生徒会の休日
シチュエーション


!!百合警報!!
SM・アナル調教あり


「せ、せん、ぱっ……」

あたしの体の下で、柔らかなうめき声がする。
その可愛らしい声に促されるように、あたしは彼女の薄い胸に手を這わせ、
薄ピンクの小さな突起に指を絡ませる。

「どうしたの?」
「あ、ああっ、あ――あの、せんぱい、こんな……こと、してても――いいんですか……」

あたしはほんのちょっとだけ微笑むと、シーツの上に落ちていたスイッチを手に取り、
ちいさなスライド式のスイッチをオンにする。振動音が響き、彼女は小さな悲鳴を漏らした。

「あふぅ、ふ、う、うううっ」
「心配しなくていいのよ。あたし、大学はもう決まってるから」
「そ、そう、なん、で、すか――っ!く、くうううううっ!」

あたしは幼裂にねじ込まれた黒いバイブをゆるゆると動かす。
ローター部が彼女の陰核を刺激すると、ひときわ声が高くなった。

「でも、決まって、るって……推薦――まだ……」

彼女が何を言いたいかは、分かる。
この時期にもう進学先が確定しているということは、
それはつまり今の学校の系列大学に進むということだ。
うちの学校は、小・中・高までは文武の双方でわりと名門校だが、大学だけはいまひとつパッとしない。
よほどの事情がない限り、高校からのエスカレーターという選択をする生徒はいないのが実情だ。
あたしはにっこりと微笑むと、彼女の細い指をとって、バイブを握らせた。
彼女はやや戸惑ったが、すぐに快楽の泥沼へと沈んでいく。
あたしは彼女のなだらかな腹部に浮いた肋骨を愛撫し、彼女は重い溜息のような声を絞り出した。

――と、こんな感じの爛れた生活が、このところの司書ちゃんとあたしとの日常だ。

1ヶ月くらい前、司書ちゃんはサッカー部の彼を振ってフリーになった。
彼の浮気に耐えかねたというのが公式な理由で、中学部の世論は彼女に同情的らしい。
学校では、どこをどうひっくり返しても、彼女は楚々として無口な秀才系美少女にしか見えないから。
ただあたしは彼女が筋金入りのM女であることを知っていて、
彼女が見かけよりもずっと豊富な性経験を有していることも熟知している。
だから仮にそのサッカー部の少年が、司書ちゃんとの性交渉のさなかにドン引きしたとしても、あたしは驚かない。
もちろん、最初は良かっただろう。したい盛りの少年なのだから、特殊なプレイにだって興味津々のはずだ。
でもそれが毎日となれば、趣味が合わないほうはだんだん辛くなってもくる。
すっかり消耗した少年が、もっとノーマルな子に走ったとして、
彼のことを全力でバッシングする気にはなれないというのが本音だ。

でも、それはそうとして、司書ちゃんは司書ちゃんなりに、彼氏のことが好きだったのだろう。
学校ではいつもどおりの無口キャラを貫いていたが、
あたしと水泳部が彼女を近所のファーストフード店に連れ出して破局バンザイの会を開いてあげたら、
7段重ねの巨大ハンバーガーを貪欲にぱくついてる水泳部の隣で彼女は大泣きを始めてしまった。
あわててあたしは2人をタクシーに詰め込み自分の家まで連れてきて、
ピザを取って、レストランにケーキの宅配をオーダーし、
さんざん食べてアルコールもしっかりと入れた後、
水泳部とあたしがツープラトンで性的にあやして寝かしつけるまで、
ずっと彼女は泣き続けていた。

それ以来、生徒会の仕事がはけると司書ちゃんはもじもじしながらあたしにつきまとい、
あたしはそんな彼女を家に連れて帰って彼女にちゃんとした食事を食べさせ、
食事が終わったら下のお口でもいただきますをさせるというコースができている。
こんな生活はいつか終わりにしなくちゃいけないけれど、
司書ちゃんの傷心が癒えるまでは、サービスしてあげよう。
それに、今日みたいな週末の午後は、本来はそういうリラックスした時間に使われるべきなのだし。

