SQF調教日誌
シチュエーション


※百合・レズ・ふたなり


【プロローグ】

ここは、人間と夢魔がなんとなく共存してる世界……。人々はごく普通に生活し、ごく普通に夢魔に襲われ、ごく普通に搾り取られていた。しかし人々はそれを普通に受け入れ、時たま味わう無上の快楽に酔いしれていた。
だが、時の皇帝が「なんかスッキリしないわね。夢魔ってなんなの?」と疑問に思ったことから、事態は一変する。
皇帝の肝いりで夢魔の研究機関が設立され、夢魔たちの調査と研究が始まった。
その研究過程において、夢魔たちのもつ類まれな能力――主に性的な――に着目したグループが、夢魔を性奴化する技術の確立に成功し、やがてそれを生業とする者たちが現れる。
人外の存在を手なずける手技に長じた異能の術者を、人々は畏怖と、好奇心と、いささかの侮蔑を込めてこう呼んだ。

「調教師」と――。

ここは、帝都から遠く離れた山間の街――緑深きレンブラントの、そのまたはずれ。
かつて栄華を誇った大貴族の、末裔に残された唯一の領地。
よく手入れされた庭園の真ん中に、その屋敷はあった。
灰色城。
と、領民たちは呼ぶ。
夏の太陽が、屋敷の灰色にくすんだ屋根と白茶けた外壁をまぶしく照らし、木々の足元に、濃い影をつくっていた。
広々とした庭園に使用人の姿はなく、屋敷の内部にも、人影は無い。
時は正午。大き目につくられた窓から差し込む陽光は狭く――薄暗い館内には、七月という時期にも関わらず、ひんやりとした空気がたちこめていた。
その奥――瀟洒なつくりの屋敷には不似合いな、厚い鉄の扉がひとつ。
その内側に、「彼女」はいた。
薄い衣服の上からでも分かる盛り上がった胸、くびれたウエスト。
男なら誰でも欲情をそそる、豊満な尻。
黒く、濡れたように輝く髪は滑らかで、きめの細かな肌は透き通るように白い。
彼女は夢魔であった。
夢魔の中でもとくに人間と接点の多い種族――夢の中にあらわれ、淫らな夢を見させて精気を得る、サキュバスである。
彼女は、童話に出てくるお姫さまのように、優美な肢体をベッドにしずめ、眠りをむさぼっていた。

『……んッ……』

果実のように熟れた唇から、かすかに呻きが漏れる。
悩ましい美躯が、わずかにくねる。
どうやら、目覚めたようだ。
サキュバスは、ゆっくりと身を起こした。
濡れた瞳が、長い睫毛の下でけぶるように輝く。

(……なに…これ……?)

周囲の様子に注意をむけると、彼女が横たわるベッドを中心に描かれた複雑な模様がぼぅ…とひかり、やがてゆっくりと消えた。

(魔法陣……?またえらく、懐かしいものを……)

何だかわからないが、こんな気味悪い所からはとっとと退散するに限る――そう判断した彼女は視線をめぐらせ、窓が開け放たれているのを発見する。
誰が彼女をこんな所に連れて来たのか知らないが、ずいぶん迂闊なことだ。彼女は翼ある種族、サキュバスなのに。
逃げるため翼を広げ――ようとして、翼が現界しないことに気づく。

『……あれ?力が使えない?』

サキュバスは小首をかしげ、首のあたりにひやりとした冷たさを感じた。

手を伸ばして触れてみる。
細く美しい首のまわりを、見たことのない銀の輪が取り巻いていた。
理屈は分からないが、この冷たく硬い金属の輪から発せられている、何か魔的な「力」が、彼女の能力を封じているようだった。
窓の反対側にドアがあったので試しに開けてみるが、ビクともしない。カギがかかっている。

(ふぅん……どうやら、閉じ込められてるみたいね)

ベッドの縁に腰かけ、何があったか思い出そうとする。
だが、目覚める前の記憶が無い。何か愉しい夢を見ていたような気もするが、その先はまるで濃い霧の向こうにあるようで、まったく思い出すことができない。

(どういうことかしら?これも、この変な首輪のせい……?)

