優秀戦隊マジメンジャー 紅一点受難物語 part1 囚われしマジメンピンク!!魔人テロリアンが正義の幼馴染をさらう【前篇】
シチュエーション


夕暮れ時の都心。首相官邸に向けて首都高を黒塗りのハイヤーが疾走していた。来賓として後部座席に乗車しているのは西欧某国の皇太子。
日本政府による歓迎レセプションに向かうその高級車のタイヤが何者かによって銃撃された。道路際の塀に車体をこすらせながら停車するキャデラック。それを取り囲む黒い人影。
その中の筋骨隆々のおよそ人間とは思えない大男。

「ククク・・・我らは‘正義の集団’『殺る殺る団』だ 鬼畜元帥さまからの密命により、この魔人テロリマン、A国皇太子に天忠をくらわす!!」

テロリマンと名乗った男は掌から怪光線を発射。瞬く間に車のドアを溶かしてしまう。

「OH!! NO〜〜!!」

恐怖に慄く青い目の金髪青年ににじり寄る無数の黒い影。その時である。悪人たちの背後にまばゆい光が・・・。その光に3人の戦士の影が浮かび上がる!!

「待てッ 殺る殺る団!!罪もない外国人の命を狙うなどこの優秀戦隊マジメンジャーが許さない!!」

マジメンジャーと名乗った3人はそれぞれ赤、ブルー、そしてピンクのゴーグルマスクをつけ、それぞれマスクの色とおなじボディスーツを着用している。
デザインは同じだがピンク色のスーツを着用した一人だけは明らかに小柄でスーツも下半身だけスカートになっており、女性であることは容易に察しがつく。

「マジメンレッドの怒りの裏拳を喰らえッ」

マジメンレッドと名乗った長身の男は空手の有段者張りの裏拳を、骸骨のようなマスクを着用した殺る殺る団戦闘員たちに叩きこむ。

「マジメンブルーの必殺フルコースも味わってもらわないと!!」

マジメンブルーが戦闘員たちを捕まえてはプロレス技のバック・ドロップをお見舞いしている。たまらず逃げだす戦闘員たち。

「待ちなさい、あなたたちこのマジメンピンクがお相手よ!!スパンキング・リボーン!!」

マジメンピンクはまるで新体操のリボンのようにしなやかな鞭で逃げ惑う戦闘員たちを打ちすえ一網打尽。あっという間に彼らは悪の組織の大半を倒してしまった。

「く、くそう、マジメンジャーめ覚えておけ!!」

魔人テロリアンは残った手勢を引き連れ退却していった。

「忘れたら聞きに行くよ!!」

マジメンレッドが威勢よくその背中に言い放った。


翌日。ここは都内の高級住宅街の真ん中にある大学までの一貫の私立『名秀学園』の高等部校舎。一日の授業が終わりを告げるベルが鳴った。
3年A組の村田誠はいそいそと帰り支度を始めた。成績は並の下、かといってスポーツの不得意。クラスでもこれといって目立たない存在だ。部活の写真部もさぼり気味。
しかし、彼はまっすぐ帰宅せずに体育館へ向かった。
中でも、十数人の部員たちを熱心に励ましたり、アドバイスする一人の少女に誠は眼を奪われている。彼女の名は窪田裕子。新体操部のリーダーで、誠とは同級生だ。
しかも、家も近所で幼馴染、それも保育園から高校のクラスまでずっと一緒なのだ。
裕子曰く、「腐れ縁」なのだが、誠にとってはモノ心ついて以来ずっと想っている裕子と一緒にいられることを密かに喜んでいる。

「う〜〜ん、やっぱ、裕子って良いカラダしてんなぁ〜〜」

体育館の窓の下にしゃがみこんだ誠はデジカメに写した裕子のレオタードに包まれた健康的なカラダをじっくりと眺めて目じりを下げる。
痩せ形というよりはややぽっちゃり健康的な裕子に妙にそそられるようで、純白のレオタードの下で揺れる大きなおっぱいは無論、オシリの割れ目がくっきり写りこんだ画像にデレデレしている。誠も立派な男、裕子のカラダにも興味があるのだ。。