グロテスクな形をした張り方で自分自身を慰める司書ちゃんを目のオカズにしながら、
あたしは事務用の大型目玉クリップ(形が分からないならググレカス)を手に取る。
司書ちゃんの目が怯えと期待に潤んだ。
彼女自身の愛液でぐずぐずになっている奥のすぼまりに、クリップの紙バサミ部分をくいっと挿入する。
ドMである彼女だが、アナルの経験はなかったらしく、ここまで調教するのにも若干の時間が必要だった。
今ではお風呂場での浣腸も素直に受け入れるし、異物挿入にもだいぶ馴染んでいる。
クリップがある程度入ったところで、あたしはクリップを開く方向に力を込める。簡易型の拡張器。

「ん……んんっ……く、くぅ……」

司書ちゃんが可愛らしい呻き声を上げる。
くいっ、くいっとクリップに力を入れるたびに、彼女の涼やかな額に細い皺が寄った。
あたしはクリップを引き抜くと、皮の手袋をした指先で、ぽっかりと広がった彼女のアナルに指を侵入させる。
司書ちゃんは蕩けたような表情を浮かべながら、いまだ開拓されていない領域のもたらす不思議な感覚に酔った。
これならそろそろ、次の段階に進んでもいいだろう。
あたしは手袋を脱ぎ捨て、銀色の防水シートをベッドの下から取り出すと、司書ちゃんのお尻の下に敷く。
続いて、温めておいたローションを手元に引き寄せ、たっぷりと手に取ると、彼女の菊門に塗りこんでいった。

「あぅっ……せんぱいっ……」

と、司書ちゃんが不安そうな声で囁く。

あたしは手についたローションをタオルでふき取ると、クローゼットの引き出しを開け、各種道具を準備する。
それから、まずは手始めにということで、ベッドの上で悶えているM女に分厚い目隠しをした。
彼女の吐息が一気に熱くなる。さすが、筋金入りだ。

「随分、気に入ってるみたいじゃない。じゃあ、もうちょっと頑張ってもらおうかしら」

そんなことを言いながら、今度は彼女の口にボールギャグをひっかける。
抵抗するそぶりは、まるでない。このぶんならまだいけそうだ。
あたしは彼女を背後から抱き上げると、壁際まで引きずっていく。
司書ちゃんの身体は、びっくりするほど軽い――そんなにも、辛い恋だったということだろう。
壁に据え付けられたコートハンガーに、柔らかな素材でできた縄をひっかけ、手早く彼女の両手首を縛り上げる。
吊るされるというほどの荷重はかからないが、両膝をつくことはできない。

彼女が荒い息をつきはじめたのを感じながら、あたしはいよいよ本番に取り掛かる。
弾力性のある小さなボールを10個ほど連ねた、派手な蛍光ピンクの器具――通称、アナルボールを手に取る。
(なんでそんなものが家にあるのか、とかいう野暮な質問はしないように)
まずは1つめ。小指の先ほどの、小さなボール部分を、司書ちゃんの可愛い後ろの穴に、そっとあてがう。
愛液でグショグショになったところにローションをたっぷりと塗りこんだそこは、ひくひくと痙攣していた。

「あら、もうお尻は完全にスタンバイって感じね?これだから淫乱な子は好き」

言いながら、あたしはボールをひとつ、彼女の腸の内側へと挿入する。

「うぐぅ、ふ、ふぐぅ、ぅ、ふーッ」

頭の上でなにやら物音がするが気にせずに、若干大きさを増した2つ目を挿入。

「ふぁぁぁっぁぁ!うぁ、ふーっぁ、うぐ、ぐ、ぐううう」

3つ目、4つ目と、彼女の恥ずかしい穴はずぶずぶと蛍ピンのボールを飲み込んでいく。

「あらあら、初めてなのに4つも入っちゃったわ?なら、まだいけそうね。
あたしは最初は3つが精一杯だったのに、やっぱり素質の差なのかしら」

あたしは5つ目のボールにとりかかる。
こらへんになるとボールはだいぶ大きくなっていて、ちょっとしたバイブ並みの直径になる。
さすがにきついのか、司書ちゃんの菊門がきゅっと閉まった。
ここで無理をしてしまうと、肛門を切ってしまいかねない。ぢ、というやつだ。
それはあまり望ましくない。だって、せっかくの週末なのだ。今日も明日も、まだまだたっぷり楽しまなくては。

