電車
シチュエーション


「あー、もうダメだ!これじゃ間違いなく遅刻だ……」

最近会社員になった俺は、この蒸し暑い電車の中で一人悪態をついていた。
目覚まし時計の電池が切れていたせいで、やっと決まった就職先にさっそく遅刻しそうになっていたのだ。
歩いて行ける距離ならまだしも電車は困る。走ってもどうしようもないからだ。
時刻は9時47分、この時点で完全に遅刻だが、まだ謝れば許してもらえるかもしれない。
出来るだけ早く着いて欲しい、と願いながら俺は地団駄を踏んだ。

しかし暑い。夏真っ盛りにこの人の多さ……爺さん婆さんばかりだが、こんだけ集まるとまるでサウナだ。
この電車、なぜかスーツ姿は少なく、買い物袋を持ったおばちゃんやお爺さんが一つの車両にぎゅうぎゅう詰めになっている。
俺は一人スーツ姿でその場から浮いていた。
ここまで人が多いと別の車両に移るのも一苦労、ここは大人しく耐えることにした――。

(ん?)

冷や汗とギトギトした汗を垂らしながら吊革に捕まっていた時、突如背中に奇妙な感覚が走った。
背中に触れる何かの感触にさわさわとくすぐられる。これは………手だ。

おいおい、マジかよ。20歳にして未だに童貞なこの俺が、始めて性的な意味で体を触られたのが痴漢のおっさんだなんて笑えねぇぞ……。
俺は即座に不快感を催し、胸ぐらも掴んでやろうかと思った。
しかし、人口密度が高すぎて……動けねぇ……。
俺がやっとの事で出来た行動は、首だけを少し後ろに動かす事だけだった。

そして驚く。そこに居たのは気持ち悪いおっさんでも何でもなく、白いカッターシャツを着た女子学生だったのだ。
背は俺より少し低いくらい。めざましい発育により実ったのだろうその胸にはつい目が行ってしまう。
顔はまだ幼さが残っているものの、そこに眼鏡というアクセントが加えられなんとも不思議な可愛さに満ちていた。
そんな彼女が、痴漢の正体。

(……?)

彼女は俺の顔に白々しい顔で軽く微笑みかけてきた。そんな顔をしながらも彼女は俺の上半身に手を回してくる。
俺は恥ずかしい気持ちになり、また電車の外側に顔を戻した。女性に触られるなんて、始めてだったからだ。

すりすりすりすり……と、彼女の右手が俺の脇腹を撫でさする。
さっきまでは汚いおっさんだと思っていたから良かったものの……いや良くないのだが、この手があんな可愛い女の子の手だと思うと途端に意識してしまい体が反応してしまう。

一体なんなんだこの子……好奇心で俺の反応を見て楽しんでるのか、それとも痴女?
そんな事を考えてる間にも、彼女の小さい手は俺の体の上で優しく踊っていた。
お腹。お腹が痛い時に撫でてもらうかのような手つきでそこを這い回る掌。その掌は暖かく、じんわりと体の奥を火照らせてくる。

「う……うぅ……」

(クスクス……)

後ろから、彼女の微かな笑い声が聞こえて情け無さを嫌でも思い知らされてしまう。
あんな見ず知らずで年下の女の子に痴漢行為をされてるのに感じてしまうなんて……。

彼女は俺の様々な反応を見たいとでも言うように、多種多様なやり方で俺の上半身を弄ってきた。
掌でみぞおちの辺りをまんべんなくさすったり――。
五本の指を立てて、くすぐるように胸の間を触ったり――。
今度は――。

(くぅう!)

人差し指で左の乳首をツンと押される。更に押したままでぐにぐにとほじくるような動作を加えられ乳首が次第に隆起していってしまう。
理性は早くも崩れかけようとしていた。

