リスクとリターン2
シチュエーション


「ふぁぁああ・・・っ」

いつもどおりの朝、いつものように自然と目が覚める
しかしなんだか体に力が入らない・・・あぁ、そうか

「まだやってたの・・・(怒)」

外からはオーライ、オーライ、という現場特有の威勢の良い掛け声や命令が聞こえてくる
他にも重機の動く音、何かを壊すような音、もう少し静かに出来ないのだろうか

昨日の真夜中から始まったこの騒音騒ぎは、アイツの仕業なのだ
ここにモニターやらパソコンやらを運び込もうとしているだけ・・・なのだが
アイツの話では隣の部屋を一つ貸し切っていて、さらにそこ一杯にパソコンの本体があるらしい
数台のパソコンがあるのではなく、パソコン1台で部屋のスペースの殆どを埋め尽くしたとか
そしてソレを動かそうにも部屋の中でコンピュータの部品をせっせと運んで本体を組み立てた為
ボトルシップを瓶から出せないように、部屋からパソコンを出す事が出来ないらしい

そこで諦めるかと思ったアイツは・・・予想外の行動を取った
重機数台を稼動し、軍用ヘリを持ち出しての引越し騒動
ヤツの話では1トンに及ぶパソコンの本体を運ぶ為に
2階立てアパートの屋根を切り取り、さらにヘリからワイヤーを使って部屋から摘出
そして大型トラックに運び込み、この家まで持ってくる
大家と散々モメたらしいが、泣きながら頼み込んだらどうにか許可が下りたという
恐らく金にモノを言わせた筈だ、正確には、某企業から奪った金で
何故かヤツがこの家にパソコンと共に来た時には、周囲に黒服の方々がワイワイ楽しそうに騒いでいたので
頼み込むお供にいたに違いない、恐らく泣いていたのは大家の方だろう

そして昨日の深夜2時辺りから始まった騒音騒ぎ、
どうやらウチの3階の屋根を切り取り、パソコンを入れたらまた塞ぐつもりらしい
どこぞのドールハウスじゃあるまいし、建築家の皆さんなら卒倒するような暴挙
それを平気でやり始めたお陰で、その騒音のお陰で、昨日から中々寝付けなかったのだ

「寝不足だよ・・・クマとか出来てないかな・・・」

鏡を見ながら身だしなみを整え、制服に着替え終わった所で、部屋から出たところで

「きゃっ」
「オ嬢サマ、オハヨウゴザマス」
「・・・・・・驚かさないでよ」

ドアを開けると、そこには長身で褐色肌の大女、元SPのジェーン真柴が待ち構えていた
油断していた所にこの迫力は心臓に悪い

「何かあったの?」
「ボスカラ、伝言ヲ預カッテ来マシタ」
「ボス・・・あぁ、臣斗ね、で、どんな伝言?」
「コノ紙ニ・・・エト・・・『7時15分マデニ・・・かく・・・し・・・しょ・・・」
「ちょっと貸して」

ジェーンの手から紙切れをひったくる

「えーと・・・『7時15分までに3階の書斎室まで来るように』」

あぁ、書斎って字が読めなかったのか、漢字って難しいもんね

「ジャ、失礼シテマシタ」
「いや、ちょ・・・7時15分って・・・あと5分じゃない、ゴハンは!?」
「ダイジョブデス、ミンナ朝ゴハン抜キデス」
「・・・・・・もちょっと詳しく」
「コックサン、ヒツジサン、ミンナクビニナリマシタ、作ル人イマセン^^」

