最後の笑顔
シチュエーション


「はあ・・はあ・・」
「し!しっかりしろ!・・」

草原の一角、巨大な魔物の首が転がるその傍ら
ズタズタになった女魔道士とその肩を抱く剣士

「今!今、町まで運ぶから!・・」

背負い上げようとうする剣士、それを魔道士の息が引き止める

「はあ・・はあ・・いいよ・・もう、助からない・・
あんたにも・・わかるだろ?」
「そ!そんなことは!・・」

剣士に対して、ふっ・・と笑顔を浮かべる魔道士

「ずいぶんな怪我だけど・・痛みをあんまり・・感じないんだ」
「・・・・・・」

黙り込む剣士に、魔道士はさらに口を開く

「・・・あたしの・・最期の我侭・・聞いてくれる?」
「・・・なんだ?」
「・・・あんたと・・・ひとつになって死にたい・・・」
「・・・・・・」
「あんたと・・知り合って2年・・
ずっと・・おあづけ・・食らわしちゃって・・・ごめんね
だから・・今・・」

数秒、見詰め合う二人
剣士は鎧を外し、さらに魔道士から破れたローブを取り去った

肩口から胸の中央へ、裂けるような大きな傷から血が噴出し
白い女の肌を鮮やかに染めていた

剣士はその厳つい胸板でそっと傷口を塞ぐ
軽く口付けを交わしたあと、剣士は魔道士の白い太ももを大きく広げた

「いくぞ・・・」

剣士の問い掛けに魔道士が軽く頷いてみせる

「ん!・・・」

二人同時に上擦った声を発する、女の股の奥から破瓜の血が飛び散った

「ふぅ・・」

今度も二人同時に安堵のため息を漏らす

「痛く・・ないか?」
「だい・・じょうぶ」

魔道士の目から涙が零れ落ちた

「温かい・・体の底が・・・感じる・・あんたを・・やっと・・私達・・
さあ、時間が・・ない・・・愛して・・・」


ざわざわ・・と風に草むらが揺らされる音に
くちゅ・・くちゅ・・と肉の擦れ合う音が微かに混じる
剣士と魔道士の冒険者コンビが、産まれたままの姿で熱く愛情を
確かめ合っていた

「う・・う・・」

苦しいのか、快感なのかよくわからない呻き声を発する女魔道士
女から溢れる血が、男の体も真っ赤に染める
血塗れになって情を交わすコンビ


「この・・2年間・・いろいろ・・あったね・・」
「そう・・だな」
「ずいぶん・・危ない橋・・二人で・・渡ったよね」
「そう・・・だな」

荒い息を吐きながら、鼻の頭をくっつけあって会話をする冒険者コンビ
揺れながら止め処も無く涙が流れる

「はふ・・まだ・・寒い・・もっと・・抱いてよ・・もっと・・温めて・・」

剣士は魔道士をしっかりと抱き締めた

「う!・・う!・・く!・・う!」
「あ!・・あ!・・は!・・あ!」

最後の会話・・最後の泣き顔・・最後の笑顔・・最初で最後のセックス・・

女魔道士は、つんざくような息を、草原中に轟かせた
そして剣士の二年分の熱い想いが、女神のような安らかな笑みを浮かべる
その白い体の奥で溢れ返った






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