彼女たちの立場
シチュエーション


【*聡美さんの場合】


ピッピッピッ、ピッピッピッ

目覚まし時計が鳴っている。

「朝かぁ、今日も仕事嫌だな」

私は布団から起き出し目覚ましを止める。

「ん?ここどこ??」

見覚えが無いものが沢山?
それにベッドじゃなくて布団で寝ているなんて。

着ている物も変だ、こんなアニメキャラのパジャマ。
どうなっているの?

でもよく見たらここは私のアパートの部屋だ。
置いてあるものが子供部屋見たくなってるけど、間違いない。

良く解からないけど、取りあえず起きて着替えをしないと会社に遅れたら最悪だ。
あれ?会社だっけ私が行くの。
違う様な…。

「ま、取りあえず着替え着替え」

私は着た覚えもないパジャマを脱ぎ、枕元に置いてあった服に着替える。

「あ、ブラするの忘れた。ってそんなのお母さんじゃないんだから要らないわよね」

今日もお気に入りのネコさんパンツでご機嫌ね。
ん?何でこんな子供の下着を?それにこの服は幼稚園の園児服じゃないの。
こんな服じゃなくてブラウスとスカートを着ないと。

あ、でもバス来ちゃう。

「あ〜ん、もっと早く起きれば良かった〜」

朝ごはん食べてる時間もないよ。
こんなことなら家でお母さんの言う事きいていた方が良かったよ。
何で一人暮らし始めたんだろ。

ピンポーン

呼び鈴が鳴った。

「聡美ちゃん、お迎えに来ましたよ〜」

芦川先生だ。
お迎えのバス来ちゃったんだ。

「せんせいおはよ〜」

私はドアを開けて先生に挨拶した。

「おはよう聡美ちゃん、一人暮らし偉いわね」

「えへへ」

頭を撫でてくれた。
うん、やっぱりがんばって一人暮らし続けよう。

「さあバスに乗って幼稚園に行くわよ」
「うん」

私はバスに乗り込む。
今日も幼稚園頑張ろう。


【*恋奈ちゃんの場合】


「起きなさい恋奈!会社遅刻するわよ!」

ねむい〜、お母さんはいっつも私を怒りながら起こすからヤダ。

「まだ寝てる〜」

「いい加減にしなさい!社会人でしょ!まったく」
布団を剥がされた。

「さむい〜」

仕方なく起きたんだけど、なんかいつもと違う。
ぬいぐるみとか無いし、かわりに服がいっぱい掛かってるし、
お母さんが使ってるみたいなお化粧する大きな鏡置いてある。

お母さんにお片付けされちゃったのかな?
「お母さんわたしのぬいぐるみどこ〜?」
「あんた何寝ぼけてるの」

お母さんなんか呆れた顔してる。

「早く顔洗ってらっしゃい」

しょうがない起きないと。

私は顔を洗いに洗面所に行く。
もう歯磨きも全部自分で出来るんだもん。
踏み台使えば蛇口だってこのとおり、って、
あれ?こんなの着てたかな?これもお母さんが着替えさせたの??
このパジャマかわいくない、大人の人みたい。
でも、遅れたら困るし早く済ませないと。

わたしは顔を洗って部屋にもどったんだけど、今日はお母さんわたしの服出してくれてない。

「お母さんわたしの着る服は〜?」
「何言ってるの。会社に着て行く服なんて自分で選びなさい」
お母さんに聞いたんだけど、そしたらまたさっきみたいな声で言われちゃった。

何で会社なんだろ?よくわかんないや。
分んないからこのままご飯食べよ。

テーブルの所に行ったらお父さんがテレビを見ながら先に朝ごはんを食べてた。

「あ〜なんだ恋奈。お前も社会人なんだからそう言うだらしない格好で朝ごはんと言うのもどうなんだ?」

変なの。パジャマでご飯食べたらダメってことかな?

「こら、恋奈!あなたちゃんと着替えてきなさい」

やっぱりお母さんに怒られた。

「だって服わかんなかったんだもん」
「まったくこの子は。良いから来なさい」

お母さんに部屋まで連れてかれた。

「もう、胸はだけさせて。お父さん困ってたでしょ?ちゃんとブラつけなさい」
言ってお母さんはブラジャーを出してくれた。

「え〜これつけるの?」

「良いからつけるの」

お母さんにブラジャーを付けられた。なんか苦しくて嫌な感じ。

「服はこれを着なさい。まったく手が掛かるんだから」

お母さんが出してくれた服は、大人の人の服だ。
仕事に行く女の人が着る服だこれ。
なんか窮屈で嫌だけど、お母さんが用意してくれたんだからしょうがない。

着替えて朝ごはんを食べたんだけど、その後にコーヒーが出てきて飲んで見たらとっても苦いの。
でもお残しはダメなので頑張って飲んでるけどやっぱり苦い。

「そろそろ出ないと遅刻するわよ」

時間を見てお母さんが言ってきた。

「だいじょうぶ、お迎えのバス来たらわかるもん」
「何言ってるの。家の前までバスが来る訳無いでしょ?乗り遅れる前に行きなさい」

あれ?そうだっけ?

「わかった〜、じゃあお家でる」

なんかいつもと違う様な気がしたけど、私はバス停にむかう事にした。

「あんたお化粧ぐらいしてから出なさいよ。だからもっと早く起きなさいと」

出るときに見送ってくれたお母さんが言ってたけど、お化粧なんてやり方わからないもん。
いつもはお化粧道具にさわったら怒るのにさ。

でも、この靴歩きにくいな。なんで踵が長いんだろ?
このスカートだってぴったりしてて動きにくいし。
これじゃ、早く歩けなくてバスに乗り遅れるよ。
ああ、早く会社行かなきゃ。


おや、こうなるのですか。
23歳の一人暮らしの幼稚園児の女の子に4歳の社会人の女性。
少しちぐはぐですね。
でも問題ないでしょう。
そう言う世界なのですから。
存在の適応力と言うものです。
特に何が変わる事もないですよ。
まあ、後の事は与り知る所ではありませんのであしからず。



〜続きなど、ございませんよ?〜






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