大家さん
シチュエーション


苦学生の僕が住む下宿先は、駅も近く、家賃も手頃でとても住み良い場所だった。
未亡人の大家さんは一階で花屋を営み、その二階に僕は住まわせてもらっていた。
大家さんはとてもおしとやかで、店先に並ぶ花にも負けず劣らずの華を持つ、美しい方だ
った。

しかし、いかんせん僕も仕送りで暮らす身、勉強の合間に仕事をしようとしても、ほとん
どが学費と食費に消えてしまい、いつしか家賃の支払いも滞りがちになった。

そんなある日、参考書を買うため本屋に行こうとした僕は、僕の運命を狂わせるモノを見
てしまったのだ!!

今も僕はその日に限って本屋に行こうとした僕を呪っている。
ああ、何というモノを目撃してしまったのだろう!!

「それ」さえ無ければ、僕の人生は順風満帆だっただろうに!!

階段を降りて本屋に行こうとした僕は、大家さんの私室の前を通った。
その時、室内から聞こえた物音に気付きさえしなければ、こんな事にはならなかったろう
に、好奇心に負けた僕は、あろう事か大家さんの私室の扉をホンの少し開けて、中を覗き
見てしまったのだ。

今でも夢に見る、大家さんのあられも無い、はしたない姿を見てしまったのだ!!
僕が息を呑んだ瞬間、その音に気付いたのか、大家さんが振り向き、扉を一瞬で開けて、
僕にも「それ」に加わるよう強要したのだ!!

怖くなった僕は必死で逃げた。逃げて逃げて、隣町の友人宅に一晩だけ厄介になった。
翌日、下宿先に戻った僕に、大家さんが家賃が支払われていないと言ってきた。
これまで一度も言われた事が無かったので、自業自得とも思ったが、あいにくとその時の
僕は持ち合わせが全くと言って良いほど無かったのだ。

その事を説明すると、大家さんは昨日のあられも無い事を僕もやる事を条件に、一週間だ
け家賃の支払いを待ってくれると言ってくれた。

一週間もあれば、仕送りも仕事の給料も入り、家賃が支払える。
仕方無く僕はその条件を飲んだ。

「いい?………イクわよ」
「ええ……」
いつもは清楚だった大家さんの顔が、妖艶な笑みを浮かべる。
「……」
「……」

互いに見つめ合った。

「ネコにゃんにゃんにゃん!!」
「イヌわんわんわん!!」
「カエルも!」
「アヒルも!」
『グワッグワッグワッ!!』

一頻り笑った大家さんは、一週間と言わず二週間、家賃の支払いを待ってくれると約束してくれた。
これからはもう、家賃の滞納だけは絶対にしないぞ。






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