生徒会室の創立記念日
シチュエーション


!!アブノーマル警報!!


外はとても暑くて、インドア派のあたしとしては正直エアコンの効いた部屋に引き篭もっていたかった。
でも今日は創立記念日で学校は休み、しかも彼が奇跡的に休暇を確保できていて、
その彼からデートを申し込まれてしまっては他に選択肢はない。
お誘いのメールの文面はかなりアレな感じだったが、それにうかうかと乗っかるあたしもあたしだ。

というわけで、あたしは半袖の制服の上にカーディガンを羽織って、人気のないホームに立っていた。
うちの学校の制服はどこぞのデザイナーのお仕立てで、可愛いと言っていいと思う。
だから彼がメールに「制服を着て来てほしい」と書いたのも、理解できなくはない。
でも、その後ろに「ノーブラが望ましい」ってのは、どういう了見なんだ。

あたしはベンチに座って、ショルダーバッグから文庫本を取り出す。
最近じゃ電車通学のお供は電子ブックなんだけど、こういうどうでもいい時間のお供には、やっぱり紙の本がいい。
エックハルトを読むともなしに読むうち、パシャリと乾いた音が聞こえた。
視線を上げると、デジカメ片手の彼がそこに立っていた。高そうな一眼レフ。

「待たせてしまったね」

あたしは軽く首を左右に振って、本を鞄に戻す。と、彼の大きな手が差し出された。

「さあ、行こうか。実にいい遊園地日和だ」

平日の午前中、しかもまるで流行ってない遊園地には、誰もいなかった。
あたしたちは手をつないで、ぶらぶらとあちこちを見て回る。
日差しは強烈だけど、それなりにいい風が吹いていて、散歩には悪くない。
何をするわけじゃない、途方もなく無駄な時間の使い方。あたしとしては、結構これが好きだったりする。

彼はときどき、あたしにカメラを向け、シャッターを切る。
あたしなんか撮ってもどうしようもないだろうにとか、こんな証拠残して奥さんにバレたらどーするつもりなんだろとか、
その手の雑念が心によぎるが、恋人に(不倫とはいえ)写真を撮られて悪い気はしない。我ながら、安いなぁとは思うけど。
そうやって何枚めかの写真を撮った彼が、ふと高台のほうを指さした。
指先には、この遊園地のウリなんだかウリじゃないんだかイマイチよくわからない、大きな観覧車。
普段はこの手のアトラクションには全然興味がないんだけど、写真を撮るならそれもいいかもしれない。
あたしは無言で頷き、彼はにこりと笑うと大きなバッグにカメラをしまった。

遊園地オフィシャルのTシャツを着たスタッフにチケットを渡し、観覧車に乗り込む。
あたしたち以外に、こんな時間から観覧車に乗ろうなんて酔狂な客はいない。
ゴンドラが上昇しはじめると、彼は即座にあたしの唇を奪い、白いセーラー服の上から胸を愛撫した。
まあ、予想の範疇だ。あたしはうっとりとしながらキスと愛撫に身をまかせる。
さすがに観覧車の中で本番までヤろうとはしないだろうし、ちょっとしたオードブルならこういうシチュも悪くない。
――が、あたしはすぐにその読みの甘さを思い知らされることになる。

服の上から乳首を愛撫していた彼の手が、鞄を拾い上げ、中から何かを取り出す。
疑念を抱く隙もなく、その手はセーラー服の下に潜り込み、あたしの乳首に何かを装着した。
ツンとする痛みで額に皺が寄るが、あたしの首から上は彼の巧みな舌技に支配されっぱなしだ。
すぐに、もう一つの乳首にも何かが取り付けられた。漠然と、ローターをクリッピングされたかな、とか思う。

彼の舌が、口の中から出て行く。あたしは乳首に押し寄せるであろう刺激を待ち受けた。
でも、彼がリモコンのスイッチを入れると、予想外の悦楽が両胸にじくりと走る。

なに、これ……! この機械……あたしの乳首を、吸ってる!?

「最近のモーターは凄いね。小型なのに、十分な排気力がある。君向けじゃないかと思って、手に入れてみた」

あたしは呼吸を鎮めようとしたけれど、この刺激はあまりにも強すぎる。

「君は乳首を吸われるのに弱いからね、気に入って貰えたなら、苦労して手に入れた価値がある。
 ――と言いたいところなんだが、これには致命的な弱点があるんだ。
 電池寿命がとても短くて、6分弱くらいしか仕事をしてくれないんだよ」

歯を食いしばりながら快感に耐えるあたしの脳裏に、突然、すべての構図が閃いた。
この観覧車は、一周12分。だから、ここでのデートなのか!

