女子は私ひとり 入学編
シチュエーション


今年から共学になった元男子校に入ってみたら女子は私ひとりでした

どうして気が付かなかったんだろう、と入学式の日私はそっと溜息をつきました。
入試の時には女子はたくさんいました。当然合格発表の時もたくさんいました。
私は県外からの受験者で、父が転勤で春からこちらに引っ越してくるので、
先に母と私の住民票だけを移して受験をさせてもらいました。
だから、同じ中学校の友達はいません。この学校のことも、元男子校であることと
偏差値が私の出来具合と合致するくらいしか情報がありません。
入学手続き後、母と一緒に教科書購入にも来ました。やけに男子が多いな、
とは思いましたが、元男子校だから男子比率が大きいのだろう、としか
思っていませんでしたし、制服は各自採寸をして注文票を出したら
後日制服屋に取りに行く方式だったので、そこでも女子を目にしませんでした。

まさか私たった一人なんて、私も母も思ってもみなかったのです。

しかも教職員も全て男性でした。校医までもが男性です。
学食にはおばさんたちがいますが、パートですし、そもそも厨房から出てきません。

まったくの一人きりでした。

「どうしてこんなにスカートが短いのかな」

座っていると腿を四分の一ほどしか隠してくれない短いスカートは、
これでもかと細かいプリーツが入っていて、風が吹くとすぐにあおられてしまいそうです。
上はブラウスの上にブレザーを着ますが、学校指定のブラウスは
やけに生地が薄く、それ一枚では下着の柄まで透けてしまいました。
ブレザーはことさらに腰のあたりをシェイプしたラインになっており、
襟は大きくくれていて一つめのボタンはおへそのあたり。
下手に動くと開いた襟から胸が零れてしまいそうです。
でもせっかく受かった高校です。今日から頑張ります。

入学式の翌日は身体測定と体力測定でした。

「全員体操服に着替えろ」

ホームルームの時に担任が言いました。古河先生といい、古文が担当だそうです。
年の頃は三十前半、だと思います。大人の男の人の年齢は見ただけではよくわかりません。

「先生、あの……」

おずおずと手を挙げました。

「ん?どうした、渡辺」
「あの、私はどこで着替えれば……」

みんなは、着替えろと言われるなり学ランを脱ぎ始めました。でも私も、というわけにはいきません。

「あーそうか。よし、おまえら全員黒板の方を向け!」

古河先生は男子に、というより、クラス四十五名のうちの四十四名に向かって言いました。
そうしてつかつかと男子の一番後ろまで来ると、先生もくるりと私に背を向けました。

「先生がこうやって、誰も見ないように見張っているから、先生の後ろで着替えなさい」

女子用の更衣室は無いようです。

「あ、じゃあ……トイレで着替えて……」

来ます、まで言わせてもらえませんでした。

「さっさと着替えないと間に合わないぞー」

その瞬間、男子たちは、というか、クラスのほぼ全員は学ランの下に着ていたシャツも脱ぎ、
パンツが丸見えになるのも気にせずにズボンを下ろします。

「きゃっ!」

見てはいけない、と私は慌てて後ろを向きました。
手が震えます。ブレザーのボタンを外してそっと袖を抜きますが、しゅる、と衣擦れの音が響きました。
ブラウスの、小さなボタンを一つ一つ外していきます。
薄い薄い白いブラウスの下、ブルーの小花がレースにあしらわれたブラジャーが
くっきりと透けています。大急ぎでブラウスも脱ぎ、簡単に畳んで、机の横にかけていた体操服袋から
体操服を出そうと振り返りました。

