コスプレ射精地獄
シチュエーション


文字通り丸裸に剥かれ仰向けになった俺に、
その透き通るような白い肌をすり寄せて、サキュバスはぴったりと寄り添うように横たわった。
このままでは、俺はまた為す術も無く射精させられてしまう……。
サキュバスは太ももを俺の腰に絡め、彼女は片手で俺の身体を、奏でるように撫ではじめた。
彼女そのきめ細やかな波立つ桃色の髪からは、うすら甘い女の匂いまでが迫るよう薫ってきている。
唇が、そっと俺の耳に触れた。

「ふふっ、もうイきたくないのね」

囁かれた言葉と同時に、彼女の左手が俺のペニスの首根っこを捕らえた。
その手は彼女のねっとりと濡れた部分へと、俺の先端を導く。

「イヤだ……よせ!」

身体の自由を奪われ、身じろぐことしかできない俺には、言えることさえそんなことばかりだった。

「だぁめ……貴方は負けたのよ。
坊や、あなたはもうおちんちんを絞られるだけの、私のかわいいお人形さんなの」

あの蔑みを含んだ薄笑みの視線を、俺の苦悶するばかりの顔へむけたまま、サキュバスは一方的に事に及び始めた。

「あっ… あっ…」

その指で作った首輪で、サキュバスは俺のペニスの首を中程からしごきはじめる。
搾るようにゆっくりと上下する動きとともに、サキュバスは既に勃起している陰核へとペニスの先端を擦りつけてきた。

「今日から貴方は……私のクリトリスを気持よくするだけの道具」

ぐにゅっ……。

俺から染み出る出残りの汁を肉芽に塗りつけては、サキュバスは甘ったるい吐息を俺の耳へと吹きかけてくる。

「っくっ! やめろ……!やめろっ……!」

ぷっくりと膨らんだ肉芽のむちっとした感触が、俺自身の滑りを隔てて伝わってきた。
俺は身体に必死で命令を下すが、俺の全身は相変わらず、蛹のようにもぞもぞと動くことしかかなわない。
俄な悦びと、欲望のままに精を放ちたくなる衝動。
搾り尽くされる恐怖と相反する欲求が、再び俺の身体に満ちようとしていた。

このまま、もう一度射精してしまえば、
その精気を吸収したサキュバスの魔力は、完全に俺を支配するに足りてしまうことだろう。
だが、俺にはもはや彼女に抗うすべは残されていない。

イヤだ……イきたくない!

サキュバスの餌食となった者の末路は、俺でも知っている。
おぞましきほどの快感に飲まれて正気を失い、ただ精を漏らしながら腰をくねらせるだけの人形。
精を搾り尽くされ、枯れ果てた先に待つことは……想像したくもない。

「うふふ……。一緒に天国へ行きましょう」

サキュバスが囁いたその言葉に、俺は一層の恐怖を呼び起こされた。

『そんなに怖がることはないわ。恐怖と快感は同時に感じることができるんだから……』

あの時のサキュバスの言葉が、俺の脳裏でぶりかえってくる。
だが彼女のその言葉までも、俺のペニスを快楽の待つところへと誘おうといている。

(だめだ……!このままでは、また!)

敏感な部分を、サキュバスの指はまるで見透かしたように責め立ててくる、
その心地良すぎる感覚を、俺は必死になって堪えた。
いや、こらえようとした。
サキュバスは俺のペニスの先端で陰核をこねくり回し、ときおりひくひくとしながら、

「あぁっ… あぁっ…」と吐息を漏らしている。

そんなサキュバスの、恥らいもなく艶めく姿が、俺の脳裏に焼きつく。

触られているだけで蕩けてしまいそうな感覚……。
あぁ… もう…俺は… ……!?