握りこぶしに親指を突き出した例の手の形を取ったあと、輝くような笑顔で颯爽と黒人は走り出した

「ちょ、ま・・・ウソ・・・じゃ弁当も無いの・・・?」
「HAHAHAHAHA、武士は食わねどつまようじデース」

ジェーンの姿は無いがどこからか声が聞こえてくる
こんな陽気なキャラだっけ?ジェーン・・・


「朝ゴハン・・・」

書斎室に入るなり、口から出た第一声はこれだった

「・・・・・・そんなにハラが減ってたのか?」

仕方ないでしょ・・・昨日は朝しか食べてなかったんだもん・・・

「まぁいいや、ホレ、こんなので良けりゃあるぞ?」

臣斗が書斎室の物々しい机の上に取り出したのはコンビニの袋

「まーコンビニ弁当で良ければな、ハラの足しにはなるだろ」
「・・・・・・」
「ホレ、とりあえず座って座って、ハラが減ってるんだろ?」


コンビニ弁当は、いつも食べてる豪華な料理に比べれば非常に粗末な物だったが
食べ始めると自分で考えていたより腹が減っていたのだろう、気付けば残さず食べつくしていた

「サーて、そーだなー・・・とりあえず今日はー・・・あんまりハードなのもアレだしなー・・・」

弁当が殆ど無くなった辺りから、何やら呻き始めた臣斗が、考えが纏まったらしく、こちらに向き直った

「サツキ、ちょっとここでオナニーして」

「・・・・・・え?」
「とりあえず今日は忙しいからさ、オナニーだけでいいよ」
「・・・・・・」
「ん?何固まってるの?やった事くらいあるでしょ?」

言ってる意味が分からなかった
いきなりコイツは何を言い出すんだ・・・?
もう完全に頭は真っ白になった

「あー・・・もしかして分かってなかった?
何でも言う事聞くってったから分かってるのかと思ってたよ」

段々少しずつ意識が追いついてきた

「バ、バッカじゃないの!?何でそんなコト・・・!!」
「んー、まぁいいか
選択肢は二つだよ?従うか、ここから出て行くか」
「・・・・・・!」

言葉を失った
オタクってのはこういうヘンタイばかりなのだろうか

「オ〜イ、やるのかやらないのか早くしてくれよ、今日は忙しいんだ」
「・・・・・・ッ、や、やるわよ!!やればいいんでしょ!!」
「うんうん、じゃ、ガンバって〜」

昨日の取引を、早くも後悔していた


「ッ・・・」

恐る恐る、ショーツ越しに指を擦り付ける

「ちょっと、そんなジロジロ見ないでよ」
「まーまー気にしないで、続けて続けて」

こ・・・こうかしら・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・

「えーとさ・・・まさかとは思うんだけどさ・・・」

いつまでも指の腹で秘所をもどかしく擦っている私に、遠慮がちに声がかかる

「オレの前だからそんななの?それともまさか・・・オナニーした事・・・無い・・・とか?」

や、やっぱり何かやり方が違うの?

「えーとさ・・・オレもよく知らないんだけど・・・もっと強くしてもいいんじゃないかな?
ていうか・・・ホントにオナニーした事無いの?」
「な・・・・・・無いわよ・・・!!そんな事・・・」