あたしはアナルボールから手を離し、彼女の前のお口に挟まったままになっていたバイブに手を添えた。
彼女が息を整える隙を与えず、乱暴にバイブを突き上げ、薄い身体が揺れるくらいの抽挿を開始する。
バイブに加えて、アナルボールがもたらす異様な感覚は少女を瞬く間に打ちのめし、ボールギャグの両端から唾液が泡を吹き始めた。
一撃ごとに漏れる、ひっ、ひっ、という呼気が、耳に心地よい。
でも司書ちゃんは、そう長持ちはしなかった。細い手足が力を失い、身体がだらりとくずおれる。

「あら、もうギブアップ?――違うわよね、まさか」

あたしはクスクス笑いながら、アナルボールに手をかける。完全に力が抜け切った今がチャンスだ。
ピンクのボールをまたひとつ、彼女の体の奥地へと送り込む。今度はなんの抵抗もなく、大きなボールを後ろの口が咥えこんだ。
あたしは最後までボールを挿入するのではなく、ちょうど菊門がボールを挟み込んでいるところで挿入を止める。
それから改めて、今度はゆるやかにバイブでの愛撫を開始した。
司書ちゃんは涙と鼻水と唾液を垂れ流しながら、ゴボッ、ズビッと不思議な声を立てる。
学年一の才女が台無しだが、それが実にぐっとクる。餓鬼じゃあこの機微は分かるまい。



――そうやって遊んでいると、突然、キンコン、とドアベルの音がした。
セキュリティパネルに目をやると、あたしの彼がカメラの前に立っている。あれ。今日はそんな予定だったっけ。
2輪差しされた花瓶になっている司書ちゃんを放置して、あたしはパネルの「開錠」ボタンを押す。
幸いと言っていいのかどうか、あたしは制服を着たままだ。

(司書ちゃんが、それがいいと言うので。あの子の趣味は分かりやすいが分かりにくい)

ざっとチェックする限りでは、ひどく汚れている形跡もない。多分。
あたしはベッドルームを出て、玄関まで彼を迎えに行く。
入るなり玄関でエッチという可能性もあるが、あたしもだいぶ身体が仕上がっているので、それはそれで望ましい展開だ。
けれど今日の彼はそこまで空腹ではなかったとみえて、あたしにディープキスをよこしただけ。
第一声が「いきなりだけど、食事にでも、どう?」なところを鑑みるに、物理的なほうの腹が減っているのだろう。
試しに、「このままの格好でもいいなら?」と聞いてみる。

「着替えたほうが酒が飲めていいな。ついでにシャワーも浴びてくれるとなおいい」

うーん、やっぱりそうか。やむを得ない。

玄関には、あたしと司書ちゃんの靴が並んでいる。
ぱっと見た感じ汚れていないつもりでも、たぶんあたしは女の匂いを濃厚に漂わせているのだろう。
あんなツユダクな子と遊んでて、そうでないほうがおかしい。
そこらへんの状況証拠から、彼はいまこの家で何が進行しているのか、ちゃんと把握しているはずだ。
と、いうことは、つまり、そういうつもりなんだろう。
あたしは肩をすくめると、彼をキッチンまで案内してウィスキーのボトルとショットグラスを預け、
自分はそそくさとバスルームに向かった。
ざっとシャワーで汗を流し、髪を洗って、バスタオルを巻いて外に出るまで、5分。
彼がウィスキーを啜っているのを横目に、下着を選んで、シンプルなAラインのワンピースをかぶり、軽く香水をつける。

「私服のときにスカートとは珍しいね」
「これ、あなたからもらった最初のプレゼントなんだけど」
「覚えてるさ」

彼はショットグラスをくいっと呷ると、立ち上がった。

「さて、食事にいたしましょう、お嬢様。濡れ髪の女性を同伴できるお店に限りますが」

結局、あたしたちはコンプレックスに入っている馴染みのイタリアン・レストランで食事をすることにした。
オーダーしたのがコースではなく、アラカルトを適当にというあたり、彼も計算をしている。
あたしは最近のお気に入り、シチリアの赤を飲みながらチーズをつまみ、
彼はモレッティを片手にピッツァをもりもりと平らげた。
会計をすませ、部屋に戻ったところで、だいたい30分。
頑張った!あたしたち、頑張った!普段なら食事は2時間コースなんだから!

