A 第2章 弱点
シチュエーション


−TAC本部−

岩本博士に成りすまし、本部内で破壊活動を行っていた怪しい男を追跡する夕子。
追い詰められた男は異星人である正体を現し反撃してきた。

やむなくタックガンで射殺すると、男は「ゼットン・・・」と叫んで息絶えた。
黒い煙とともに現れる宇宙忍者ゼットン。

「ゼットン!!」絶句する夕子。

かつてウルトラマンをも敗退させた強力な怪獣だ。
だが戦うしかない。
やむなく変身する夕子には絶望的な戦いが待ち受けていた。

立ちふさがるAを無視してTAC本部へ迫るゼットン。
メタリウム光線を放つAだが、当然ゼットンには効かない。

タイマーショット、ダブルビーム、スターショット・・・。

得意の光線技を繰り出すAだが、ゼットンにはまるで効いていない。
委細構わず前進するゼットンは、後ろから羽交い絞めにしようとするAを空高く放り投げ赤い火球を続けざまに放った。

「ウエアァァー、フゥェオォー!!」

火だるまになりながら受身も取れず地面に激突するA。
身もだえ、のたうち回る間にも、ゼットンはTAC本部を破壊しつづけている!!。
ようやく立ち上がったAは、ゼットンをビルから引き剥がすとパンチ・キックを雨あられと浴びせた。

それをうるさそうに払いのけたゼットンの右手が偶然二つ目の白いカラータイマーに触れたとき、ビクッと痙攣して一瞬Aの動きが止った。
興味深げになでまわすゼットン。

Aの膝が震えだし、両手でゼットンにすがりつくように体を支える。
まだ変身して1分も立たぬうちにAのカラータイマーは点滅をはじめた。
仰向けに倒れたAに馬乗りになったゼットンの左手がAの胸に触れる。

「フゥッ!!」

吐息のような絶叫とともに痙攣したAの腕が虚空を掴むように伸びる。
カラータイマーの点滅はますます早くなってゆくが、抵抗らしい抵抗も出来ずAはゼットンの下で身悶えるばかりだ。

「様子が変だぞ?Aが危ない!!」
「ペンシルロケット発射!!」

竜隊長の決断で発射されたペンシルロケットにより、ゼットンは爆発四散した。既に消え入りそうなカラータイマーの点滅。ふらふらと立ち上がったAは既に飛び去るだけの体力も残っていなかったらしく、胸の前で腕をクロスさせ、変身を解除して消えていった。
Aの消えた後にのこされた巨大な水溜り。TACには判らなかったようだが、ヤプールはAの弱点を見抜いていた。

「フフッ、やはり女だな。口ほどにも無い奴め。」
「これまでの恨み、その体で思い知るがいい!!。」






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