謀略工作2
シチュエーション


9月5日

アルベルトと交代でパウルスが要塞都市の市長宅に入ったのは、9月5日だった。
夜中に市長宅を訪れ、案内されたのは、まるで王侯貴族が暮らすような豪奢な
寝室であった。パウルスは、未だ戦時中であるにも関わらず、こんな部屋で寝ることは
出来ないと思いながらも、もう夜も更けていたことから、部屋を変えてもらうのは明日に
しようと思い、王国の自宅よりも大きくふかふかなベッドで眠りに付いた。

9月6日

翌朝。太陽の光で目が覚めた。久しぶりにベッドの上で寝たこともあり、熟睡して
しまったようだ。目を開けると、目の前にまだ10代に見える少女の顔があり、
思わず跳ね起きた。

リディア「パウルス様…おはようございます。朝のご奉仕をさせて頂きたいのですが
よろしいでしょうか……」

控え目で清楚なメイド服の少女から『ご奉仕』という言葉を聞いて、一瞬何のことか
分からず、戦場では臨機応変に最適解を導く明晰な頭脳も起きたばかりのせいか、
うまく働かない。目の端には、カーテンを開けるメイドと飲み物を載せたサービスワゴンを
押すメイドの姿が見える。そして、今ベッドの上からパウルスの顔を覗きこんでいるメイド
を入れれば三人のメイドが広い寝室の中にはいた。

パウルスが黙ったままでいると、リディアは「失礼します」と柔らかな声で囁くと
パウルスの身体に掛かる毛布をよけて、リディアの視線はパウルスの股間に向けられる。
この時、初めてパウルスは『朝のご奉仕』の意味に気付いた。もう決して若いとはいえない
パウルスではあったが、久しぶりに女の色香を嗅いだ故か下半身は朝特有の滾りを示し、
下穿きの上からも膨らみがリディアの眼前に晒され、パウルスは年甲斐もなく気恥ずかしさを
覚えていた。

パウルス「いや…結構だ。」
リディア「それでは、朝の支度のお手伝いをさせて……」
パウルス「それも結構。起こしてくれてありがとう。皆、部屋から下がってくれ。」

パウルスの胸板に添えられていたリディアの手が名残惜しそうに離れ、三人のメイド達は
ベッドの横に並ぶと、両手を身体の前で組んで、深々とお辞儀をして、部屋から出て行った。

パウルスは、ベッドから降りると、軽く頭を振ってから、窓を開け、先程までいたメイド達の
甘く香る色香を朝の爽やかな空気と入れ替えようとした。貴族ではなく平民出身のパウルスは
普段から従卒は置いておらず、朝の支度も全て自分でしていた。寝室に併設された洗面所
で顔を洗い、歯を磨き、軍服に着替えて部屋を出た。

――その様子を、寝室に隠された覗き窓から一人の女が見ていた。

部屋の外には、先ほど居た三人のメイドの一人が居て、パウルスを朝食の準備をした
食堂へと案内した。そこには、先程の二人のメイドが居て、パウルスの朝食の準備をしている。
他の王国軍の仕官は一人もおらず、どうやらこの食堂はパウルス一人のために
用意されているようである。パウルスは、ここまで至れり尽くせりの厚遇を受ける謂われ
はなく、誰かに抗議しようと思っているが、元々感情を露にせず、自分の部下に対しても
言葉を荒げることもしない男であるが故に、メイド達に言っても仕方ないと思い、椅子に
座ると、メイドの一人に声をかけた。

パウルス「申し訳ないが、市長を呼んで頂けないだろうか。着任の挨拶をしたい。」

朝食は豪華で、昨日まで食べていた戦時食とは大違いであった。アルベルト軍では
アルベルトの方針で仕官やアルベルトでさえも、一般兵士とほとんど変らない食事を
取る。それだけに、自分だけがこんな豪勢な食事を取ることは申し訳なかった。
しかし、それと同時にパウルスは、ついこの間まで王国軍に包囲されていたこの
要塞都市でこれだけの食料があることにも驚いていた。メイド達の肌艶は良く、健康
状態も良さそうだし、メイド服には汚れ一つなかった。