一旦、乳首から指が離される。
今度は胸の外回りから彼女の人指し指が螺旋状に動く。だんだんだんだん真ん中に近づいていく動き……。

『お、お前……いったい何のつもりだ……いい加減に、しぃっ!?』

小さい声で注意を促してみたが、それが気に入らなかったのかいきなり乳首をつねられた。
後ろから馬鹿にした声で笑う彼女。完全に見下されているようだ。

『おにーさんさぁ…………もしかして変態なの?あはっ。いきなりこんな美味しい獲物が見つかっちゃうなんて……』

変態。そんな事を言われたら普通は不快になるはずなのに!彼女の指が触れている状態で聞くと――。

『わたし……変態さんって大好きだよ……ちょっといじめてあげるだけですぐふにゃふにゃになっちゃうんだもんね……』
『この……子供のくせにあんまり大人を舐めるんじゃ……』
『へぇー…………その子供に、いやらしーく体愛撫されて、感じちゃってるのは誰かなー。くすくす』

耳元で囁きながら、今度はぎゅうっと胸を押し付けてくる彼女。満員電車の暑さでしめった柔らかい物が、俺の背中で形を変えた。

『ほ・ら。子供って言うけどさ。ここは結構自信あるんだよねー……どう?柔らかいでしょ?大人の女の人より気持ち良いんじゃないかな……?』

俺の上半身に腕を回しながら、むにむにと胸を当ててくる彼女。女の子独特の蕩けるような香りが漂ってくる。

これが、おっぱい…………服越しなのに柔らかくて暖かくて、体が熱くなっていく……。
生まれて始めて味わう快感に、俺の股間は完全に膨らんでしまった。電車の……中で。

『うーん……?おにーさん、もしかしてぼっきしてない?ねぇ、してるでしょ。私のおっぱいで体揉まれて興奮したの……?あはっ、ホントおにーさんって最低?』

罵倒されているのに、俺の股間は収まりそうになかった。それどころか馬鹿にされて余計に硬くなっていく気がする。
俺って、マゾだったのか……。

『ねぇ……触ってあげようか?おにーさんのおっきくなった「そーこ」。私が、気持よくしてあげてもイイよ?』

あくまで周りに気付かれないような声で囁く彼女。しかし、こんな状況でそんなこと――。
スッ……。

(うわぁ…………)

いつの間にか下に移動していた彼女の左手が、俺の股間を優しく触れるか触れないかの位置で触れてくる。
胸と上半身の愛撫で昂らされた股間は、少し撫で摩られただけで甘い痺れを全身に送ってきた。
これでもし、直接触られでもしたら……。

『おい、やっぱりやめ……』
『えー?なーにー?聞こえなーい。くすくす。じゃ、失礼しまーす♪』

あっという間に滑りこむ彼女の白い手。触手の様にするりと股間の方に伸びてきて、あっという間に俺のペニスは捉えられてしまった。

「うわっ、む!むっぐぐっぐ……」

少し声が出そうになったが、彼女の右手が即座に俺の口を抑え声がくぐもる。

『周り、お年寄りの人達ばかりだけど……そんなに声出しちゃ、さすがに気づかれちゃうよー?良いのかなー?』

俺はもごもごと口を動かしながら首を横に振ることしか出来ない。こんなとこ、周りに見られたら破滅だ。
大人しくなった俺を見計らうと、彼女はそっと左手を動かしてくる。
もみもみ……もみもみ。
硬くなった俺のモノを品定めするかの様に揉むその手つき。
ガチガチになったペニスはそんな揉みほぐす手つきでさえ快感の悲鳴をあげる。

『うっわー……おにーさんのここぬるぬるかちかち……ふーん、男の人でも気持ち良くなるとと濡れちゃうんだぁ』
『でもさー……今、おにーさん痴漢されてるんだよ?それも自分より年下で生意気な女の子に♪それなのにこんなに濡らしちゃってさ、駄目じゃないの?おにーさんの今の顔、AVに出てくる淫乱な女の子にそっくりだよ♪』

俺はあまりの恥ずかしさについには目を瞑ってしまう。
口を抑えられているせいもあってどんどん息が荒くなる。胸の鼓動も高まっていく。
ペニスだって揉まれているだけなのに、もう破裂してしまいそうだ。

