柚子の堕ちる冬至(後編)
シチュエーション


「ん……く……痛ッ……」

オレンジペコーの意識を呼び覚ましたのは、腹部の鈍い痛みだった。
ゆっくりと眼を開いたものの、目の前にはまだ靄が広がっている。
その靄を振り払おうと右手を伸ばそうとしたとき、

ガチャリッ。

耳障りな金属音が響いて、右手が後ろに引っ張られた。
それでは左手で、と試してみたものの、やはり動かすことができない。
その異常事態にようやくオレンジペコーの意識が覚醒した。
いつしか靄はすっかり取り払われ、目の前には数人の男達が
こちらを取り囲んでいる絶望的な光景が広がっていた。

「おはよう、怪盗オレンジペコーさん。気分はいかがかな?」
「……最悪だわ。私をどうするつもりなの?」

少女の精一杯の強がりから発せられた疑問にも、
男達は答えようとはせず、ただにやにやと笑っているだけだった。

(まずいわ、これは手錠? それに足まで拘束されてる)

冷静に現在の自分の置かれている状況を把握しようとする
オレンジペコーだったが、分析するだけ無駄だった。
まず、自分の手足は後ろのX字架に鎖でしっかりと拘束されている。
鎖の余裕分だけは動かせるものの、蹴りを放つなどの
攻撃的動作までは許してくれそうにない。
加えて、目の前の屈強な男達の存在だ。
ビルの屋上で彼らに闘いを挑んで、そして自分は敗れている。
たとえこの縛めから逃れることができたとして、
策もなく抗えば屋上の二の舞になってしまうだけだろう。
そして、この場所がどこなのかという疑問も残る。
窓がない様子からどこかの地下室だと思われるが、
脱出しようとするにはまだ情報がなさすぎる。

(なんとかこの男達に隙を作らせて逃げないと……ひッ)

目を閉じて思案するオレンジペコーだったが、
不意に太腿を撫でられる感触に、小さく悲鳴を上げた。

「おお、いい反応じゃねえか」
「やめてっ、やめなさいよ!むぐッ、んむむぅッ」

気丈にも男を睨みつけたオレンジペコーだったが、
口を開いた瞬間に頬を掴まれ、強引に唇を奪われてしまった。
それは愛情などの一切入る余地のない乱暴なキスで、
男は無遠慮に舌をからめ、歯茎を舐めてゆく。

しかし、少女の口に入り込んできたのは男の舌だけではなかった。
その入り込んだ何かを少女が嚥下したのを見てとると、
男はようやく頬から手を離し、口への侵略を止めた。
唇と唇が離れ、二人の唾液がつうっと一筋のブリッジを描く。

「ぺっ、ケホッケホッ、い、一体何をしたの……?」
「へへ、いい物を飲ませてやったのさ」

果たして自分は今何をされたのか、
少女の言葉は未知の恐怖で力なく震えていた。
いっぽう、少女の可憐な唇を思うがままに蹂躙した男は
その様子が可笑しくてたまらないといった様子で、
ますます下卑た笑いを深めている。

「さて、そろそろお楽しみといこうか」
「何?何をする気なの?嫌、離して!」

男はX字架の後ろに回り、そこから手を伸ばして
背後からオレンジペコーの胸を揉みしだいた。
同時に、それまで静観していた他の男達も
オレンジペコーの傍へ近づき、ある者は太腿を撫で、
ある者は尻を擦り、ある者は脇までを舐め始めた。

「いや、うっ、く……気持ち悪い……離してよ!」
「なあに、すぐに気持ちよくなるさ。そのためには……」

背後から胸を揉んでいた男は少女のネクタイを外し、
ベストの下のワイシャツのボタンを強引に引きちぎった。

「きゃあッ!!」

もし少女の両手が自由だったならば、
胸を抱えるようにしてしゃがみ込んでいただろう。
しかし鋼鉄の鎖はそれを許すことはなく、
少女の半裸は男達の視線に晒されるがままになっている。
陶磁器のような滑らかな素肌。
脇腹から腰にかけてのくびれ。
白いブラジャーに隠された二つの確かな膨らみ。
肉感的というにはやや発育が不足しているようだったが、
それがかえって青い果実をもぎ取るかのような背徳感を与え、
男達はごくりと生唾を飲まずにはいられなかった。