朝食も半ばに差し掛かる頃、市長のロイドがやって来た。パウルスは、市長に礼を言った後
改めて、部屋と食事をもっと質素なものにするように頼んだ。

ロイド「滅相もございません。アルベルト将軍より、パウルス閣下がおいでになりましたら
自分と同じように厚遇するようにとの厳命が出されております。そんなお方に失礼があって
はならないと、家中の者一同、精一杯お尽くししたいと心から願っておる次第です。」

パウルスが何を言っても、市長の口からは美辞麗句と追従の言葉しか出て来ず、最後には
パウルスも根負けした。

パウルス「……分かった。しかし、私のことは閣下とは呼ばないように。私は将軍ではないし
閣下と呼ばれるような身分ではない。それと、一つ頼みがあるのだが、寝室とは別に一つ
部屋を借りたい。そんなに広い部屋でなくていいのだが、仕事部屋が欲しい。それと、
私の部下を2人ほど、屋敷に入れたいのだがよろしいか。」

ロイド「お部屋の準備の方は、もちろん、結構でございます。呼び方に関しましては、
それでは……パウルス殿ということでよろしいでしょうか。」

食事を終えて、早速仕事を始めようと、席を立つ。今後の作戦案について詰めなければ
ならないし、つい先日まで共和国の領内であった要塞都市の内部は共和国軍の情報
の宝の山といえた。一刻も早く部下を呼び、仕事を始めようとおもっていたのだが、
パウルスが立ち上がると、ロイドが待っていましたとばかりに告げる。

ロイド「閣下……ではなく、パウルス殿。湯浴みの準備を整えております。昨晩はおいで
頂くのが遅かったため、ご案内出来なかったのですが、是非我が屋敷自慢の大浴場にて
汗をお流し下さい。お前たち、パウルス殿の湯浴みの支度をしなさい。」

メイド達は一糸乱れず市長にお辞儀をすると、二人は食堂から出て行き、一人はパウルス
の元に残り、パウルスを大浴場に案内した。どうやら、今居る三人がパウルス付きのメイド
のようであった。パウルスは、自分に三人ものメイドを付けていることに対しても、不要である
ことを告げねばなるまいと思いつつも、とりあえずは、言われたとおり、湯浴みをすることにした。
戦場であるならともかくも、このような屋敷で汗と埃の臭いを発散させているのは周囲にも
迷惑であろう。パウルスは広い屋敷を歩きながら、横を歩くメイドの名を聞いた。

リディア「私は、リディアと申します。パウルス様がこのお屋敷に滞在する間は、パウルス様
の僕としてお仕え致しますので、どのようなことでもお命じになってくださいませ。」

その声は羽毛のように柔らかく声量は小さいものの、不思議と耳の奥に響くように聞こえた。
パウルスの肩にも届かない小柄な美少女に丁寧に挨拶を受けると、微かに緊張を
強いられる。『どのようなことでも』とは一体どういう意味なのか……。元々女性の扱いは
得意ではなく、最初に交際した女性とそのまま結婚し、その死後は、欲望の処理は専ら
自身でするか、ごくたまに娼館に行くことで処理してきた。それが、今朝の出来事もあり、
必要以上に眼の前のメイドの言動に意識してしまうのであった。

離れにある大浴場の脱衣場に入ると、リディアは案内を終えたはずにも関わらず、
パウルスの傍を離れない。着替えを始められずに、出て行くように声を掛けようとすると
リディアがパウルスの軍服の釦に手をかけた――

パウルス「な、何をする。服を脱ぐことくらいは自分で出来る。」
リディア「パウルス様は、何もなさらないで下さい。全て私がお脱がせ致しますので……。」
パウルス「いや、いい。一人でする。」
リディア「なりません。当屋敷の作法に従って貰えませぬと、私がお叱りを受けて、悪く
すれば、暇を出されてしまいます……。」