気がつくと、俺のペニスは再び精を漏らしていた。

「ぅっ……!」

股間がとろけてゆく感覚が、身体中へと拡がってゆく。
サキュバスの指は俺のペニスを挟んだまま、陰部に吐きつけられた俺のザーメンを、自分の愛液とかき混ぜはじめた。
卑猥な水音が、ねちっ……ねちっ……とこの洞窟に響く。

「あら、イきたくないなんて言っていた割には、ずいぶんと早くだしてしまったわね」

そんな言葉を俺に向けてくるサキュバスの、俺のペニスを弄ぶ指の周囲に、
魔力の集う薄緑色のオーラが灯っていく。

(あれは……回復の魔術? そうか。奴は俺の性器内の精液を回復させる気か)

心地良さとどぎまぎした感覚の入り交じった脱力の中で、俺はそう悟った。

「ふふっ……いいのよ。意地っ張りでイきたがりな坊やのおちんちんで、気持よくなるの、大好きだから……」

俺のペニスを支配している首輪の動きが、加速していく。
上下する動きは激しくなり、俺のペニスはぎゅむぎゅむと強く搾られはじめた。
サキュバスは精液まみれでズルズルに濡れそぼった肉芽に、
俺の亀頭を強く捺しつけてるさまを、見せつけるようにしながら言葉を続ける。

「あんっ… あっ… あはぁぁ……! ねぇ…観て。
坊やのエッチなお汁が、私のエッチなお汁と混ざってるわぁ。
あぁ…っ。もっと出しなさい。エッチなお汁で、わたしのここ… ここを……あぁっ…!」

サキュバスの蔑みを含んだ微笑が、なおも蔑みをおびたまま、恍惚の笑みへと変わっていく。
ダメだ……!このままでは……! このままでは、完全に!

「くっ……。俺は、お前の自慰の道具なんかじゃない!」
「あんっ…! ふふっ。あなたはこんなに精液をお漏らししておいて、まだそんなことを言うのね。
それなら貴方は、私のなんだと言うのかしら」

汁まみれの性器を弄び続けながら、彼女は言った。

「俺は……お前の……!」

「世界で一番大切な人になる男だ!」

…………。

ああ、よくあるタイプの面白くないことを言ってしまった……。
サキュバスがこっちを見ている。懴悔の年が俺にのしかかってくる。
とりあえず苦し紛れに、俺は真剣な表情でサキュバスのその目を見つめ返した。
サキュバスきょとんとした顔が、スナップショットとして俺の心にロックされる。
きっと、どーでもいいときにこのことを思い出して、意味もなく恥ずかしい思いをするんだろうなぁ。
そう思いながら、意地になってサキュバスの瞳を見つめていると、サキュバスの手の動きが……とまった。
こうなったらやけくそだ。

「だから、毎日俺の脚にそのむっちむちの太ももを絡めて、
おっぱいを触りながら耳たぶをはむはむして寝させろ!」

俺がサキュバスは少し魔を置いてから、

「……えっち」

と言って頬を赤らめた。

「ふふっ、坊やは甘えん坊さんね」

サキュバスはそう言って優しく微笑むと、俺を抱きよせた。
そして俺の手をその豊満な乳房のもとへと導くと、むっちりとした太ももの温もりを俺の脚へと伝えてきた。

やばい……、なんかほわほわする。

俺はサキュバスの乳房を片手でむにゅむにゅし始めながらもう片方の腕で、
コアラのように彼女へ抱きついた。
とにかく抱きつきたかった。気がつくと俺とサキュバスのちゅっちゅタイムが始まっていた。

ちゅっ ちゅちゅ むにっ ちゅ… ちゅぅぅ…

小一時間ほど、俺とサキュバスのちゅっちゅタイムは続いた。
指先から火照るような感覚に身体を包まれながら、
俺はサキュバスに甘え、サキュバスは俺をなでなでしながら……先に寝てしまった。
おっぱいばかりではと思いサキュバスのお尻をさわさわしているうちに、俺も眠くなってきた。
そうだ……結構射精しちゃったしな。眠くなるのも仕方ない。
サキュバスの胸に顔を埋めた俺は、

「すき」

と思わずつぶやいて、彼女の手を握りしめていた。
今日会ったばっかりなのに……。なんだ、なんなんだこの気持ちは。
するとサキュバスがそっと俺の手を握り返してきた。

「すき?」

瞼を閉じたままにっこりと微笑みながら、サキュバスは自分も甘えるような声で、そう呟いた。
なんだかスイートな眠りに就けそうな気がした。
だが、俺を待ち受けていたのは、夢の中でのコスプレ射精地獄でしかなかった……。






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