罠2
シチュエーション


2時間前・・・・・・・

レイジの婚約者である中本ユカは上機嫌で料理をしていた。
今日は「裏の仕事」で遅くなるらしいがユカはあんまり心配をしていない。
なぜならレイジが負けることや、ましてやほかの女に取られることなどありえないからである。
実際ユカが敵にさらわれたときもあっという間にレイジが助け出してくれたし、
ほかの女がレイジを誘惑したときも、彼は鼻で笑って一蹴してくれた。
レイジとは肉体よりも深い心の絆・・・愛によって深く結ばれているのだ。
とか考えながらも、ユカの脳内では3日前のレイジとの肉体的情事が再放送されているのだが・・・
しかし挿入シーンに差し掛かったあたりで玄関のチャイムがなり、映像は中断された。
にやけ顔のままユカが玄関をあけた途端・・・・・
腹部に鈍い衝撃が走り、ユカの意識は闇の中に消えていった。

階段を降りた先でレイジを待ち受けていたのは牢獄と椅子に座る一人の女であった。
牢獄の中には両手と口を縛られた女性が倒れている。
おそらくは誘惑したり拉致した人間を閉じ込めるためのもの。
そして椅子にすわる女はおそらくそれらを監視するためにいる看守。
そう判断したレイジは看守らしき女を殺害ターゲットだと断定する。

「あらん?ここまでこれたってことはおそらく調査の人ね。どう?あたしと・・・」

看守らしき女性は話しかけながら大胆に胸をはだける。
そして自身の胸をつかみゆっくりと揺らし始める。
ゆらしながら乳首をつかみ、レイジにさしだすかのように引っ張る。
それに答えるかのようにレイジは無言で女のところへ近づいていく。
そして右手を女の胸へと狙いを定め・・・・・

「ズァァァァァァッ。」

微塵も迷わずに手刀で心臓を貫く。
人間離れした身体能力とプロフェッショナルな非情さの両方があってこその離れ業。
調査班のメンバーたるもの色仕掛け無視はもちろん、異星人と会話すらしない。
そして見つけた異星人は一人残らず抹殺する。
それこそが彼らの信条である。
殺された女は断末魔の悲鳴すらあげずに灰になってゆく。
生命活動が止まれば血や骨ですら即座に灰になる。
それがこの異星人たちの特徴である。
その特徴のおかげでレイジ達調査員は死体処理班などの助力を必要としない。
よって殺したあとはすぐに人名の救助に移れるわけである。
しかし当然ながらレイジは牢獄の鍵など持っていない。
が、まるで紙でも切るかのようにレイジは手刀で牢獄の扉を切り裂く。
某南斗なんたら顔負けの技である。

「動けるか?」

口の拘束を外しながらレイジは女性を観察する。
やわらかそうな広い肌と清楚な上にまだすこしだけ幼さの残る顔立ち。
流れるようなブロンドのロングヘアー。
派手ではないもののかなり高級そうな衣装。
その衣装の下に隠されている見事なスタイルと、顔に似合わない、あふれんほどの巨乳。
そしてシンプルだが気品を感じさせる髪飾り。
なにより倒れているもののなかなかに上品な身のこなし。

(どこか外国からきた令嬢かもしれない)

そう判断したレイジはさっきよりはっきりとわかりやすく話しかける。

「言葉は通じるか?」
「え・・・・ええ、だいじょうぶです。わかりますわ。」
「そうか・・・・・立てるか?」
「いえ・・・ここに入れられた時に足と手を・・・・・・」

怪我した場所が痛むのか顔をしかめながら女性は自分の手と足を見つめる。
手のことは拘束をはずそうと触れた時点でレイジにはわかっていた。
重症ではないものの手首のあたりを傷めていて、動かすだけでもかなりつらそうである。
ましてや強引に拘束具を破壊した場合女性にかなりの激痛が走るだろう。
だが、幸運なのか手抜きなのか拘束具自体はなぜかワンタッチ式のようでスイッチさえ押せば簡単に外れるもののようだ。
足のほうは、両足とも軽い捻挫ではあるが歩くのはむずかしいだろう。

