソファに深く身を沈め、股を拡げたまま女の部分を蹂躙される。
今唯菜は、『俊樹の所有物である』という感覚に囚われているに違いない。
俊樹はスパートとばかりに指をかき回し、勢いよく抜いた。

「ふぁぐ!!」

可愛い喘ぎと苦悶が混じった声がし、唯菜の秘部から飛沫が上がる。
飛沫は何度も連続して噴き上がり、俊樹の顔にかかりながらソファを汚す。

「へへ、そんなによかったのか?」

俊樹が聞くと、唯菜は横を向いたまま潤んだ目だけを俊樹に向けた。

「お願い……っそ、そろそろ……お、おしり、にも………」

その言葉が終わらぬ内に、唯菜の肛門からぶすっとガスが漏れる。
見れば唯菜の肛門は開かれたまま泣くように疼き、真白い泡を吹いていた。ガスはその内部から出ている。

「やれやれ、潮吹きした後はオナラかよ。大したモデルさんだぜ」

俊樹の言葉責めに唯菜が目つきを鋭くする。
刃物を持たせれば殺しかねない眼光の鋭さだ。
その気丈な目に満足したように、俊樹はソファから立ち上がった。

「解ったよ。じゃあここじゃ何だし、行く所行こうぜ」

唯菜の表情が強張る。
これからホテルへ移るのだと理解したのだろう。



ホテルのフロントは唯菜が通った瞬間、読んでいた雑誌から顔を上げた。
ニット帽から覗く黒髪、赤いサングラスに隠された涼やかな美貌、締まった腰つきとセーターを押し上げるメロンのような胸。
カウンターから見えるのはそのぐらいだろうが、それだけで振り返るには十分だ。
俊樹は勝ち誇った顔で唯菜の肩を抱く。
ソファでは華奢に見えたが、並んでみると優菜はかなり背が高い。公式では176cmとなっている。
厚底ブーツでも履かれれば大半の男が見下ろされる事だろう。

「さ、もう一度脱いで貰おうか」

暖色の光が照らす部屋の中、俊樹は唯菜に命じた。
唯菜は凛とした表情で俊樹を睨み据え、俯いてベルトに手をかける。
今度は暗く狭いネットカフェの個室と違い、明るい照明の元でじっくりと観察する事ができる。
唯菜の指がベルトの留め金を外す。2週間前と同じく、思わず目を疑うほどに細く締められている。
ベルトを外すと、唯菜は脚を曲げてジーンズをずり下ろす。
長い脚をジーンズが下がっていくのは絵になった。
ジーンズから片足ずつ抜き、下がショーツだけになると次は上だ。
細い腕がセーターの裾を掴んで捲り上げる。下からブラウスと臍が覗く。
ブラウスの前をはだけると零れるような胸が現れた。GかHカップになるだろうか。
唯菜はブラウスから腕を抜くと背を仰け反らせるようにして宙に舞わせ、ブラジャーのホックを外した。
下着が外れて桃色の乳首が露わになる。
最後にショーツを足首から抜き取ると、唯菜は何一つ纏わぬ丸裸になる。

俊樹は唯菜の一連の脱ぎっぷりに言葉をなくした。
動作自体はありがちなものだが、様になりすぎている。見事すぎて茶化す気が起きない。
腐ってもトップモデル。この少女はそこいらの女とは格が違うのだ。
最高級の裸が前にある。その状況で俊樹のズボンが膨らんだ。
彼も同じく服を全て脱ぎ捨て、勃起した逸物を携えて唯菜の前に立つ。

身長はわずかに唯菜のほうが高い。勃起した逸物はちょうど唯菜の股に挟まる形となった。

「とうとうお互い裸だな」

俊樹は屹立を唯菜の秘部にすりつける。蜜に塗れた秘部は素股のようにぬめっている。

「ヤりたいならさっさとしなさいよ、童貞」

唯菜は脚を閉じようともせず、冷ややかな視線で俊樹の顔を見下ろす。
若干17歳の小娘にして性を知り尽くしたような落ち着きぶりだ。
その凛々しさに俊樹は射精しそうになる。
極上の女だ。言葉のままに従わされてもきっと楽しいことだろう。
だが俊樹に主導権を渡す気はなかった。