「よっしゃ、今度はアソコの写りこんだ写真をゲットだぜ」

意気込んで窓を再び覗いた先には、怒り顔の裕子が・・・。

「じゃあ、キャプテンお先に失礼しまーす窪田先輩は帰らないんですか?」
「おつかれさまー、私は個人競技の練習を少ししてから帰るねそれと、この盗撮マニアにちょっとお仕置きしてから・・・」

練習を終えた部員たちに笑顔でこたえ、体育館の端っこに正座させられた誠の頭を軽く小突く裕子。

「もお〜〜何やってんのよ、誠クン!!盗撮なんかやって!!先生に見つかったら退学ものよ」

相当ご立腹の裕子チャン。いつもは笑うと、にゅっと優しく垂れる眼を釣り上げている。
子供のころから、何度となく裕子にお説教を食らっている誠は、またかよ、といった表情でふてくされる。

「へっ、別に良いだろうがおまえには関係ねえだろ」

悪態をつきながらも、裕子のレオタードに隠された大きなおっぱいと、その頂上にツンと浮き立つ乳首の痕に目を奪われる誠。

(う〜ん、それにしても良い乳だぜ最近、より一層デカくなってるんじゃないか?ああ〜〜モミしだきたい・・・アップで撮影したかった)

「ちょっと誠!!聞いてんの!?ほんっっとにエッチなんだから!!」

レオタ姿に見とれていることに気づかれた誠は大慌てで視線をそらす。

「勘違いすんなよ、裕子お前のレオタ姿なんてキモいだけだぜそのぶっといダイコン足で踊れんのかよ」

またしても心にもないことを言ってしまう誠だが、裕子チャンは取り合わない。

「あ〜〜ら、そうなの?じゃあそのデジカメに何が写っているか見せてもらお〜〜っと」

いたずらっぽい笑みを浮かべて誠のデジカメに手を伸ばすそぶりを見せる裕子。

「な、なんだよ、勝手に見るなよな!!」

焦りまくり、自分の背中にデジカメを隠す誠。裕子はそんな幼馴染の様子に呆れたようだったが、何を思ったかの隣にそっと体育座りで腰を下ろした。

「ねえ、今日は一緒に帰ろ」

裕子の思いがけない言葉に内心ガッツポーズの誠。

「今日は、お兄ちゃんとも待ち合わせしているんだ」

夕暮れ時の桜並木。誠に裕子、そして彼女の言うところの「お兄ちゃん」である大学部一年の速水鋭児の3人は帰路についた。鋭児も2人とは幼馴染。
物心ついた時から一緒に遊び、成長してきた。裕子の方は鋭児をお兄ちゃん、と敬愛をこめて呼び慕っている。その姿を見るたびに誠は居た堪れなくなるのだ。
兄弟のいない誠にとっては鋭児も実の兄のようにも感じることは事実だが、裕子を間にはさむと気持ちは複雑になるのだ。
しかも、速水家と大手電力会社に勤務する裕子の父親は懇意で鋭児と裕子の結婚も考えているという噂もある。

「やだっ、お兄ちゃ〜ん」

華やいだ声をあげて楽しそうな裕子。それを大人びた表情で受け止める鋭児。楽しい会話になんとなく入れなくなる誠だった。

「昨夜のことだけどね、誠・・・」

急に鋭児がまじめな口調で振り返った。裕子も立ち止まって2人を見る。

「お前はもっと真剣に闘うべきだとおもう、最近の誠は少し油断していないか?自分の能力を過信してプロレス技なんか使って・・・」

誠は俯いた。
3人には幼馴染という関係以外にもう一つの深いつながりがある。そう、昨夜、青い目の青年を襲った殺る殺る団を撃退したマジメンジャーの正体はこの鋭児、誠、そして裕子の3人なのだ。

そもそも3人がマジメンジャーになったきっかけは鋭児の叔父で科学者の速水光三郎が発明した変身ブレスレットを手にしたことによる。
ここ1年あまり殺る殺る団と名乗る秘密結社が暗躍し、政府要人の暗殺や誘拐、そしてテロなのが横行している。
政府お抱えの科学者である光三郎が試作品的に発明したのが3人が常にはめている金色に輝くブレスレットで、着用した者の能力に応じて戦闘能力、防御能力を普段の1000倍に引き上げる代物である。
3人が選ばれた理由としてはリーダー格の鋭児の人柄、そして3人とも私立の、のんびり学園に通うため、成績、出席日数とも心配が少ないことがあった。
しかし、ないよりも大きな決め手となったのは3人がとても親しい幼馴染であり結束が強いことだった。それが特殊能力を身につけても窮地に陥っても脱していけると光三郎が判断したためだ。