「へへっ、オレンジの皮を剥いたら中から白い薄皮が出てきたぜ」
「そういえば俺はオレンジは薄皮ごと食べる派なんだよな」
「いや、嫌ぁッ!やめて、やめてよっ」

男のうちの一人がブラジャーの上から少女の胸へと
むしゃぶりつき、膨らみは柔らかに形を歪ませた。
同時に男の熱い鼻息が素肌にかかり、少女は身をよじる。

(くっ、このままじゃ……私……そんなのって……)

少女には男性経験こそなかったが、今自分が男達に
何をされようとしているのかを理解する程度の知識はあった。
すなわち自分の「女」が汚されようとしているのだ。
迫り来る危機と逃れられない絶望に、少女の奥歯は
恐怖でカチカチと鳴った。

「お願い……もう離して……」
「おやおや。そんな怖がっちゃって、可愛いねえ。
でもよ、どうせなら一緒に楽しんじまった方が楽だぜ?
ちなみに俺はオレンジの薄皮はきれいに取って食べる派だ」

今まで下着の上から胸に顔を埋めていた男を押しのけ、
別の男が少女の正面に立つと、ハサミの刃をブラに当てた。

「嫌ぁッ!!」

ジャキン。
少女の叫びも空しく、双丘を覆う物は何一つなくなった。
その剥き出しになった乳房に、男がしゃぶりつく。
だが、先ほどの男のような乱暴さはない。
膨らみを優しく揉みしだいたかと思えば
舌を巧みに使って先端の突起を刺激してくる。
いつしか、少女は恐怖以外の感覚をその身に覚えていた。

(あ、熱い……なんなの、これ……)

男の舌や手が胸を刺激する痛痒とともに、
今まで経験したことのない甘い痺れが体を支配していく。
それと同時に、これまでおぞましいものでしかなかった
太腿や臀部の刺激にもピクピクと体は反応してしまい、
まるで自分の体ではないかのように力が抜けていってしまう。

「あぅッ、う、くぅんッ」

胸の突起を不意に男の手が強く弾いたとき、
少女はとうとう声を漏らしてしまった。
本当に自分が発したのか疑わしく思えるほどに
その喘ぎ声は甘い響きに満ちていて、
少女は羞恥に顔を赤くして俯いた。

「くくっ、いい具合に感じてきたじゃないか。
ようやく薬が効いてきやがったな」
「んくっ、はぁ、く、薬ですって……?」
「そうさ。お嬢ちゃん、媚薬って知ってるか?
さっきお嬢ちゃんに飲ませたのは、
とっても気持ちよくなっちゃうお薬なんだよ」

先ほど唇を奪われた時の感触が蘇る。
男の唾液とともに嚥下させられた異物の正体は薬物だったのだ。
男の言葉の意味はよく理解できなかったけれど、
「ビヤク」という語感はとてもおぞましい物に思えた。

「こ、この卑怯者……んんあぁッ!?」

少女に許された唯一の抵抗である罵りの言葉も、
途中で力を失い、そして嬌声に変わってしまった。
今まで太腿をさわさわと撫でるだけだった男の手が、
急にミニスカートの中のショーツごしに秘部に触れたためである。
男のごつい手は無遠慮そのものといった手つきで、
少女の柔肉を割れ目に沿ってぐにぐにと擦る。
その度に甘い快感の電流が背筋を駆け上った。

そう、甘い痺れはもはや「快感」と呼んで差し支えない
レベルにまで強くなり、少女はそれをはっきりと知覚させられていた。
秘部に刺激を与えられるたびにがくがくと脚は震え、
崩れ落ちそうになっては拘束の鎖がジャラジャラと音を立てる。

