ヘンタイお姉さん ツクバ薪割り
シチュエーション


 午前中の授業が終わり、お昼休みになると、クラスの皆は各々鞄からお弁当を出したり、
学食めがけ、走り出したりしている。
でも僕は、机に座ったまま、ある人が尋ねてくるのを待っているんだ。
高校に入学してから毎日続いている事なんだけど、いつまで経っても慣れないや。
だって、僕を尋ねてくる人は、この学校で一番の……

「林原栄一くんはいらっしゃいます?」

 その人のことを思い浮かべていると、僕の名前を呼ぶ女性の声が。
クラスの皆は、毎日来ると知っているはずなのに、その人が来ると、一瞬静まり返っちゃう。
ビックリしている、って訳じゃないんだよ。全員その人に見とれているんだよね。
だってその人は、この学校で一番の……ううん、僕たちが住む地域で一番の美貌を持つ、お嬢様なんだから。

「亜理紗お姉さん、こんにちは」

 皆が見とれているその人に僕は挨拶をする。
僕が挨拶をすると、僕のほうを見てニコリと微笑み、近づいてきた。
 
「栄一くん、こんにちは。さ、お昼御飯にしましょうか?」

 亜理紗さんのその両手には、小さなお弁当箱と、一回り大きいお弁当箱が持たれている。
そして、大きいほうのお弁当箱を僕に差し出し、ニコリとほほ笑む。
僕はその光り輝くような笑顔に、顔を赤く染めながら、お弁当を受け取る。
亜理紗さん、毎日僕とお昼御飯を食べるために、早起きして作ってきてくれるんだ。
亜理紗さん……花京院亜理紗さん、は僕の家の隣に住む超がつくほどのお嬢様。
隣といっても、表現上は隣なだけで、僕の家から亜理紗さんの家は全く見えない。
それほど広い敷地を持つお屋敷に住んでいる亜理紗さんだけど、
小さい頃からずっと、僕のことを弟のように可愛がってくれているんだ。
一人っ子の僕たちは、お互いを姉と弟のように思い、今まで過ごしてきた。
でも、最近僕にはそれが重荷になってきている。
だって、小さい頃は思いもしなかったけど、僕と亜理紗さんは、立場が違いすぎるんだ。
超名家の生まれで、成績優秀、超がつくほどの美貌とスタイルの持ち主の亜理紗お姉さんと、
平凡なサラリーマン一家に生まれた、何のとりえもない僕とが、こんな親しくしてもらっててもいいのかなって。
クラスメートや学校の皆からの視線も痛いし、そして何より、僕と亜理紗さんの立場の違いが僕の胸を痛ませる。
この痛みの原因は、分かっているんだ。でも、僕のような平凡な男が、亜理紗さんのような素敵な人の事を……

「あ、うん、亜理紗お姉さん、いつもありがとう」
「うふふふ、急にお礼を言うなんて、どうしたのかしら?熱でもあるのかな?」

 少し暗い気持ちになって、お弁当を受け取る。
普段は照れて言えないお礼を言った事が珍しかったのか、輝くような笑顔で、熱でもあるのかなと、僕の額に手を当ててきた。
わ!わわわ!亜理紗さんの手が!白くて細い指の手が僕のおでこに!

「わわ!ね、熱なんてないです!そ、それより早く御飯を食べましょう!」
「そんなに焦って、どうしたの?そんなにお腹が空いてるの?うふふ、実はわたしもお腹ぺこぺこなの」

 亜理紗さんの思ったよりも冷たい手の感触に驚いて、慌てて立ち上がる僕。
そんな僕の様子に、お腹が空いていると勘違いしてくれた亜理紗さんは、
私もお腹が空いているのと、その細いお腹に手を当ててほほ笑む。
そんな僕に向けてくれた笑顔に見とれながら、いつも二人で御飯を食べる屋上へと肩を並べて向かう。
……好きな人と過ごせる、幸せでいて残酷な、こんな贅沢な時がいつまでも続いてほしい、そう願いながら。

「林原栄一くんはいらっしゃいます?」

 午前のつまらない授業を終えて、毎朝作っているお弁当2個を持ち、一年生の教室へと向かう。
……はぁはぁはぁ、今日もカワイイ顔を見せてくれるのかしら?
萌えさせてくれるのかしら?……今日こそは、気づかれちゃったりして?あぁん!気づかれちゃったらどうしましょ?
期待と萌えにはぁはぁしながら、目的地の教室のドアを開ける。
ドアを開けると、いつもの席に、いつものように少し暗い表情で彼は座っていましたわ。
……そのちょっと暗い表情に萌えですわ!