「あっ!い、いやあっ!」

私は身体を抱くようにしてしゃがみ込みました。
いつの間にか男子も先生も、クラス中の皆が私の着替えを見ていたのです。
肩に温かい物が触れました。手です。

「渡辺、早く着替えなさい」

心なしか古河先生の声は震えていて、息も荒いようです。

「あ、でも……」
「先生、僕らで手伝ってあげましょうか」

先ほどのホームルームの際に委員長に決まった男子がそう発言しました。
会田くんです。出席番号が1番だったから委員長に選ばれてしまった会田くんの声です。

「いやっ!ひ、一人でできますっ!」

私は身を捩るようにして先生の手から逃れようとしましたが、上靴の底が滑り、
床の上に倒れてしまいました。

「きゃあっ」
「あ、大丈夫?」

すぐ側からまた別の声がします。
起こしてくれようとしているのでしょうが、剥き出しの腕や肩に触れてくる、
昨日初めて顔を合わせたばかりのクラスメート、しかも男子の手は、
私にとっては助けにはならないように思えます。

「大丈夫です!大丈夫だから触らないで!」
「そんなに心配しなくていいよ。先生、着替える時間はどのくらい残ってますか?」
「本来なら着替えて体育館に集合する時間なんだが……」

教室の中の空気が変わったような気がしました。

幾人もの手によって身体を支えられて起こされます。足が床に着いていないのに
立っているときと変わらない視界なのは不思議な気がします。
一年生の身体測定は、一年一組から順番に行われるのだそうです。体育館に集合し、
あちらの隅で身長を測り、こっちで体重計に乗り、座高、前屈したときの手の位置など
あれこれ測るのですが、一クラス四十五名が十クラスですから、そうとうな数の人間が入り乱れます。
私のクラスは一年十組。順番から行けば一番最後です。
多少遅れていっても構わない。遅れていった方が混雑緩和になるだろう。
そう古河先生は言いました。
腕を、腋を、腰を支えているのはまだ名前も覚えていないクラスメートです。
宙に浮いた状態の私に手を伸ばしてくるのもそうです。
スカートのホックが外され、ファスナーが下ろされました。
するすると抜き取られます。
ブラジャーとショーツ、靴下に上靴という恥ずかしい格好にされてしまいました。
男子の視線が突き刺さっているのかと思うほど、肌にくまなく小さな痛みを感じて、私は震えました。
男子の輪の向こうに古河先生が腕組みをして立っていました。

「身長や体重の測定の後は、保健室で診察があるから、下着は取っておいた方がいいだろうな」

うそ……。

すう、と血の気が引いていきます。かくん、と後ろに落ちそうになった頭を誰かの手が支えてくれました。
別の手が後ろから回ってきて、ブラジャーのフロントホックを外します。
ぷちん、という小さな音に、全員がごくりと喉を鳴らしたのが、まるで合唱のように聞こえました。
ホックを外した手が左右に開いていきます。

「ぁ……ぃや、み、ないで……」

胸を整えていた下着が取り去られ、私の胸はぶるんと揺れながら重力に従い、適当な位置でそのふくらみを描き直しました。

「す……げぇ」
「生でおっぱいなんて初めて見る」

ひそひそと聞こえる声が私の羞恥心をあおっていきます。

「ゃ…ぃゃ……」

その時です。

「あ、あああんっ!」

後ろから、だったと思います。二本の手が伸びてきて私の胸を下からすくい上げるようにして掴むと、
指を自在に動かして揉み始めたのです。

「あっ!あ、あっ!いやあっ!」

藻掻いて逃げようとしましたが、私の身体は男子の手に支えられていて、足は床に着いていません。
その足も今は左右から誰かに掴まれています。

「先生、下着は取っておいた方がいいんですよね」

その返事を待たずに、ショーツが引き下ろされました。

「やあああっ!」

靴下と上靴だけは相変わらず身につけたままの格好で、私は足を左右に広げられました。

「は…っ、はぁ…っ」

涙がぽろぽろとこぼれていきます。
胸を揉む手、胸にしゃぶりついてくる唇、肌を撫で回す無数の掌。
足の間に熱い息がかかったかと思うと、そこへも指が伸びてきました。

「おい、押すなって」
「バカ。見えないだろ」

がたがたと机を動かす音が聞こえたかと思うと、私は机を並べて作った即席の台の上に寝かされてしまいました。
手足は大きく開いて、誰かの手に固定されています。

「あ、あ…っ、いやあ。お願い。ひどいことはしないでください…っ」

これから一年間を共にするクラスメートです。初日からこんないじめをされては、
私は不登校になってしまうかも知れません。せっかく入った高校でそんなのは嫌ですし、
何より受験からずっと協力・応援をしてくれていた両親にも申し訳が立ちません。

