スレンダーガール美穂 vol.3
シチュエーション


【前回までのあらすじ】

暴悪な憤怒が辺り一面に立ち籠める。
ああ、何ということか。怪盗の正体は堅く復讐を誓う邪悪な魔姫!
振り向きざま黄褐色の液体を吐きつける。

「目が見えない!」

全身に液体を浴び、棒立ちのスレンダーガール。そこに、渾身の一撃!

「コレデモ、喰ラエ!」

一瞬の炸裂、あがる悲鳴。
危うし、スレンダーガール!


01美穂

シャワーを浴びている美穂。
叩きつける水音、身を切るような清冽に、濡れて輝くシェイプアップされた裸身。
細く華奢な項から肩まで滑らかに曲線が流れ、そのアーチは腰へと続く。

――そこに被せるように、哂い声が聞こえる、嘲う声が
――記憶が蘇る、あの日の記憶が。鮮明かつ鮮烈に、感覚も伴って
――あろうことか、あらぬ限りに増幅された快感だけを伴って

――伸縮性に秀れた極薄で純白のレオタードが、靭やかな躰の線を耽美に描いている。
――引き締まった脚から柔らかな美尻へと続く艶かしいラインに唖然とする。
――女性らしい丸みを残した腹部から坦らかに隆起して、胸の頂点で生地が慎ましく張っている。
――霰もなく開かれた太腿に弾かれて、恥丘の柔らかい膨らみが浮かび上がっている。
――タイトなレオタードに切れ目の皺が寄り、影となり光沢となって、妄想を掻き立てる。

――牽き上げられ、食い込むレオタードの靭やかな感触に、喉元も露に痩身を仰け反らせる。
――止まらない震えに、瞳が切なげに潤み、端正な顔立ちを歪めて、しどけなく喘ぎ、唆る柳腰を捩る。
――激しい動悸、荒い呼吸に、やや小振りだが形の良い乳房が胸の膨らみの下で揺れ、薄紅色の乳首が立つ。
――ぐしょ濡れの生地越しに、柔らかな恥丘の盛り上がり、控えめな裂け目が艶かしく覗える。
――股間に広がる濃い染みからは、なおも淫らな愛液が糸を引いて垂れ落ちている……

朱音に見られている 凝視されている 端ないこの姿態を……
そう思うだけで、嘗て無い物凄まじい羞恥に、この身が切り刻まれる。
純潔を象徴する純白のレオタードのまま弄られ、嬲られ、あれ程までに感じるなんて……
見ないで、もう見つめないで…… 悲しく、恥ずかしく、もどかしい。 

「その行為は正しかったの?」
「あの努力は十分だったの?」

正義のヒロイン、スレンダーガールなのに…… 
仕方なかった。どうすることもできなかった。
生地越しの絶妙な刺激に、とても堪えられなかった。

「だ……だめ…… もう……我慢できない……」

水流の反響音が消え、寒々としたシャワールームに滴の音だけが空しく響く。
自分に憤り、嘆くことしかできない。
俯向いた顔を振り上げ、解れた黒髪を掻き揚げる。
あまりの無力さに、嫌悪の念さえ抱いてしまう。

そのとき、外に異変、絹を裂くような悲鳴!
あの悲鳴、直ぐに変身しなければ……
濡れた躰のまま、美穂はバスルームを出た。






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