「俺は調子に乗って過信した覚えはないよ、鋭ちゃん」

誠は抗弁した。しかし、正義のヒーローを引き受けた時のゆるぎない心に微妙な気持ちが影を落としているのは事実だ。
殺る殺る団から日本をを守るため、という理由よりプライベートな感情が勝り始めている。
そう、鋭児と裕子が親しければ親しいほど、そして2人が優れた戦士であればある程、劣等感を覚え、まるで憂さを晴らすような戦い方をしてしまうのだった。

「ま、いいじゃない、お兄ちゃん誠クンも一生懸命戦っているんだからねえ、誠!!」

裕子は2人の間を取り持つように明るい声を発した。この裕子の励ましに今までどれだけ救われたか分からない誠だ。そしてマジメンジャーとしても大きく貢献している裕子である。

「ねえ、2人ともマジメンジャーになって後悔してる?」

裕子は鞄を後ろ手に持ち、ちょっぴり上目遣いに2人を見つめた。

「まあ、後悔しているといえば、自由な時間が取れなくなったこととか・・・」

鋭児はまじめな顔で答えた。

「たまに、おれらこそ新聞紙面やネットを賑わしているマジメンジャーですって言ってやりたいときはあるぜ、学校の奴らとかに・・・そうすれば俺の人生もバラ色なのにな〜」

誠は少しふてくされて大げさに天を仰いで見せた。

「あら〜誠クンは有名になりたいとか、自分が正義を守ってる、って人に知られたくてマジメンジャーやってるの?」
「お前はそういう気持ちがないのかよ、裕子?」
「私はあんまりそういう気にはならないなそれよりも少しでもあの、殺る殺る団の被害に遭う人を無くしたいだけ、かな」

真剣な表情で素直な気持ちを気真面目に答える裕子を眩しそうに見つめる誠。

(こいつって昔から変わらないな・・・)

幼稚園時代、いじめられっ子だった自分を庇ってくれた正義感の強い裕子。今も変わらない幼馴染の姿は彼の誇りである。

「そのために頑張ろ〜〜お〜〜」

裕子は一人で気合を入れている。そんな姿を見ると裕子への想いが爆発しそうになってしまう誠だ。

「どうでもいいけどな、裕子このマジメンジャーっていう名前なんか恰好悪くねえ?」

照れ隠しに誠は言った。

「いいじゃない私たち3人とも曲がったことのできない真面目だけが取り柄の面々だもん、マジメンジャーで」

裕子は屈託なく笑った。

一方ここは謎の秘密結社殺る殺る団のアジト。白いひげを蓄えた初老の小男が部下を集めある作戦を実行に移そうとしていた。彼の名は鬼畜元帥。
白髪頭で妙に目じりがだらしなく下がりながらも、その目は異様に光っている。彼もまた科学者でアジア某国と手を結び日本国内でもあらゆる悪事に手を染めている。
某国皇太子暗殺を企てたのも彼ならば、魔人テロリアンを生み出したのもまたこの鬼畜元帥なのだった。
鬼畜元帥は胸元の白衣まで垂れ下がった顎髭を撫でながら、呻くように話し続けている。

「なんとしてもあのマジメンジャーの抹殺が急務かつ至上命題だ」

マジメンジャーが現れて以降、殺る殺る団の活動はことごとく封じられているのだから鬼畜元帥の焦りも最高潮に達している今日この頃だ。
「それで、テロリアン3人について何かわかったことはあるか?」

筋骨隆々の魔人テロリアンは腰を低くして昨夜の戦闘の報告をしていた。

「は、鬼畜元帥さまやはりあのマジメンジャーの3人のうち一人は女ですスカートの裾から白いレオタードらしきものが見えましたので間違いはないかと」
「そうか・・・やはりマジメンピンクは女かならば戦闘能力が劣るのは間違いない・・・」