パウルスを見上げるリディアの目が潤む。確かに、メイドにとって暇を告げられるということは
最も恐ろしいことであろう。しかし、パウルスからすれば、自分の娘のような年の少女に
そんなことをさせること自体に抵抗があった。しかし、その逡巡のうちに、リディアはパウルスの
軍服の釦を外し始めてしまったため、パウルスはそれ以上拒絶することも出来ず、されるが
ままにする外なかった。

リディアはベルトを外す仕草も慣れているようで、ズボンを脱がされる。下穿きを脱がされて
しまえば股間が晒されてしまい、目の前の少女に雄の欲望の象徴を見られることは
避けたいと思っていると、それを察したのかリディアは背後に回り、パウルスの下穿きを
脱がせると、タオルでパウルスの股間を隠してから、再び前に回ってきた。

リディア「それでは、大浴場にて湯浴みを楽しんで下さいませ。」

リディアの言葉に小さく頷いたパウルスは、表情を変えぬものの心底ホッとしていた。
周囲には老成した印象を与え、もう枯れたと見られがちなパウルスではあるが、未だ
パウルスにも雄の欲望はしぶとく残っており、従順で可愛らしい少女とずっと一緒に居れば、
それなりに欲望も湧き上がり緊張も強いられるものであった。

しかし、ホッとしたのも束の間であった。大浴場の戸を開けると、そこには、残りの二人の
メイドが跪いて額を床に付けた体勢で待ち構えていた。

セレナ「セレナと申します。パウルス様の湯浴みのお手伝いをさせて頂きます。」
エレナ「エレナと言います。パウルス様にお仕え出来て光栄です。精一杯尽くさせて頂きます。」

二人は、それが湯浴みようの衣服なのか胸元と秘所だけを隠す白い下着のような姿であった。
よく見ると顔立ちは似ていて姉妹のように思えた。エレナはリディアと同い年くらいで、
セレナは少し年上であろうか。それでも、セレナの方もまだ二十歳には達していないであろう。
パウルスは、呆然と立ち尽くしたがもう服は脱いでしまっていて、逃げ場はなかった。しかも、
背後の戸が開き、後ろからは聞き覚えのある声が。

リディア「それではまずお体をお流ししましょう…パウルス様」

(これは一体どういうことだ……)

パウルスは、3人のメイドに囲まれて洗い場の椅子に腰掛けていた。洗い場はどこからか
ハーブの香りの漂うミストが噴出されて温かく、何もしなくても汗が噴出してきて心地よかった。
パウルスが見たこともない広さの大浴場であるにも関わらず、これだけの設備を整えている
ということは、それ自体驚きであった。さすが、市長が屋敷自慢の大浴場と言うだけのことは
あった。そして、三人が当然のようにパウルスの身体を洗い始めた時はこれまで同様抵抗は
示したものの、ここまでなし崩し的にここまで来てしまったこともあり、すぐに抵抗は諦めた。
そして、今こうして三人のメイド達に身体を洗われているのであった。

セレナはパウルスの頭を洗っていた。細い腕にも関わらず意外に力があり、髪の毛を
洗いながら頭皮をマッサージし、首筋から肩も丹念に揉み解してくれる。エレナは両腕と
背中を丁寧に洗ってはいるが、まだあまり慣れていないのか、力加減がまばらであった。
そして、リディアはパウルスの前に回りこみ、片足ずつ、自分の腿の上に置くと、足の指の
間から、腿の付け根まで洗っている。股間を隠していたタオルは、申し訳程度に局部だけを
隠してはいるが、その形はタオルの上からも見て取れてしまうだろう。パウルスは目を閉じて、
自身のモノに鎮まるように命じていたが、その意思に反して、ペニスはタオルを押し上げて、
その威容を露にしつつあった。リディアの手は一切ペニスには触れてはいなかったが、
時折陰嚢を指が掠めたりするだけで、パウルスの太い砲身はびくんと震えた。リディアの表情が
真剣そのものなだけに、邪な欲望を示している自分のペニスが恨めしかった。