自画自賛したところで、仕上がり具合を見てみよう。
あたしたちがベッドルームの扉を開けると、濃厚なメスの香りが立ち上がった。こりゃあシャワー浴びろって言うはずだ。
壁に吊るされた司書ちゃんは、定期的にぴくり、ぴくりと下半身を痙攣させている。
口の端から垂れた涎は平らな胸の上をつたい、太ももを下って床に染みを作っていた。
さすがの彼も、この淫靡きわまる風景にはある種のショックを受けたようで、苦笑いを浮かべている。
あたしは彼女の両手を解放し、ボールギャグも外した。目隠しは、ちょっとだけ迷ったが、そのままにしておく。
2つの陰部に差し込まれた異物を引き抜くと、司書ちゃんが、あ、と囁くような声を漏らす。

彼女の身体をベッドに横たえると、二つの幼い穴が、残酷なくらいぽっかりと開いているのが見えた。
ううん、これはなんというか、すごい。あたしが男なら、全力で引くか、今すぐ襲いかかるだろう。
ちらりと彼を見ると、彼もまたあたしのほうに熱い視線をよこした。ごくり、と唾を飲む音が聞こえる。
いいなあ、ペニス。うらやましいぞ。あたしにも一つよこせ。

――そんな馬鹿なことを考えつつ、とりあえずあたしは彼のワイシャツのボタンに手をかける。
さくさくと上半身を裸にひん剥くと、あたしの大好きな筋肉質のボディがあらわになった。これだけでご飯3杯いける。
それから、ズボンのベルトを外して床に落とし、ブリーフを脱がせる。息子さんは完璧にいきり立っていた。当然だろう。
サイドテーブルにしまってあったコンドームを取り出し、てきぱきと装着。
あたしはゴムで包まれた巨大な肉の突起に手を沿え、先端を口にほおばる。
いくら準備万端とはいえ、こっちの滑りもよくしておかないと、司書ちゃんが大変なことになってしまう。
口の中で肉槍がぴくり、ぴくりと動き始めたところで、あたしはフェラチオを止める。準備、ほぼ完了。



あたしはクローゼットの秘密の引き出しから、とっておきのグッズを取り出す。真っ赤なお面だ。
それを見て、彼がぷっと吹き出した。笑うかなあ。いや、笑うなあ、これは。
私もこの発想はどうよと思いはするんだけど、一応、抗弁してみる。

「何よ。日本の伝統文化が好きなんでしょ、あなた」
「そんな伝統は知らないな。僕が不勉強というわけでもなさそうだ」

あたしは鼻で笑うと、お面を司書ちゃんの顔にかぶせて、しっかりとマジックテープで固定する。バリバリ。
あっというまに、かわいらしい天狗が出来上がった。

彼はその様子を見て小さく笑うと、司書ちゃんの股の間に腰を進める。
薄いゴムで包まれたそれが、無残に開いた秘裂の入り口を撫でると、彼女は大きく身体を震わせた。
けれど、彼は何度も何度も裂け目を亀頭で愛撫するだけで、いっこうに侵入を始めない。
焦れた司書ちゃんが、切羽詰った悲鳴を上げた。