はっきり言ってピンクが女であることなどわかりそうなものなのだが、何処かマの抜けた元帥であることもこれまでマジメンジャーを倒せなかった理由かも知れない。

「ターゲットはあのマジメンピンクだ!!あの女を捕えて、もう、ああ〜してくれようかこ〜〜してくれようか」

無類の女好きでも知られる鬼畜元帥だ。自分を苦しめる敵方のヒロインにあらぬ願望、欲望を湛えた眼を血走らせている。

「ようし、作戦開始だ必ずや今夜はマジメンジャーの秘密を暴く大きなチャンスになるワイ」

深夜だった。誠の携帯が鳴った。裕子からである。

「なんだよ、こんな夜中に・・・」

誠はさすがに眠い。

「ニュースとか見てないの!?大変よ、殺る殺る団が銀行を襲っているのよ早く来て!!」

否応もなかった。
東都光陵銀行の巨大金庫。天井と積まれた札束をあらしまくる、殺る殺る団戦闘員。そしてそれを指揮する魔人テロリアン。

「やめろ、コソ泥集団!!」

そこへ現れたのは3人の戦士。もちろんマジメンジャーである。

「暗殺の次は、銀行強盗か?どこまで性根が歪んでるんだよ、お前らは!?」

マジメンブルーが蛮行を重ねる殺る殺る団の面々を指さす。

「今日という今日は絶対許さないんだから」

マジメンピンクは真面目に怒っている。3人の戦いが始まった。しかし、すでに3人は罠にかかり始めていることに気が付いていない。

この日の殺る殺る団の戦術は明らかに今までと違った。魔人テロリアンは巨大金庫の外に逃げ出しレッドとブルーがそれを追う。ピンクも後に続こうとしたが殺る殺る団戦闘員の襲来に遭い、一人で大軍を相手にし、徐々に苦戦を強いられていた。

「スパンキング・リボーン!!」

得意のリボン攻撃でなぎ倒すものの、多勢いに無勢だ。戦闘員の強烈なパンチがピンクのマスクを殴り、ひざ蹴りがボディに命中する。それでもピンクは健気に闘い続ける。

「えいッ!!やあッ!!」

気合とともに相手を倒しては行くが、間違いなく窮地に追い込まれていっていることは事実だ。
一方、金庫の外で魔人テロリアンを見失ったレッドは異変に気が付き、ブルーに言った。

「おかしいぞ、ピンクが来ないあいつを一人にするな!!」

急ぎ金庫内に戻ったブルーの目に飛び込んできたのは先頭集団に追い詰められ、息を切らし取り囲まれたピンクの姿だった。

「ピンク!!大丈夫か!?」

ブルーは戦闘員たちをなぎ倒し、ピンクを後ろに庇った。

「大丈夫かよ、ピンク!?」

うっかり裕子、と呼んでしまいそうになりながら誠、いやブルーは訊ねた。

「うん、大丈夫よ・・・ごめんね足手纏いになっちゃって」

ピンクは相当ダメージを受けているようでマスクの上からでも激しい息遣いが聞こえてくる。
その時だ。再び魔人テロリアンが2人の前に姿を現した。

「ふふふ、でかしたぞおまえたちようし、金庫の鉄扉を閉めろ」
「はっ」

天井から巨大な鉄の扉が徐々におりてくる。

「ははは、銀行を襲うなどすべてはカムフラージュだ貴様らを捕えるのが目的でわざとここへおびき出したのだおまえら2人は袋の鼠になるたっぷり今までの礼をさせてもらうぞ」

すべては自分たちを捕えるための罠だった、それに気がついたブルーだが遅かった。このまま金庫内に袋の鼠にされればまず、勝機はない。しかし、なすすべはない。
悔しさに歯ぎしりをするブルー。徐々に金庫は閉まり始める。もう扉が地面に2メートルと迫ったその時、ピンクが思いもかけない行動に出た。

