スモウ・レスリング
シチュエーション


木々が生い茂り、数歩先も見渡せない深い森の中。

パン。

軽い銃声が響き渡る。

ソレだけで、男達は恐慌に陥った。
辺りには怒声と、銃声が狂ったように響き。

パン。
パン。パン。

――――――……。

その場にいた人数分だけ銃声が響き。
再び静寂が訪れた。





「お疲れ様」

ニコニコと笑いながら初老の男が少女を出迎える。

「いやはや、彼らには手を焼いていたんだよ」

少女はそんな労いの言葉に全く耳を貸さず、

「…………し、……て」

ポソリと呟く。
長々と少女にとって意味の話を得意そうに繰り返していた男は、

「ん?」

少女の小さな声に怪訝そうな顔をした。

「早く合わせて!」

今度は一際大きな怒声であった。

「フム、そうだったね、今連れて来る、隣の部屋で待っていたまえ」

男は嬉しそうに鼻歌を歌いながら背中を向け。
部屋を出て行き。

数分後。
少女の待つ部屋に彼は戻ってきた。
傍らに一人の少女を連れて。

「お、お姉ちゃん」
「グラナート!」

少女は妹の名前を叫ぶと傍に駆け寄り強く抱きつく。
妹もまた、姉によくいた美しい瞳をした可愛らしい少女であった。

「フム、ではわたしはコレで、姉妹仲良くするがいい」

言われずとも、少女は妹を強く抱きしめながら再会の喜びに心を震わす。
妹もまた、其れは同じであった。

どちらとも無く、二人はゆっくりと唇を重ね合わせる。
互いの熱い息が互いの唇に流れ込み。
二人はゆっくりと傍に設置されたベッドの上に倒れこんだ。


「ん、ふぅう! お、おねえちゃ……ん!」

小さく膨らんだ胸を舐められて、思わず悲鳴を上げる。
ピクリと体を仰け反らせる仕草は姉そっくりだ。

「あ、ああん!」

妹の繊細な指は確実に姉を快感の極みに追い詰めていく。

「ん、ん! い、いや!」

少しでも妹とのこの時間を味わいたいがために必死に姉は快感を堪え。

「あ、ああん! お、お姉ちゃん! おねえちゃん!!」

妹もまた、必死に耐えていた。
姉妹は体を入れ替え、互いに互いの大事な大事な割れ目を愛おしく責めたてる。

「「ひ、ひうううん!」」

その度にビクビクと二人は体を震わせる。

「も、もうダメ! お姉ちゃん! 私、わたしィッ!」
「あ、ああん! だ、ダメ、ダメよォォ!」

二人は必死に耐えるが遂に。

「「ア、アア! アアアウンンゥんん!!」」

大きな悲鳴を上げると、同時に大きく蜜を放出し、諤諤と身を震わせながら、ゆっくりと放心してはてた。

二人がハッと気が付くと、傍らに男が戻ってきていた。
慌てて二人は互いの体を隠すようにベッドの上で抱き合う。

「フム、私に気が付かないほど乱れているとはね、まあ久しぶりだったからね」

クスクスと楽しそうに笑う。
妹は怯えた顔で男を見つめ、姉は威嚇するように男を見た。

「良いのかね? 大事な妹君が‘コウ,なっても?」

おどけた顔で男は握った手をパッと開いて見せ、妹の首輪を指差す。

「くっ!」

実質、妹を人質に獲られている状態に唇を強くかみ締め、体を震わせる。

「お、おねえちゃん……」

悲しげな顔でジッと姉の顔を見つめる。
自分自身の所為で姉は辛い目にあっているのだ。

「フム、ではこうしよう」

男はぽんと手を打ち。

「之から又ゲームをして貰おう、勝てれば今日は残りの時間の全て妹と傍に居ても良いよ」

『私は優しいからね』男は最後にそう付け加えクスクス笑った。