「まずは手を外そう。スイッチはどこにあるかわかるか?」
「は・・はい・・・その・・・」

女性は顔を赤らめながら恥ずかしそうに視線を落とす。
不思議に思ったレイジがその視線の先をみつめると・・・・・
ボタンがあった、いや全体はみえない・・なぜなら・・・・
彼女の大きな胸の間にスイッチが埋もれているからである。
おもわず胸の谷間を食い入るように見つめるレイジ。
気のせいかもしれないがこの胸をどこかで見たような気がする。
空調のせいか、緊張のせいか少し赤くなり汗ばんでいる少女の肌。
呼吸をするたびに胸が小さく揺れ、レイジの心を揺さぶる。
そして胸が小さく揺れるたび、汗が胸の曲線の通りにつたって谷間に流れていく・・・・・。
ひとつ・・・またひとつ・・・・・
流れる汗にあわせて動く視線・・・・視線の行き着く先は胸の谷間。
汗と共に吸い込まれていく視線・・・・吸い込まれる心。
レイジにとって今まで汗はただの液体であった。
しかし、この胸を滴り落ちる汗のなんと美しいことか。
傍から見ればレイジが視姦しているようにしか見えない。
しかし実際はレイジの目が触れてもいない乳に犯されているのである。
その様子を見て一瞬女性の目が獲物をみる目つきになる。
が・・・目が釘付けになっているレイジは当然気がつかない。

「私・・・・我慢しますので・・・手・・・はずしてもらえますか?」

女性の肩に少しだけ力が入り、胸の谷間がかすかに広がる。
広がった谷間から、その中に封じ込められていたものがあふれ出す。
谷間の中にたっぷりと閉じ込められていた女性の肌の香りと、先ほど溶け込んだ汗の香り。
女性の二つが混じり合わさり、男を惑わせるフェロモンとなって微かに鼻腔にたどり着く。
その香りを嗅いだ瞬間、レイジの脳内で上の階での快感がフィードバックされる。
記憶がないのに呼び起こされる快感。
その快感に誘われ思わず手よりも顔が先に動きそうになる。
理性すべてを奮い立たせ、レイジは胸の谷間に右手だけを差し込む。
差し込んだそばから手の動きにあわせて胸は小さく形をかえる。
やわらかく少し湿った肌感触とその体温のぬくもりがレイジの右手に伝わってくる。
そのまま右手は胸の奥へと誘い込まれ、スイッチの手前で停止する。
右手を妬むようにレイジの左手が胸の谷間に差し込まれる。
挟み込んだものすべてを柔らかくつつみこむい小さな檻。
柔らかいはずなのに鉄をも切り裂くレイジの手刀をくわえ込んで離さない。
それどころか左手も右手と同じように、奥へと誘い込む。
右手と左手がスイッチの前で止まり、ちょうど拝むような形になる。
次の瞬間、女性の拘束具が形を変え、レイジの腕に襲い掛かる。
レイジは即座に反応し胸から手を抜こうとするが、手は抜けない。
いや、抜けないのではない。手が一瞬だけ胸から離れるのをためらったのだ。
普段のレイジにはありえない行動・・・・油断以外の何か・・・・・。
その間にも拘束具はレイジの腕を捕らえ、手錠の用になり完全に動きを封じる。
最大の武器である手刀が封じられた今、レイジの戦闘力は8割方無効化されたといっていい。
完全に拘束具が機能したのを確認した後、女性の胸はレイジの手を吐き出す。
吐き出された後もレイジの手は甘えるように胸に擦り寄っている。
手の動きに気づかないままレイジは女性をにらみつける。
先ほどまでの痛がってる様子とは打って変わって女性は笑顔でこちらを見つめている。

「貴様・・・・・やってくれたな・・・・」
「あら?なんのことでしょう・・?私には全然わかりませんわ。」

涼しげな顔で答えながら女性は何もない空間から一枚の写真を取り出す。
その写真に写るのは・・・・・。

「ユカ・・・・・ッ」

レイジの最愛の人・・・ユカが拘束されている姿だった。

「貴様・・・ユカに手を出してみろ・・・許さんぞ。」
「あらぁ・・・?おっぱいに手を突っ込んで喜んでた方の台詞とは思えませんねぇ。」
「・・・あれは貴様を助けようとしていて油断しただけだ!」