「逃げて!!ブルー!!」

ピンクは思い切りブルーの手首をつかむと扉が迫りくるわずかな地面との隙間に彼の身体を滑り込ませたのだ。

「ピ、ピンク、裕子おおおぉぉぉ〜〜ッ」

ブルーが、いや、誠はわずかな隙間から金庫の外へ放り出された。そして彼の身体が飛び出た瞬間、ピンクが、そして幼馴染の裕子が残る巨大金庫の扉が大きな音とともに閉ざされた。

捨て身の行為で仲間を救ったピンクだが、その代償はあまりにも大きかった。閉ざされた巨大金庫の中でマジメンピンク、そして窪田裕子への地獄の責め苦が始まる。

「やってくれるじゃないかこのアマ!!」

殺る殺る戦闘員に羽交い絞めにさせたピンクの顔面を徹底的に殴る魔人テロリアン。ピンクの顔が左右上下に揺れ、ついにがクンと力なく垂れる。もはや抵抗する力は彼女に残っていなかった。

「所詮は女よまあ、ブルーは逃がしたがもとよりこの女一人捕えるのが目的元帥様もお喜びになるんん?」

テロリアンは力なく項垂れるピンクの手首に光るブレスレットに目をつけた。チェンジ/クリアと刻まれたボタン。このボタン一つで3人はマジメンジャーへと変身しているのだ。

「そうか、このブレスレットが変身の秘密か」

ためらいなく、そのクリアボタンを押す。

「い、いやああぁぁ〜〜ッ」

まばゆい閃光とともに現れたのは、白いレオタード姿の裕子だった。変身を解かれるとマジメンジャースーツの下に着用している新体操部の練習着のようなレオタード一貫になってしまうのだった。

「ほほう、これこそがマジメンジャー変身の秘密道具か」

魔人テロリアンは裕子の白い手首から奪い取ったブレスレットを眺めた。

「や、やめて!!返して!!」

マジメンピンク、いやすでに18歳の女子高生でしかない窪田裕子はテロリアンから正義のブレスレットを奪い返そうと立ち向かった。しかし、これが悪の権化テロリアンの怒りを買ってしまう。

「この小娘が!!」

強烈な鉄拳が裕子の左頬を打つ。

「いやあぁッ!!」

敢え無く床に倒れる裕子。その姿を見下ろしながらテロリアンは残酷にニヤつく。

「フフフ、よくよく見るとなかなか可愛い娘じゃないか我らの手に堕ちた以上は鬼畜元帥さまのキビシイお取り調べを受けることは間違いないが、その前に少し今までの礼をしてやろう」

殺る殺る戦闘員の一人が裕子の漆黒のセミロングをわし掴みにして引きずり起こす。そして再び彼女を羽交い絞めにする。
ノーガードになった裕子のレオタードに包まれた肉体にかわるがわる戦闘員たちのパンチやひざ蹴りが打ち込まれる。

「ああっ!!きゃあっ!!いやぁっ!!」

強烈な一撃をそのうら若き肉体に食らう度、裕子は普段は優しげな瞳をぐっと見開き、激痛にむせぶ。
残酷で壮絶ないたぶりを受ける裕子の悲痛の叫びは、金庫の外で立ちすくむマジメンレッドこと鋭児、そしてブルーこと誠の耳にも突き刺さる。

「ゆ、裕子・・・お、俺のせいで・・・」

今にも泣きそうな顔で床に崩れ落ちるブルー。やがて裕子の叫びが絶叫に変わる。金庫内では・・・。

「ハハハ〜ッどうだどうだぁ〜!?自分の武器で身体を責められる感想は!?」

レオタード姿の裕子の肢体に巻きつくマジメンピンクの鞭。自分の武器を奪い取られ生身の肉体に電流を流されるという屈辱刑にさらされる裕子。
虹色の鞭は成熟しかかったそのナイスバディをねっとりと絡みつく。その鞭を操作するのは無論のこと、テロリアンだ。
いつもならば、殺る殺る団を懲らしめる鞭に今夜はマジメンピンクである裕子自身が苦しめられるとは彼女自身予想だにしていなかっただろう。
鞭は裕子の胸元から腹部、そして太腿に絡みつき、ギリギリとその身体を締めあげる。白いレオタードも引き締められ、乳房に食い込み、乳首の痕までくっきりと浮かび上がる。