(ダメ、このままじゃ……なんとか抵抗しないと……)

「んくぅッ、い、嫌……もう離して……ん、んあぁぁッ!!
んぐっ、んんんんッ、んふぅ、ぁ、ぁはぁぁ……」

じゅちゅっ。
男の手がショーツの中に入り込んだと同時に、卑猥な水音が響いた。
その水音は男の手が動くたびにじゅくじゅくと響き、
少女は嬌声を我慢することしかできないでいる。
やがてショーツでは受け止めきれなくなった愛液が零れ、
雫となって内股を伝ってニーソックスの黒を一段と濃くした。

「へへ、嫌だ嫌だと言いながらこんなに濡れてるじゃねぇか。
我慢してないで声を出してもいいんだぜ?」
「うそ……そんなの嘘よ……」

少女は首を振って現実を否定する。
だが、自分の身に起きたことは自分が一番よくわかっている。
たとえそれが絶対に認めたくないことだとしても。

(私、感じてる……?こんな奴らに弄ばれてるのに……)

「じゃあ、下の方の薄皮も取っちまうか」
「い、嫌……見ないで、見ないでよ!」

懸命に脚をばたつかせて抵抗しようとする少女だったが、
両足が拘束された状態ではただ身を震わせることしかできなかった。
少女の儚い抵抗など意にも介さない様子で、
男達の手がショーツにかかり、ずるずると足首までずり下ろした。

「じゃあ、新鮮な果肉をいただくとするか」
「お願い……もう、もうやめ……ぁ、ぅあ……んあぁァッ」

男は股間を覆うミニスカートをぺろりと捲り上げ、
少女の秘部を他の男達に向けて存分に晒した後、
ゆっくりと口を近づけて溢れ出る雫を啜り取っていった。

じゅるっ、ぴちゃっ、じゅるるるるるッ。

遮るもののなくなった水音は一段と室内に響き渡り、
その淫靡な音が少女の羞恥心を煽った。
男の舌が股間を執拗に舐めるごとに愛液が後から後から溢れ出し、
それを啜り取るたびに抑えきれない嬌声が口から出てしまう。
休む間もなく与えられる刺激に、少女は抵抗などできなくなっていた。

(こんなのって……私、舐められて感じちゃってる……。
でもせめてイカされるのだけは我慢しないと……
こんな奴らにイカされるなんて絶対に嫌……)

それは、最後の抵抗を心に決めた思考だったのかもしれない。
だが、それは同時に他の抵抗の術を自ら放棄する思考だとも言える。
その瞬間、少女は全ての刺激を甘受することを選択したのだ。
少女自身は気づいていないが、その思考こそが媚薬によって与えられる
甘美な誘惑に少しずつ屈してしまっている証拠であった。

「へへ、果汁100%はやっぱり美味えぞ」
「そうか、どんな味だ?やっぱり甘いのか?」
「そうだなぁ、独特の酸味がフルーティだな」
(やめて……そんな恥ずかしいこと……言わないで……)

自分の愛液の味を、まるでグルメ番組のレポーターのように
言葉で描写されるという屈辱に、少女は目を瞑って首を振った。
だが、そんな嫌がる彼女の素振りとは裏腹に、
秘部からはますます果汁が溢れ出て男の顔を濡らしていった。

「おや、こんなところに種がありやがる」
「だ、だめッ、そこはダメなの、お願いだから……」

男の言葉に、少女は瞑っていた目を見開いて嫌々をする。
だが、この期に及んで少女の哀願など聞き入れられるはずもない。
男が勃起した陰核を舌で強く刺激したその瞬間。

「んっ、あッ、だめダメぇ、んッ、んあああぁぁぁぁーーッ」

――ぷしゃあぁぁ……。
少女の体が大きく跳ね、男達に秘所を突き出すようにのけぞった。
その秘所からは愛液が飛沫となって男の顔を濡らす。

「うわ、ぺっぺっ、これはちょっと絞りすぎたぜ」

怪盗オレンジペコーの迸る果汁を一身に受けてしまった男は、
ぶるぶると頭を振って飛沫を飛ばしている。
一方、男の顔を汚した張本人である少女は、打ちひしがれていた。
それは絶頂に達した後の脱力感によるものだけではない。