唇を悔しそうにかみ締めながらレイジは叫ぶ。

「安心して・・・。こっちの条件さえクリアできれば彼女には指一本手を出さない。
これは約束よ。」

『約束』・・これは異星人にとって絶対的なものであり、それを破ることはない。
異星人達は妙なところで律儀なのである。

「そしてその条件は・・・射精するまで私の責めを受け続けること・・よ。」

いたずらっぽく両手で胸を揺すりながら彼女は続ける。

「一回射精したらそこで条件クリア、彼女は解放するわ。さぁどうするかしら?」

レイジにとってこの手の条件はよくあることである。
実際以前にも似たような条件をレイジは出されたことがあるが、そのときは射精した後相手を消滅させた。
異星人と対峙するときにもっとも危険なこと・・・それは心を動かされることである。
逆に言えばそれさえなければ挿入しようが射精しようが何も問題はない。
その点に関してはレイジは絶対の自信がある。

「いいだろう・・・その条件飲んでやる。さぁ・・・・うっっ」

レイジの話がすべて終わらないうちに女性はレイジに抱きつき、
やんわりとレイジの胸板をさすり始める。

「さぁ・・・天使が天国に連れて行ってあげる。天使の名前はリアラよ。覚えといてね。」

「そうそう、私の命令には絶対に逆らっちゃだめよ。それも『責め』の一環なの。
あと質問にはかならずお返事してね。守らなかったら・・・・あの子にひどいことしちゃうかも。」

その言葉を聞いてレイジの顔色がさっと変わる。
万が一組織の詳細にかかわる質問や実行不可能な命令をされた場合どうすればいいのか・・・・・
レイジの顔色から思考を読んだのか、リアラはやさしい微笑を浮かべ、

「あらぁ安心して、私仲間内では優しいことで有名なの。不可能なことは絶対いわないし、
そもそも私はエッチな命令しかしないわ。
あと質問だけど・・・答えさえしてくれれば嘘ついてもいいから。例えば・・・・」

話の途中でリアラは両手でレイジの顔を持ち上げ自分の胸の目の前まで持っていく。
そしてそのままレイジの顔全体を自分の谷間に押し付ける。

「どう?私の体臭とおっぱいは。これだけで堕ちる男もすくなくないのよ?」
「・・・・ふん。無駄にでかい上にひどい匂いだな。これならそこらの女のほうがましだ。」

体内から湧き上がってくる性的衝動を無理やり押さえつけながらレイジはリアラを挑発する。
見た感じ、誰が見ても完全にいやがっているようにしか見えない。
相手の手をつぶした上で相手の次の手を先読みし、自信をつぶす。これがレイジの策である。

(俺は女性の匂いに興味がない。だとすればこの興奮は・・・・)

レイジの読みでは、この匂いは体臭を装った媚薬か何かである。
厳しい訓練を受けたレイジの体は受けた媚薬を数分後に解毒する能力まで備わっている。
媚薬が効かないとすればおそらく別の手でくるはずだ。

「あらぁ?お気に召しませんでした?でしたら・・・」

残念そうな顔でリアラはレイジの顔を胸から開放しようとする。
やはり読んだ通りと内心ニヤリとするレイジ。
しかし・・・・
リアラの胸はレイジからほんの少ししか離れず、顔に触れるか触れないかのところで止まっている。

