騎士と司祭
シチュエーション


人里離れたある洞窟の入り口に、金髪の少年が立っていた。
彼の名はサンド。
まだ15という若さながらも騎士叙勲を受け、その天才的な武器の扱いで
幾つもの難事を解決してきた王国騎士である。

今、彼は王命を受けて、太古の邪神を崇める司祭を追っていた。
何度も無駄足を踏みながらも諦めず地道に各地を巡り、ようやく
決定的な情報を得たのだった。
古くは邪神を祀る祠だったというここは、野盗や獣も寄り付かぬという。
確かに何やら澱んだ空気を感じる。
彼は教会より借り受けた護符を握り締めると、洞窟に足を踏み入れたのだった。

慎重に、なるべく音を立てぬように、サンドは洞の中を進んでいた。
たいまつなど点すと相手に気付かれてしまうから、暗い闇の中でも見通しの利く魔具を付けて。

しばらくすると、水音が聞こえてきた。
ぼんやりとだが、明かりのようなものも奥から漏れている。
壁に身を寄せ、覗うと。
地下水が湧き出ているのか、湖がそこにはあった。
その中で何者かが水を浴びている気配。
水辺には昏い魔力を感じる衣服。杖らしきものもある。
つまり、丸腰。

相手が他国の騎士ならば不意を打つなど恥ずべき行為だが、
邪教の司祭にそのような考えは不要。
サンドは剣を手に、ばっと躍り出た。

「誰だ?!」

サンドは一瞬、戸惑ってしまった。
邪教の司祭と思っていた相手は、女だったから。
その上。長く黒い髪に、白い裸身。美の女神のような、均整の取れた女の体。
そして細い腕では隠しきれない豊かな乳房。
初めて見た強い「女」という存在に、若いサンドは歳相応の少年のように、性への興奮を感じてしまった。
街で聞いた噂、何百年も生きる老人と思っていた先入観のせいだった。

だが、腰の辺りに肌に直接描かれた黒い蛇を見て、彼は何とか戦意を整えなおした。

「太古の邪教を祀る司祭、王の命により討伐する!」
「…騎士か…!」

剣を向けるサンドに、司祭もまた構えをとる。
揺れる乳房を目にしないようにして、顔を赤らめながらサンドは叫ぶ。
「丸腰では何もできないだろう。大人しくしろ!」
「それはどうかな?」

女の手から黒い霧のようなものが発せられ、サンドを包む。
黒い笑みを浮かべる司祭。
だが。
サンドの胸の当たりが光輝くと、霧は無産した。

「くっ、神護か?!」
「何の備えもしないと思っていたのか!」

司祭は初めて焦りのような表情を浮かべ、水辺を下がっていく。
━━杖という魔具が無ければ今のような事しかできないのだろう。
だが、油断はできない。
サンドは慎重に、水際に立って司祭の動きに注視する。
…司祭の裸身の身じろぎに、目のやり場に困り目を逸らせながら。

結果的にはそれが、サンドの敗因だった。

司祭は騎士の視線の動きに笑みを浮かべた。
━━騎士といえど、女体慣れしていない若い少年。ならば…
司祭は豊かな乳房を両手で揺さぶってみた。

「何と言う破廉恥な女だ!」
サンドは叫ぶが、明らかに声が上擦っている。

「ふふ、その若さが命取りになったな、騎士よ」
「なに?」
「私の体が気になって仕方がないのだろう?」
「お前のようなふしだらな女にそんな気は起きない!」
「強がるな。試してみるか?」

司祭は両手で自分の乳房を揉むと、

「ん…はぁ…」

官能的な声を出した。サンドに聞こえるように。

「な、何を…」

サンドの声が聞こえない振りをして、乳房を揺らして。
豊かな膨らみの中心に咲く桃色の乳首が、小さいながらも主張する様にサンドの目を奪う。
時に後ろを向いて、隠されると見たくなる男の本能に訴えかけるように己の女体を見せ付けて。

サンドは艶やかな女体に釘付けになり、司祭が何やら言霊を呟いたことに
気付くことが出来なかった。

初めて相対した女の体に目を逸らすことができないサンド。
幼い頃から武術と騎士の言葉遣いばかりを学んできた彼にとって、
この責めはどうにも抗いがたい誘惑だった。
女の体を前にした彼は騎士ではなく、彼は夢精も精通もまだの、初心な少年に過ぎなかったのだ。