客観的にみれば深刻な事態なのだが、生来楽天的なサキュバスの性向か、彼女は別にうろたえることもなく、のんきに室内の調度などを物色しはじめた。
部屋の中央には丸いテーブルがしつらえられており、菓子を入れた盆が載せられている。
床には毛足の長い絨毯が敷き詰められ、冬は暖かそうだ。

(でも、今は夏なのよねぇ。ちょっと暑苦しいかも?)

壁際には彼女の背の高さほどもある本棚。適当に抜き出してみると、『エルトゥム写生紀行』『海底二千海里』『おおきなてぶくろ』などのタイトルで、内容に一貫性が無い。まあ、バリエーションに富んでいる、という見方もできるかもしれない。

(でも、アタシって本読まないのよねー。残念でした)

本棚の隣にはクローゼット。彼女の身の丈にあった衣服が、数多く取りそろえられていた。多くはサキュバス好みの、露出の大きい、際どい衣装だったが、中には彼女が着そうもないロングドレスや、愛らしいフリルのついたエプロンスタイルも混じっている。

(服のセンスはまあ合格――ちょっと、変な趣味があるようだけど)

そして、彼女が腰かけているベッド――大人二人が並んで楽に寝れるサイズ――に目を向ける。適度にスプリングが効いており、マットレスも新品。頑丈なつくりのようで、上で跳ねても軋みもしない。
部屋の様子を見るかぎり、彼女をこの部屋に閉じ込めた何者かは、彼女に対して、それなりの気遣いをしてくれているようだ。

(絨毯の暑苦しさと、逃げられないことをのぞけば、快適なお部屋だわ)

その時、かたちのよい耳がピクリと動いた。
彼女が閉じ込められている部屋に、小さな足音が近づいてくる。
軽い――足音の主は、おそらく彼女より小柄な人物であろう。もしかしたら女性かもしれない。
重厚な扉がかすかに軋む音をたて、ゆっくりと開いた――。

【一日目・昼(調教一回目)】

「眼が覚めたようね?」

少し高く、愛らしい声――。
予想通り、訪問者は女だった。
ゆるやかに波打つ金髪に、利発さをうかがわせる、ととのった美貌。
身体つきは華奢で、ほどよくくびれた腰に、少し大き目の胸。
年齢は、まだ少女といってよいくくらい。
いかめしいローブの下に薄手のワンピースを着こみ、足元を高いヒールのついたブーツで固めている。
少女はつかつかとサキュバスに歩み寄ると、警戒する彼女にむかってチェリーのような唇を開き、落ち着いた口調で話し始めた。

「こうやって面と向かってお会いするのは初めてね?私はフレイ。フレイ・フォン・レンツ。帝国貴族で、調教師。私はこれから、あなたを調教するの。調教って、ことばの意味分かる?美しいサキュバスさん」

調教師――少女の言葉の意味を彼女が理解するまで、数秒かかった。
理解したあと、サキュバスは目をパチパチさせて驚き、ついで少女の美貌を見つめ――少女が、冗談を言っているわけではなさそうだということに気付く。
サキュバスは笑いだしそうになっていたのをこらえた。
この世界には彼女たち――「夢魔」と呼ばれる人外の存在を、秘術を尽くして従わせ、従順な奴隷に仕立て上げる「調教師」なる職業の者がいると聞いたことがある。

『あなたが、調教師?』

サキュバスが、ぞっとするほど色っぽい声で問う。

声音の甘い響きにフレイがやや頬を赤らめ――ゆっくりと、頷く。
調教師という言葉から得られるイメージ――知的で嗜虐的な笑みを浮かべ、卓越した技術をもった、長身痩躯の美男子?あるいは、銀髪で経験豊かな、落ち着いた物腰の紳士――そういったものに、眼前の少女はまったく当てはまらない。