「嫌がっているようなのでおっぱいからは離しますわ。でも悔しいので匂いだけでかぎ続けてね。」

そしてそのまま、さも悔しそうに体を揺らせる。
リアラの体がゆれるたびに胸がゆれ、乳首がくわえろといわんばかりにレイジの唇にやわらかくぶつかる。

当然リアラの匂いも、うちわに扇がれたかのように立ち上りレイジを挑発する。
とはいえ直接鼻をつけて嗅いでいた時ほどは強く匂ってはこない。
中途半端であるがゆえにはっきりと嗅ぎたくなる衝動がレイジに湧き上がる。
嗅ぎたい・・・・むしろ嗅がなければならない・・・・
なぜか匂いを嗅がないことが悪であるという思いがでるほどまでの衝動。
たかが媚薬・・・という思いと正体不明の衝動に対する危機感が頭の中で交差する。
レイジが葛藤している間に、リアラは器用にレイジのズボンの中に手を入れ股間のあたりを優しく撫で始める。
まずはゆっくりと毛をかき回し、レイジの体に指の体温を伝える。
かとおもいきや、ペニスの周辺に輪を描くかのように指を滑らす。
5本の指すべてがなめらかに動き回り、レイジの肉体を快楽の底へ引きずりこもうとする。
しかしレイジの意思はリアラの匂いと指、その両方を退けようとする。

「あらぁ、忘れたの?命令に逆らったらどうなるか。大切な彼女を見捨てちゃったら正義じゃないわよ。」

ユカを救うため・・・その強い思いが揺れていたレイジの心を動かし始める。
軽く目をつぶった後・・意を決して鼻で息を吸う。
その様子をみてか、リアラも本格的に動く。
レイジが匂いを感じ始める瞬間にあわせてズボンのチャック開いて指でペニスを直接触れ始めたのだ。
当然触れるだけではない。扱き、擦り上げ、サオから亀頭まですべてを愛撫する。
レイジのペニスに今まで感じたことのない快感が押し寄せてくる。
そのすさまじい快感に飲まれ、レイジは思わず声を上げる。
もしもペニスの快感だけなら、レイジは耐えれたであろう。
しかし、今のレイジには『匂い好き』なものだけが感じるエクスタシーを感じている。
ペニスが受ける快感とリアラの香りが脳内で混じり合わさり、互いの快感を増幅しているである。
これは『匂い好き』でなかったはずのレイジにとって初めての感覚であった。
さらにその濃厚かつ、理解不能な感覚がレイジに思考することを許さない。
わけのわからないまま快楽の波に対してレイジは必死で耐え続ける。
だが、耐えれば耐えるほど、匂いを嗅ぐ時間は増えていく。
そしてレイジが匂いを嗅ぐたび、その呼吸にあわせてリアラの指がレイジのペニスを扱く。
次第にリアラの指の動きのほうがレイジの呼吸を支配し始める。
リアラの指の動きが激しくなればなるほど、それにあわせるかのようにレイジの呼吸も荒くなる。

「?お辛いの?なら少し緩めてあげる」

激しいかとおもいきや、今度はまるで楽器でも演奏するかのようにリアラの指が優雅にそしてゆるやかに動く。
サオを扱くをゆるめ、簡単にはイカないように亀頭や玉袋への愛撫に動きを変える。
亀頭をなでるたびに扱きとは違ったしびれるようで、じれったい感覚がレイジを襲う。
そのゆったりとした指の動きにあわせて荒い息をしながらあえぎ声をもらすレイジ。
だが中途半端な刺激が延々と続くため、射精まではほど遠い。

「なんだか不満気ね。もうすこしだけ早くしてみようかしら。」
「なっ・・・貴様!?やめろ。」
「遠慮しないで、さぁどうぞ。」

慈愛あふれる笑顔を振りまきながらリアラはやんわりと要求を拒否する。
止めを刺すかのようにまた指の動きが激しくなる。

「くっ・・・なにっ・・・・待てっ・・・・がっ・・・」

急激な指の指の変化についていけずレイジは一気に射精寸前まで上り詰められていく。
自然と腰が動き、体がフィニッシュへと移行しようとするが・・・・・。

「はい。待ちましたわ。」

あとすこしというところでリアラの指の動きが緩慢になる。
イキそうになれば動きをゆるやかに、余裕ができたなら激しく・・・・・
決して簡単にはイカせず、かといって興奮を鎮めるわけでもなく、リアラはじわじわとレイジの抵抗する意思を刈り取っていく。