「ケツの疼きが限界なのはわかるけど、そう急かすなよ。まずはひとっ風呂浴びようぜ」

俊樹の言葉に、唯菜の強気だった視線が翳る。

「すげぇ、すげえよ。何だこの身体!」

バスルームでシャワーを浴びながら、俊樹は泡塗れの唯菜を弄繰り回した。
どこを触っても感動の連続だ。
細い腰は腰骨の形がわかるほどに引き締まっている。
ならば肋骨の辺りはアバラが浮き出ているかと思えばそうではなく、つるりとした名状しがたい腹筋に覆われていた。
腋から腹、腰、臀部、腿へと手を滑らせればそれだけで勃起してしまう。
肌触りからして尋常ではない。吸い付くような、とはまさにこの事で、触っているだけで安堵してしまう。
スタイルは細長いのに、抱きしめると肉感的でやわらかい。

前側に手を伸ばせば、そこには大きいながらも若々しい張りをもった乳房がある。
本当に大きい。すべて掴みきるには俊樹の手のひら2つ分はいるだろう。
それだけの圧倒的質量を持ちながら自重に負けていない、釣鐘が少し垂れた程度で済んでいるのは驚異的といえた。
見た目は饅頭のようだが、弾力は夜店の水風船なみだ。

「うっおやらけぇ!これ気持ちよすぎるぞ」

俊樹は背後から絡みつき、夢中になってトップモデルの乳房を揉みしだいた。
同時に下腹から手を回して女の部分にも指を入れる。ぐちゅぐちゅと水音がする。

唯菜は壁に手をついて辱めに耐えていた。
目を閉じながら頭からシャワーを浴び、湯か汗かわからない雫を身体に流しながら。
やはり年頃の少女。
乳首を扱かれると唇を噛み締め、秘部を弄られながら足の両親指を挟み合わせる。
唯菜はそれからかなりの間、泡をつけた俊樹の指で体中の穴という穴をほじられ、窪みという窪みを撫でられ続けた。
ただひとつ、狂おしいほどに開閉する尻穴を除いて。

風呂から上がり、タオルで水気を拭ってやりながら、俊樹はもう唯菜が限界だと悟った。
内腿と臀部が痙攣している。
尻穴オナニーを禁じて一時間あまり。
待ち合わせの前にシャワーの間さえ惜しんで自慰を済ませたのだろうが、それでも辛抱堪らないらしい。

「しゃあねえな。じゃあそろそろ、尻の穴でオナニーしていいぜ」

俊樹の言葉に、唯菜の表情が明るくなる。しかしその表情は俊樹を見て再び強張った。

「ん、どうかしたのか?」

俊樹は鞄から出したデジタルカメラを携えている。尻穴自慰を撮影するつもりだ。

「や、やめてよ!!」

唯菜が首を振っても、俊樹は譲らない。

「心配すんな、どこかに流そうってんじゃない。ただの記念撮影だ。
これがもしダメだってんなら、オナニーも無しだぜ」
「…………!」

唯菜は逡巡する。しかしもう余裕が無かった。
気が触れそうに排泄器官が疼く。半ば顔を出している便のようなものだ、これ以上は耐え切れない。

「わ、わかったわ……。」

唯菜は口惜しげに俯く。

唯菜は俊樹が指示するままの格好を取らされていた。
足を肩幅より広く開き、背中側から伸ばした右の手で尻の穴をほじくる。
そして左の手は前から割れ目を大きく開く。

「ほら、早く言えよ」

俊樹がカメラを構えたまま言った。何か言葉を言わせようとしているらしい。

「……っ……わ、わたしの……っ……お、おしりでのオナニーを……」
「お尻じゃねえだろ?」
「くっ……わ、わたしの、う、うんちの穴でのオナニーを、ど、どうかごらんください……」