(わ、私……イカされちゃった……こんな奴らに……)

絶対に男達の手では達しないと心に決めた最後の抵抗。
それすらも容易く破られ、あまつさえ潮まで噴くという
壮絶なイキっぷりを男達に晒してしまったのだ。
襲い来る羞恥と無力感に、少女の気力は根こそぎ奪い取られていた。


「もういいだろう」

それまで傍観していたリーダー格の男が、不意に声を発した。
男達はそれを合図に少女の両手両足の拘束を解いていく。
X字架の支えを失い、少女はその場に崩れ落ちた。

(なに……助けてくれるの……?)

急に縛めを解かれたがゆえに抱いた、少女の淡い期待。
だが、その期待が絶望に変わるまでにはそう時間はかからなかった。
男のうちの一人が少女の体を軽々と抱え上げると、
部屋の一角にあるマットレスへと運び、投げ下ろしたのだ。

(まずい……このままじゃ本当にッ……)

両手両足の拘束は解かれ、少女は今自由になっている。
男達がやっと見せた隙、逃げるなら今を置いて他にないはずだ。
だが、気持ちに反して砕けてしまっている腰には力が入らない。
手も足も、ちっとも自分の思うように動いてくれない。
媚薬による強烈な痺れと、男達に与えられ続けた性感は、
鋼鉄の鎖以上に少女の身を拘束していたのである。

マットレスに寝そべった一人の男が、後ろから近づいて
少女の耳をちろりと舐めた。
それだけで、甘い快感の電流とぞくぞくとした余韻が、
再び芽生えた少女の気力を萎れさせてしまう。

「随分といい表情するようになったじゃねぇか。
マスクごしにでもアヘ顔してんのが分かるぜ。
……なあ兄貴、この邪魔なマスク取っちまわねえか?」
「ダメだ。俺達が今相手してるのは怪盗オレンジペコーだ。
怪盗は怪盗のまま犯す。それは最低限の礼儀だ」

誰に対する礼儀なのだろう、と首を傾げながらも、
男は気を取り直してミニスカートをかきわけ、
後ろから少女の股間に手を伸ばした。

つ、ぷ。くちゅっ、ぐちゅっ。
「んあぅッ!あ、あぅ……ふぁ……ん、くっ……」

すっかり濡れそぼった少女の秘部は、
易々と男の指の侵入を許し、再び卑猥な水音を奏でる。
男はその雫を指で掬い取ると、意外な言葉を口にした。

「こっちの方はどうかな?」
「え?ひぃっ、そっちは違うッ」

少女が違和感に気づき、悲鳴にも似た声をあげる。
男の指があてがわれたのは、今まで弄んでいた秘部ではなく、
その後ろの不浄の穴だったのである。

「いや……やめッ!?……うっ、んくふぅ……」
「あれ、簡単に入っちまった。こりゃ相当の好き者だな」

(お、お尻の穴なんて……ゆび、指が私のお尻にぃ……)

先ほど感じた性感とは異質の感覚。
自分の肛門の奥に異物が入り込んでいる圧迫感。
最も恥ずべき箇所が、男の指にほじくられているという屈辱。
未知の感覚に脂汗を浮かべる少女に向けて、男は楽しげに宣告した。

「それじゃ、抜くぜ」
「え?ぬ、く……?んっ、あくッ、んあっはぁぁあッ!!」

ずぼぉッ。
男の指が少女の肛門から勢いよく引き抜かれた。
その瞬間、自分の中を圧迫していた異物が
一気に外に出ていく喪失感が少女の身を襲った。
排泄の瞬間にも似た強烈な性感が、少女の脳内に火花を散らす。
少女の体がビクンッと大きく跳ね、そして脱力した。