「大丈夫だよ。渡辺さんには気持ちよくなってもらうだけだから」

ねっとりとした声と共に耳が舐められました。

「あ、ああ…ぅ」

ぶるぶるっ、と腰に震えが走ります。

「俺たちみんな、渡辺さんと仲良くしたいだけだからさ」
「そうそう。一年間、仲良くヤろうぜ」

優しい声が口々に言います。
そうなのでしょうか。みんな私に対してそう思ってくれているのでしょうか。

「あ、あ…っ。私も、仲良くしたいです。だから、だから」

太ももを撫でられるうちに、足の間が熱くなってきます。
誰かの指が私の大事なところを広げていくと、すう、と冷たい感じがしました。

「すっげー濡れてる」

濡れた内側が外気に触れてひやりとしたのでしょう。
私のそこはもうぐっしょりと濡れそぼり、身体の凹凸に沿ってぬるい液体がお尻の方へと垂れています。

「はぁ…っん!」

ぴくん、ぴくん、と身体が動きます。弱い電流を流されているように、指先までびりびりと痺れます。

「気持ちよくなろうねー」

その声と共に、くちゅっ、と水音がしました。

「んあぁ…」

思わずぶるぶると震えながらのけぞります。
ぐにぐにと、少し乱暴に誰かの指が入ってきます。
眠れない夜にそっと自分の指でそこを触ったことがありました。ぬるぬるとした液体に滑って、
つぷ、と指が入ってしまったこともありました。それを抜く瞬間に、その部分ではなくそこの奥が、
ずくん、と疼いたような気がしました。

「ああ、あぁん!あ、あん!や、やぁ…っあんまり、はぅんらんぼうにしないでくださいぃ…」

くちゅっ、くちゅっ、となんとなくまだ可愛らしかった音は、指の動きが激しくなるにつれて、
ぐちゅ、ぐぷ、と恥ずかしい感じの音になってきます。

「やぁん!あ、あ…っそこぉそこ、だめですぅっ!」

ごりごりっと膣のお腹側を擦られたとたん、奥の方がうずうずし始めました。

「きゃ、あああ、ああっだ、め…っだめです…っ」

ぶるぶると首を振ります。机の上なのでとても痛いですが、振らずにはいられない何かが
私の身体の奥から沸き上がってくるのです。
むにむにと揉み続けられている乳房も、ひっきりなしに誰かが舐めたりしゃぶったり、
摘み上げている乳首もじんじんとした熱をもって疼いていますが、
それよりももっと深く大きなうねりのようなものが始まっているのを感じます。

「あは、あんん、んぅす、ごいぃ…っ」

もうだめです。指でいじいじされているだけでは足りません。

がらりと教室の引き戸が開く音がしました。

「十組だけ遅いぞ!」

怒鳴り声と共に、私の周りを囲んでいた男子が潮が引くようにいなくなってしまいました。

「は…っ、は…あぅ…だ、れ?」

ゆるりと首を動かして入り口を見ます。白衣姿の男の人が立っています。

「何をしてるんだ、おまえたちは!」
「まあまあ」

すぐ側にいた古河先生が取りなしています。

「クラスの親睦を深めていたところだったんですよ。そろそろ十組の番ですか?」
「ええ」

頷いてその人は言いました。

「先にここで診察からしましょうか」

どうも校医の先生のようです。それなら白衣姿も頷けます。
手にしていたクリップボードをめくり、出席番号順に並ぶように指示をしています。
私は渡辺なので一番最後です。のろのろと身体を起こしました。