と。
突然、股間に不可思議な甘い感触が。
思わずサンドは「ふぁぁっ!」と声を上げてしまった。

「ふふ…可愛い女のような声だな」
「わ、笑うな! 何をした?!」

女が何かを握るような仕草をする…と、サンドの男性器が何かに握られるような感触が湧き上がるではないか。
サンドは剥ぎ取ろうとするが、実体が掴めず手は空を切るだけだ。

「神護で我が神の力は遮られるとも、やはり純粋な魔力には反応しないようだな」

司祭が手を振ると、更にサンドの男性器に甘い痺れが走る。
初めて感じる性の快楽に、為すすべなく溺れてしまうサンド。

「ふふ…そうか、騎士様は女の体だけでなく、己の体すらも覚束ぬ童貞か」

巧みに手を動かしながら、司祭は騎士に近づいていく。
サンドは必死に剣を握ろうとするが、遂に快楽を堪えきれず、手から地面に落ちてしまった。

司祭は騎士の目の前に行くと、自らの女性器を手で隠すようにして見せ付ける。
ちら、ちらと薄い陰毛を垣間見せるように煽る。

「見たいか?」

司祭の甘い囁きに、最早言い返すことも出来ず首を横に振るしかできない。
サンドはその司祭のいざないに、抵抗しなければと思うのだが、その度に
男性器からの刺激が脳を快楽で塗りつぶしてしまう。

「ふふ、抵抗すらできぬか。哀れな男の性だな」

司祭は騎士のズボンに手をかける。
護符の抵抗が無いのを確認して、一気に下ろす。
何も抵抗すらできず、なすがままのサンドは司祭の前に、硬く勃起した男性器を曝してしまう。

「ほぅ…」

司祭はやや顔を赤らめ、騎士の逸物に見蕩れた。

「てっきり包茎だと思っていたが…」

成人の男よりはやや小さいが、しっかりとエラを張り、快楽にうち震えた男性器。
そっと、指先で撫で上げてみた。

「やぁぁっ!」
「そう、このまま素直に快楽に溺れるがいい」

女の指の感触が、サンドの男性器に更なる快楽をもたらす。
立っていられず尻餅をつくサンドに、司祭は股間に傅いて、言った。

「こうすれば、男は更に快楽が増すのだろう?」

司祭は左手で男の急所、睾丸をやわやわと揉みしだき、右手で屹立した竿をやや強く握り、
既に快楽の涙を流す先端に、舌をねっとりと這わせる。
慈しむように、優しく。時に激しく竿をしごき、先端を強く吸い。
司祭の巧みな閨技。
腰の奥から荒れ狂う嵐のような、強烈な熱情が湧き出してくる。

「あ、あ、なんか、あつくて、あぁ…」

男性器の脈動が激しくなる。
放精を察知した司祭は待っていたかのように、陰嚢と竿の付け根を強く握る。

「あ、やだ、いたいっ、━━━━?!」

声なき声を叫ぶサンド。

「残念だったな、まだ放精はさせんぞ」

にぃ、と笑った司祭は急所を強く握ったまま、果てぬ程度に弱く先端を舐め始める。

しばらくして、放精の感覚が湧き上がると、その度にせき止められて。
3度繰り返したとき、サンドはだらしなく涎を垂らして。
腰の奥からの熱情をどうにかしたい、頭の中はただそれだけになっていた。

「狂おしい熱情を解き放ちたいなら、その神護を外すんだ」

片手で男性器を弄びながら、耳元で囁く。
その行為の是非を考えることも許されず、サンドは服を乱暴に脱ぎ捨てると
護符を紐ごと引きちぎって投げ捨てた。

「あはははっ、愚かな騎士様。快楽にこうも簡単に屈してしまうか」

司祭は床にあおむけになり、股を大きく開き、誘うように、官能を揺さぶる声をかけた。

「さぁ、騎士様。私のここへ、そのたくましい殿方の証をお入れくださいませ」

媚びた娼婦のような仕草、声。
美しく淫らな女が、はしたない部分を自ら指で広げて見せ付けている。
サンドは食い入るようにそこを見た。
鮮やかな桃色の秘所は存分に潤み、妖しくひくついて何かを誘う動き。
いくら見ても厭きそうに無い、ずっといつまでも眺めていたいような女の姿。