「ほらほらぁ〜〜スパンキングリボンてかあ?」

テロリアンはマジメンピンクの口真似をしながらリボンに放電を始める。

「い、い、嫌やややあああぁぁぁぁ〜〜〜〜ッ!!!」

肉体をビクンビクンと痙攣させ泣きわめく裕子。

「ハーハッ、ハ、ハァ〜〜中々良い様だぞ、マジメンピンク!!」

もはや成すすべのない裕子はただただ子供のように絶叫した。

「この辺が限界かね、お嬢さん」

テロリアンがリボンのスティック状の柄につけられたスイッチを切ると同時に、電流責めから解放された裕子はその場に崩れ落ち横たわった。

「フン、口ほどにもない娘だこいつを本部に連れて行けッ」

テロリアンは勝ち誇ったように戦闘員に命じた。

一方、金庫と外界を遮る大きな鉄の扉の前で泣きじゃくるブルー。中には同じマジメンジャーの仲間が、そして自分を守るため身代りになった想いを寄せる少女が嬲り者にされているのだ。
そして、先ほどまで中から響いていた彼女の悲鳴も途絶えた。狂ったようにその場で取り乱すマジメンブルー。異変に気がついたのはレッドだった。

「ブルーしっかりしろ、何かおかしいここから離れるんだ」
「い、厭だ、中にピンクが!!裕子がいるんだぞ!!」

頑としてその場を離れようとしないブルー。しかし、レッドはブルーを引きずり起こし、凄まじい腕力で引きずって外へ出た。
闇夜に浮かぶ東都光陵銀行の建物が爆発により崩れ去ったのは2人が建物を脱出した数秒後だった。

脱出した2人は瓦礫からようやく頭を出した。そしてその廃墟の上に勝ち誇ったように立つ殺る殺る団のメンバーを見た。

「ハハハ〜ッ無様だな、マジメンジャー普段、我ら殺る殺る団を打ち負かす貴様らが瓦礫に埋もれる様は最高だったぞそしてこれを見ろ!!」

テロリアンが指さす先を見たマジメンレッドとブルーは息を呑んだ。
殺る殺る団戦闘員の一人にお姫様抱っこされたマジメンピンク、いや窪田裕子の姿が!!変身を解かれ純白のレオタード姿のままで抱きあげられた裕子は完全に意識を失っている。

「戦いに敗れた上に、ピンクはわれらの手に堕ちた次に会うときは貴様ら2人もあの世へ送ってやる!!」
「待て、テロリアン!!ピンクをどうするつもりだ!?」

レッドが気色ばんだ。

「ククク、我らが殺る殺る団、鬼畜元帥さまの厳しいお取り調べを受け、マジメンジャーの秘密を何もかも白状することになろう」

ニヤつきながらテロリアンが続ける。

「もっとも、この娘の身体が元帥さまの拷問にどこまで耐えられるかはわからんがななにせ、元帥さまはなかなか、サディスティックなことを好まれるからなフフフ・・・ではサラバだ!!」

殺る殺る団メンバーは次々に夜空に飛び去っていく。裕子も戦闘員に抱きかかえられたまま連れ去られていく。
瓦礫から脱出するだけで精いっぱいの2人は彼らを追うことすらできなかった。ようやく、そこから脱したレッドは放心状態でうつむくブルーのつぶやきを聞いた。

「裕子・・・」

マジメンジャー初の敗北は、あまりに大きすぎる犠牲が伴った。

ここは殺る殺る団アジト地下。鬼畜元帥は目じりを下げ、満足そうにうなずいた。視線の先には円筒形のカプセル室に閉じ込められた純白のレオタード姿の美少女がいる。
彼女の名は窪田裕子。そう、マジメンジャーの一人マジメンピンクであり、魔人テロリアンの卑劣な罠にはまり囚われの身になった彼女である。
円筒形のガラスの中で裕子は不安そうな、それでその気持ちを悟られまいと必死に気丈な表情を装っている。そんな姿を目の当たりにしてより愉しそうに細い眼を瞬かせる鬼畜元帥だった。
マジメンジャーの一人を捕える事が出来たうえ、その正体が意外なほどの美少女とあって鬼畜元帥は悦びを隠せない様子だ。
彼は初老ながら美少女大好き男かつ、極度のサディストとあってこれから展開するであろう、目の前の少女へのハードな「取り調べ」を今から想像して残忍な笑みを浮かべている。

