ダジャレフリーザー
シチュエーション


「おおう、がんばってるねー」

私立の女子小学校に忍び込んだ私は、その学校の視聴覚室の前にいた。
今日は学校の、3学期の始業式だ。
そのため全校児童(と言ってもこの学校の児童数は100人程だ)が、教室にて先生から色々と指示を受けているところだろう。
数人の、放送委員の児童を除いて。

放送委員の少女達は、5年生と6年生が二人ずつ、4人いる。
皆、街ですれ違ったら振り向いてしまいそうな程の美少女だ。
少女達は必死に声をマイクに向けて、放送をしている。

「今日は、学校の始業式です。
全校児童の皆さんは、速やかに体育館に移動してください。」

放送内容はこれだけだ。
しかしこの学校は、自主性を伸ばすために、放送の機械やボリューム調整などをすべて児童に任せている。
だから、たったこれだけの放送に4人の女子児童がいるのだ。
逆に言えば、児童以外の人間は視聴覚室にいない事になる。
視聴覚室周辺を含んでも、私を除いたら可愛らしい女の子しかいないのだ。

放送をした女子児童…「美穂ちゃん」はマイクのスイッチを切り、ふーっと溜息を付く。
大きなリボンでまとめられたツインテールが特徴的な女の子だ。
身長は140cmくらいだろうか? 元気で年相応の幼さを感じる。
そんな彼女にとっては、ブレザーの制服はまさしく「着られている」状態だろう。

「じゃあ、私も体育館に向かうね!」
「うん、後は私達が片付けるから!」

嬉しそうな声で、美穂ちゃんは他の3人に話しかける。
よっぽど上手く放送できたのが嬉しいのだろう。

しかし、彼女が体育館に辿り着くことは、できない。


廊下をスキップで歩いている美穂ちゃんの前に、私は姿を表す。

「きゃっ!」

突如姿を表した部外者に、笑顔だった美穂ちゃんの顔はすぐに驚きの表情に変わる。
少し引いたポーズになった彼女に、私はこう声をかけた。


「猫が、寝転んだよ」

刹那、美穂ちゃんがバランスを崩し、尻持ちをついてしまう。

…いや、バランスを崩したのではなく、維持できなくなったと言った方が正しいだろうか?
彼女は驚いた表情のまま転んでしまい…そのままのポーズで動かなくなる。
そして彼女のすべすべの肌が、ゆっくりと光沢を纏い始めた。

……私はダジャレを聞かせた人間を、固めて、動けなくしてしまう能力を持つ。
勿論、意識も奪う。
固める、といっても、私が力を込めたらその体を動かし、ポーズくらいは変える事ができる。
まあ、人間を人形に変えてしまう能力と言ったらわかりやすいだろうか?

笑顔が似合う美穂ちゃんだったが、驚いた顔もまた可愛い。
私は早速彼女を…と言いたいところだが、今回の目的はそれではない。

「ちょっとごめんね、大丈夫。
他の3人も、すぐに固めてあげるからね」

返事はない。当たり前だ。
人形になってしまった美穂ちゃんに動く術も喋る術も無いのだから。
私は人形になった美穂ちゃんを脇に抱えて、視聴覚室に戻った。

美穂ちゃん以外の3人の少女は、放送の機械の片づけを終わらせたらしく、一息ついている。
私はそんな児童達に聞こえるよう大声で、こう叫んだ。

「布団が、吹っ飛んだ!」

「終わった!早くいそが―」
「ん? 何か聞こえ―」
「ちょっと、何で途中で言葉をとぎ―」

私のダジャレを聞いた3人のうち2人は、くつろいだ表情のまま人形になってしまった。
そして残りの一人は、少し不安そうな表情を浮かべて、カチンと固まった。
私が一言ダジャレを言うだけで、3人の児童が動かなくなるのだ。

「それでは、少し失礼して…」

私は美穂ちゃんと3人を並べ、M字開脚のポーズに変える。
そして4人のブレザーを脱がせ、リボンを取り、ブラウスのボタンを全て空ける。
ぽろん、…とまではいかないが、ブラウスを開けたら即、可愛らしいピンクの乳首が見えた。

…一人の胸は少し膨らみかけているというのに、小学5年生と6年生がブラすらしていないとは。
恐らく学校の校則のせいだろう。

「さて、これからどうしようかな?」

私は乳首を丸出しにした4人の女子児童を見て…ふと、とある事を考える。
私のダジャレを聞いた人間は、固まる。
それは何も直接的なものでなくてもいい。 例えば電話や、録音したものを再生しても、聞いた人間は固まるのだ。
無論、マイクを通して言った言葉も……。

「……さてと、当分楽しませてもらおうかな?
せっかく片付けたのに、悪いねー君達」

私はこれから起こる至福の時間に胸をときめかせながら、マイクの準備をする。
そして、全校に響き渡るマイクに向かって、こう叫んだ。

「アルミ缶の上に、ある蜜柑」






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