ソコはいつものような射的場ではなかった。
クッションのような物が敷き詰められてる中に、大きな柱が置かれている。
見たことも無い物に少女は身をブルりと振るわせた。

「君が前にゲームで破ったほら、日本人の少女が居ただろう?」

少女の怯えを知ってか知らずか、男は話を続ける。

「アノ娘にリベンジをさせてあげようと思ってね」

最後に『私は優しいのでね』と、付け加える。

「あの時は君の得意な射撃だったからね、次はアノ娘の得意そうな物で勝負してもらおうと思って」

『で、あれだ』そう言いながら指で柱をさす。

「オイ、連れてきたまえ」

誰とも無く声をかけると手を後ろで縛られたこの前の日本人が入ってきた。
真っ黒な髪の毛を背中まで伸ばした美しい少女だ。
紫色のレオタードのような全身タイツを身につけている。

だが、薄手の布地の為、胸や大事な部分が薄く透けて見え、煽情的であった。

「さて、君も後ろ手を縛らせてもらうよ」

ゲームのルールは一切聞かされないまま少女は言われたとおりに後ろ手を縛られる。

「大丈夫、ルールは簡単だサムライガールVSガンナーで、アノ上に載ってもらい」

そう言うと柱の上を指差し。

「相手をアノ柱から落としたら‘勝ち,だ」

うんうんと、満足そうに男は頷き。

「君得意だろ? スモウレスリング」

男が日本の少女を指差す。

「―――! (この様な馬鹿げた物、得意なわけが無い!!)」

少女が何事かを大声で叫ぶ。

「フム、聞いたかね? 自信満々だそうだ」

クルリと少女の方を向き直りうんうんと頷く。

「さて、お客様がお待ちだ二人とも、上がって」

男に促されて、少女はヨロヨロと、対戦相手の‘サムライガール,は意を決したように階段を昇った。


「さてと、もう一度ルールを確認しよう対戦相手を落とした方の勝ち、だ、シンプルだろ?」

少女二人が立っているだけで、足場はもう一杯一杯だ。
二人は背中合わせで立っている。
互いに後ろを向いているが、辛そうな息使いが伝わる。
当たり前である、両者には既に張り型が挿入されているからだ。

「只それだけでは面白くないのでソレを落としたら‘敗北,だ」

二人の張り型を指し示す。
自分は全裸なのに対して、
背中の少女は薄手とはいえタイツにより張り型が出ないように押さえつけられている。
圧倒的に不利であった。

「――― (そ、その方には、わ、悪いが、勝たせてもらうぞ)」

何事かを話しかけられるが全く意味が解らず、そのまま黙って前を見つめる。

(勝てるだろうか)

不安が鎌首をもたげる。
この前インド人の少女とオイルの塗られたリングで戦ったときは、
なす術もなく連続絶頂を強いられ敗北した。
‘射撃,は兎も角‘体力,には自信が無い。

(でも、負けない!)

グッと歯を食いしばり勝利を決意し、勝負の瞬間を待つ。

「ウン、二人ともいい顔をしている大勢の‘お客様,が見ている頼んだよ」

クスクス笑う男。

「じゃ、勝負開始のゴングが鳴ったら開始だ」

そう言うとスキップをしながら男はどこかへ消えていった。

「―――!(あ、兄上今度こそ必ずお助けします!)」

少女の後ろから又声が聞こえる。
先の件で自分の事を怨んでいるのだろうか?

(絶対に負けない)

少女が再び全身を固くした瞬間。

カーン!

ゴングの音が鳴り。

パチン。

二人が相手を落とそうと、尻肉を叩き合わせた瞬間。

バチン!