「気がついたみたいだね。じゃあ、このゴンドラが一番高いところにいくまでに、頑張って君も頂点に達してみようか。
 イケなかったら、今日は一日、いろんなものをお預けだ」

そう言うと、彼は鞄からバイブを取り出した。

あたしは涙目になりながら、つい彼の手からバイブを受け取ってしまう。
我ながら実にダメだなあと思うんだけど、屈辱を飲み込んだ瞬間の、鈍痛のような快楽は、本当にクセになる。
あたしはゴンドラの椅子に両足を上げ、黒のショーツを彼の目に晒すと、バイブのスイッチを入れた。
唸り音をたてるバイブを敏感な場所に押し当てようとすると、フラッシュが光った。彼がカメラを構えている。
なぜだかそれであたしは少し落ち着きを取り戻し、バイブをいちどベンチの上に置く。
ショーツの上からオナニーしたら、今日一日、気持ち悪い思いをすることになる。

ショーツを脱いで、どうしようかとちょっと迷ったけど、鞄の中に放り込む。エックハルト先生ごめんなさい。
大気にさらけ出された局部はまだ潤っていないので、あたしはまずは陰核にバイブを押し当てた。
刺すような快楽がぞわりと広がり、喉が妙な音をたてる。何度やっても、この刺激は鮮烈だ。
フラッシュが2度、3度と光る。きっと後で、あたしの痴態を肴にしながらセックスするつもりなんだろう。変態め。

クリトリスのもたらす快楽に酔っていると、彼があたしの手を掴んだ。本能的な不安と期待が交錯する。
彼は無理にバイブの方向を変えると、あたしの裂け目に押し当てた。真新しい刺激と、跳ねるような苦痛に、息を飲む。
まだバイブを受け入れられるほど、体の準備はできていない。
あたしは駄々っ子のようにイヤイヤと首を横に振ったが、彼はいつもの優しい微笑を貼りつけたままだ。

「今日は、その可愛いクリトリスで達するのは禁止だ。これは罰ゲームなんだから」

はっとして、彼の顔を見る。

「分からないとでも思ったかい? 腰の柔らかさが普段と違ってるのに、僕が気づかないとでも?
女の子と寝るのは止めないが、若い男と寝られるとなると、僕にもプライドがあるんでね」

きっと、あたしはひどい顔をしていたんだろう。フラッシュが光った。

「さあ、急ぎなさい。あと5分もないよ」

裂け目にあてがわれたバイブは、快感よりも痛みのほうを強く伝えてくる。
動揺しまくったあたしは、とてもではないけれど自慰に浸るだけの心の余裕が持てないでいた。
が、彼の手は、ゆっくりと、でも確実にバイブを裂け目へと押し込み始める。激痛で目の前が暗くなった。

「……ちょ、ちょっと――痛い、から、待って……! 痛い……ッ!」

必死で嘆願してみたが、これが逆効果なのはよく知っている。彼の手には、わずかな躊躇すらなかった。

ゴンドラのアームがほとんど地面と水平になったころ、彼は手を離した。
バイブは半分くらい体の中に埋没していて、襞をかき回し続けているけれど、とにもかくにも、酷く痛い。
でも機械に吸われ続けた両乳首からは蕩けるような悦楽が這い上がってきていて、
あたしの脳は苦痛と快感でパニックを起こしつつあった。
彼は向かいに腰を下ろし、肩で息をしているあたしをファインダーごしに見ている。
何度かフラッシュが光ったけれど、とてもじゃないが身動きすらできない。

あたしが苦痛と快楽の板挟みになっていると、座っていた彼が足を上げた。
一瞬、ヤバいと思ったけれど、体がついてこない。
彼のつま先が、あたしの体に埋没しつつあるバイブの後端に触れ――そうして、彼はそれを強く押し込んだ。

「ぎゃっ」

とかいう、色っぽくもなんともない悲鳴が漏れる。
あたしは腰を浮かせて、体の奥を貫こうとする異物から逃れようとしたけれど、
彼は一層強くバイブを押し込み続ける。

「ダメ……もう、やめ――て、お願い……ダメだって――」

あたしは何度も哀願を繰り返したが、下腹部を突き上げる強さは一向に弱まる気配を見せない。

でもそのうち、だんだんと苦痛が溶け出し始めた。
子宮の入口は細かな振動で揉みほぐされ、微細な襞は回転する突起に抉られる。
激しい痛みは原始的な快感と入り交じって、両胸から伝わる陶然とした快楽とハーモニーを奏でる。
心臓は割れ鐘のように打ち、思わず空を仰いだ両目には抜けるような青空が映った。
彼のつま先はバイブを通して断続的な快楽を流し込んできて、
よく磨かれた焦茶の靴が前にせり出すたびに、あたしは唸り声をあげてしまう。
バイブに陵辱されている裂け目からは、とろりとした体液が滲み出しはじめていて、
あたしにとって目下最大の気がかりは、それがスカートを汚していないかということだ。
自分でも、そんなこと気にせず快感に全部委ねてしまえば楽になるのにと思うんだけど、気になってしまうものは仕方ない。