「ククク、せっかくこうしてお会いできたんだ名前くらい教えてくれないかね、お嬢さん?」

いやらしさ丸出しの表情で特殊ガラス越しの裕子に囁きかける。裕子はキッとした表情で敵将を睨んで言い放った。

「何度も言わせないで私はマジメンピンクよ!!」

たとえ敗れ去り、素顔をさらされ、囚われの身になっても正義のスーパーヒロインであることを誇示するような口調だった。裕子も18歳の女子高生であると同時に一人の女戦士なのだ。
マジメンジャーを引き受けた時から覚悟はできているつもりだった。

(お兄ちゃん、誠君・・・私、負けないから・・・一緒に闘ってきたマジメンジャーだもんね)

裕子は拳をぎゅっと握り、2人の幼馴染、そして戦友を想った。

「強情な娘は嫌いじゃないがね、ククク・・・本意ではないが、君のそのうら若き肉体に尋ねるしかないようだな」

ニヤつく鬼畜元帥の横に、先ほどまでコンピュータの前に座って何事かを調査していた殺る殺る団の技師がやってきた。

「この少女のボディーチェックが完了しましたいつでも取り調べを開始できますが・・・」
「フフフ、そうか・・・ならばすぐに始めるマジメンピンク君、見せてもらうよ、君の苦しむ様を、聞かせてもらうよ、君の悲鳴を・・・肉体嗜虐光線を流せ!!」
「八ッ」

命じられた技師がキーボードを操る。すると、カプセル室の天井から青白いレーザーが降り注ぎ、回転しながら裕子のレオタードに包まれた肉体をなぞり始めた。

「え?あッ、あッ!!、ああぁぁ〜〜〜ッ!!」

裕子は普段は柔和な瞳をカッと見開き、一瞬、何が起きたのか理解できない、という表情でその身体を仰け反らせ、そして激しく震えだした。

テロリアンに己の武器スパンキングリボンでいたぶらた時とは比較にならない、想像を絶する苦痛が脳天からつま先まで駆け廻る。

「ああうぅ〜ああぁぁ〜〜ッ・・・」

ビクンビクンと肉体が弾む。もはや自分で抑制しようにも、肉体的な苦痛に身体が勝手に反応してしまうのだ。そんな裕子の様子をガラス越しに小気味よく眺める鬼畜元帥。

「中々良い表情だね、お嬢さん、いやマジメンピンク君」

鬼畜元帥は得意げに笑う。

「この我が殺る殺る団科学技術班特製の拷問室は、被拷問者の身体をいかようにも自由にコントロールできる五感の神経を操ることもできるし、性感帯も把握できる」

鬼畜元帥は苦しむ裕子の姿に性的興奮を覚え、かつ正義のヒロインをいたぶっているという征服欲に陶酔しているかのような表情で語りかける。

「苦しかろう、苦しかろう?マジメンピンク君君の身体的な特徴はすべて調べさせてもらったよ」

助平な顔つきで鬼畜元帥が続ける。

「人間にはそれぞれ特徴があるそのレーザーは君の身体が最も痛みを感じるタイプの刺激をプログラミングしてあるいわば、マジメンピンク君への私からの贈り物だよ、ククク・・・」

鬼畜元帥が優越感に浸っている間にも、裕子は脳ミソを洗い出され、心臓をわしづかみにされ、そして腸を引き出される様な苦痛に苛まれ、愛らしい顔をクシャクシャにせざるを得ない。
自然に目じりに涙があふれ出る。まるでフルマラソンを完走したかのように心臓がバクバクと脈打ち激しい頭痛に襲われる。

「いやあぁぁ〜〜〜ッきゃああぁぁ〜〜〜ッ!!」

レーザーでなぞられるたびに新体操で鍛えた健康的なナイスバディが棒のように硬直し、自分でも信じられないほどの悲鳴をあげ、天を仰ぐ。

「おやおや、まだ初めて5分と経たないのにその苦しみようでは先が思いやられるぞ」

サディスティックな表情で高笑いの元帥。

「君を本格的に責め苛むのはこれからだ!!この娘が意識を失わない程度のレベルで苦痛のパワーを上げなさい」

再び、技師に残酷な指令を出す鬼畜元帥。その白衣をまとった技師がキーボードを叩く。すると先ほどよりも裕子の肉体を嬲っていたレーザーが徐々に太くなり、回転の速度も速まっていく。
それと比例して裕子の悲鳴も大きくなってゆく。