『うわ〜うわ〜・・・希少種だ〜・・・オナニーした事無い高校生って・・・』

「強く・・・んっ」

今、なんか・・・

「あっ・・・ん・・・」

少しずつショーツが湿り気を帯びる
それと共に、サツキの声にも艶が混じり始める

「何か・・・ヘンな感じね・・・指が止まらない・・・」
「んー・・・とりあえずさ・・・パンツ越しじゃなくて直に触ってみたら?」
「わ、かってるわよ・・・」

臣斗の目線を気にし、一瞬ためらったのち、秘所を覆い隠している布をずらし、大陰唇に触れる

「あっ・・・」

少なからず蜜をたたえたソコに触れるた瞬間、今まで感じた事の無い感覚が全身に走った

ここ・・・入れたら・・・どうなるんだろう・・・

恐る恐る入り口をなぞりながら、指を膣内に滑り込ませていく

「あ・・・はっ・・・や、ん・・・くぅ・・・」

今まで性生活は知識としてしか知らなかったサツキは、あっという間に快感に呑み込まれていった

クチュリ・・・クチュ・・・クチャ・・・グチュ・・・

「はぁ・・・はっ・・・はぁ・・・」

クチャ・・・グヂ・・・クチュッ・・・


「おー、随分気に入ったみたいだねぇ」
「!!」

オナニーショーを初めてから随分没頭して忘れていたが、見られていたのだ
その声がサツキを現実に引き戻し、淫靡な音に終止符を打つ

「まー段々動きは激しくなってきたんだけどさ、こういうの使った方がキモチ良いんじゃないかな」

取り出したのは毒々しいピンクに包まれた道具
タネの形をした先端から、恐らく本体と思われる丸い物体までコードが延びている

「んー・・・ちょっと待ってよ〜・・・オシ、入った」

丸い物体にこれまた丸い電池を入れる
そのモタついてる間にも、快感を求めて体が疼き、秘所に触れたままの指先が自然に動き始める

「あー、ちょいストップ、ちょっとゴメンよ〜」
「な、何するのよ・・・」

手を掴み、スカートの下から引き抜き、後ろの方へ回る

「・・・・・?」
「でもって・・・」

後ろでガサガサやっていたかと思うと、背中越しに後ろからもう片方の手も捕まえる

「ちょっと・・・!!」

そして両手を後ろに回して、臣斗の片方の手で押えられた所で、いきなり片方の手に金属の感触が走る
カシャン、という軽い音がし、何かが嵌った
慌てて振りほどこうとしたが、もう片方の手は臣斗の手でガッチリ押えられていた
そのまま、もう片方の手にも同じ事が起きる

「ちょ、ちょっと・・・」
「いやさ・・・悪いとは思ったんだけど・・・暴れられても困るんでさ・・・手錠?」
「ッッ・・・な、何するのよ・・・」
「アハハ・・・キモチ良い事だよ」

臣斗が、机の上に置き去りにされた、小さなピンクを取る

「まー・・・ちょっとゴメンね、驚くかも」

また後ろに回り、ピンクを持っていない方で手錠の鎖を押える

「逃げやしないわよ・・・」
「ハハ・・・」

そして、ピンク色の物体を持った手で、パンツの中にタネ型の先端を放り込む
敏感になった部分が、タネがどうやら秘所の入り口に落ちた事を知らせた

「でもって、コレがスイッチね」

臣斗が、直径3センチ程の丸い物体を見せる、どうやら色々スイッチが付いているようだ
その内一つを臣斗が目の前で押した

「ン!!やっ・・・あ、コレ・・・くぅっ・・・」
「ハハ・・・ガンバ〜」

手錠で手が塞がれ、タネを取り出せない以上、ただただ受け入れるしかなかった

「バカ、やめっ・・・止めて、やだっ・・・あぁんっ」
「とりあえず次行ってみようか〜」

殆ど見る余裕は無かったが、目の前に持ってきた丸いモノのスイッチをまた押した事は分かった
その瞬間、

「ひァァァァっっ!!!!や、ああぁんっ、やだっ、ダメぇっっ」

手錠で押えられ、ただ悶える事しか出来ない
必死に足を擦り、快感の波に抗おうとするが、どうしようもない

「さて、キモチ良いんだよね?」
「くぅぅっ・・・」
「ホラ、答えて、こういうコトされて、キモチが良いんだよね?」
「うるさいっっ・・・」
「まぁいいや、そろそろ時間も無いし、終わろうか」

そう言い、臣斗はリモコンを離し、ショーツに手を伸ばす

「コラ、どこ触ってるんだよ、や、ダメ」
「もっとキモチ良くしてやるって」

ただでさえ限界一杯なのだが、臣斗がタネを押し込んだ
すると自然とタネは、強く押し付けられ、中に進入してくる

「やっ、あっ、あっダメダメダメダメぇぇっっ、」

何か、来るッッ、やっ、イヤ、来るゥ──!!