その見事なテクニックによっていまやレイジは完全にリアラのおもちゃと化している。
そしてついに何度目かわからない激しい指の動きに耐えかねてレイジの顔がリアラの胸に寄りかかる。
すると当然のごとくレイジに襲い掛かるやわらかいが張りのある胸の感触と強烈な美臭。
一度味わったがゆえにわかるその肌に吸い付いてくるような弾力の恐怖。
それはまるで引き合う磁石のようにレイジの顔とリアラの胸をぴったりとくっついて離れないように仕向けてくる。
すでにレイジの顔は完全に胸の魅力に引き込まれてしまっている。
そのことに気づかないレイジは理性のすべてを振り絞って胸から離れようとする。
その理性すらも半分は胸の中に飲み込まれているのかもしれない。
飲まれれば楽になれる・・・だからこそ抵抗しなければならない。
命令どうり匂いは嗅ぐとしても出きり限りの逆らい・・・それが今のレイジにできる精一杯の抵抗である。
逆境すらバネにするレイジの精神力を見て、何を思ったのかリアラが声をかける。

「あらぁ?そんなに私の胸が嫌い?」
「当たり前だ。はっきり言って反吐が出る。」

割とひどいレイジの言葉を受けてもリアラの笑顔はまったく崩れなかった。
むしろよりやわらかく、慈愛あふれるオーラすら放っているようにも見える。

「じゃぁこれはお詫びね。心配しないでね。変なものは一切入っていないただのローションだから。」

そういいながらどこから出したのかローションの入った小瓶を自分の手のひらに載せる。

「知ってる?ローションって人肌くらいの温度だとより気持ちいいの。」

そのまま少量を自分の手に取り、よくなじませる。

(もし、あれを胸に顔をうずめたまま受けたらどうなってしまうのか)

恐怖とともに無自覚の期待が頭の中をよぎる。
と同時にまだローションに触れていないはずのペニスもより興奮を強める。

「あらあら。そんなに喜んでくれるならご褒美に『命令』してあげなきゃね」
「何・・・・?」

レイジの体が命令への期待で震える。

「私がいいというまでおっぱいに顔を限界までうずめるてね。でも離れろといったらすぐ離れなさいね。」
「何が褒美だ・・・ふざけるな。」

だが命令に逆らえばユカの命が危ない
じぶんは『命令』だから仕方なく行動を行うのだ・・・そうレイジは決意し顔をうずめる。
自分でも望まない言い訳をして快楽におぼれる・・・・・それこそがリアラの狙いだと気づかずに。

くちゅ・・・・くちゅ・・・・

レイジが顔をうずめると同時にリアラが手コキを再開する。
リアラの手によってねっとりと暖かい液体がペニスに絡みつき滑りを滑らかにする。
手が上下に動くたびにペニス全体にローションが塗られより敏感にリアラの指の動きを感じ取る。
レイジのペニスに先ほどまでは比べ物にならないほどの快楽が訪れる。
体が酸素を必死に求めようとするがリアラの胸のせいで思うように息が吸えない。
入ってくるのはリアラの匂いに染まった空気のみである。

「・・・・・んぐっ・・・・・」

足りない空気を補うために必死でリアラの匂いを吸い込むレイジ。
それでも快楽と酸欠のせいで脳が麻痺をおこす。
麻痺したせいか上の階での出来事が肉のみに鮮明に明にフィードバックされる。
二度と離れないようにぴったりとくっついて離れない体、おあずけを食らっていたペニス。
そのすべてがリアラをもとめ、レイジの体は喜びに震える。

「・・・・・ぐっ・・・・やっやめろ」

急激な肉体の反応にとまどい、レイジはリアラの顔を見上げる。
そのリアラの目がレイジに語りかける。

(安心してね。本当はどうなりたいのか全部わかっているから。)