「んぁ、はぁう……ぁ、ぁう……」
「はは、初めてのケツの穴でイッちまうとは、見所あるぜ。
さて、そろそろ本格的に味見をしたくなってきたな」

まだ体に力が入らないといった様子の少女の体を、
男は強引に持ち上げて四つん這いの格好にさせると、
カチャカチャと音を立ててスーツのズボンを下ろした。

まだ抗う意思が残っているらしく這い這いの動きで
男から遠ざかろうとする少女をがっしりと捕まえると、
ミニスカートを捲り上げて自分の男根を
少女の秘所にあてがってから、一気に貫いた。

「がっ、はぁッ!!あ、ふぅ……んっ、く……」

瞬間、少女の秘所に灼けるような感覚が走った。
これまで与えられた性感のどれとも違う、
圧倒的な性感の奔流の前に、少女は体をのけ反らせた。
媚薬による体の疼きの前では処女膜などは妨げにもならず、
待ち望んでいたかのように男根を咥え込み、そして受け入れる。

(熱い……そんな……嫌、なのに……我慢でき、ない……)

いっぽう、男の方も未開発の秘部に突き入れたことによる
性感に我慢できなかったらしく、「うっ」と呻き声をあげた。
男は繋がったままの体勢でしばらく呼吸を整える。
少女にとってはその時間が、やがて襲い来る性感への
期待を大きく膨らませる時間となっていた。

「へ、へへ……さすが初物は締めつけが違うぜ。よし、動くぞ」
「あぁっ、はぁ、はぅッ、んぁ、ああああぁっ!!」

パンッ!パンッ!
男の股と少女の尻が打ちつけられる音が室内に響く。
そのたびに、重力によって垂れ下がった衣服と
その内側の乳房がぶるぶるとリズミカルに揺れた。
体全体がピンク色に上気し、突かれるたびに
嬌声を上げてのけぞる少女の姿は、誰が見ても
官能を貪っている光景に他ならなかった。

(ダメなのに……こんなのダメなの、にぃ……)

男の人に貫かれるのがこんなに気持ちいいなんて知らなかった。
自分がこんなに甘く鼻にかかった声を出せるなんて知らなかった。
「ダメだ」という倫理観と、与えられる強烈な快感。
頭の中での闘いは、ひと突きごとに肉欲へと傾いていった。

「よっ、と」
「ん、はぅッ、んっくぅぅ…………え?」

突然、男がその動きを中断して肉棒を抜いてしまうと、
少女の口から意外そうな声が漏れ出た。

(わ、私……今なんて声を……)
「なんだ、もっと突いてもらいたかったか?」
「ち……違う、だ、誰がアンタなんかに……」

認めたくない心の動きを男にずばりと指摘され、
少女は一瞬ためらった後に慌てて否定の言葉を紡いだ。

「ったく、まだ強がるのか。いい加減素直になれよな。
体勢を変えて第2ラウンドだ」

呆れたように少女を仰向けに寝転がすと、
その上に覆いかぶさって再び少女の奥へと突き入れた。

「くうぅぅッ、んはぁっ、だ、だめ……深いぃッ!」

ズンッズンッと突き入れるたびに少女の口からは
舌足らずな喘ぎ声が漏れ出し、上を向いた乳房は
ぶるんぶるんと形を歪ませながら揺れた。
男はそれを見て一層ピストン運動を激しくしていく。

「んんあはぁッ、んんっ、くっ、あっ、はぁぁぅ!」
(だめ……こんなの、もう……もう、おかしくなっちゃう……)

少女が今まさに高みへと昇りつめようとした時、
突然男はその動きを緩やかなものにした。

「……え?ん、くぅ……あ、はぁぁ……」
「ふん、自分の体を見てみろ。口では嫌だ嫌だ言ってても、
しっかり腰は動かしているじゃねえか」

それは、事実だった。
少女の腰は淫らにくねり、より深い性感を得ようと
男の肉棒に自らの秘所を打ちつけていた。

(あ、あれ……わ、私……)