唯菜は恥辱に顔を歪ませて言葉を紡ぐ。

「まったく、女優もやってるくせに物覚え悪ぃな。まいいや、後は好きにやんな」

俊樹が言った、そこからだ。
唯菜の右の手の動きが急に激しくなる。
じゅっぽじゅっぽという音が部屋に響き渡る。

『あ゛っ!あ゛っ!あ゛う゛っ!あーっ!ああぁ゛っ!!!』

よほど気持ち良いのだろう、指示してもいないのに大声で喘ぎ始める。
美貌をくしゃくしゃにし、下唇を噛み締めて快感を貪る。

インパクトのある映像だった。
手に収まらぬほどの見事な乳房が揺れ、下腹がへこんでは膨らむ。
指で開かれたピンクの割れ目からは止め処なく蜜が溢れて理想的な形の脚を伝い落ち、
その向こうには指が尻穴を激しくほじくり返しているのが見て取れる。
その尻穴からは締め忘れた蛇口のように腸液がぼたぼたと垂れ落ちている。

「イクときにはちゃんと“イきます”って言うんだぞ!」

俊樹の声が聞こえているのかいないのか、唯菜は叫びながら腰を落としていく。
はじめは足を開いた「休め」の体勢だったものが、次第に尻穴を穿ちやすいようがに股のようになっていく。
腿には力が入っているらしく深い筋が浮いた。

「おいおい唯菜、そりゃあファッションモデルとしてダメすぎるだろ」

俊樹が茶化してももう止まらない。
唯菜は中腰に近い姿勢で尻穴を激しく弄り回し、顔中に皺をつくって歯を食いしばっていた。
造りがいいゆえになんと凄絶に見える事だろう。

「いっ、いぐいぐいぐ、もうだめ、いっイきますっっ!」

唯菜は右の指を奥深くまで尻穴に捻りこみ、前屈みになって呻いた。
どうやら達したらしい。
もとより濡れていた割れ目には変化が見られないが、噛み締めた口から零れた一筋の唾液が、絶頂をよく物語っていた。

絶頂を迎えた唯菜はその場にへたり込んだが、俊樹はそれで終わりではないと知っていた。
唯菜の尻に塗られたオイルは刺激すればするほど快感を増幅させる。
俊樹はそれを身をもって知っていた。
その予想通り、唯菜はへたり込みながらも尻穴へ再び指を入れていく。

そこから唯菜は、様々なポーズを取らされて尻穴での自慰を撮影された。
蓋を閉めた様式便器の上で和式スタイルでほじらされ、達した後は最大出力のウォシュレットで菊輪を刺激され続けた。
また椅子の背もたれにしがみつき、尻を突き出しての刺激もした。
すらりとした長身モデルが椅子にしがみつく様は滑稽だったし、細く長い指が深々と尻穴に入るところ、
赤らんだ菊輪が押し込まれたり捲れかえったりするところがアップで映されたのはかなりの迫力だった。

もっとも凄かったのはベッドに横臥し、片足を俊樹が持ち上げたままでの尻穴自慰だ。
横になったまま脚を広げるので、割れ目も肛門も余すところ無く捉えられた。
肛門から溢れた夥しい腸液がシーツに広がる様は圧巻だった。
尻穴に唯菜の3本指が入る所が見え、もう片手は恥ずかしいのか秘部を隠しながら執拗に陰核をこね回す。
この時には立て続けに4度の絶頂を迎えており、唯菜の顔はカメラを睨み上げつつ、だらしなく涎を垂らしてしまっていた。
この格好では唯菜の美脚が引き立った。
とくに持ち上げられた片足は腿を筋張らせ、脹脛を強張らせ、足先を曲げ…と快感の巡りを端的に表した。
俊樹はその脚を持ち上げているうちに堪らなくなり、カメラを置いて指先から足裏、踝、と白い足先の到る所を舐めしゃぶる。
唯菜は心地よかったのかはわからないが、何度も高い声を上げていた。