「・・・・!!」

この時リアラの慈愛の理由をレイジは完全に悟った。
リアラは自分の理性を哀れ、本能の開放を求めているのだ。
そしてレイジに対して『命令』という逃げ道で理性をつぶすきっかけを与えようとしている。
自分の欲求を見透かされる・・レイジにとって相当の屈辱である。
また、ユカ以外の女性を一瞬たりとも心から求めたという事実で罪悪感を感じる。
だが、この怒涛の快楽に飲み込まれ、屈辱や罪悪感すらも脳内で快感に書き換えられる。
思考も倫理観も・・快楽に関係ないものはすべて消し去られるか書き換えられてしまう。
こうしていればユカを救える、もう思考は必要ない。
堅固なダムほど決壊すれば被害は大きい。
完全に思考は流され、ただひたすらに快楽の享受と呼吸を始める。
レイジの思考が消えるのを完全に確認し、手の動きをゆるめることなくユカがレイジをイカせにかかる。
それと同時にレイジの呼吸もいっそう荒くなる。
嗅げば嗅ぐほど快楽が増すのだから、イク瞬間にはよりいっそう嗅ぎたいというのは当然の欲求だろう。
だが・・・・・・・・・・・・・・・・・・。

「さぁ、押し競饅頭は終わりよ。もうおっぱいから離れてね。」

思考が停止してるレイジに対しての、リアラの命令。
聞こえているがレイジにはその言葉の意味がわからない。
というより肉体全体がその命令の意味をレイジにわからせないようにしていた。
顔は完全に胸にうずくまり、鼻は匂いを嗅ぎ、「その瞬間」に備えている。
その様子をリアラは笑顔で見つめている。
その視線を感じて耐え切れないほどの屈辱をレイジは感じ・・・・

「ぐっ・・・・・あぁぁぁぁっぁ」

いままで体験したことないほどの射精、肉体的だけでなく精神的にも訪れる激しい何か。
あまりの勢いにリアラの指だけでなく、体や自分の頭にまで飛び掛る。

「あらぁ・・・・命令に背いたままイキましたねぇ・・・・。」

精液を丁寧にふき取りながらリアラがつぶやく。

「・・・・なっ・・・・あれは・・・・・声がよく聞こえなかった・・・・」

長い沈黙ののちにレイジはある事実に気づく。
自分は約束を破ったのだ。・・・つまりユカに何かされるかもしれない。

「あらあら。大丈夫。『判っていますから』安心して?彼女には今後手を出さないし、怪我もさせない・・・
ただ・・・・彼女にはムラムラするお薬を投入してからお家に帰すからあなたが何とかしてあげてね。」

まるで命令に従わなかった訳も、言い訳したい気持ちもすべて熟知しているというような笑顔でリアラが答える。
その言葉に少し安心し、ようやくレイジは平静を取り戻す。
そのときになって初めて自分が胸に顔をうずめたままだと気づき、レイジはあわてて離れる。

「胸が気に入らないなら、私の下の匂いをかいでみる?あまりのよさに失神しちゃうかもね。」

そういいながらリアラは片手でレイジのペニスを拭きもう片手で自分の秘所に指を当てる。
その姿をみてなのか、匂いを想像してかレイジのペニスがまたむくむくと大きくなる。

「そうそう、あなたが本部に連絡できるように私の写真やら下着やらを詰めてお土産にしてあげる。
じゃぁ私は先に出るけど、30分位したら拘束具はとれるから。楽しんでね。」

自分のパンティーを脱ぎ、レイジにかぶせた後リアラは立ち去っていった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

数時間後リアラは一人ほくそえむ。
レイジはユカとのセックスを楽しめただろうか?
まず間違いなく無理だろう、一度目覚めてしまったものはもう眠らせておくことはできない。
あれだけ放置していたから射精はできただろうが・・・満足にはほど遠いはず。
その射精まで道すら苦労するだろう・・・例えば正上位の最中にユカの顔に胸を押し付けたりとか・・。
それでもユカの香りはリアラのそれとはほど遠い・・・・・
放っておくだけでユカの体で勃たせるのも一苦労になるだろう。
レイジのユカへの愛は間違いなく本物、だがレイジの満足できない体も本物ではある。
精神と肉体のジレンマをどうするのか・・・・
リアラの楽しみはつきない。






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