自分の腰の動きに気づいてしまったとき、
これまで少女の心を支えていた被害者意識が崩壊した。
そして、男達に無理矢理犯されていたはずの自分の姿は、
淫らに性感を欲している自分の姿へとすり替えられていった。

「気持ちいいんだろ?欲しくてたまらないんだろ?」
「……は、はい……気持ち、いいです」

ついに性感を認めた少女の瞳は、とろんと濁っていた。
男は満足げに嗤うと、再び腰を激しく動かし始めた。

「んああぁぁッ!そ、それっ……い、いいのぉ!!」
「どこがいいんだ?ちゃんと言ってみろ」
「お、おくぅ……奥まで突かれるのが、いいですぅ!」

一度言葉に出してしまうと、後はただ溢れ出るだけだった。
自分を抑えることができなくなった少女は、
以前にもまして急速に性感の波に呑まれていった。
少女が堕ちたと見るや、男は少女の中の「怪盗」の部分までも
言葉によって辱めを加えていく。

「天下の怪盗オレンジペコーが、いいザマだな?」
「い、いやぁ……そんなこと、は、恥ずかしい……」
「自分を応援してくれた庶民に申し訳ないと思わないのか?」
「お、思います……んっ、あくっ、それダメへぇ……」
「じゃあちゃんと謝らないとな。
『怪盗オレンジペコーはセックス大好きな女の子に
なっちゃいました、どうもごめんなさい』って言うんだ」
「んッ、はぁ……そ、それは……」

その言葉を吐くのを躊躇わせたのは、怪盗としての矜持。
強きを挫き弱きを助けてきた、正義感に裏打ちされた自負。
だが、性感の虜となってしまった今の少女にとって、
そんなものは紙の盾よりも破れやすいものだった。

「謝らないのならそれでいいさ。
その代わり、このままイカせてやらないだけだからな」

男は非情な選択を強いるため、少しだけ腰の動きを早めて
快感の一端を少女に味わわせてやることにした。
ズンッ……ズンッ。

「んあっはぁぁぁ……い、言います……言いますから……。
か、怪盗オレンジペコーはぁ、せ、せっくす大好きな、
んふぅ、女の子に、な、なっちゃいましたぁ……。
あッ、あんん、い、言い終わるまで、待って……くだ、
ああッはああ、ど、どうもごめんなさいいぃぃ……!!」

最後は悲鳴にも似た絶叫だった。
待ち焦がれた強い刺激が、ビッグウェーブとなって
股間から全身へと広がってゆき、目の前が白くなってゆく。

「これ、これ来る……もう、もうキちゃうのぉ……」

少女は髪を振り乱し、少しでも性感を逃すまいと
全身を使って男の責めを受け入れた。
男もそろそろ限界が近いらしく、一気に腰の動きを早めた。

「うおおお、そろそろイクぞ、んんあああああッ!!」
「ああはぁぁ、わ、私も……イく、イっちゃいますぅ……。
ひゃぁ、だめ、くる……あッはあぁぁぁぁーーッ!!」

獣の咆哮のような男の声と、
息も絶え絶えというような少女の声が混ざって響いた。
絶頂の後に来るのは、弛緩。
だらりと脱力した少女の元へ、リーダー格の男が近寄る。

「お前、本当の名前は何と言うんだ?」
「はひぃ……んぅ……ゆず……柚子ですぅ……」
「なるほど、柚子か。いい名前だな」

がくん、と気を失ってしまった少女を見つめる
リーダー格の男の表情に、邪悪な笑みが広がった。

年末ムードの色濃くなった12月22日のこと。
怪盗オレンジペコーは高田邸の浴場に座らせられていた。
当主である高田淳子が使用する大浴場とは異なり
お世辞にも大きいとはいえない浴場は、湯煙で曇っている。

