賢者認定の諮問
シチュエーション


ある魔法都市の郊外、夜更けだというのに寝付けず、ぼうっと窓から月を見上げる青年がいた。

彼の名はユース。
見た目は華奢でいかにも体力のなさそうな体だが、彼は幾多の試練を受けてきた賢者の卵。
いよいよ明朝、賢者認定の諮問を受けるのだ。

12の頃から各地を巡り、様々な見聞と知識、それに魔力を高め。
8年の長き旅の果てに、ついに彼はその資格を得た。

後は賢聖の諮問を受けるだけ…夢を目前にし、昂ぶる気持ちを抑えることができなかった。

「ダメだ、寝られない…」

明日は早い、寝なければと意識すればするほど目が冴えてしまう。
仕方なく彼は夜の散歩に出かけた。
この都市の治安は良く、もし悪漢や悪魔に襲われたとしても、彼の魔力をもってすれば
簡単に退治できるはずだったから。

満月が煌々と輝く夜だった。
眺めていると、今までの旅の日々がよみがえるようだった。
そんな感傷を抱きながら歩いている時だった。

池のほとりで月を眺める女性が佇んでいた。
夜会のドレスのような召し物をしているところを見ると、上流階級の女性だろうか?
月の光を浴びて、長く波打った金の髪が輝いている。

足を止めて見蕩れたユースに、ゆっくりと女性が振り向いた。

儚げな美人。
長いまつげの奥で青い瞳が揺れていた。
泣いていたのだろうか。

目が合い、どきりとしてしまう。
彼は戸惑い、どうしていいかわからず立ちすくすだけ。

「通りすがりのお方、よろしければ少しお話しません?」

妖精が歌うような、不思議な声。
彼はただ、うなずいていた。

その女性━━ルシアは、詩歌を紡ぐように話し始めた。
自分が貴族の娘であること。
高い身分の男性に激しい恋をしたこと。
身分違いゆえに誰にも言えず、想いを秘めていたこと。
そしてついに意中の人が婚礼の儀を挙げて、先ほど抜け出してきた事━━

話に引き込まれ、いつしか彼は。
ルシアの美しさ以上に、そのけな気な心に惹かれていた。
いつしか彼の頭の中から明日の諮問の事は完全に消え、
目の前の傷心の女性に元気になって欲しくて、稚拙な言葉で必死に励ましていた。
どれくらい経ったろうか、

「貴方は優しいのですね」

目元に僅かに涙を浮かべ、そっと彼の胸に体を預けるルシア。
ふわり、と花の匂いがする。甘い、蜜の香り。
体に電撃が走る。
それは、守護魔法の警戒の験。
だが、魅了された彼にはそれとわからない。
衝動のままに、両腕で抱きしめていた。

何を言っていいかわからず。
掠れた喉で、僕がついています、というのがやっとだった。

「忘れさせて、くれますか?」

彼の胸の中でルシアは、上目遣いで、そう問いかけた。

月の光が注ぐ草むらの上に横たわり、ルシアは生まれたままの姿をユースにさらしていた。
細い体に似合わぬ乳房はあおむけていても張りを保ち、先端の桃色の突起は何かを誘うように
ツン、と上を向いている。

誘われるままにユースは覆い被さり、乳房に吸い付いた。
手のひらに吸い付くような、きめ細かな肌。
柔らかく、手の意のままに形を変える乳房。
そして、乳房を吸うたびに、囁くように聞こえる淫らな喘ぎ。

女性の象徴を弄ぶ興奮に、ユースはただ溺れていた。
初めて接する女体。
しかも、神秘的なまでに美しい。

ルシアの肌は敏感なのか、肌と肌が擦るだけで体全体が小さく波をうつ。
乳房に顔を埋めながら、ユースは彼女の至る所を指でなぞっていった。

少しずつ、喘ぎが大きくなってきている気がする。
女性と接することが稀だった自分が、こんな美女をいいように喘がせている。
そう思うだけで彼の怒張は猛り、先端は先走りの液でぬらぬらと光っている。
ルシアの肌に掠めて、それだけで達しそうなほどの快楽が走る。
乳房に顔を埋めていると彼女の事の他、何も考えられなくなっていく。

やがて彼の獣欲は、ルシアの牝を求め、僅かな金の茂みに覆われた秘所に向かう。
恥ずかしい…と顔を赤らめてそこに手をやり、恥らう姿は雄の昂ぶりを増進させる効果しかない。
強く閉じる太腿の間に指を滑らせ、秘所に指を這わせると、そこは驚くほどに潤みきっていた。

いや、と体を強張らせるルシア。
ユースは再び乳房の周りを舌で優しく舐めあげる。
体波打たせ、快楽を体現する彼女が弛緩する隙を見て手を太腿の間に潜らせ、また強張らせて。
繰り返すうち、彼の指が彼女の秘所の突起を探り当てた。