「あ、亜理紗お姉さん、こんにちは」

 さきほどまでの暗い表情とは打って変わって、明るい笑顔で挨拶をしてくれる栄一くん。
……あぁん、表情のギャップに萌えますわ。毎度のことながら、キュンキュンしちゃいますわ。

「栄一くん、こんにちは。さ、お昼御飯にしましょうか?」

 キュンキュンしながら私も笑顔で挨拶をする。
そして、今日の朝、栄一くんのためだけに作ったお弁当を手渡す。……今日こそは気づいてくれるのかしら?
気づかれちゃったらどうしましょ?嫌われたりしちゃったりして?この素直で優しい栄一くんに嫌われる?
……あぁぁん!もう考えるだけでキュンキュンが萌え萌えでたまりませんわ!

「あ、うん、亜理紗お姉さん、いつもありがとう」

 照れながらお弁当を受け取る栄一くん。
毎日の事なのに、まだ照れているんですわね?……でも、そこが萌えですわ!
いつもありがとうだなんて……それはこちらの台詞ですわ。
いつも美味しい物を見せてくださって、ありがとう、ですわ。

「うふふふ、急にお礼を言うなんて、どうしたのかしら?熱でもあるのかしら?」

 少し頬を赤く染め、お礼を言ってきた素直な栄一くんに悪戯をしたくなり、そのおでこに手を当てて、熱を測るフリをする。
さぁ栄一くん、今日はどんなリアクションで萌えさせて下さるのかしら?キュンキュンさせてくださいな? 

「わわ!ね、熱なんてないです!そ、それより早く御飯を食べましょう!」

 急におでこを触られて驚いたのか、慌てて立ち上がる栄一くん。
あぁん、教科書どおりのリアクションも、可愛くていいですわ!今日の萌え、いただきました!

「そんなに焦って、どうしたのかしら?お腹が空いてるの?うふふ、実はわたしもお腹ぺこぺこなの」

 そう、ぺこぺこなんですの。萌えに餓えちゃってますの。
今日も栄一くんの萌えでこの飢えを満たせてくださいな?
うふふふふふふ、ドキドキしちゃいますわ。今日こそ気づかれちゃうのかと思うと、ドキドキでワクワクですわ!

 屋上に着くと、いつものベンチに並んで座り、お弁当箱のふたを開ける。
そこには色とりどりの数種類のおかずと、ちょっと形が崩れているおにぎりが数個並んでいた。
亜理紗さん、おにぎりは作るのが苦手みたいなんだよね。でも味は最高なんだ!
その美味しそうなお弁当がこの中身にゴクリと唾を飲み込んでしまう。

「うん、いただきま〜す」

 両手をあわせ、いつもお弁当を作ってくれる亜理紗さんに感謝しながらおかずを口に運ぶ。
……うん、美味しい!お母さんには悪いけど、亜理紗さんの作った料理が一番美味しいよ!

「今日のお弁当はどうかしら?栄一くんのために身体を張って作ったの。美味しく食べてね?」
「すっごく美味しいよ!亜理紗お姉さん、いつもありがとう!」

 あまりの美味しさに夢中で箸を進めてパクパクと食べ進める。
そんな僕を嬉しそうな優しい表情で見つめてくれる亜理紗さん。
大好きな亜理紗さんに、見つめられていると思うと……恥ずかしくなり、がっつくようにお弁当を食べ進めてしまう。

「うふふふふ、そんなに美味しく食べてもらうと、作ったかいがありますわね。
食後のデザートにバナナも持ってきてますから一緒に食べましょうね」

 口いっぱいに御飯をほうりこんだまま、うんと頷く。
亜里沙さん、お嬢様なのにバナナが大好きなんだよね。意外と庶民派なのかな?
亜理紗さんの視線に顔を赤く染めながら、一気に美味しいお弁当を食べ終える。 

「ふぅ〜、美味しかったです、ご馳走様でした!」
「お粗末さまでした。はい、バナナ。私、皮を剥くのが大好きなの。だから栄一くんのも剥かせてね?」

 ニコリとほほ笑んでくれた亜理紗さんは、デザートのバナナの皮を剥いて手渡してくれた。
僕はその光り輝くような笑顔から視線を逸らしながらバナナを受け取る。
こ、こんな間近でそんな笑顔を見せられたら、恥ずかしくなって視線逸らしちゃうよ。
僕がバナナを黙々と口に運んでいると、亜里沙さんもお弁当を食べ終えて、バナナを食べはじめた。
丁寧にバナナの皮を剥き、ぱくりとパクつく亜里沙さん。
亜里沙さんってバナナ大好きだよね。大きな口を開けてぱくりと食べちゃうんだから。
バナナを大きな口で、ぱくりと。……バナナを、ぱくりと。
バナナってさ、よくアレに例えられるよね?そのバナナを、パクリと……
……だ、ダメだ!なにヘンなことを考えているんだよ!亜里沙さんでそんな事を考えるなんて、僕って最低だ!
最低だと分かっていながらも、最低な妄想を止められない僕。
亜里沙さんがバナナを食べ終わるまで、その妄想を続けちゃった。
バナナを食べ終えた亜里沙さんは、両手を合わせてご馳走様と微笑んだ。
その微笑みに、僕はさっきまでの妄想を忘れ、見惚れてしまった。