『……驚いた。調教師って、全員男がやってるもんだと思ってたけど、お嬢さんみたいな可愛いコもいるのね。フフ、お姉さん嬉しいわ♪』

サキュバスの言葉に気分を害したか、少女はサキュバスの美貌をけわしい表情で睨みながら、夢魔のそばににじり寄った。

「ずいぶん余裕があるようだけど、いつまでそれが続くかしら?」

不敵な笑みを浮かべ、胸をそらす。

『ふうん?……たいそうな自信だこと♪』

サキュバスは注意深く目の前の少女を観察した。
年のころは十代――半ばから後半といったところか。
落ち着いた、年齢とは不釣り合いな、老いた賢者のごとき知性を湛えた瞳――それが、この少女の最大の魅力だろう。少し短めにカットされたウェーブの金髪も、知性を引き立てている。
身体の方はどうだろう。
小柄ながらほどよく発育した、少女らしい身体つき――胸の成長は良い。もう少し尻の厚みがほしいところだが、ややアンバランスなぐらいが、年齢不相応な知性を湛えたこの少女にはよく似合う――そう思った。
そう、この少女の魅力を一言で言い表すなら、それは「危うさ」であろうか。
だが、いくら危うい魅力の少女だといっても、視覚的情報で判断するかぎり、目前の少女から、サキュバスを脅かすような危険な匂いは感じられない。
とても、夢魔さえも屈服させ、従わせるという調教師とは思えない。
だが、たとえハッタリだとしても、調教師を名乗るからにはそれなりの術に長じているのであろう。
サキュバスは、調教師なるものの技術に興味があった。
いわく、人外の技術でもって夢魔を服従させ、身も心も蕩けさせるとか。
いわく、調教師の手に落ちた夢魔は、主人の命じるがままに身体をひらき、あらゆる性戯を尽くして奉仕するようになる――とか。

(…ふぅん?面白いわ…この女の子が、どうやって調教しようってのかしら?)

サキュバスは、心の中で舌舐めずりをした。

『いいわ……面白そうだから、つきあってあげる』

サキュバスは、少女の身の程知らずな挑戦を受けてやることにした。

『それで、どんなことをするの?』

色っぽい眼差しに期待の光をたたえつつ、サキュバスが問う。
フレイは重そうなローブを脱ぎながら意味ありげに微笑み、サキュバスの頬に手を当てた。
温かい…柔らかい感触。

「そうね……まず、名前を訊こうかしら。名無しのサキュバスじゃ困るでしょう。あなたの、名前を教えてちょうだい」
『名前?』

サキュバスはキョトンとした。

「そう、名前。……もしかして、名前を知られると困るとか、そういう制約があるの?」

たしかに、魔族の中には名前が重要な意味を持ち、他者には決して明かさない種族もあると聞く。彼らは一般に「悪魔」と呼ばれ、夢魔とはまた違った世界の住人なのだが……。幸いサキュバスにはそういう縛りはないのだが、別の理由で教えることが出来ない。
サキュバスはしばらく頭をひねり、

『そういえば無いわねぇ』

と、答えた。無いものは教えられない。

「名前が無いって…不便じゃないの?あなたたち、サキュバス同士で、どうやってお互いのことを呼びあってるの?」
『やー、ひさしぶりー、最近あの子見ないわねぇ。西の方行ってるみたいよー。このへんの童貞全部食ったからかしらぁ、みたいな?』
「それで通じるんだ……」

呆れたような、感心したような声。

『でも、あなたが不都合を感じるなら、名前をつけてくれてもいいわ。……つけてちょうだい。あとで皆に自慢するから♪』

目を輝かせるサキュバス。フレイはしばらく考え込み、慎重に一つの言葉を選び出した。

「……ブランカ」
『ブランカ?……たしかどこかの国の言葉で、「白」って意味ね?』

意外と博識なサキュバスが、滑らかな黒髪を弄りながら問う。

『…でも、私のイメージだと、「黒」ってところじゃない?なんで白なの?』

フレイはサキュバスの美貌を正面から見据え、真剣な表情で答えた。

「私のイメージだと、あなたは「白」なの。それに黒(シュバルツェ)はなんだか語呂が悪いし」

フレイの説明にサキュバスは納得したようすではなかったが、何度か「ブランカ」と口の中で唱え、やがて頷いた。

『お嬢さんが「白」だと思うなら、それでいいと思う。今日から私はブランカ、ね♪ね、ね、わたしも、あなたのことをフレイって呼んでいい?』

サキュバス――ブランカがニコリと微笑み、フレイの頬が紅潮する。

「ん、いいわ……。ブランカも、私のことはフレイって呼んで」

ブランカが、何度か口の中で「フレイ」と唱えている。

『……うん、フレイ。それで……調教って、具体的にどんなことをするの?』

ブランカが、深い緑色の瞳に興味の光をたたえ、問う。
フレイはかたちのよい顎に手を当て、しばし考え込むふりをして――こう命じた。

「まずは……あなたの身体を調べます。……脱いでちょうだい」

フレイの命令に、サキュバスはすすんで従った。
見せつけるように腰を振りながらベッドにのぼり、タンクトップを脱ぐ。
輝く黒髪が「ぶわ…」とひろがり、宙に舞う。
ブラはつけていない。
ボリュームあるかたまりが重たそうに揺れ、フレイが息を呑む。