「ああ、きみはそのままでいい」

クリップボードからちらりと目だけを上げて、校医の篠原先生は言いました。
まだふらふらするのでうまく立てません。私はほっとしてまた机の上に横になりました。

「じゃあ、出席番号1番会田」
「はい」

寝たままでそちらを見ていると、シャツをめくりあげ、篠原先生が聴診器を当てています。

「よし、じゃあ次はこっちに来て」

篠原先生と会田くんが私の側まで来ました。

「性器の機能が正常かどうかを見るから性交して」
「はい」

会田くんは素直に返事をしています。さすが委員長さんです。
体操服の短パンを下ろし、パンツを脱いで、私の足を引っ張りました。

「きゃっ」

がたがたと背中の下で机が動きます。

「ああ、ちょっと待って」

篠原先生が止めました。

「先に渡辺さんの性器を診察しておこう」

言うやいなや先生の手が私の足の間を触ってきます。さわさわと恥毛が嬲られ、
私の体温は一気に上がってしまいました。

「は…っ」

のけぞった拍子にぷるんと胸が揺れます。
篠原先生の手は少しずつ下へとずれてきて、とても敏感な突起をぴんと弾きました。

「ひああっ!」

背中が弓なりに反って、後頭部が思い切り机に擦れました。痛いです。
でも篠原先生が触った小さな小さな肉豆のほうがもっともっと痺れました。
ずるり、と何かが入ってくる感覚に、立てていた膝ががくがくと揺れ、太もももぷるぷると揺れます。

「あ、ああん、ゃあん」

じゅぷじゅぷと繰り返される卑猥な音と、器用に中を触っていくそれに、
篠原先生の指が出入りしているのだとわかりました。

「あっ、あぁん!は…あ、い、いい…」

先ほど誰だかわからない男子に弄られていたよりも気持ちよくて、私はだんだん声を抑えられなくなります。

「い、いいの…ぉそこ、あぁん!そこ…っは」

不意に指が抜き取られました。
がくん、と身体が落ちます。

「問題なし。感度も良好のようだ。よし、会田。いけ」

篠原先生の言葉に会田くんはまた私の足を掴みました。

「渡辺さん、一年間よろしくね」

ずぶっ

「ああああ!あ、あっ!わ、たしも…っ、よろしくね、会田くんっ」

指よりも数倍太くて硬いものが私をこじ開けます。
苦しそうに腰を進めてくる会田くんを助けるために、私はゆらゆらとお尻を左右に振りながら
会田くんのものを飲み込んでいきました。

「あ、あ……あはぁ…っ」

ぎっちりと隙間が埋まったような充足感に、知らず知らず吐息が漏れます。自分で聞いても嬉しそうな声です。

「渡辺、渡辺っ」

もう呼び捨てです。さっそくお友達になれたと言うことでしょうか。

「会田くんっ!あ、ああんっ!」

ぐちゅぐちゅ、ぱんぱん、と音がする中、私たちは互いの名を呼び合って腰を動かしました。

「もうだめだ、出ちゃうよ」

ぎゅっと目を瞑った会田くんは、すごく悲しそうな声を出すと、くうう、と歯を食いしばって
私の中から出ていきました。それと同時にお腹の上に熱い液体がとぷとぷとかかります。

「ふ…はぁ…っ」

満足しきれない声が出てしまいました。
会田くんはしばらくうつむいていましたが、ありがとう、と言うと私から離れました。

「じゃあ次、2番江口」
「はい」

今時珍しく丸坊主です。

「え、ぐちくん?」
「うん」
「なんで、あたま」

気持ちいいまっただ中にいる私はまともに喋れず、単語しか出てこないようです。頭がとても悪そうな話し方です。

「俺、野球部に入るつもりなんだ。ここの野球部全員丸刈りだから」

照れたように頭を掻くと、江口くんも私の足を掴んで、膝を立てたまま左右にぐっと広げました。

「よろしくね、渡辺さん」
「うんっ、よろしくね、江口くん」

ぐじゅり、と軟らかい肉が押し潰されていきます。会田くんが入ってきたときのような痛みはありません。
ずるん、と大きく面で擦れながら江口くんは私の奥へと入ってくると、ぐりぐりと押しつけるような動きをしました。