ふぁ、と今までで一番甲高い声。

指でその突起を探るように撫でる。
秘所から溢れ出る雫をまとわせながら。

徐々に太腿の力が抜けていき、やがて太腿から抵抗が消えた。
淫らな快楽に身を任せつつあるのだ

ユースは両手でゆっくりと太腿を開き、男にとって永遠の秘密である女性の秘所を眺めた。
ふわり、と花の蜜の香り。
あらゆる雄を惑わす、牝の誘惑の香り。
貪るように口を付け、啜る。
そのたびに発せられる悦楽の声を聞きながら、獣のように雫を口で、舌で、味わう。

舌で味わうたび、彼の脳が蕩けていく。
淫らな喘ぎが耳に届くたび、微かに汗ばみ火照る肌が目に入るたび、
彼の全神経が彼女のみを捕らえていく。

やがて満足したのか彼は、いよいよ彼の怒張を彼女に沈める為に、覆い被さった。

「忘れさせて、ください」

熱っぽく囁く声に誘われるように、秘所を貫いた。

貫いただけで、彼は果てそうになった。
今まで愛撫し、耐えていたという理由だけでない。
彼女の襞が悩ましくうねり、彼の怒張を舐るのだ。
しかも、怒張が決壊しかける寸前で、襞が僅かにうねりを変えていた。
後僅かで絶頂に達せられず、腰を大きく動かし、こすり付ける。

肌の打ち合う音。
大きく揺れる乳房。
抱きしめているだけでじわじわと熱を伝え合う肌。
掠れ掠れに聞こえる、ユース、と呼ぶ声。

総てが、彼の雄を狂わせる。

乳房を乱暴に揉みしだき、先端の乳頭を舐めて、絶頂を求める。
彼の怒張のすぐそこまで精が上がってきているのに、精を放てない苦しさ。
なのに限界を超えて昂ぶる肉の快楽。

「ユース…何もかも忘れて、私に溺れて」

薄く目を開きながら、しかししっかりとユースの目を捕らえて囁く。
目から光が消え、雄の衝動のままに腰を振り出すユース。
急速に高まっていく快楽。絶頂を迎えようとする、脈動の僅かな変化。
ルシアはくすり、と妖艶な笑みを浮かべると、右手をユースの陰嚢に当て、優しく握る。
途端、ユースは電撃に打たれたかのように体を強張らせる。
絶頂の寸前の状態で精の迸りを留められ、全身がわななく。

「ふふ…可愛い…」

ルシアの左手がユースの額に伸び、心臓を通り陰嚢へ。
『何か』が手に導かれ、そこへ流れていく。

「さぁ、開放してあげる」

ルシアが陰嚢から手を離し、ゆっくりと両腕でユースの体を抱き寄せる。
肌の感触を得た彼は再び、絶頂を得るために腰を振り、限界寸前の怒張を秘所の中に擦りつける。

襞が吸い付くように纏わりつき、奥へ奥へと怒張を引き寄せる。
何もかも、吸い尽くされるかのような、甘い牝の誘い。
怒張のえらに、裏筋に、竿に、張り詰めた先端に。
余すことなく舐る。

「あぁ…あぁ、ユース、ユース…」

感極まる声。自分を求める牝の声。
この牝の総てを、自分のモノにしたい…! 穢したい…!
牝の秘所の奥に、精を放ちたい…!

…総てを忘れて、この牝に溺れたい…!!

彼の怒張がわななき、弾ける。
何度も弾けながら、ルシアに精を放つ。

ルシアの脚がユースの腰に絡みつき、精を逃さぬよう猶も秘所の襞はユースのわななきを絞り上げる。

彼は初めての女性への放精の快楽に溺れ、何度も精を放ちながら、彼女の乳房にその身を預けた…

を、見たようだった。
美しい女性と淫らに交わる夢。

窓からの朝日に目を覚ます…が。

体に帯びているはずの魔力が、感じられない。
今日は大切な諮問だというのに。

彼は慌てて飛び起きて、魔力を高める陣を床に描こうとして…

その方途が頭の中から消え失せている事に気づいた。

愕然とする彼、しかし諮問の時間は刻一刻と迫っていた…

---

「今年も、賢者の認定者は無しか…」

賢聖は赤々と頭上に輝く太陽を見ながら、ひとりごちた。

男にも女にも、前夜に訪れる淫魔の誘惑。

男はサキュバスの誘惑に屈して精を通じて魔力を吸い尽くされ、
女はインキュバスの誘惑に屈して快楽を貪り、やはり魔力を吸い尽くされる。

それこそが最後の試練と知る者は、少ないという。。。






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