『どう?けっこう自信あるのよ?』

ブランカが挑発的な笑みを浮かべ、肉の凶器に手を添える。
重たそうに持ち上げ、胸を強調するように見せつける。

『ふふ……気に入った……?……さわっても、いいのよ……♪』

フレイはおずおずと手を伸ばし、張りのある乳房の表面に手のひらをあてた。
重い。熱い。
破壊力抜群の乳房の威容に驚きながら、乳房の先端――ぷっくりと膨らんだ乳首に指を触れる。
心地よい弾力。摘まむ。

『あンッ……♪』


ブランカが声を震わせ、わずかに身じろぐ。
くにくにと摘まんでいると怜悧な美貌が紅潮し、あでやかな唇から、悩ましげな吐息が漏れはじめた。
指の中の弾力が増し、果実の先端が、固く尖ってくるのが分かる。

『んッ…ふ……ッフレイッたら……じょうず……んッ♪』

サキュバスがフレイの手首に手をそえ、「もっと強く揉んで」とねだるように、乳房に押し付けた。
果実を弄う手の動きに変化が生じ、夢魔の頬に朱が差す。
指の動きが精緻さを増し、知性を湛えた瞳が、冷静にサキュバスの反応を観察する。

『ふ……アハ……ッ♪いいわ……♪』

本格的に喘ぎはじめたサキュバスを見て、フレイは熱く熱をもった女体に身体を寄せた。間近に、サキュバスの肌から発せられる熱が感じられる。

「感度は良好のようね……」

乳房を揉みしだきながら、背後にまわる。

「……背中を、見せてくれるかしら」
『……こう?』

ブランカが頷き、くるりと背を向ける。
豊かな黒髪をかきあげ、白く優美な背をさらす。
美しいうなじからなだらかな曲線を描く背。細くくびれたウエスト……白い肌に視線を走らせながら、フレイが小首をかしげる。

「……羽根が無いわね……?」

白い肌の表面には、物語に出てくるサキュバスにはつきものの、黒い蝙蝠のような羽根の所在をしめすものが、どこにも見当たらなかった。
ブランカはチラリとフレイに目をやり、頬を紅潮させながら答えた。

『普段は……無いの。アレは、私たちにとっては一種の礼装……ファッションみたいなもの……あんなものを始終出していたら、邪魔でしょうがないでしょう?』

「……そうなの?」

フレイがやや残念そうな声をあげる。調教師なら、それぐらい知っているでしょうに……と思ったが、フレイが肩に唇を寄せてきて、それが気持ち良かったので、ついつい調子に乗ってしまう。

『……ねじ曲がった角や、トカゲの尻尾みたいなのも、そう。……実は、素のままの私たちって、あッ♪……あなたたち人間と、そう姿は変わらないの。大きな違いがあるとすれば、存在そのものに対する、精神的な、部分の占める割合ね……っ♪』
「ふうん……私たちより、精神の占める割合が大きい……」

ツノを確認するためか、フレイはブランカの首筋を舐めながら、頭に手を伸ばし、注意深く髪の中をさぐった。

「なるほど……ツノも……無いわね」

首筋を這う唇の動きと、髪の中をまさぐる手の動きに心地よさをおぼえつつ、サキュバスが喘ぐ。

『ふふ……尻尾も……確認しておく?』

腰をもぞもぞとくねらせ、ホットパンツからスラリと伸びた脚を抜く。
張りつめた尻に、黒い紐のような下着が食い込んでいる。
刺激的な光景にフレイが見とれ、視線が釘付けになる。

(アハ……♪すごい、食い入るように見てる……♪)

年端も行かぬ少女が、自分の身体へ興奮した視線を送っている。その刺激にブランカは高ぶり、腰の奥が熱く潤んでくるのを感じた。

(すっごい……この子の興奮が伝わって……精気が、満ちてくる……♪)

