まぞが島物語 背徳への誘い
シチュエーション


日は昇り、蒸し暑い一日が始まっている。

家へ帰り着くと、松吉は庭先でアヤの鎖を外した。
そして背後に回り、手首の縄を解く。

「ほれ、もう我慢できんじゃろ。先に入って支度をせい!」

松吉は犬を放つように、アヤの尻を叩いた。

「・・はい」

アヤは尻を叩かれることに対して、もはや抵抗感を失っている。
アヤは家の中へ一目散に駆け込み、自分の部屋へ入る。
そして、押し入れから自分の布団を取り出し、まっ白なシーツで被う。

アヤにとって、昨日まで考えもしなかったことだ。
隣に住む貧相な老人・・異性としてまるで意識をしなかった存在。
愛情のかけらさえ感じたことのない人間。
それが今、自分に冷酷で甘美な命令を下す、絶対的な主人となっている。
アヤは取り憑かれたように、その老人との性行為をするため、布団を用意する。
それもアヤが毎日寝起きする、自分だけのプライベートの場所と寝具で。
これから、その老人をここに迎え入れるのだ・・抱いてもらうために。
押さえきれない肉体の疼きを、いやしてもらうために。

はしたない行為だとは、もちろんわかっている。
嘲笑され侮蔑される行為だと、痛いほどわかっている。

(アヤ。おまえはへんたいなのよ! へんたいなんだからっ!)

アヤは自分自身を罵る。

(いいの いまは・・いまだけは アレがほしい)

そして夜明けに自分の口を蹂躙した、松吉の巨大な陰茎を思い出す。
アヤの陰部はすでに、松吉の巨根を待ち焦がれて、じっとりと濡れている。

アヤは皺一つ無いようにシーツを整え、枕を二つきちんと並べて置く。
ふと脳裏を将晃の面影がよぎる。

(まさあきくん・・ごめんね・・)

2年の間に、たくましく成長した将晃の姿が、まぶたに焼き付いている。

(まさあきくん・・素敵だったよ かっこよくなってた)

しかし、我に返るとアヤは頭を横にふった。

(だめっ!わすれなくちゃ 私はこれから松吉さんに抱いてもらうんだから!)

アヤは褌を外し、きちんと折りたたんで枕元に置く。
裸身に唯一身に付けているのは、細い首に巻かれた黒い首輪だけだ。
それに手を掛けるが、動きを止め、外すことを思いとどまる。

(これは 外しちゃいけない 松吉さんが許してくださるまで)

アヤは布団の傍らで正座をして、松吉を待った。


「可愛い雌犬じゃ。アヤ。そんなにワシが欲しいか?」

まもなく松吉が悠然と部屋に入ってきた。
松吉は、きれいに敷かれた布団とその上に並べられた二つの枕を眺め、満足そうに笑った。
松吉はすでに衣服を脱ぎ、全裸になっている。
肉のそげ落ちた貧弱な老体に、不釣り合いな巨根が目を引く。

「・・は  はい と・・とても ほしいんです」

(これから これが はいる わたしのなかに)

アヤは黒く大きな瞳を潤ませて答える。

アヤは18才になって3週間が過ぎていた。
つまり源三の手を離れてから3週間が経っている。
もちろんその間、男性との性行為は行っていない。
アヤは17才になってから一年間のほとんどの時間を、源三に犯され続けた。
男の欲望に慣らされたアヤの肉体は乾ききり、施しを求め始めている。
性行為を嫌う意志に逆らい、アヤの肉体は男の肉体に飢えていた。
そしてその肉体の飢えは、貞操観念を蝕むほど、限界を超えていた。

(おおっきいっ・・すごい!)

アヤは松吉の巨根に見とれ、それが与えてくれるであろう悦楽にときめいた。

「何が欲しいんじゃ?アヤ」

松吉は自慢げに己の巨根を見せつける。

「これ・・これです・・」
アヤは松吉の巨根に引き寄せられるように、顔を近づける。

その一物は、アヤがすっかり垢を舐め取ったため、先ほどの汚臭を発していない。
赤黒く光り、そそり立ったその巨根は、アヤを淫欲の世界へと誘っている。

(すき すきなの! これ)

アヤは両手で松吉の巨根を撫で、うっとりとその一物に見とれる。
その瞳からは、あどけなさが消え、淫靡な輝きで光っている。

アヤはその切っ先に口づけをしようと、唇を近づけた。

「アヤ! まだじゃっ! おあずけじゃっ!」

あとわずかで唇が先端に触れる、という寸前で松吉はアヤの額を押さえた。
意外にも松吉は、己の男根を吸おうとするアヤの行為を止めさせた。

「えっ?!なぜ?」

(やだあ! なぜ?  ほしいのに! ほしいのに!)

アヤは自分の欲望が否定され、不満そうに松吉の顔を仰ぎ見る。
両手は、まるで子供がおもちゃを離さないかのように、しっかりと男根を握りしめている。

「よいか? アヤ。ワシはお前を決して甘やかしはせんぞ」

松吉はアヤの顎に指を這わせる。

「・・? はい」

アヤは松吉の言葉の意味を理解できぬまま、こくりとうなずいた。

「お前はずいぶんと網元さんに可愛がられたようじゃな」
「そんな・・!可愛がられたなんて・・ちがいます!」

不意に源三との行為を思い出し、アヤは首を横に振る。

「わかるぞ ワシには!網元さんはお前の肉体に狂わされたのじゃ」

松吉はアヤの顎に力を入れ、立つことを促す。
アヤは、その力に逆らうことなく静かに立ちあがる。

「じゃから、お前を手放したくない一念で可愛がったのじゃ」

松吉は無骨な両手で乱暴にアヤの乳房を揉み始める。

「あっ  あっ いたっ・・!」

「そこが間違っておったのじゃ。だからお前は網元さんに満足できなかったのじゃ」

さらにアヤのつんと上を向いた乳首をつまみ、ぎゅっと力を入れる。

「痛っ!  痛いっ!」

アヤの顔が苦痛に歪む。

「お前はしょせん雌犬。性の奴隷になるための変態女じゃ。それを肉体に教え込むことを忘れておったのじゃ!」
「あっ ああっ! いいいっ!」

アヤの全身には、感じたことのない快感が走る。

「じゃがワシは違うぞ!アヤ。ワシはお前を淫獄に堕とし、服従する喜びを教えてやるで!」
「はぁっ ・・はい おとしてください このまま」

アヤはたまらず、松吉の肩に両手をかけた。

「さあ、服従の証をみせるのじゃ。アヤ」

松吉が意地悪く見つめて笑う。

「もっと くるわせて ください」

アヤはとろんとした目で松吉の顔を見つめ、自らその唇を重ねた。
それはアヤが、自分の意志でキスを求めた、最初の行為だった。






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