「よし、俺が柚子湯の一番風呂だ。しっかり奉仕するんだぞ」
「はい……どうぞ、よろしくお願いします」

慎ましやかという表現がしっくりくるほど従順な態度で、
怪盗オレンジペコーは三つ指をついて頭を擦りつける。

だが、少女の身に起こった変化は、態度だけではない。
彼女のトレードマークであるオレンジ色に統一された
ベストやミニスカートは、その丈を大幅に短くされている。
しかも、ビニールか何かでできているのだろうか、
そのオレンジの衣装はいずれも半透明なのである。
白いシャツはおろか下着すら内側に着込んでいないため、
裸同然の格好といって差し支えなかった。

その一方で、瞳を覆うマスクや黒いニーソックス、
ブーツなどはそのままであるところが、男のフェチ心を刺激する。
すなわち、怪盗オレンジペコー自体を淫らなものに仕立て上げ、
サービスさせようという計らいであった。

「まずは浴槽に浸かってしゃぶってもらおうか」
「は、はい……ご奉仕させていただきます」

使用人用の浴槽は二人が入ればぎゅうぎゅうといった狭さだ。
それを体をかがめるようにして、水面から突き出た
男の肉棒を手でしごき、口に含んでいく。

「おむっ、んちゅっ、んむぅ……ひ、ひかがれすか?」
「もっと舌を使え、この下手くそ」
「ひっ……も、申し訳ございません」

男の叱責に少女はビクッと身を震わせると、
指摘通りに舌を使って男の顔色を窺う。

「れろ……んちゅぅ……おむ……」
「うむ、よくなった。やればできるじゃないか」
「あ、ありがとうございます」
「次はお前の体で洗ってもらおうかな」

そう言うと男は洗い場に出ると、
マットレスの上にどっかりと胡坐をかいて座った。
かたや少女はというと、お湯の入った洗面器に
ローションを溶いては、自らの体に塗りつけている。
雪のように白い肌とオレンジ色の半透明の衣装が、
粘度の高いローションによっててらてらと光った。
男が、無言で右腕を水平に上げた。

「それでは失礼します」

少女は男の二の腕を跨ぐと、自らの股間の茂みを擦りつけ始めた。

「……んっ、はぁ、ぅん……」
「そんな動きじゃ一年の垢は取れないぜ。ちゃんと擦りつけるんだ」
「……ぁ、は、はい。んっ、くぅぅ、んあぁ……」
「おい、俺に奉仕するんじゃなかったのか?
自分だけ気持ちよさそうによがりやがって」
「は、はいぃ、で、でも……んっ、く、あっはぁぁ……」

少女も懸命に男の命令に従おうとしているのだろうが、
股間を擦りつけることによる刺激には抗えないらしく、
脚をがくがくと震わせながら腰を動かしている。

「ちっ、もういい」
「んっ、く、はぁ……も、申し訳ございません……」

男は内心少女の敏感な反応に舌なめずりをしているのだが、
少女は度重なる男からの叱責に、落ち込んでしまっている。

「よし、次はお前のアソコで満足させてみろ」
「……は、はい、頑張ります」

男はマットレスの上に仰向けで寝転がると、
勃起した肉棒が天を衝くかのようにそそり立った。
少女は促されるがままにその上に跨り、
自らの手で肉棒を秘所へと導き入れる。

ぬぷっ。

「んっ、く、はぁぁ……それじゃ、動きますね?」
「お、おう。ちゃんと腰を使うんだぞ」

少女は華奢な腰を精一杯くねらせ、
せっせと男の股に自分の股を擦りつけていく。
全身に塗りたくったローションは潤滑油の役割を
十分に果たしており、、腰を動かすたびに
ぬちっ、じゅちっと卑猥な音が浴場に反響する。

「ふぅッ……あっはぁぁ、い、いかがですか?」
「な、なるほど、これは大変な名器だ。
冬至の日にはやはり柚子湯に限るな」
「ぁう、んっ、ありがとう、ござひ……ます」