「くっ、は、ああぁぁんっっ」

全身が痙攣し、限界を超えた事だけが理解できた

「オシ、イったな」

私が達した事を見届け、タネの振動を止める

「はぁ・・・はぁ・・・」
「これはローターって名前でね、ちゃんと覚えてよ」

まともに息すら出来ない私から離れ、机の後ろ辺りを探り、鍵を取り出す

手首が開放され、息も整ってきた

「アナタねぇっっ、何考えてるのよ、ヘンタイ!!」
「まぁまぁ、そろそろ学校に行かないと遅刻しちゃうよ?」

時計の針は8時半を知らせていた、確かにそろそろ焦らないといけない

「ッ・・・このヘンタイ男!!バカオタク!!死んじゃえッ!!」

ダメだ・・・一瞬良いヤツかと思ったけど・・・ダメだ、もう色々とダメ・・・


ぐしょぐしょになったパンツを大急ぎで替え、ジェーンが待っている車に乗り込む

「急いで!!」
「イエッサー」

普段の運転手ならもう少し丁寧な動きだったろう、運転の素人に近いジェーンに言ったのが間違いだった

「きゃあっ」

カーブに入った途端、慣性の法則に従い、車のドアに押し付けられる

「危なっっ・・・ちょ、こんなに飛ばして大丈夫なの!?」
「ダイジョウブ、モウ誰ニモ止メラレナイネ」
「!!ちょ、今の赤信・・・きゃっ、やめ、そこ一時停止・・・!!きゃああああッッ」
「私ハ風、風ニナル!!」

スポーツカーさながらの運転で、黒塗りの車が疾走していく
その様を目撃した数少ない人間は言った、命を粗末にしすぎじゃないか、と・・・
ドリフトや片輪走行を駆使し、k察の方に見つかれば罰金減点通り越して免許剥奪は免れまい

「ていうかアナタっ、免許は!?」
「HAHAHA、ダイジョブデス、私クルマ運転ハジメテデス、ビギナーズラックデおk、デース」
「イヤァァァァ、前!!前見て前───!!」


奇跡的に、本当に奇跡が起きたのかビギナーズラックなのか
どうにか通行人にも乗員にも不幸な犠牲者は出ず、学校まで辿り着いた

「あは、あはははは・・・」

車から降りた彼女は、これまでの人生で最も疲れきった顔で、生きている事の幸せを噛み締めていた

「マタ、迎エニ来マス、首洗ッテ待ッテテクダサイ」

来る時と同じ運転で去っていく高級車、横から見ると更に怖くなってくる

「よく生きてたなぁ、私、よく生きてたよ・・・私」

さっきの運転を思い返して恐怖に震えているその時、携帯の着信音が響く

「(見た事無い番号・・・アイツだな)ハイもしもし、臣斗?」
「あー、とりあえず車の中で遅刻するかしないかの瀬戸際なトコ悪いけどさ・・・」
「・・・もう着いたわよ」
「えっ、ウソ、早すぎ!!」
「どんだけ怖い思いしたと思ってるのよ!!」
「荒んでるね・・・何があったの?」
「ジェーンが・・・通学路でF1やったの・・・運転するの初めてって・・・」
「(;゚Д゚)・・・・・・!!今朝運転出来るかって聞いたらヤレバデキルって・・・」
「バカ!!」
「いや、あの・・・ゴメンなさい」
「もういいわよ・・・用件は何?」
「とりあえず先生に臣斗は今日休むって伝えてくだし・・・スミマセンでした・・・」
「ふんっっ、だ」

携帯を切る前に、どうやってこの番号に電話したのか聞こうかと思ったが
何だか癪だったし、違法な手段な事は明らかだったのでそのまま切った

「もうイヤ・・・」

─その頃の臣斗─

「オウ兄ちゃん、根性ねーな」
「オラ、へばってんじゃねーよ!!コレ運べ!!」

現場の方々をジェーンが手伝ったところプロより手際と体力が良く
ジェーンが運転の為に席を外した後、なんだか流れでジェーンの親戚と説明した臣斗も手伝う事になった

「ぐぬぬぬぬ・・・!!」
『お前ら・・・雇い主オレだぞ・・・何ちゃっかり働かせて・・・』
「オウ、みんな、休憩にすっぞー」
「あいよー」
「小僧、お前もメシ食ってけ!!」
「あ、はい・・・ありがとうございます・・・」

現場の雰囲気には、有無を言わせず空気を読ませる力がある
その後、何だか現場の方と仲良くなった臣斗は、夕方の作業が終わるまで付き合う事になり
筋肉痛と疲労で2〜3日動けなくなったそうな(ジェーンは平気)






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