頭をお湯で洗い流してもらうと、目に湯が入り、目を瞑った。手で目を擦ろうとすると、
いつの間にか両腕にメイドの体がしがみついて、動きが封じられている。異変に気付いて、
声を出そうとする前に、いつの間にか局部を隠していたタオルが取り払われ、ペニスが
身震いしながらパウルスの下腹部に張り付くほどに屹立していた。そのペニスにおそらく
リディアの手であろうそれが添えられた。

パウルス「……何をしている。身体を洗い終えたのなら、もう離れてくれ。」

しかし、大浴場は静まり返ったまま。両腕にしがみついたセレナとエレナの手は、パウルスの
手の動きを制したまま、パウルスの上半身を這い回り始める。そして、ペニスに絡みついた
リディアの指は、その一本一本が別々の生き物のように竿の表面から赤黒く露出した亀頭の
敏感な部分を撫でていく。

パウルス「――っつ、くっはぁ。よせ……よすのだ。」

左の耳に吹きかけられた吐息はセレナのものか。右の耳にはクスリと笑みを漏らすエレナ
の唇が頬に押し付けられた。目には湯が入ったままで目を開けることも出来ない。いくら
両腕の動きを封じられているからといっても、パウルスがその膂力を発揮すれば、振り払えない
ことはない。しかし、軟体動物のようにしがみつく二人の少女に危害を与えることなく、振り払う
ことは容易ではなく、しかもパウルスの身体は、三人のメイドの6本の掌、30本の指が織り成す
刺激によって力が抜け始めていた。

リディア「パウルス様……精を溜め過ぎるのは身体に毒です。湯船に入る前に、汗と一緒に
吐き出してしまいましょう。どうか身体を楽になさって下さい。」

リディアが正面から頬擦りするようにして耳元で囁くと、顔が離れる刹那、互いの唇が軽く
触れ合う。パウルスは一瞬理性が飛びそうになるが、必死でそれを堪えた。リディアの片方
の掌は竿の方は力強く扱き、もう片方の掌は亀頭の方はあくまで柔らかく包み込む。
パウルスは声にならぬ呻き声を上げると、ものの一分もしないうちに、大量に射精した。

ようやくメイド達が離れ、両腕が解放されると、手の甲で目を擦り、目を開けると、リディアの掌に
吐き出された大量の白濁をリディアは大事そうにゆっくりと口で啜っていた。

それから、パウルスは3人と共に湯船に入った。3人ともパウルスの身体の至るところに
触れて、それぞれの体をパウルスに押し付ける。おそらくハーレムというのは、こういう
所なのだろうと思いながらも、これまで味わったことのないような強烈な射精による快感に
より脱力して、考えることも拒絶することも出来ず、ただただされるがままであった。パウルス
は、三人のメイド全てとキスをし、その舌の感触と唾液の味を味わった。三人のそれぞれ
膨らみの違う乳房を掌で触れ、硬さの残る尻も撫でた。それらの行為は、考えてのことではなく
無意識のうちに欲望に忠実なままに行なってしまったことであった。この時のパウルスに
常勝軍の軍師の面影はなく、ただただ少女たちの蒼い色気に溺れた中年男であった。

のぼせ上がりそうになって、湯船から出ると、ペニスは再び天井を向いて屹立していた。
リディアが「どうなさいますか?」と問いかけてきたが、パウルスは、ようやく取り戻した
理性を奮い起こして「もう出る」と言うと、意外にも3人は簡単に引き下がり、パウルスの
入ってきた脱衣場の戸とは別の出口から出て行った。パウルスは拍子抜けした気持ちに
なりながら、一人で脱衣場に戻ると、脱衣籠には丁寧に畳まれた軍服と新しい下着、
タオルが用意されていた。

(私は一体何をしてしてるのだ……このままではいけない。)

着替えながら、自分が欲望に流されてしまったことを恥じる。あんな少女たちに欲情し
挙句の果てに手で射精に導かれるなど、成熟した大人の男として、王国の軍人としても
あってはならないことであった。このまま流されてしまっては決してならないと強い決意を
持って、パウルスは脱衣所から出た。






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