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シチュエーション


「おや、その様子だと、まだ懲りてないようね?」
「こんな事して何になるって言うの!?離しなさいよ!」


白い壁で覆われた部屋には窓も扉も見当たらない。
真新しい蛍光灯と、寝台。
そこに立つ者と、横たわる者。そして鞄が一つ。

横たわる女は裸体を皮製のベルトで縫い止められ、
傍に立つ女は部屋に溶け込む様な白衣を纏っていた。

「どうも大事な部分が見えにくいとの依頼があってね、
なに、痛いことなんか無いさ、少しだけ我慢してくれればいい。
終わったらちゃんとご褒美だってあげよう」
「そんなのいらない!私は私のやりたいようにやるのっ!」
「うふふふ」

白衣の女は鞄からスプレー缶と剃刀をとりだす。

「ひっ、嫌っ!お願いだからやめて!そんなことしないでぇええ!!!」
「お尻の方は綺麗なものね、余計な手間が省けて助かるわ」

さらけ出された陰部を観察しながら白衣の女が告げる。

「そっそんな!そんなとこ見ないでよ!」
「いいじゃない、とってもキレイよ貴女のおしりの穴」

白衣の女の指が肉付きの良い臀部に触れる。

「ひぃぃああっう!」

そこから肛門の周りを撫で回し、陰部へと登ってゆく。

「でもここは不合格。せっかく皆様に見て頂くのですもの、
奥までしっかり見通せないと失礼でしょ?」

そう言うとスプレー缶の中身を陰部に吹き付けてゆく。

「ひゃぅ!冷たっ!」
「少しがまんなさい」

身をよじって抵抗するも、縛り付けられた女の身体は動けず、
陰部の周りは白い泡に埋め尽くされていった。

「さぁ、いい子にしててねぇ〜」
「やぁだぁあっやめてよぉおおっ!私の大切な……大事なモノなのぉお!」

寝台の女の懇願する声を聞き、白衣の女は笑みを浮かべる。
そして剃刀の刃が女の地肌を滑り出す。

「あぁああ!だめっ!止めて!だめぇええええぇえ!」

一振りずつ、一房ずつ、剃刀が呼吸に合わせて揺れる度に、
陰部に生え揃っていたはずの芝が落ちてゆく。

「ほら、綺麗な地肌が見えてきたわよ。
どう?貴女も嬉しいでしょう?」
「嬉しくなんかっ!ないよぉおおっふみぃぃん」

白衣の女は刈り取った芝を集める為、優しく陰部の周りに指をなぞらせた。

「あら」

半分以上を剃り落とした所で不自然に泡が流れている事に気付く。

「大切な芝を剃り落されてるのに感じちゃってるのかしら?
せっかくの泡が貴女のびしょびしょの愛液で流れていってしまうわ」
「!?ちっちっがうもん!その、お、お、お、おしっこだもん!」
「あらあら、感じてお漏らしまでしちゃうような娘だったのかしらん?」
「!?!?ちっちがうんだもん!間違い!その、あの、あれよ!あせっ!」
「うふふふ、汗って、こんなにぬるぬるしてるものだったかしらねぇ〜」

芝を剃るのを中断し、剃刀の柄で陰部をこねくり回す。

「ふぁあっ!はぅっんんっ」
「ああ、こんなに熱くなってるのね、それならきっと汗よねぇ〜」

剃刀を持つ手とは反対の手で、ぷっくりと腫れ上がったクリトリスを撫で回す。

「ぃあっ!っはん!っくぅぅん」
「あぁ、でも余計に熱くさせたら、せっかくの泡が汗で流れちゃうわね」
「っはぁ…ふぇ?」

そういって中断していた芝の処理を再開させる。
仕上げの意味も込めて丁寧、にゆっくりと、
痛々しく勃起した陰核には、決して触れないようにしながら。

「…っ…あぅ……っ」

芝を刈り取られる恥辱もさることながら、
中途半端に弄ばれ、お預けを食らった秘所を自分で慰める事も叶わず、
拘束され、やり場の無い感情は、声にその捌け口を求めた。

「ぉ…お願いですからぁぁあ…いっ…イカせてくださぃ…」
「うふふふふ、まぁだダメよ、御褒美は芝がキレイになくなったらよ」
「ぁう!いつ!?ダメっ、このままじゃわたしこわれちゃぅう!」

じっとりと汗が染み出す地肌を剃刀が滑る。

「っはぁ…はぁ…いいいのぉ?…もぅイケるのぉ?」
「ん〜、こんなもんかなっ?」

白衣の女は鞄から湯気の上がるタオルを取り出して女の陰部にそっとあてた。

「あっつ!っはぅうう」

僅かに残った泡と、削ぎ落とされた芝を拭い、清めてゆく。

「ひっ、ぁん、っあ」

タオルが突出した肉の芽に擦れるたびに女から嬌声があがる。
綺麗に拭われたソコからタオルが除けられ、白衣の女の声がかかる。

「これでみんなの期待に応えられるわね」
「じゃ、じゃあ……」

あと少しでイケそうなところでタオルからの刺激が消え、
止まらなくなってしまった疼きを堪えようと、
身を捩じらせながら女は期待に満ちた声を絞り出す。

「最後の仕上げが済んだらね」
「最後の…仕上げ?」
「そう。貴女が今後キチンと芝のお手入れをしてくれるって約束するだけよん」
「ええっ!?」
「どうかしら?」

白衣の女は陰部の周囲に指を這わせながら聞いた。

「んっ…芝だけは……んっっ!……芝だけは絶対譲れませんっ!」
「あら、残念ねぇ」

さして残念そうでも無く答え、
いつの間にか顔を出しているクリトリスに息を吹きかける。

「ひゃぅう!」
「っふ〜、強情を張らないでハイって言えばいいだけなのよ?
そしたら私が毎日お手入れして、好きなだけイカせてあげるのに」
「でも、でっ、わた、わたひぃぃぅ……」

交互に与えられる刺激と質問が続く。

「どうかしら?」
「だっ、めっですぅうおねがいぃいいかせてぇええ!!」
「うふふふふ、いつまでもつかしらね。
それとも、その前にこわれちゃうのかしら?」
「ふぇぇっだめぇえっ!っはぁんんイカせてくださぃぃいぁぁああっ!!!!」

――――白い密室が開かれる日は、未だ訪れる様子は無い。






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