そうしてどれぐらいの時間が経っただろうか。
絶え間なく尻穴を穿っていた唯菜の腕にも限界が訪れ、彼女はベッドに突っ伏したままで緩々と抜き差しを続けていた。
火照りは依然収まらないが、もう腕が上がらないらしい。

「おひり……おしり………が………!」

唯菜は口元でそう呟いている。俊樹は頃合いと見てビデオを傍らに置いた。

「おい」

唯菜の突っ伏している前に座り、逸物を顔に擦り付ける。

「しゃぶって大きくしろ。尻に入れてやる」

唯菜は目を見開いた。
逸物を見据え、俊樹を見上げ、また視線を落とす。

「指なんかとは比にならないほどでかいぞ。早くしろ」

俊樹は亀頭の先を唯菜の鼻にすりつける。唯菜が臭気に顔を顰めた。
しかし拒むわけでもない。
唯菜はもう一度逸物を眺め、ちろりと舌を這わせた後、ゆっくりと唾液をまぶしながら咥え込んだ。
亀頭を嘗め回し、カリ首に這わせ、唇の窄まりで傘を扱く。
さらには陰毛まみれの玉袋へ吸い付いて口の中でたっぷりと玉を転がすと、舌先でつうっと裏筋を舐め上げる。
溜まっていた俊樹の鈴口はそれだけで白い雫を垂らした。

(こ、こいつ、滅っ茶苦茶上手ぇ……!?)

俊樹は内心で驚愕する。
唯菜は這った姿勢のまま、片手で自らの肛門を刺激し、もう片手の中指をお返しと言わんばかりに俊樹のアナルへ捻じ込んだ。
そのままコリコリと前立腺を刺激しつつ玉袋をしゃぶって唾液塗れにしていく。
唯菜は顔を横向けにしてしゃぶりながら、じっと俊樹を見上げてくる。
見上げる視線、背中の筋、細い腰つき。
唯菜に奉仕を受けているのだ、そう意識した時、俊樹は危うく射精寸前にまで高まった。

「もういい、いくぞ!」

俊樹は反り返った逸物を唯菜の口から抜き、彼女の後ろに回った。

「いいな、入れるぞ?」

俊樹は唯菜の指を抜かせ、拡がった尻穴に逸物を押し当てた。
コンドームはあえてつけない。彼女の直腸に残るオイルを逸物も馴染ませ、最高のセックスとするためだ。

「うん、だ、大丈夫……」

唯菜は四つん這いのまま顔だけを俊樹に向けた。

「いくぞ」

亀頭の先が菊輪を押し込んでいく。唯菜の手がシーツを掴んだ。亀頭をさらにねじり込む。

「うああああっ!!!」

唯菜が声を上げた。
だが意外なことに、逸物は押し込むたびずるずると中に入っていく。けして緩いわけではない。
女性の腸にはいくつか種類がある。
入り口がきつく中が緩いタイプ。入り口がやわらかく中がきついタイプ。唯菜は後者だ。
入れやすく、だがよく締める。初心者のアナルセックスにはこれ以上ない造り。