『ほら。ぎゅっぎゅっ、ぎゅううううっと♪あはっ、気持よさそー。そろそろイッちゃうのかなー?はやーい♪くすくす』

俺はなんとか呼吸を続けながら首を振って肯定した。このまま揉まれれば、俺は間違いなく射精してしまうだろう。
無様に、こんな状況で。

『ん。もう出ちゃう?イッちゃうんだぁ。女の子に痴漢されてイッちゃうなんて、きもちわるーい♪』

もう罵倒なんか気にならなくなっていた。周りの事も。遅刻のことも何もかも。
何でもいいから、早く、出させてくれ……。

『えへ……良いよ、じゃあ今から思い切りイかせて…………あーげない♪』

えっ?
すぽっ、と彼女はいきなり右手を俺のズボンから抜いた。それと同時に彼女の手に俺の腕が掴み取られる。
そして彼女は耳に突き刺さるような涙声で車両内に声を響かせた。

「こ、この人痴漢です!触られました!」
「なっ!えっ!!」

ざわざわ……ざわざわ……。
涙目になった彼女の顔には、もうさっきまでの挑発的な表情はどこにもなかった――。

はぁ……今日は散々だった……。
あの後、俺は痴漢と間違われて駅員に捕まってしまった。
警察に事情聴取されたものの、少し手が当たっただけだと弁解してなんとか釈放……。
彼女は本当のことなど一切喋らずずっと泣いていただけだった。
結局、会社には出勤出来ず釈放された後で電話を掛けて謝った。
一応は許してくれたものの、お偉いさんは明らかに「困るよ」的なオーラを電話越しから出していたし、これからどうなるんだろう。

しかも遅くなったせいで帰りは終電……俺、大丈夫なのかなこの先……。
とぼとぼと、今日のことを忘れようとしながら終電に乗り込む俺。
しかし、あの時の事……気持よかったのは確かだった。
しなやかな彼女の手や微かに触れていた脚。マシュマロのようなおっぱい。かすかに聞こえる彼女の吐息と、俺の心をくすぐる罵倒。
今まで性的体験をしたことの無かった俺にとっては刺激が強すぎた。
ああ……思い出してまた、勃起してくる……。
俺は出発した電車の中を見渡したが、幸いこの車両には俺しか乗ってないようだった。

「そうだよな、こんな時間だもんな……はぁ…………」

俺が股間を鎮めようとしながらため息を吐いていると、隣の車両から誰かが入ってきた。

「……あっ!おにーさぁん!偶然だねー、あはは♪探してたよー」

彼女だった。先程まで俺と同じく事情聴取を受けていたのだから、一緒の電車に乗るのは不自然では無いけど……探していただと?

「おっ、お前!!お前のせいでえらい目にあったんだからな!どう責任とってくれるんだ!」
「…………ごめんなさい」

突然しおらしくなって顔を俯かせる彼女。俺はつい拍子抜けしてしまう。
彼女はだんだんと目を潤ませながら俺の隣の席に座った。

「私、ちょっとおとこのひとに興味があっただけで……おにーさん私のタイプだったし……でもあの時……横に居たおばあさんにばれそうになって、それで……うっ……えっぐ、ううううう……」

