【 通信教育 】 夏奈 〜拡張〜
シチュエーション


届いた小包はもう三日も放置されていた
夏奈がその存在に再度気付いたのは、ゴミの日を前に部屋の片付けをしていたからだ

「あ……、これ、すっかり忘れてた……」

小包をテーブルに乗せて正視してみる

「捨て……よっかな……。もう飽きちゃったし……」

小包の中身は【depths】から送られてきたエッチなおもちゃだった
【depths】が提供する通信教育調教システム
その中でも夏奈に最適とされたのは【拡張コース】だった
だが、その内容に夏奈はもう飽きてしまっていた

「またきっと、『前回よりちょっとだけ太いアレ』なんでしょ〜?」

始めてから約一ヶ月、毎回送られてくるものはつるんとしたディルドだけだった
未開発のアナルを拡張するのは難しいが、快感も無く、単調すぎる内容に夏奈は早々に投げ出してしまった
夏奈はそのまま捨ててしまおうと小包を手に取ったが、明日がプラゴミの日だと思い出しその手を止めた

「あ……、燃えないゴミは来週までおあずけか……」

手に取った小包を改めて見つめなおす
すると夏奈は小包のちょっとした変化に気が付いた

(箱が四角い?)

小包は正六面体の形をしていた
今までの小包は細長いディルドが入っていたため、長方形だったのに対し、これは大きな変化だった

(いつもの……じゃ、ないのかな?)

気になりだした夏奈は小包を再びテーブルに戻し、正対するように座りなおして小包の紐をといた
やましい様な、恥ずかしい様な気持ちを押し留めつつ、できるだけ冷静につとめて開封する

出てきたのは小さな鍋蓋の持ち手ようなものだった

「ナニコレ……」

ちょっとだけ期待しただけに今まで以上に落胆は大きかった
持ち上げてみると下のほうに紐がついていて、するすると伸びてくる
するとその紐に絡みつくように説明書が箱から出てきて夏奈の目の前にぶら下がった

「……!?」

夏奈は思わず赤面して目を見開いた
説明書には、TフロントTバックのヒモパン状態で装着された鍋蓋と、今回の課題が載っていたのだ

◆課題
「今回のアイテム『アナルプラグ(SSサイズ)』を着用しての長時間の拡張には慣れましたか?
 それでは、今回の課題です。
 着用したまま24時間過ごしてみましょう。
 きっと素敵な一日になりますよ」

「こ、こんな格好でっ!? ずっと!?」

一瞬で頭がオーバーヒートした

「ムリムリムリムリ!! そんな! いきなり! 飛びすぎ!」

あまりの飛躍ッぷりに夏奈は説明書を読み返した

 ※装着したプラグの上からショーツを履いてもかまいません
 ※違和感が強い場合、着用したままの就寝は避けてください
 ※慣れるまで外出は避けましょう

そこには意外と条件のゆるい但し書きが並んでいた
夏奈もほっと胸をなでおろす

(なんだぁ、パンツ履いていいんだぁ。それに別に外に出なくてもいいのね)

銀行へ振込みに行く用事があった夏奈は、外でのプレイだと勝手に思い込んでしまっていた

「これなら私にも……」

そこまで口にして夏奈はハッとした

(私……、やる気になってる……)

交渉方法の一つとしてこんなのがある
初めにとんでもない条件を突きつけて相手を引かせておいてから
あらためて弱い条件の提案を出すと、「それならなんとかなる」と乗ってくる
夏奈はそんなトラップにまんまと引っかかっていた

自分自身がHなモードに入ってること気付いた夏奈
嘘だと思いたかったが、ジワリと股間が湿る感覚が追い討ちをかけた

(濡れてる!?)

即座に股間に手をやって確認するが、濡れているのは紛れも無い事実だった
夏奈はゴクリと唾を飲むと高鳴る鼓動に後押しされるようにオナニーの準備を始めた

リビングから場所を移し、夏奈はベットの上にいた
水色のブラだけを着用したほぼ全裸の状態で説明書の目を通している

「プラグの、サイダイケイは、3センチ、サイショウケイは、1センチ、です」

オーソドックスなくびれをもつアナルプラグ
全長は約5センチ、先端の最大径3センチ、くびれた部分は1センチ
それぞれ長さ3センチと2センチに分かれていた
底は埋没防止用に板状になっていて前方と後方それぞれに、紐を通す穴があいていた
最初のプラグということで振動機能などはついていない