「すげえ、あれが全部入っちまった…!」

俊樹は思わず呟く。逸物の先から根元までを腸粘膜に包まれているのが解る。

「す、凄い。あたしのお尻のなか、一杯になっちゃってる……!!」

唯菜もはっきりと質量を感じているようだ。
深く繋がったまま、俊樹と唯菜は共に快感に酔いしれた。

あっ、あっ、あっ、あっ、あっ・・・・・

唯菜の声が部屋に響く。俊樹の声ではない。俊樹は歯を食い縛って射精感を堪えているからだ。
俊樹は唯菜の腰を掴んで逸物を叩きつけていた。一突きごとに腰の痺れる快感が返ってくる。
逸物は熱い腸内と冷えた外気を際限なく往復した。
オイルが逸物に浸透したのか、血管が破裂するような疼きが感じられる。
最初の1.5倍は逸物が膨れ上がった気がする。その分締め付けもきつい。
ひどく幸せだった。
逸物は気持ちいい。快感のもとは赤い菊輪を捲り返すこの結合部だ。
誰と繋がっているか、それは掴んだ細い腰ですぐに思い出せる。
素晴らしい光景だ。肩甲骨に背中の筋、腰のくびれ。背中を見下ろすだけで相手が最高の女性だとわかる。
その女性と肛門で繋がっている。
それは一突き毎に上がる嬌声と、腿にパンパンと当るすべらかな肌で実感できた。
この相方は胸も大きい。突き上げるたびに背中から揺れる乳房が覗く。
今、俊樹はその乳房に触れることができる。
シーツに膝を滑らせて腰を落とし、目の前の少女を深く抱えこんで乳房を掴む。
結合が深まり、唯菜が声を上げた。

「気持ち良いか?」

そう聞くと答えが来る。

「きっ、気持ち良い、きもちぃいいいっ………!!!」

唯菜は歯を食いしばっている。その顔があまりに可愛く、俊樹は彼女の腹を抱え込んで腰を叩きつける。

「「ああああああああああ!!!!!」」

快感の声が2つ合わさった後、少女の腸の最奥で白い迸りが吐き出される。
俊樹は下腹に力を込めて何度も精をぶちまけ、受ける唯菜は口元を緩ませる。

だがそれで終わりはしない。
オイルの回った俊樹の逸物は、射精の後に再び隆々と勃ちあがった。
そしてまた腰を掴んで激しい抽迭を繰り返す。
前回分の白濁をかき出してはシーツに滴らせていく。
一息もいれない挿入続きに唯菜の方はたまらないのか、四つん這いだった姿勢から蛙のように足を投げ出し、
腕を支えに上体を起こすようにしながら天を仰いだ。
その笑っているとも苦しんでいるともつかない口の形は、絶頂を迎えるたびに開いて涎を垂らした。

「約束の抑制剤だ。十分楽しませてもらったからな」

翌朝、俊樹は錠剤の入った瓶を取り出した。先に自分が飲んで安全性を保障する。

「………ふんっ」

唯菜は憮然とした表情で錠剤を受け取った。それを飲み込むと心なしか顔色がよくなる。
俊樹は溜息をついた。念願が叶い、ようやく人心地ついたのだ。
思えばあのオイルを受け取って以来、何かおかしなものにとりつかれていた気がする。
自首しよう。
俊樹はそう考えていた。肛門とはいえこれは強姦だ。

「…………っと、ちょっと!!」

考えに浸っていた俊樹は、唯菜の声で我に返る。

「あたしに使ったクスリ、今も持ってる?」
「あ…ああ。これだ」

俊樹がオイルを入った瓶を手渡すと、唯菜はしばしそれを眺め、にやりと笑った。

「跪いて。」

唯菜は裸の俊樹に命じる。俊樹が訝しがりながらも従うと、その尻穴にひやりとしたものが塗られた。

「ひゃっ!な、何を……って、まさか」

唯菜が指にオイルをつけているのを見て、俊樹の顔が青ざめる。

「今度はあんたの番。やっぱり同じ苦しみは味わって貰わないとね。
助かりたかったら必死で私を追いかけなさい。あ、非通知の携帯なんて今後でないからね?
あたし有名だから話を聞くのは簡単だろうけど、実際に会うのは難しいよ」

唯菜はそう笑ってデジカメを没収すると、肛門を押さえ蹲る俊樹を尻目にホテルを出た。



河崎唯菜はその後もますます人気を上げ、やがては世界的スーパーモデルと呼ばれるに到った。
だがそんな彼女の私生活は謎に包まれていたという。
彼女と親しい女優によれば、一度だけこのような不思議なメールが誤送信されてきたそうだ。



『 いつかの あのクレープ屋で         ゆな 』






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