さすがにひどい言い訳だと思ったが、涙を零されると怒れなくなってしまう。俺は男の無力さをひしひしと感じながら彼女の肩に手を置いた。

「い、いや反省してくれたなら良いんだよ。うん。怒ってないから、さ」
「うっ、……ひっく。ほんと……?おにーさん、優しっ、いんだね……」

彼女はゆっくりと俺の方に体を寄せてくる。俺は彼女を慰めるようにしてついその体を抱きしめてしまった。

「おにーさん……。お詫びといっては、なんだけど……さ。朝の続き、してほしくない?」

俺の懐の中でそう呟いた彼女は、そっと股間に手を触れてきた。
朝の快感を思い出し……一気に興奮が高まる。

「やっぱり、朝途中でやめちゃったから溜まってるのかな…………おにーさんには迷惑かけちゃったし、朝より凄いことしてあげないと……ね」

チャックを下ろし、そっと俺のモノを引っ張り出す彼。そして俺のペニスは彼女のふんわりとした胸に当たった。

「わたしの…………おっぱいで、どうかな……」

彼女はそう言うと大きく膨らんだ胸の下にあるボタンを少し開け、横から寝転がるように俺の膝の上に陣取った。

「ほら、これってぱいずりって言うんだよね。電車の中だから、AVみたいに脱げないけど……カッターシャツ着たままでも、きっと気持ちイイよ」

ギンギンに反り返ったペニスに標準を合わせようと胸の位置を調整する彼女。膝からも彼女の体温を感じて更に硬くなってしまう……。

「じゃあ、いくね?おにーさんも、気持よかったらすぐイッちゃっていいからさ。今日のお詫びなんだから、気にせず出してね……」

せーの、と彼女が言った辺りで、俺は止めるべきだったんだろう。
しかし期待で頭がいっぱいだった俺に、何かが言えるわけもなく――
彼女が胸を落とし込むと、にゅるんっ、とすぐに快感が襲ってきた。
汗ばんだ胸の間に俺のペニスが挿入される。人肌の暖かさと挿入感だけで早くも暴発しかけた。

「うんしょっ、うんしょっ。ね、気持ちいい?あっ……良さそうな顔してる。もっと、やってあげるね♪」

むりゅむりゅむりゅと上下させられ、ひたすらやわらかい物に包まれる感触が伝わってくる。
とても気持ちが良かった。
汗ばんでじっとりとした、女の子の一番柔らかい場所。おっぱいの谷間。
しかもこんな可愛い女子学生の胸にペニスを突っ込まされているのだ。その事実も相まって、ゾクゾクと背筋に震えが走った。

「ね、すごいでしょわたしのおっぱい。おにーさんの、完全に包まれちゃって上からでも先っちょ見えてこないよね。それとも……おにーさんのが小さいだけかなー?くすくす」

だんだんと笑顔になってきた彼女。反省の色はどこにいったのか。
しかし、俺はもうそんなの気にならなくなっていた。胸の柔らかさが、彼女の肉が体と心を蹂躙してくる。
彼女が胸をピストンさせる度にちゅぶっちゅぶっと卑猥な音が辺りに響く。
それになんだか……蜜のような甘い匂いがしてきて……五感すべてを刺激されてしまう。

「わー……これ、すっごいえろいねおにーさん……聞こえるでしょ、この音。まるで、せっくすしてるみたいだねぇ……」

口に出されると嫌でも事実を痛感させられる。女子学生とのイケナイ遊びを。こんな事をしたら、駄目なのに。

「おにーさんのおちんちんとー、わたしのおっぱいまんこが……電車で生せっくす……やらし……♪」

早くどうにかしないと……またこんな所を見られたら、今度は間違いなく捕まってしまう。
ただでさえ今日事情聴取された俺が、こんな事してたら言い訳なんて出来っこない。

「うーん。……もうちょっとえっちな音、聞いてみたいなー……おにーさんもそうでしょ?……んしょっ、こうやってぇ……れぇー……えぅ……」

彼女はカッターシャツの上の方の、ボタンとの隙間を指で少し開けてそこに自分の唾を垂らした。
舌から糸を引く粘液が上から胸の中に入っていき……ペニスに暖かくぬるぬるした感覚が伝わってくる。
そこで胸を上下させられると「ぐちゅぱぁ……」と脳を犯されそうな程の卑猥な音が耳に入ってきた。

ぐちゅるっ……ぎゅぷちゅう……ちゅぶぶぅ……。

「うおっ……なんだ、こっ!れぇ……」

しっとりとした胸にぬるぬると粘体が加わった感触、それはもう声を抑えられない程の快感だった。
俺は電車に居るということも忘れて情けなく喘ぎ声を上げる。

「んふふ〜……喘いじゃったねぇ……私、男の人があんあんって、女の子みたいに喘いじゃう声聞くのだぁ〜いすき?ね?もっと、私におにーさんの誰にも聞かせたことのない声……聞かせてほしいな……」

車両内に響く俺の声と、べちゃべちゃになった俺のペニスが彼女の胸にじゅっぷり犯されている音。
もう、電車が動く音さえ俺の脳内には入ってこなくなっていた。

「……あー、ぴくぴくしてきた……出ちゃう?ざーめん出ちゃう?あはっ。良いよ?これはお詫び……だから、私のおっぱいまんこに、いくらでも中出ししていいから……ね?」

そうだ。これは彼女のお詫びなんだ……だから、俺は悪くないんだ……。
出したって、捕まったって。こんなの、しょうがないじゃないか……。
それにこの気持良さ……横からされているからか、彼女の右の胸は表の方を擦り、左の胸は裏筋を擦る。朝してもらった手コキとはぜんぜん違う快感だった。