鍋蓋の取っ手と思っていたものはアナルプラグと言うらしい。
という所から始まった夏奈はプラグと説明書を交互に眺めながら読み進めていた

「最大径……、太くない……?」

今までのつるんとしたディルドと違って、くびれているプラグは先端がどうしても大きく見える

 ※3センチは前回のディルドと同じ太さです

しかし、細かな但し書きがプレイヤーの逃げ道をふさいでいく

「ふーん、同じなんだ。だったら全然平気だよね……」

そんなふうに、いつの間にか追い込まれているとも知らずに夏奈は説明書を読み終えた

「よ、よーし、やるか……」

怖くなんか無い、恥ずかしくなんか無い、気持ち良くなりたいなんて思ってない
一人きりでのオナニーなのに夏奈はまだ正直になれず、そんな虚勢をはっていた
だが夏奈の体は正直だった
説明書を読みながらあれこれ妄想している内に夏奈の股間はお尻のほうまで濡れ濡れになっていた
それに気付いた夏奈は赤面しながら付属のローションをそっと箱に戻した

「も、もー! 何よ私の意気地なし! どスケベ! このくらいで何興奮してるのよっ!?」

夏奈は半ばやけになりながら、愛液をプラグに塗って肛門に押し当てた
前のディルドは簡単に入った。だからコレも簡単に入るはず
そう思っていたが、しばらく拡張を怠っていたアナルは素直に受け入れない

(〜〜〜〜〜ッッ!! 何でっ! 何でよっ!)

抑えようとするとあふれる愛液
受け入れようとすると拒む体
夏奈の苛立ちは頂点に達していた

そんな夏奈の目にふと、出しっぱなしにしている全身鏡が映った
隅っこに映っている自分の姿は、中腰で、お尻を拭くような格好をした恥ずかしい姿だった

「……こ、この! そんなみっともない格好して! き、気持ち良くなりたいド変態の癖に!」

しばらく固まっていた夏奈だが、鏡から隠れるどころか、鏡に近づき、自分をののしり始めた

「……ば、ばーか! ばーか! お前なんかこうしてやる!」

そう言い放つと夏奈はベットに倒れこんで、股を広げた
その様子はもちろん全身鏡にも映し出される
夏奈は顔を真っ赤にしながら続けた

「……ど、どうだ! アソコが丸見えで変態にはお似合いだよ!
お尻が好きなんだろっ!? だ、だったら力づくで犯してやるよッ!!」

股をひらいたままプラグをグリグリと肛門に押し付ける

ズッ ズルリッ

「……あッ」

やっと肛門が慣れたのか、それとも自虐が効いたのか
ともかくプラグは夏奈の体内へと侵入した
今までのディルドと違い、くびれと括約筋の絞まりによって、
勝手に奥まで挿入されるプラグの感覚は、まるで誰かに犯されるような感覚だった
そう、それはまるで鏡の中の自分に犯されるような錯覚

進入を始めたプラグが奥へと到達するまでのほんのわずかな時間
それは夏奈にとってとてもゆっくりに感じられた

(……あッ、あああッ……、は、はいっ……た……)

やっと入ったと思った瞬間、夏奈の心から苛立ちは消え、完全に無防備になっていた

(は、はいってくる……ッ!? お、奥まで、犯され……!?)

そしてくびれと括約筋の作用で、プラグが勝手に前進を始めた時、夏奈の人格は鏡の中と入れ替わった
お尻を無理矢理犯されることを望み、楽しむ、素直なド変態に

(お、奥までくるッ……、くるッ! くるぅッッ!!)

プラグはドンと音を立てて夏奈の奥底をどついた
本当はくびれで止まっただけなのだが、夏奈にはそこまで強い刺激に感じられた
そしてその強烈な刺激は、素直になった夏奈を絶頂へと導くのに充分だった

「……ぁぁぁぁああああッッ!!!!」

股を閉じ、股間を両手で押さえつけて、体を震わせながら高い声で絶頂を迎える
そこから、素直になった夏奈は快楽をむさぼった
プラグから伸びるゴム紐を伸ばして肩にかけ、抜けないよう固定すると
フリーになった両手でめちゃめちゃにアソコをなぶった

「ああっ! ああああっっ! きっ、きちいいいでぇすぅぅぅぅ!!」

今はもういない自分への報告
夏奈はそのまま何度と無く果てた

体力が尽きたかと思われた頃
夏奈はおもむろに立ち上がり、用意してあったパンツを履いた
ブラとおそろいの水色のパンツだが、ぐっしょりと濡れた股間にその色は青みを強く帯びた
そのままスカートを履き、シャツを羽織る

「ほらっ、銀行に行くんだろ。
早くしたくしろよ。お散歩の時間だ
外で、プラグの入ったお前の姿さらすんだ
無事銀行に着けたら、またいじめてやるよ
この淫乱ド変態」

けしかけるもう一人の夏奈の声
夏奈には確かに聞こえているようだった

通信教育調教システム
その甘美なトラップであらわになる自分の闇
調教するのも、されるのも、それは常に自分






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