「栄一くん、今日も一緒に帰りましょうね?じゃ、また放課後にね」

 亜里沙さんの笑顔に見惚れている僕に、また放課後にねと言葉を残し、
お弁当箱2つを持って教室へと帰っていった亜里沙さん。
素敵な笑顔を残して去っていった亜里沙さん。
僕は素敵な笑顔に、自分の思いが痛いほど強くなるのを感じてしまった。

 お弁当の蓋を開け、目を輝かす栄一くん。
毎日食べているのに、何故毎回毎回可愛いリアクションをしてくれるのかしら?……萌えますわね。

「うん、いただきま〜す」

 両手を合わせ、いただきますと声をあげ、箸をハンバーグに向ける。
はぁはぁはぁ、そのハンバーグ、どこで形を整えたと思っているのかしら?
胸の谷間で形を整えたとは思いもしないでしょうね。
うふふふふふふふふふふ、栄一くん、君は私が胸で挟んで形を整えたハンバーグをパクパクと食べているのよ?

「今日のお弁当はどうかしら?栄一くんのために身体を張って作ったの。美味しく食べてね?」

 そう、身体を張って作りましたのよ?
おにぎりは両足で、足コキの要領でニギニギと握りましたの。君は毎日足で握られたオニギリを食べているのよ?
……梅干を入れる穴を乳首で開けようとしたのは失敗でしたわ。
乳首を立ててオニギリを押し当てたまではよかったのですが、熱くて胸を火傷するかと思いましたわ。
……まるで栄一くんにロウソクを垂らされたように感じちゃいましたわ。

「すっごく美味しいよ!亜理紗お姉さん、いつもありがとう!」

 うふふふふふふ、君はいつになったら気づいてくれるのかしら?
毎日作っているお弁当、実は裸で作っているのよ?エプロンも着けずに裸で作っているの。
でもね、今日は趣向を変えて靴下を履いて作っちゃったの。
身に着けている衣服は靴下だけ。そんな恥ずかしい姿で作ったお弁当を、君は美味しく食べちゃってるのよ?
はぁはぁはぁ、何も知らずに食べてる栄一くんに萌えますわ!キュンキュンなんですわぁ!

「うふふふふ、そんなに美味しく食べてもらうと、作ったかいがありますわね。
食後のデザートにバナナも持ってきてますから一緒に食べましょうね」

 そう、作ったかいがあるというものですわ。
こんなキュンキュンする食べ方をしてくれるなんて、もう、萌え萌えなんですわ!

「ふぅ〜、美味しかったです、ご馳走様でした!」

 私が裸に靴下だけと言う姿で作ったお弁当を、何も知らずに御飯粒一粒残さす食べきった栄一くん。
その御飯を炊く時も、足でお米を洗っているなんて思いもしないでしょうね。
……はぁはぁですわ!萌え萌えなんですわ!何も知らずに美味しく食べてくれる栄一くんにキュンキュンなんですわ!

「お粗末さまでした。はい、バナナ。私、皮を剥くのが大好きなの。だから栄一くんのも剥かせてね?」

 栄一くんの笑顔にキュンキュンしながらカバンからバナナを取り出し、見せ付けるように皮を剥く。
うふふふふふ、栄一くんのバナナはこんなに大きく育っちゃってるのかしら?
幼い頃に見た栄一くんのはポークビッツでしたわ。今ではどう成長してるんでしょ?
ウインナーくらいかしら?それともバナナになっちゃったのかしら?
あぁん!栄一くんのバナナの皮をむきむきしてあげたいですわ!
栄一くんに見せ付けるようにバナナを皮をむきむきして、栄一くんに渡す。
そして、私の分のバナナをやはり見せ付けるようにして口に運ぶ。
喉の奥まで飲み込むように口にいれ、しゃぶるようにしながらぱくりと食べる。
あぁん、栄一くんに見られてますわ!えっちな食べ方をしてるところ、しっかりと見られちゃってるんですわ!
赤い顔して見ている栄一くん。その赤い顔に萌えですわ!キュンキュンしちゃいますわぁ!

「栄一くん、今日も一緒に帰りましょうね?じゃ、また放課後にね」

 キュンキュンしながらもバナナを食べ終えお腹いっぱいになった私。
もう萌えでお腹いっぱいですわぁ……放課後はお部屋で萌え萌えしちゃいましょ。
可愛い栄一くんのせいで濡れてしまった下着をはきかえる為にお弁当箱を受け取り急いでトイレへと向かう。
あぁん、放課後は下着をはかずに帰っちゃおうかしら?
栄一くんに気づかれたらどうしましょ?もし気づかれたらと考えるだけで……キュンキュンが萌え萌えで濡れ濡れですわぁ!






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