サキュバスの多くは男から精気を得ることを好むのだが、それは男から搾り取るほうが楽だからだ。多少手間はかかるが、女性相手でも精気は得られるし、そちらのほうを好むサキュバスもいる。

(……あたしは、どちらかといえば男の方が好きかなー?でも、この子から発せられる精気は好きねぇ♪)

ブランカは、フレイの細い身体に身をもたせかけながら、すがるように甘え声を出した。

『……ふふ♪最後の一枚は……フレイに脱がせてほしい……な……?』

情事の最中のような悩ましげな声に目を回しながら、フレイが細い布切れに手をかける。ブランカが身体をひねり、脱がせやすいよう腰を浮かせる。

『……ん……』

弾力ある固まりが半ばまで露出し、柔らかな双丘がぷるんと震える。
白い肌に、うっすらと汗がにじんでいる。
フレイは慎重に、ゆっくりと下着を下ろした。
秘所にひやりとした空気があたり、思わず声が漏れる。

『あふ……ッ♪』

ブランカが腰をくねらせながら、フレイの前で、生まれたままの姿を晒す。
見事な裸体であった。
女性らしい優美な線の中に、みだらな夢魔の肉体がおさまっている。
かろうじて大事な部分――乳房と、股間を両手で隠しているが、指の隙間から、ピンクの乳輪や、縮れた黒い毛がはみ出して見えていた。
瑞々しく張りつめた乳房と尻は弾力にあふれ、サキュバスの若さと、生命力の強さを主張しているようであった。

「………………………。」

女神の姿を写し取ったような美しさに、フレイが息をのむ。

『ふふ………っ♪』

ブランカが悩ましげに腰をくねらせながら、フレイに歩み寄る。
細い首に腕をまわし、人形のような美貌に、上気した頬を近づける。
熟れた果実のような唇が、ふっくらと膨らんだ少女の唇に、重ねられる。
夢魔と少女は、互いに抱きしめながら唇をあわせた。
ぴちゃぴちゃと音をたて、舌を絡ませる。

『……う……ん……ッ♪』

フレイと舌を絡ませながら、ブランカは夢見心地にあった。
少女の舌遣いは巧みだった。

(う……この子……じょうず……♪どこでこんなテクをおぼえたのかしら……っ♪)

ブランカが身体をすり寄せてくる。
フレイの手を取り、尻に押し当てる。
誘っている。

『ん………あッ……♪』

フレイの指が、なだらかな双丘のあいだを這う。
腰のあたりから、谷の奥へ。
なだらかな窪地から、二つの肉の奥深い谷間へ。
さらにその奥、罪深い、皺の多くあつまるすぼまりへ。
フレイは魅せられたように、扇情的な肉の固まりを撫でまわした。
尻を這いまわる手の感触を愉しみながら、ブランカはうっとりと瞳を閉じた。

(フフ…ドキドキしてる……♪この子…興奮してるの……伝わってくる……♪)

夢魔の精神の奥で、何かがグルグルと回転している。

精気が肌にしみ込んでくる。心に活力が満ちてくる。

『ね……ここも………♪』

サキュバスはフレイの手を取り、自らの股間へ導いた。
白く、細い指が夢魔の秘所に触れる。

『はぁ……ッ♪あンッ♪』

縮れた毛をかき分け、濡れそぼる秘肉を愛撫する。
尖った芽をつまみ、優しくしごくようにこする。
したたる蜜が太ももを伝い、柔肌に淫猥な流れをつくる。

『んッ……は……あんッ……♪』

ブランカが感極まった声をあげ、豊満な尻をフレイの腰に押し付けた。

(――……あら……?)

柔らかな尻に、本来なら感じるはずのないものが当たる感触。
尻の谷間で探るように、ぐりぐりと回転させる。

「…………ぁッ……!」

フレイの唇から洩れる、かすかな快楽の喘ぎ。

(この子……もしかして……………?)