つぅ、と秘所から露が一筋零れる。
ぞくりとした。
サンドは本能のままに、女に覆いかぶさった。

司祭は抱きついてくる若き騎士に抱きしめ返すと、手でそっと屹立を探り、己の秘所に導いた。

「さぁ、"私たち"に、存分に精を注いでくださいな」


「━━━━━━━━!! う、あ、あ、あぁぁ…っ」

あつらえたようにぴったりとまとわり着く司祭の秘所の感触。
サンドは堰が切れたように、、たまりたまった熱情を解き放っていた。

「ふふ…久々の男の精…くぅっ…」

性の快楽に似て非なる絶頂の顔を浮かべ、司祭が悶える。
サンドはただ女にしがみつき、初めて味わう圧倒的な放精の快楽に溺れていた。

…だから、女の肌に描かれている蛇が鈍く光るのに、気付かなかった。

幾度もの脈動で放精したサンド。
だが、司祭の秘所の不可思議な動きに、萎えることなく屹立を保たされていた。
騎士の腰に両足を絡めて、司祭は甘えた声をあげる。

「あぁ、サンド様ぁ、もっと、もっと私のカラダを味わってください…!」

何度も腰を振り、女の秘所とこすりあわせると、その度に女が淫らに喘ぐ。
女がもたらす絶妙な性感に体が溺れ。
たくましい、熱い、壊れる、などと言葉が漏れるたび、男の自尊心を煽られて心が溺れる。

女の手にに誘われるままに両手で乳房を揉む。
指が埋まるほどに柔らかく、しかし時に押し返すような張りをみせる乳房。
桃色の突起に触れると、女の口から嬌声が漏れ、秘所が渦巻くように締まる。

口付ければ舌を絡め取られ、女の手が背中に回り強く抱きしめられ、
愛おしさが次から次へと溢れてくる。

この女が欲しい。
この女を自分のものにしたい。
この美しく淫らな女と、いつまでも交わっていたい…!

「さぁ、サンド様、もぅ一度、私のここへ、熱情をお注ぎください…」

せがむように秘所が収縮を繰り返してサンドを一気に絶頂へと追い詰める。
脈動が放精のそれに変わったとき、女が何事か耳元で囁いた。

「あぁ、好きだ、好きだ、メリー…、メリーは、僕の、もの、だ…!」
「サンド様ぁ、もっと、もっと私の名前を呼んで!」
「メリー、メリー、あぁ、おかしくなる…!」

メリーの体が壊れるほどに強く腕で抱き、名前を呼びながら。
サンドはメリーの中に二度目の精を放ち、そして意識を手放した…


サンドが次に気がついたとき、目の前には昏い色の法衣を身に纏った女が傍らに座っていた。

「お目覚めかな、我が騎士様、サンド」

ふと気付いた。何故自分の名を知っているのか。そう思ったのだが。
サンドは、エリスと目が合うと、意識を手放す前の嬌態が鮮やかに思い起こされて疑念が霧散する。
まだ何も身に纏わぬ裸を晒しているので、サンドの意志とは無関係に、勃起の脈動を始めてしまう。

「先ほどは不覚を取ったが、今度はそうはいかない、覚悟しろ!」

サンドは目を逸らし、湧き出る羞恥をこらえて、足元に落ちている剣を手に取り構えを取った。
…だが。

「どうした?」

メリーに対して、剣を振るおうとしても、体が動かないのだ。
それどころか、向き合っていると、徐々に、敵意が薄れていく。
頭を振り、もう一度剣を握りなおすサンド。

「ふふ、その剣を振るうのではないのか?」
「ぐっ…黙れ! 何をした?」
「私は何もしていないさ、ただ」

メリーが法衣を脱ぎ、再び白い裸身をさらけ出すと、サンドの股間が燃えるように熱く滾った。
王命や騎士の誇り、正義感…彼が培ってきた気高い精神すら消えうせて。
ただメリーと交わることで頭がいっぱいになる。
小さく可愛らしい唇を奪い。
美の女神のような乳房にむしゃぶりつき。
しとどに潤む秘所に突き入れたい。

ふらふらと、メリーの女体に近づいていく。剣が地面に落ちるが、それを気にも留めず、
メリーの乳房に顔を埋めて柔らかさを味わうサンド。

「私は何もしていない。ただ、お前が私に溺れただけだ」

慈しむように胸にサンドの頭を抱き、撫でる。

「さぁ、私に精を注いで」

言われるがままにゆっくりとメリーを押し倒し、昂ぶりのままにメリーの秘所に突き入れ、
再び嬌声が響き渡った。



邪神を祀る司祭、メリュジーヌ。
男の精を己が子宮に注がせることにより、記憶を奪う蛇をその身に宿す妖婦。
そして男を虜にする女体と閨の技を持ち、精通前の少年から枯れた老人まで、
一度交わった男は決してその快楽を忘れることができないという。

たとえどんなに意志の強い男でも。
放精の瞬間、至極の快楽と共に愛おしいという感情を植えつけられてしまうため、
決して逆らうことが出来なくなってしまうのだという…






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