ああ……駄目だ……電車の中なのに……男をなめきったような奴に…負けて……。

「も……出る……あぁ……」

俺が全身の力を脱力させると、それを見計らってか彼女は朝の時と同じ挑発的な笑みを浮かべた。

「……あはっ。もう完全に堕ちちゃったね、おにーさん♪大人なのに、私みたいな子供の胸におちんちん突っ込んであへ顔晒しちゃってさ!ホント最悪♪ほら!いっちゃえ!可愛い声あげながら、変態ざーめんおもらししちゃえ!」

最後にひたすら激しくおっぱいにピストンさせられ、とどめに彼女は自分の胸を抱きしめるように圧迫した。
俺は頭が真っ白になり、ぐっと腰を高く上げた。

「いっ!ぐっ!!」

どくっ!どくどくどく……とくん……とくん……とくとく……。

「んんっ!あはぁ……?イッてるう……びゅくびゅく……びゅくびゅく……。凄い気持よさそうな顔して、びくんって震えたもんねぇ……それに、今のおにーさんの顔……今までで一番きもちわるい♪あははっ♪」

出してしまった……。女の子に、見ず知らずの子の……おっぱいに……。

いつもしているオナニーの何倍も気持ち良かった。余韻が終わる気配が無いし、ペニスも脈動が止まらない……。
俺が腰を震わせる度に、彼女のカッターシャツの上の方がじんわりと濡れて色を変えていく。嫌でも自分の精液で彼女を汚した事を自覚させられる。

「じゃあ、おちんちん。抜いちゃうね……やぁん♪にちゃにちゃ言ってるよぉ……」

ちゅるんと小さくなったペニスがカッターシャツの間から抜けた。胸からはとろりと白い子種が垂れて何とも扇情的な光景だった。

(あはっ、ごちそうさま。おにーさん……)

そんな声が聞こえた気がした。彼女は服を整えると、何事も無かったかのように立ち上がった。

「おにーさん。わたし、あの時間いつでもあの車両に居るからさー……また来てくれたら、もっとえっちぃ事してあげるよ?」
「えっ……」

俺は恍惚になりながら彼女の顔を見上げる。そこで人差し指を鼻の前に突き出された。

「でーも!今のはお詫びだったからタダだったんだよ。またして欲しいならちゃあんと……お金、持ってきてね?いっぱい払ってくれたらぁ……その分さーびすしてあ・げ・るから?」

そう言い残して、彼女は俺の居る車両から姿を消した。
もっと、凄いこと……そう聞いて早くも俺のペニスは頭をもたげていた。


2週間後。
俺はまたこの時間にこの電車に乗っている。あの時と同じ車両に。
もう何回仕事に遅刻したかもわからない。遅刻した時の電車と同じ電車に乗っているのだから当然だ。
今日は上司に朝から大事な話があると言われているにも関わらず、結局それを無視してまたこの電車に乗った。
理由はなんとも邪な物だった。
あれから、俺は幾度と無く彼女と淫らな行為に及び、彼女に金、時間、精神、そしてたくさんの精液を搾り取られた。
白い手で、しこしことした太ももで、もちもちした胸で、ねっとりした口で、さらさらとした腋で。
彼女はその言葉通り、お金を払えば払うだけ大胆なプレイをしてくれた。どれも発狂しそうな程の快楽だった。

そして昨日の事。明日、ついに本番をさせてあげると言ってくれたのだ。もちろんそれなりに値段はもらうと。
俺は今までのプレイで全て貯金を使い果たしていた。
最初は諦めようと思ったものの、もう俺の頭には一日中彼女の肢体がまとわりつき、薬物中毒みたいに今までの行為がフラッシュバックした。
ついには返す当てもないのに、サラ金から借金までしてきてしまったのだった。
でも、もうどうでも良い……これで彼女にまた……気持良くしてもらえるのだから……。

今日も俺はこの場所に立つ。彼女から指定されたこの車両、この場所。
老人たちがひしめくこの車両で、窓から外を見ながら吊革に捕まり、股間を期待に膨らませている。
今日こそ……今日こそ終わりにするんだ……。

そして俺は、そっと背中に違和感を感じた。






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