「は、はやく、おねがい!しますっ!挿れて、挿れて、早く、挿れてくださいっ!」
「ん、そんなに挿れて欲しいのかい?」

司書ちゃんはガクガクと頷く。

「じゃ、遠慮なく」

彼はそう宣言すると、ペニスを手で持って――司書ちゃんのアナルへと挿入を開始した。

「あああああっ!いたっ、ち、ちが、ちがうぅ!いた、いた、いたああああああっ!」

司書ちゃんは柄にもない大声を出した。そりゃそうだろう。ある程度の拡張はしてあるとはいえ、初めてなんてそんなものだ。

「いた、いたいっ、や、やめ、いたっ、いたい……っ!いたいっ!」

痛々しい悲鳴に構わず、彼は肉付きの薄いお尻の内部へとペニスを打ち込んでいく。さすがドS。

「なんだ。こっちは処女だったのか。
安心しなさい、君が敬愛する先輩のアナル・バージンも、僕がいただいてる」

何がどう安心なんだか。
司書ちゃんはしばらく悲鳴をあげていたが、じきに気力が尽きたのか、呟くように「痛い」を繰り返すだけになった。
そのころには、彼の息子はほぼ飲み込まれている。シーツに血が染みたりしていないから、怪我はさせていないようだ。一安心。

司書ちゃんのアナルが巨根を完全に飲み込むと、彼はゆっくりとしたピストンを開始した。
精も根も尽きた風情だった司書ちゃんは、新しい種類の痛みに、またも大きな悲鳴を上げる。分かる分かる。
「大丈夫よ、痛いのは最初だけ――すぐに良くなるわ」
ありきたりな台詞を彼女の耳元で囁いてみる。
まあでも、最初の1回からアナルでエクスタシーを得るなんてことは、まずない。
前の穴と一緒で、これは通過儀礼みたいなものだ。
そして、これまた前の穴と一緒で、最初の1回の印象次第で、馴染むまでの時間もわりと変わる。

あたしは、ソックスとショーツを脱ぎ捨てる。秘所はもう、たっぷりと潤っている。
司書ちゃんの顔をまたいで腰を下ろしたあたしは、天狗の鼻を自分の裂け目へと導いた。
つぷり、と大きな鼻があたしの体内へと滑り込んでいく。
司書ちゃんは何が起こっているのか理解できないまま、突然の息苦しさに悶えていた。
お面を壊さないように、慎重に腰を沈めていく。
世の中は実に広いもので、こういうプレイ専用の「天狗の面」があるのだ。考えた奴は筋金入りのアホだ。
――もっとも、ネットで見つけて思わず購入ボタンを押してしまったあたしもあたしだが。
やがて、あたしのナカはみっしりと満たされ、陶然とした快感が身体の中を巡り始めた。

でも、これは補助的な快楽に過ぎない。



あたしは司書ちゃんのアナルを犯している彼の肩に手をまわし、その唇を奪う。
彼もまた、情熱的なキスを返してきた。
舌と舌が絡み合い、彼が飲んでいたビールの香りがちょっとだけあたしの口の中にも入ってくる。
あたしと彼はゆるゆると腰を動かしながら、互いの唇を貪った。
ときおり、彼がやや強めに腰を突いたり、
あたしが深く腰を沈めたりすると、
身体の下で「痛い」とか「あうぅ」とかいううめき声がする。

楽しい。
とても、楽しい。

あたしは彼の上半身を愛撫し、彼はあたしの胸をワンピースの上から揉みしだいた。
途中からじれったくなって、ブラのホックを外す。
すぐにブラはずり落ちて、ツンと立った乳首が仕立てのいい布地に擦れる感覚に、あたしは酔った。

そんなふうに、しばらくはあたしも彼もゆったりとしたセックスを楽しんだけど、やっぱり高まる限界点はやってくる。
あたしは突然、自分の下腹部が痙攣し始めたのを感じ、それで自分がイク寸前なことを悟った。
彼もまた、さっきから眉を寄せて何かを堪えている。

「ねえ、ねえ、あたし、もう、イキそう」
「いいよ。僕もそろそろだ」

あたしたちはしっかりと互いに抱きしめあうと、ピストンの速度を速めた。
身体の下で、司書ちゃんが呻く。

「あ、あぁ、い、いたっ、ひ、ひっ、ひど、わたしっ、わた、しっ、もっ。
わたしもっ、イキたいっ!あう、いたいっ、イカせてっ!イカせてっ、くだ、さいっ!」

あたしたちはお互いに特上の笑みを浮かべると、身体の下で奏でられる至高の音楽に耳を傾けつつ、唇を貪りあった。

情事を終えたあたしたちは、お面と目隠しを外した司書ちゃんを中心に、川の字になってベッドに横になっていた。
司書ちゃんの後ろの穴は淫らなまでにぽっかりと開いていて、それはもうとてもとても素敵な光景だけど、
さすがにちょっと休ませてあげないと身体が持たないだろう。
一方、問題の司書ちゃん本人と言えば、恨みがましい目であたしたちを睨んだきり、
うつぶせになって拗ねている。やばい。これは、可愛い。