両者の張り型から電流が流れた。

「「ヒギィイぃぃいい!!」」

二人の口から同時に悲鳴が上がる。
危うく転倒しかけるのを必死に堪える。
どうやら張り型同士がぶつかると電流が流れるらしい。

「くぅ……ひきぃ」

少女は足を踏ん張り相手の次の攻撃に耐えようとするが、相手もまた様子見なのか攻めて来ない。

(日本人の娘の方がこの勝負得意のはず)

何かの作戦なのだろうか?
いや、少女が知らないだけで対戦相手の彼女もこんな勝負、得意ではなかったのだ。

「――! ―――――!(くぅ!こ、これしきで!)」

後ろから声がし、その瞬間。

少女の股間に物凄い衝撃が走る。
後ろの少女が自分の股間を蹴り上げたのだと気が付いたのは、一瞬意識が飛んだ後だった。

「ヒグゥッ!」

あまりの事に短い悲鳴を上げる。
必死に抜けかけた張り型が落ちないように股間に力を込める。

先ほどまで妹と愛し合い、そして先ほどの電撃に加え、今度の攻撃である。
最早少女の股間はボロボロであった。

(つ、次に又キックが来たら)

そう思った瞬間無意識の内に身体が動いていた。
張り型がぶつかったら又電流が来る、だが、あのままでいたら自分の敗北は必至。
ならば自分から攻めなければ。

後ろの‘サムライガール,もまた先ほど蹴りを入れた後、
後ろの少女が短い悲鳴を上げ、耐え切った事に不安を覚えていた。

(確かに急所を蹴り上げたはず、なのに効いてないのか?)

不安を感じたと瞬間、股間が‘ジュン,と熱くなるのを感じた。
汗を吸収しないタイツはビッショリ濡れ、吸収しきれなかった汗がぽたぽたと床に落ちていく。

先ほどから張りっぱなしになった乳首は胸の部分を突き破らんばかりに浮き立ち。
股間部分は張り型で大きく膨らみ突き破らんばかりに成っている。

「…………(あ、兄上、あにうえ……)」

悲壮な声を上げながら状況を打破すべく、今一度足を後ろに蹴り上げた。

勝負が決したのはその瞬間だった。

バチン!

少女が意を決して特攻を賭けた瞬間、片足を挙げ掛けていた相手にぶつかった。

両者の尻肉がたぷたぷと大きく弾み、
バランスを崩した‘サムライガール,が転倒する。
その瞬間、ズブリという衝撃と共に、脳天まで直撃するような衝撃が全身を支配し、大きく体を震わせた。

尻餅を突いた瞬間、張り型が大きく体をえぐったのだ。

「ヒイイイイイイイ!!」

何とか立ち上がろうとした所へ再び体当たりが飛んでくる。

「――――!(ア、アア、ま、待たれよ!)」

大きな悲鳴を上げ、堪えようとするが、汗ですべり、そのまま。

「ああ、い、いや! いやああ!」

クッションの上に落ちていった。
悲鳴を聞き、少女はようやく自分がこのゲームに勝利したことを知った瞬間。

「あ、ああんん……!」

チュポンと音を立てて張り型が床へと落ちる。
ソレと同時に激しく絶頂を迎えへなへなとその場に少女が座り込んだ瞬間。
パチパチと拍手の音がした。

「いやいやあ、よかったよ、お客さんの中には君の姿で堪えきれなくなった方も何人もいたよ」

相変わらず、クスクスといやみに笑う男。

「ほら、落ちたら君もああなっていたよ?」

男の言葉に少女が下を見ると。

「い、いやああ! た、助けて、兄上!!」

後ろ手に縛られたままで多くの男達の嬲りモノに成っている。

「ひ、ひどすぎる……!」

余りの光景に少女は大声で叫ぶ。

「フム、で、だ、君の妹の件だが……」

男は芝居がかったようにスッと床に落ちた‘張り型,を指差す。

「残念ながら、ソレを落としたのでね、君も失格だ」

男の言葉を聴き、へたり込んだまま呆然とする少女に背を向けると、

「まあ、嬲物は勘弁してあげよう」

『私は優しいのでね』

そう言いながらすたすたと去っていく。
その場にへたり込んでいた少女は、足元から聞こえる対戦相手だった少女の悲痛な叫び声をずっと聞いていた。






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