サキュバスは恍惚となりながら身体を回転させ、正面から華奢な身体を抱きしめた。

「んっ……!」

夢魔の繊手が、調教師の身体を這いまわる。意外と豊満な胸、ほどよくくびれたウエスト、やや肉づきの薄いお尻……
そして、スカートを押し上げる、何か固いモノ……。
拒む手を払いのけ、ブランカがスカートをめくり上げる。

「は……ッ……!」

布の下から勢いよく飛び出したものを見て、サキュバスの唇が淫靡な形につり上がる。
夢魔の目の前でそりかえる、固くて熱くて大きなモノ……

『まあ、あなた……オチンチンが生えてる女の子……ふたなりさんだったのね……♪』

ブランカの瞳が、好奇の色に染まる。

『へぇ……調教師って、オトコしかなれないって聞いてたけど……』

調教師の術法には諸式あるが、その基本中の基本は“夢魔を犯す”ということに尽きる。
夢魔を犯し、激しい絶頂のうちに大量の精気を送り込むことで、夢魔の心に調教師の“しるし”を刻みつけるのだとか。
そのため、調教師には男しかなれないと。
女でも様々な道具をもちいれば形だけは夢魔を犯すことができるが、精気を送り込むことができないため、調教師にはなれない。なぜなら、女は射精できないから。

『……そういう身体だと、大丈夫なのかぁ……ねぇ、このオチンチンって、天然?』

瞳を好奇の色に輝かせる夢魔に向かって、フレイは頬を紅潮させながら答えた。

「……こういう言い方は好きじゃないのだけど、天然よ……。私の一族は昔、夢魔と交わりがあったらしくてね……そのせいで、時々こういう子供が生まれるの」
『へえ……』

ブランカは感心したように頷きながら反り返ったモノをそっと掴み、慈しむように撫でた。
フレイの唇からかすかに声が漏れ、少女が、あえかな恍惚を感じていることをしめす。

『ふふ…敏感なのね……♪あなたみたいな子、とっても、好みだわ……♪』

サキュバスが身体をずらし、ゆっくり、弄うように、フレイの股間へかがみこむ。

『……美味しそう……♪』
「……こら……だめよ……」

フレイが腰をよじり、夢魔の遠慮ない視線から勃起を隠そうとする。
サキュバスは構わず細腰にすがりつき、そり返った男根へ顔を近づけた。

『遠慮しないで……♪……わたしも、フレイを、気持ちよくさせてあげたいの………♪』

ブランカの鼻孔を、少女らしい甘酸っぱい体臭と、男性器の野性的な芳香が満たす。
わずかに開かれた唇から赤い舌が覗き、フレイの精神を甘く蕩かせる。
赤い唇が脈打つものに近づき、そっと触れる。

「……んッ……!」
『あんッ……キス……しちゃった……♪フレイのオチンチン……♪』

れろ……と舌を這わせ、逞しい剛根の幹を舐める。
フレイがビクリと腰を震わせ、夢魔の髪を撫でる。
褒められていると解釈して、ブランカはより大胆に、舌の動きをすすめた。
ピチャピチャと音をたて、勃起の根元から先端へ、良く動く舌を踊らせる。
亀頭の付け根のくびれた部分をくすぐり、裏側の細い筋に口づける。

『ん……ッふ………♪』

男性器のなかで最も敏感な部分を口に含み、先端の小穴からにじみ出る先走りを、舌先で味わう。
熱心に奉仕するブランカの美貌をフレイはため息を漏らしながら眺め、サキュバスの、裸の乳房に手を伸ばした。

『きゃふ…ん……ッ♪』

熱い熱をもった、あふれる量感を手のひらで揉みしだき、先端の尖った果実を摘まみあげる。
ぷっくり膨らんだ乳首を指先でもてあそび、固くなってくるのを愉しむ。

『んッ……ふふ……っ♪』

ブランカが自ら脚を開き、裸の股間を晒す。
黒々した陰毛がしっとりと濡れたように輝き、縮れた毛の間で、愛液の珠が光る。
愛液がくちゅりと音をたて、淫靡な造形の女性器があらわになる。

「……濡れてるわ……」

秘裂の頂きで屹立する尖った芽がひくひくと息づき、淫らな液体にまみれ光っている。
ブランカがフレイの男根を咥えたまま、期待に満ちた眼差しで見上げた。
フレイはサキュバスの目を見据えながら――
固く充血した淫芽を、かるく摘まんだ。