そんな彼女に、あたしはこのところ定番になっている言葉をかける。

「ね、そろそろ新しい男を捜しなさい。あんたくらい可愛い子だったら、よりどりみどりなんだから」

司書ちゃんはしばらく黙っていたが、やがてベットに顔をうずめたまま、意外なことを言い出した。

「――先輩の彼氏が、欲しいです……」

あたしは驚き半分、とまどい半分、おかしさ半分くらいの感じで、思わず出力150%くらいの声を上げる。

「はぁ?」
「だって――すごく、すごく……素敵、なんですもん……。今日は――とっても痛かったけど……
きっと、なんだか、すごく素敵なんですよね、これ。そんな、気がして――」

彼がぷっと吹き出したので、あたしはとりあえず睨んでおく。

「はぁ。まあ、ねえ。うん。お尻は、意外とクセになるかもね」

司書ちゃんはそこでがばっと起き上がると、あたしをまじまじと見た。

「先輩がっ!先輩のせいですっ!あたしが彼氏にできる男なんかでっ!
今日みたいなセックスさせてくれる人なんて、絶対にいませんっ!いるもんですかっ!
あのヘタレサッカー野郎は、あたしの乳首を洗濯バサミで挟むことさえできなかったんですよっ!
ましてやお尻だなんてっ!放置プレイだなんてっ!」

そんなことさせたんか、あんた。そりゃあ引くだろ。

でもそこで、彼が口を挟んだ。

「悪いけど、僕としては、君とおつきあいをするのは無理だな」

司書ちゃんの顔がくしゃっと歪み、目じりから涙がボロボロと零れた。

「……ええっ――そ、それは、その、わたし――胸、ないし……ヘンタイだし――でも……」

ああ、そうか。それで、やっとわかった。彼女が別れることを決めたのは、彼氏に本気で「変態」と言われたからなのだ。
言葉責めではなく、生理的なレベルで、好きな人に拒絶される。
それを整理して受け止めるには、彼女はあまりにも幼くて。
そして、その手合いの食い違いは、人が人として生きている以上、
当然のことだと受け止めるには、彼はあまりにも幼くて。
なんて、幼稚で、純粋で、素敵な恋。

そんな叙情的な思いに浸っていたあたしを現実に引き戻したのは、彼の言葉だった。

「違うね。僕は、こう見えても存外に嫉妬深いんだ。他に好きな人がいる女性を、愛することはできない」
「――え?」「へ?」

思わず司書ちゃんとハモってしまう。

「だってね、小さな司書さん。あなたが本当に好きで好きでたまらないのは、
変態でドMだけど女王様もこなせる、知的で凛としたセクシーな先輩だ。残念だけど、僕じゃない。
僕はせいぜいがセックス・フレンドというところかな」

司書ちゃんは、しばらく俯いていた。あたしはただひたすら呆れるばかり。

でも、司書ちゃんは意を決したように顔をあげると、とんでもないことを宣言した。

「わかりました。先輩、私――新しい彼氏を探します。
それで、もっと……もっと、上手になります。いろんなことを、勉強します。
そうして、きっと、先輩を満足させられる女になります!」

あたしが完全なポカーン顔になっている横で、彼は手を叩いて大爆笑している。ムカツク。激しくムカツク。

「だから――もっと、教えてください。
あの、お尻でするの――もっと、知りたい、です……お尻でも、イケるんです、よね――?」

一種の精神的衝撃に打ちのめされていたあたしは、苦笑するほかなかった。やれやれ。なんてこと。
それから、一度心を落ち着け、彼女を諭す言葉を探したけれど、代わりにあたしの口から出たのは――

「もちろん。アナルでちゃんとイってみたい?」






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