少女戦士アルメリア
シチュエーション


高校三年の相川恵理は、運動能力が抜群だが、勉強はあまり出来ない普通の女子高生だった。

しかし、その生活に変化が訪れる。

「目覚めなさい、相川恵理。」
「誰・・・?」
「私は女神です。唐突なのは重々承知です。この星が奪われようとしているのです。」
「・・・?」

当初は意味が解らなかった。
しかし、話しを聞いていくにつれてどういう事なのかを理解できた。

「・・・なってくれますね?戦士アルメリアに。」
「・・・分かったわ。」
「では、力を授けます。この力を手にしたら、貴女は戻れなくなりますよ?」
「戦いが終われば戻るわ。」

その返答を聞き、恵理に力を授ける。
ピンクの色を基調としたハイレグレオタードにピンクのヘルメットを付けた状態になった恵理。

「一つ忠告があります。このスーツを付けて攻撃を受けては行けません。」
「なら、させなければいい。」

その返答を聞き、静かに女神と名乗った女性は消えていった。
それからである。彼女の苦痛の始まりは・・・。

その夢を見た日から数日、すぐに夏休みが始まった。
彼女は後々面倒なものが溜まるのは嫌いなので、夏休み前に課題を終わらせていた。

恵理は夏休みの初めから筋トレや武道の勉強を始めた。
着々と準備を進める恵理だったが、一つ不安があった。

「本当に来るのかな・・・。」

しかし、その不安を蹴散らす確かなものがあった。
机の上にあるブレスレットだった。
夢から覚めた後につけた覚えの無い七色に光るブレスレットを見たとき、現実になることを思い知った。

そして一ヵ月後。
宇宙より巨大な建造物が舞い降りた。
小さい頃に見ていたアニメや映画に出てくるUFOみたいのとは異なり、巨大な岩がそのまま宙に浮いているようなものだった。
そこから、妖しげなビームが地表に到達するとそこから軍隊のように兵士が現れた。

その兵士はというと、擬人化した動物を模しており、恐らくこの世界に順応するためになっていると思えた。
手にはマシンガン状の銃、背中にそのマシンガンのマガジンのようなものがケーブルで繋がれていた。
その異形な姿に驚き、逃げ回る市民。やがて攻撃が始まり、次々と死傷者が出てくる。

と、そこに。

「やめなさい!」

と、一人の少女が叫ぶ。
そう、恵理だ。いや、いまはアルメリアといった方がよいか。

「少女戦士アルメリア、只今参上!貴方達なんかにこの星は渡さない!」

しかし、敵は全く動じず、ただただ機械の如く攻撃をしているだけだった。
アルメリアに対しても攻撃が始まる。
当然、攻撃を避けるアルメリア。

「ビーム・リボン!えええええええい!」

手に体操選手の使うリボンのようなものを持ち、迫り来る銃弾を無効化しながら敵に近づき、次々と倒しまくる。

「いいぞぉ!アルメリアー!」
「がんばってぇ〜!」

逃げ惑う市民がいつのまにか逃げるのを止め、少女を応援する立場へと変わった。
そして。

「これで、最後!」

思いっきりリボンを振り、最後の一匹を倒し、勝利を誇示する如く力強くリボンを振った。
しかし、これは序章でしかなかった。


侵略者から大勝して以来、来る日も来る日も戦いの連続だった。
その戦いの災禍に巻き込まれ、行方不明になったり死亡したりするのが相次いだ。
しかし、戦いに手を緩めるわけに行かなかった恵理は、なおも戦い続けた。

しかしある日、突然と敵の攻撃が止まる。
兵力がそこを尽きたのか、これは反撃のチャンスだと、恵理は確信し、早速行動を開始した。
が、そこには周到に張り巡らされたトラップの数々が存在している事を、彼女が知る由もなく・・・。

「あぁ、もう、使えねぇなぁ。本当に幹部クラスの教育を受けてきたのか?」

粗暴な口調でしゃべる総督。

「い、いや、しかし・・・」

そのことを突かれ、口ごもりをしてしまう幹部数人。
彼らには、失敗が許されなかった。彼らはこれ以上の失敗を総帥に許されておらず、更に当初輸送してきた兵も二分の一を切ってしまった。

「口答えはいい。死ね」

次の瞬間、総帥の手から銃が取り出され、そこに居た幹部を皆殺しにしたのだった。

その皆殺しをした幹部達をよそに、手前の扉から人間にしては細い体系をした指揮官らしき生命体が現れた。

「総帥、私に考えがございます」

敬礼をしてから、総帥の地位にある男に率直に言った。

「聞かせてもらおう」
「この星では人間がおり、男と、女という性別に分かれて存在しているのです」
「早く用件を聞かせろ」
「色々と調べた結果、我々がてこずっているアルメリアというものはそのうち女である、という事です」
「で?」
「その女という点を使えば、勝機が見込めます。ですが、此処から先は私の独断で軍を動かさせていただきますが、宜しいですか?」

暫く総帥は考え込んだが、勝てるのならば、とそれに応じた。

「此処ね・・・。あの建造物の一番下は」

ちょうど真上に位置する宇宙要塞とでも言えるあの建造物を、理恵は眺めた。
あれを倒せば、世界は救われる。
その思いが彼女を動かそうとした。
そのとき。

「フフフ・・・ようこそ、アルメリア。我が要塞をしたから見た気分はどうですか?」
「誰だ!?」

思わず辺りを見回すと、ビルの屋上から此方を見下ろしている。

「自己紹介が遅れました。私はアルメス。どうぞお見知りおきを・・・」
「あんたがあれのボス?」
「いいえ、私は一指揮官でしかありません。総帥は色々と忙しいもので」

その返答の仕方と返答に苛立ちが生じた。

「あんたを倒せば、アレの中に連れて行ってくれる?」
「勿論です。ですが、負けてもご招待差しあげましょう」

その会話を最後に、アルメスが指を鳴らし、一斉にアルメリアを囲んだ。
ざっと10万は居る。

「こんな雑魚、コテンパンにしてあげるんだから!」

威勢で自分の指揮を高ぶらせ、ビーム・リボンを片手に前方へ走った。

「フフフ・・・ホログラムとは、こういうときに使うものですね」

弾幕を避けつつ勢いよく右手を振り上げた。
しかし、振ったときには手ごたえが感じなかった。

「ど、どうして!?」

その後縦横無尽に駆け回り全ての敵に振り上げてみるも全く効果がなかった。

「まさか・・・ホログラム!?」

しかし、それに気づいたときにはアルメリアには立つしか体力が残されていなかった。

「フフフ・・・では、じっくり嬲らせてもらうとしましょう。」

再び指を鳴らすと、地面が揺れ始めた。

「な、何!?」

立つことしか出来なくなったアルメリアはその場にしりもちをついてしまった。
振動が止まり、足元から烏賊の足のような物が現れ、次の瞬間、巨大な烏賊がアルメリアを捕らえた。

「な、何これ!?」






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