『――んふぅッ♪』

サキュバスが身体を震わせ、唇のあいだからくぐもった声を漏らす。
しなやかな指が濡れそぼる秘孔をくぐり、ブランカの好きな部分をこする。
サキュバスの脚が突っ張り、足指がぎゅっと丸まった。
濡れた柔肉が細指を締めつけ、夢魔の興奮を伝えてくる。
フレイが膣肉をえぐったまま、ぐるりと指を回転させた。

『――ッ!!』

ブランカは声もなくのけぞり、フレイのペニスを咥えたまま、膣内をなぶる指の動きに翻弄された。
指の動きが精緻さを増し、サキュバスの興奮を、確実に、着実に、頂点へ向かっておしあげる。
ブランカは美貌を輝かせながら、夢中で口中のものを舐めしゃぶった。

「んっ……いい子……御褒美に……あなたの大好きなものを……あげる……っ」

フレイの声に、切羽詰まったものが混じり始める。
サキュバスは美体をわななかせ、はじけ飛ぶ快楽に身をゆだねた。
ブランカは視界が真っ白に染まってゆくのを感じながら、口腔を思い切りすぼめた。
フレイが何ごとか呻き、サキュバスの喉奥に、こみあげて来たものをはなつ。

『―――――ッ!!』

ほとばしる汁を喉奥に受けながら、ブランカも達した。汗まみれの身体を震わせ、股間から、透明な飛沫を吹きあげる。

『ん……ッ♪ふぅ……ン………ッ♪』

射精は長く続き、ブランカは恍惚とした表情でそれを飲みほした。

――ちゅぽん

半萎えになったペニスが、夢魔の口から抜き取られる。
透明な、粘り気のある汁が唇とペニスを繋ぎ、珠となって落ちる。

『あふぅ……美味しかった……♪』

ブランカがニッコリと、満足そうな笑みを浮かべ――手の中のものを、ゆっくりとしごき始める。
唾液にまみれたペニスが、ブランカの手の中で再び硬度を取り戻してゆく。
鎌首をもたげるペニスを嬉しそうに眺めながら――サキュバスが、裸の股間を大きく開いた。
すっかり発情した女性器が、まるでそれ自体が別の意思をもった生き物であるかのようにうごめき、息づいている。
黒々と繁る陰毛が蜜に濡れそぼり、ピンクの粘膜に縮れた毛が絡みついている。
フレイは真剣な表情でブランカを見つめながら――着衣のボタンに手をかけた。
胸元のボタンをはずし、薄手のワンピースを脱ぎ捨てる。
ブラのホックに手をかけ、パチンとはじく。
意外とボリュームのある乳房が解放され、プルンと震える。
いま華奢な身体に着けているものは、編上げのブーツだけだ。

『あぁ……フレイ……♪』

ブランカが賛美の声をあげながら、フレイの裸体にうっとりと視線をそそぐ。全身を歓喜が満たしている。
この美少女に、これから犯されるのだ。

「さぁ……始めるわよ」

フレイは発情した夢魔の肩を掴むと静かに押し倒し、細い足首を掴んで、脚を開かせた。
裸の股間に顔を近づける。
発情した牝の芳香が、フレイの〈牡〉の部分をいきり勃たせる。

『……ねぇ……はやくぅ……♪』

熟れた果実のような唇から、もの欲しげな声が漏れる。
少女の唇が、成熟した女の秘唇へ口づけた。
ぴちゃぴちゃと、水を舐めるような音が響く。

『くぁは………ッ………んぅ……♪』

ブランカがみずからの乳房をまさぐりながら、恍惚とした声を漏らす。
フレイの舌は巧みに動き、サキュバスの感じる部分を的確に探り当ててゆく。
敏感な芽が口中でなぶられ、舌先ではじかれる。
ブランカがのけぞり、甲高い声をはなつ。
柔肉のなかに舌が突きいれられ、たっぷりと愛液のつまった内側を掻きまわしながら、あふれる蜜をすする。
フレイは濡れそぼる女性器へ奉仕しながら、荒い息をつくブランカの上下する胸へ、両手を伸ばした。
肉の詰まった乳房を揉みし抱き、固く尖った乳首をつねる。

『きゃは……ッ……あぁッ!!』

ブランカの視界を、真っ白な火花が覆い尽くす。連続して襲いかかる絶頂に、髪を振り乱して悦びの声をあげる。

(これが……調教師の…力……ッ)