あたしが「乗ってきた」のを見て気を良くしたのか、彼が立ち上がった。
そうして、ズボンのジッパーを下ろし、いきりたったイチモツを取り出す。
反射的に、あたしはその巨大な肉塊に口づけていた。両手を使って彼の竿をしごきながら、先端を舌で舐め回す。
鈴口からはカウパーが滲み出し始めていて、あたしはきゅっと彼の体液を吸い出した。
下腹部では肉襞に包まれたバイブがうねうねと回転し、両胸は張りを感じるくらいに感度が上がっている。

彼の巨根を口に含むと、彼がぐっと体を押し付けてきた。想定していたより男根が奥まで入ってきて、息が苦しくなる。
でもこの窒息感のせいで、体の内側を吹きすさぶ快楽のボルテージが跳ね上がった。
口と、胸と、秘裂を陵辱され尽くされるあたしは、ようやく絶頂に達しようとしていた。
お腹のあたりがピンと張って、両足に痺れるようなさざ波が広がっていく。
自然に腰が前後にうねり、彼のイチモツを握る手に力が入る。

ああ、もう、ダメ――こんなとこで、こんなことして……イっちゃうだなんて。

――でもそのとき、両胸からぽろりと機械が外れた。
セーラー服と乳首が直接擦れるせいで、快感が途切れることはないけれど、デシベルはずいぶん落ちてしまう。
と、彼の手が、あたしの股間に刺さっていたバイブを引き抜いた。
頂点に達しようとしていたあたしは、あまりのことに自分で自分の秘所に指を突っ込み、
かきまわして、快楽の続きを探ろうとしたけれど、その指先もまた彼の手に押しとどめられた。

「時間だ。残念だったね」

彼はそう言い、あたしから体を引こうとする。
そんな。そんなことって。
あたしは呆然としながら、ゴンドラのベンチに腰掛けていた。
彼はそんなあたしの写真を一枚撮ると、性具をビニール袋に入れ、自分のバッグに放り込んでいく。

いつものあたしなら、ここで「ごめんなさい」を繰り返しながら彼に泣いて続きをせがみ、
そうして彼はまだパンパンに張ったままの怒張をあたしにブチ込んで、
ゴンドラが地面に下りるまでの間、何度も何度もあたしに絶頂の限りを尽くさせただろう。
でも、考えてみれば、それも変な話だ。
彼はあたしの浮気を怒ったみたいだけど、彼だって奥さんがいるじゃないか。
なんで一方的にあたしだけが責められなきゃいけないんだ。

あたしは荷物を片付けてベンチに座り直した彼の前に跪くと、まだむき出しになったままのイチモツを口に含んだ。
右手でカチカチになった肉棒をゆっくりとしごき、左手で玉袋のあたりを愛撫する。
舌先は、いまだカウパーが漏れ続けている鈴口をたどり、カリの裏側をつつくように舐めまわし、裏筋を吸い上げていく。
カリを責め始めたところで、彼の口から微かな呻きが漏れるのが聞こえた。
あたしはピッチをあげて、彼の分身を丹念に愛撫する。

そのうち、陰茎がさらに強く張り、ぴくぴくと痙攣しはじめた。
彼は平均的な男性に比べここからの耐久力が高いとはいえ、陥落までの道筋はついたということだ。
あたしは上目遣いで彼の顔を見ながらフェラチオを続け、
彼は諦めたようにカメラを取り出すと、奉仕し続けるあたしに向かって何度もシャッターを切った。

彼のイチモツが熱さを増し、あたしはいよいよ熱心に指先で、舌で、唇で、愛撫を繰り返す。
細かな痙攣はもう止めようもないようで、彼の眉間には深いシワが寄っている。よしよし、概ね狙い通り。

そして、ゴンドラのなかに放送が流れた。

「12分の空中散歩、いかがでしたでしょうか。まもなくゴンドラが地上に戻ります。
お降りの際はお足元にご注意の上、係員の指示に従ってください。本日は大観覧車をご利用いただき、ありがとうございました」

あたしは彼の息子から口を離し、ポケットからハンカチを出して涎だらけの口元を拭う。
それから、コンパクトを取って口紅を直し、乱れた制服をあちこち正していく。
彼は苦笑いしながら、なんとかイチモツをズボンの中に押し込んだ。

ゴンドラが地面と同じ高さまで戻って、あたしは彼にエスコートされてゴンドラを降りた。
それから、どちらからともなく、Tシャツのスタッフに質問する。

「もう一回乗りたいんだけど、このチケットでいい?」






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