淫欲
シチュエーション


「いいのかい?放っておいても」

男の声すらも、その空気の振動すらも、女の身体には責め苦となる。
耐えようと自らの身体を抱こうにも、戒められた手足がそれを許さない。

「・・・いい、わよっ!放って・・・おいてっ!」

強気な視線。だが、それが装ったものでしかないことは、瞳の端に見える光ものが、
頬に差した朱が、そして何よりも――最も大事な場所を包み隠す布に生じた湿り気が――
如実に物語っていた。

「くっくっくっ、いいねぇ、その目・・・その顔」

男は女の顎を掴み、異変を悟られまいと無駄な努力をしていた女の顔を正面から見やった。

「その目が、白く濁り、その顔が淫欲に溺れ、淫らに乱れる様を想像すると――」

言って男は女の顔を無理やり下に向けさせる。

「っ・・・!」

そこには、猛り狂った男自身が、己を解放せよと着衣の下から咆哮をあげていた。

「――こんなになっちまってるぜ、俺"も"」

女は、男の物から視線を外す事ができない。

(・・・こんなの・・・こんな大きな・・・これ・・・かき回されたら・・・)

抑えようと、鎮めようとしていた感情が、男のそれに呼応するかのように、
私も私もと大きく猛り始める。淫猥な想像を打ち消そうとしながらも、女はそれが
叶わない事を半ば悟りつつあった。

「・・・お前"も"、だよな?」

――じゅぷ

男の宣告を受けた瞬間――
身じろぎしたその瞬間響いた小さな水音――

「え・・・あ・・・?」

それが自らの股間から生じた事が、彼女の抵抗という名の堤防を決壊させた。

「・・・あ・・・ああ・・・あ・・・」

抑えようとしていた感情が、欲求というなの淫らな想いが、瞬く間に彼女の身体を縛り上げる。

(・・・アレで、かき混ぜて・・・欲しい・・・突いて・・・奥までして・・・欲しい・・・)

女の表情が、見る見る内に変わっていく。淫らな欲望をむき出しにした、雌の顔へと。

「おやおや、もう限界か。思ったよりも早かったな」

呆れたような口調で言いながら、男の目に失望の色は無い。
こうなる事は、男にとっては予定通り・・・むしろ、よくもったと言えるほうだろう。

「・・・安心しろ、薬を使ってるから痛くはない」

――絶頂に達する事は無いがな――男は内心で女にとっての絶望を呟くと、彼女の複に手をかけた。

まずは胸に目標を定めた男は、女のまとうぴっちりとした服の襟に手をかけ、
強引に引き下げた。無残な音を立て、ボタンが弾け飛ぶ。

「あ・・・いや・・・」

女の抵抗は弱い。軽く身じろぎするだけで、妨げようともせずに胸を晒した彼女を見て、
男はほくそ笑んだ。

(・・・まさか、ここまで効くとは、な)

男は視界の端で既に空になった薬瓶をとらえる。
中身は既に、女の身体の中だ。

「痛みは無い。これだけ濡れていれば、抽送にも障害は無いだろう――だが」

男が露になった胸に手を這わせる。瞬間、女の身体が跳ね上がった。

「――楽しまなければ損だろう?俺も、お前も」

――もっとも、お前は楽しみきる事はできないが、な。

「んっ・・・だめ・・・やめ、てぇ・・・」

厭々をするように身をよじる女の姿は、かえって男の欲情を煽る効果しかもたらさない。
弾力のある胸の感触を楽しみながら、男は彼女の上半身のあちこちに舌を這わせる。

肩――

「うぅん・・・」

首――

「ひっ・・・」

脇――

「ああっ!」
「・・・ここが感じるのか?」
「いっ・・・いやぁっ・・・あっん!」

女の感じる部分を見つけ出し、男はそこを重点的に責める。

「だめっ・・・やめ・・・てぇっ・・・くぁっ・・・!」

最早女は抵抗は無駄と諦めたか――あるいはより快感を貪ろうとしてか――声こそ
抵抗の意を示してはいるものの、身体をよじらせる事はやめ、男のされるがままに身を跳ねさせている。

「あっ・・・ひぃん・・・やだ・・・ぁっ!」

脇の下と胸の先端を、男の舌が執拗に責める。

「そろそろ、こっちにも欲しいか?」

男は言って、手を下へと伸ばす。女は両手で顔を覆って首を振った。

「・・・大したもんだよ、お前」

自ら望んでもおかしく無いほどに女の身体は淫欲に冒されているはずだというのに、
それでもまだ彼女は首を横に振る。男は思わず感嘆の声をあげた。

「だが、それとこれとは話が別、ってね」






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