ブランカは、自分が敗れつつあることを悟った。
少女の巧みな技巧に我を忘れ、股間から潮を吹きながら、この少女の虜となってゆく自分を感じていた。

「もう……いいころあいね……」

フレイが膝をつき、上気した女体に覆いかぶさる。
裸の胸をブランカの胸にかさね、乳房をこすりつける。
大きく開いた脚の間に腰をすすめ、勃起したものを濡れそぼる女性器にあてがう。
ブランカはすすんで腰を突きあげ、迎え入れる姿勢をとった。
フレイがのしかかってくる。
いきり勃つペニスがヴァギナを貫き――二人の性器が結合する。

『……っぁあ……――ッ』

甘美な敗北に打ちのめされながら、ブランカは歓喜した。
これで私は、この娘のものだ。
膣襞をこすりあげる剛直を締めながら、サキュパスは悦びの声をはなった。
フレイは腰の動きに緩急をつけながら巧みにブランカの膣内を蹂躙し、その弱い部分を探った。
深々と刺しいれ、子宮口を突きあげる。
中ほどまで突き入れたところで、膣の上側をこするように小突く。
その二つが特に好みだったらしく、交互に繰り返してやると、髪を振り乱して白い首をのけぞらせた。

『……ッ!ィッ!ぅんんッ♪ひ……ヒィッ♪』

わななく女体を抱きしめ、喘ぐ唇をふさぐ。
たわわな乳房が押し合い、自在に形を変え、たゆむ。
ブランカは快楽の波にのたうちながら、こすりつけられるフレイの胸の先端が固く尖っているのに気づき、嬉しくなった。
自身を犯す少女の小柄な身体をかき抱き、抱きしめる。
激しく腰を打ちつけながら、フレイが呪文のように呟く。

「あなたは……私のものよ……」

ブランカは夢中で頷きながら尻を振りたくり、汗にまみれた美貌を輝かせた。

『そうよ……!アタシは、フレイのもの……ッ♪』

ブランカが感極まった声ですすり泣く。
激しいピストンを受け入れる媚肉は快楽を放ち続け、愛液を飛沫のように飛び散らせた。
熟れた唇から漏れる、悦びの声。
重なる吐息、交わる身体。
夢魔と人間の激しい息遣いが淫らな和音をかなで、終曲へ向けひた走る。

「ブランカ……あぁッ、ブランカ……!!」
『フレイ……――あぁ……ッ♪』

フレイがブランカの尻を掴み、激しく腰を打ちつけながら精をはなった。
かたまりのような精の奔流がブランカの膣奥を叩き、サキュバスの精神に、心に、フレイの〈しるし〉を刻みつけてゆく。調教師の精気が、歓喜にむせぶ夢魔の全身に染みわたってゆく。
膣を満たす白濁の熱にブランカは泣き叫び――
悦びのままに、美しい肢体を跳ねさせた。

手早く身繕いを終えたフレイが、ベッドの上を見やる。
ブランカはベッドの上で荒い息をつき――茫然とした表情をうかべたまま、未だ至福の時に浸っているようであった。
汗まみれの女体は美しく上気し、だらしなく開かれた股間を隠そうともしない。
秘裂の奥からは交歓の証しが一すじの流れをつくり、愛液でぐっしょりと濡れた縮れ毛が性器にまとわりついて、女神のごとき美女の、この上なく淫らな寝姿を晒している。

「今日はゆっくり休みなさい。……明日も、するわよ」

フレイは淫らな女神にシーツをかけてやりながら、火照った頬に軽くキスをして、静かに部屋を後にした。

ブランカは甘美な喪失を感じながら、ほのかな安堵感に胸を満たしていた。
体内に残るフレイの残滓から、今も温かい波のようなものが伝わってくる。
まだフレイに抱かれているような、そんな快感に包まれている。
今まで肌をあわせたどのような男も、こんなに幸せな想いを彼女に残すことはできなかった。
この幸福感こそ、調教師の真に恐るべき〈力〉なのだろう。
この温かい気持ちを知ってしまったら、もう今までの生活にはもどれない。

(わたし……あの子のものになっちゃったんだ……)

深緑に輝く瞳から、熱いものが流れ落ちる。
ブランカは頬をつたうものの正体が何であるかも分からず、しずかにすすり泣いた――。






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