「いッ、いッ、いやッ、いやああぁぁ〜〜ッああうううああぁぁぁ〜〜〜〜ッッ!!!!」

普段は可愛い裕子の顔も想像を絶する苦痛により、まるで世の末でも目の当たりにしたかのような目つきで半白眼を出し、口を大きく開け絶叫する裕子。

「どうかね?そろそろ白状しては君の仲間はどこの誰だ!?そしてマジメンジャーを結成させた首謀者は誰だ!?吐け!!」

裕子は既に意識を失う寸前の限界点に立たされたまま、ただただ苦痛に喘ぎ苦しむだけの状態だ。それでも彼女は必死に闘い続けていた。

(ああ・・・耐えなくっちゃ・・・耐え忍ばなくっちゃ・・・私は・・・マジメンジャーの一人・・・マジメンピンクだもん・・・)

裕子は気丈だ。

(こんな奴らに負けちゃったら東京は、世の中が、みんなの暮らしがめちゃくちゃになるもんだから私、負けられないそうだよね、お兄ちゃん、誠・・・)

心の中でつぶやいた言葉を口にする裕子。

「わ、わたしは・・・ああッ・・・」
「ふむ、ようやく何か喋る気になったか」

ほくそ笑む鬼畜元帥。しかし、拷問に苦しむ少女の口から出てきた言葉は屈服のセリフではなかった。

「私は、マジメンピンク!!あなたたちには、負けない!!」

身悶えながらも、必死に宣言する裕子、いやマジメンピンク。しかし、正義の乙女の言葉は、鬼畜元帥の怒りを掻き立て嗜虐心を煽ってしまった。

「何をぬかすかと思えば!!くそう、もはや失神してもかまわんこの女に今、与え得る限り最大のレベルのレーザーを浴びせろ!!」
「しかし、元帥これ以上痛めつけては心臓が持ちこたえられるか・・・」
「構わん!!」

技師はためらいながらもキーボードを弾いた。すると・・・。

「あ、あッ?えッ?あぅああッ!?い、いやあううぅッ!!はああうぅ〜〜!!いやああぁぁぁ〜〜ぁぅぁ〜〜ッ!!」

自分の身に起きたことが信じられない、とでも言うような表情を作った後に、断末魔の叫びを上げる裕子。
まるで肉体の中で小さな生物が暴れまわっているかのごとく、肉体をくの字に曲げたり硬直させながら、ついには痙攣が始まった。

「元帥、危険なレベルです!!」

技師の警告を受けた鬼畜元帥は表情を曇らせ悔しそうに命じた。

「よし、ここまでの拷問に耐えたご褒美だ一時中断する」

技師が再度キーボードを操作した。同時に裕子を苦しめていたレーザーが止み痙攣が止まった。

「ああ〜〜ぁ〜・・・ぁぁ・・・・」

壮絶な責め苦から解放された裕子は気の抜けたような声を発し膝をついた。
そして彼女はその場に崩れ、しなやかな肢体を横たわらせた。同時に白いレオタードに隠された秘部からちゃぷちゃぷという音が漏れ、床にあふれ出し湯気が上がった。失禁した証拠だった。

「ふっ意識を失いおったか小娘めしかし、なかなか愉しませてくれるな、マジメンピンクここまでワシのアソコをモッコリさせた女はいないぞ責め甲斐のある女だワ!!」

レオタードの股間が濡れ、アンダーヘアまでくっきりと張り付いた裕子の姿は艶めかしい。
サディストを公言し、拷問のプロを自認する鬼畜元帥はその姿に新たな責め苦の手法を思いつき、ニンマリと笑った。そして思いついたように技師に命じた。

「この娘の尿は保存しろ!!」

美少女かつスーパーヒロインの失禁に異常なフェティシズムを覚えたようだった。

前篇終わり






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