自らの腰の動きによって与えられる、股間からの
ゆっくりとした性感が少女の呂律を怪しくする。
こうなってみると、姿形こそ面影を残してはいるが、
もはや怪盗オレンジペコーは自らの意思で男の精を絞り、
性感を貪る雌にしか見えなくなっていた。
だが、男は未だ満足するには至っていないらしく、
懸命に腰を動かす少女に更なる注文をつける。

「覚えておけ、俺に奉仕するときはこうするんだ」

そう言うと男は、跨っている少女の脚を立たせた。
臀部から丸みを帯びて続く両脚のラインが、Mの字を描く。

「い、いやぁ……こんな格好、は、恥ずかしいです……」
「ん?何か言ったか、ええ?」

少女の中に僅かに残った羞恥心から来る抵抗を、
男は下から秘部を突き上げることで押さえ込んだ。
ズンッ、ズンッと男が腰を動かすたびに、
少女の顔は快感に歪み、口からは嬌声が漏れ出る。

「ふぁ、ぁくッ、ふ、深ひぃ……。これ、奥まで入っへきてるのぉ……」
「おら、いつまで俺に腰を動かさせる気だ?さっさと自分で動けよ!」

男は寝転がったまま、少女の尻を下からペシィッ!とはたいた。
弾かれたように、少女は体を震わせながら上下運動を始める。

「ふっ、くはぁ……あ、んくぅッ、はぁ……」
「おっ、お前尻を叩くと急に締めつけてきやがったな。
ひょっとして、マゾッ気があるんじゃないのか?」

味をしめた男はペシィッ!ペシィッ!と繰り返し少女の尻をはたき始めた。
力の入っていない平手打ちのこと、痛いわけではない。
だが、叩かれた後に臀部に走る痒みにも似た感覚と、
幼子のように尻を叩かれるという恥辱が少女を支配してゆく。
そしてまるで騎手が鞭をくれた競走馬のように、
より一層上下運動を激しいものにするのだった。

「ふぁ、んふぅッ!!ぅああっ、ん、あはぁぁぁっ」
「うッ、や、やっぱり尻を叩くと締めつけてきやがる……。
どうだ、尻叩かれるのがそんなに気持ちいいのか?」
「ああッ、はぁ、はぅ……き、気持ち、いいれすッ!
わた、私、おしり叩かれへ、感じちゃってますぅッ!!」

両脚は体重を支えきれなくなってきたのかガクガクと震え、
少女の口からはあられもない言葉と共に涎が一筋、糸を引いて滴り落ちた。

「おっと、俺もそろそろやべえな……おい、イくぞ!」
「あ、わ、私もぉ、ふぁああッ、も、もう……だめへぇ……」

――バシィッ!!

男が強く少女の尻を引っぱたいた瞬間。

「んおぉぉ、で、出るッ!!」
「あぁッ、く、くらさいぃ……私の中に熱いのをいっぱい……
んぁ、あはぁッ……くる、きちゃううぅッ」

びゅるるるッ!びゅるっ、びるっ!!

「あああッ、ひあっ、ふあぁああああぁぁーーッ」

男は欲望の全てを膣内に放出し、少女は自らの中が
どくどくと精液で満たされていくのを感じながら果てた。
――だが。

「おい、呆けてる暇はねえぞ」
「……んぅ?……え、え?」

蕩けそうな表情を浮かべてる少女を、別の男が無理矢理抱き起こした。

「そうだなあ……今日は冬至だし、まずはこの二つの南瓜をいただこうか。
南瓜というには小ぶりだが、どんな味がするのか楽しみだ」
「ちょ、ちょっと待って、休ませてください……。
私、さっきイッたばかりでまだ……ひあぁぁッ」
「何を言ってる、お前は高田家使用人の性欲処理係なんだ。
俺以外にも、まだまだ後はつかえているんだぞ」
「そ、そんな……わたひ、こわれひゃう……んあはぁッ!」

冬至。それは一年で最も夜が長い日。
だが、怪盗オレンジペコーにとっての夜は、二度と明けることはなかった。

〜BAD END〜






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