「ふあぁぁっ!そ、れ…っ!」

高い声が出てしまいました。

「これ?これ、いいの?」

私は必死で頷きました。

「いいっ!いいの!それ、すっごくいい!」

江口くんは、ちょっと苦しそうに眉を寄せていましたがそれでもにこっと笑ってくれて、
ぐりぐりぐりぐりと私の奥を突き上げながら押しつけてきてくれます。

「ああん!あ、あぁ…っくぅんはぁ…っ」

子宮を揺り動かされているような感じで、私のお腹のあたりはポカポカしてきました。

「すご…っこれ、すごぃあはぁ…っいい、いいよぉ」
「渡辺さん、これ好き?」
「ん、ん!好きっ、好きぃ!」

私がどんなに指を伸ばしても届かない奥を江口くんの先端はぐにぐにと押してきます。

「ああ、だめだよ。そんなに締めちゃ……っ」

江口くんも会田くんのようにぎゅっと目を瞑って、悲しそうな声を出しました。

「あ、あ?私?私、いけないことしてるの?」

唇をきゅっと一文字に引き結んだ江口くんは、声を出すこともできないようで、
二、三度首を振るとやっぱり私の中から大急ぎで出て行ってしまいました。
そしてお腹の上にぼたぼたとこぼれ落ちてくる熱い液体。

「はぁ…ぅ」

足ががくがくします。でもまだ中がぐずぐずです。
篠原先生の涼しげな声が、出席番号3番の緒方くんを呼んでいました。

やはり一対一で顔を見合わせて、よろしくね、と自己紹介をするのは大事なことです。
記憶はぼんやりしていますが、私はおかげでクラス全員の男子の顔とアソコを覚えました。
出席番号27番の中村くんは、後ろからしたい、と言って、よろしくね、のあと
すぐに身体をひっくり返されてしまいました。でも中村くんは後ろから
がつがつと突き上げてくれながら胸まで揉んでくれたので、
私は気持ちよくて気持ちよくて、凄い声を出してしまいました。
そのせいで廊下側の窓は、他のクラスからの見学者でいっぱいになっていたそうです。

出席番号35番の水原くんは自分が横になって、私に、上に乗って、と言いました。
すごく恥ずかしかったのですが、水原くんのものを自分の手で支えて膣内へ導くと、
えもいわれぬ征服感に胸の奥が震えました。私はこういうのも好きみたいです。
一番最後に古河先生がしました。一年間担任としてお世話になるのだからとうぜんです。
しっかり、よろしくお願いします、と言っておかなくてはなりません。
先生は立ったままで私を抱え上げてお尻をがっちりと掴んで、
上下に揺さぶるようにしながら私の中をいっぱいいっぱい擦ってくれました。
先生との時間は男子との時間よりも長かったような気がします。先生で私はイってしまいました。

「古河先生の健康診断は要らないんだけど?」

にい、と笑う篠原先生の脇腹を古河先生はひじ鉄でつつきました。

「そう言うなよ。おまえはどうするんだ?」
「俺?」

篠原先生は一瞬だけ私を見て、すぐに古河先生に目を戻しました。

「そのうちな。校医は三年間の付き合いになるから別に急がない」

そう言って篠原先生は教室から出て行きました。


みんなの出したものでべとべとになった身体は、みんなが拭いてくれました。
わざわざ理科実験室へ行ってお湯を取ってきたそうで、あっという間にきれいにしてもらい、
体操服まで着せてもらいました。
体育館で身長や体重などを測って、無事に身体測定は終わりました。
短い休み時間の後、体力測定です。

「男子と同じメニューじゃきついだろうなあ」

そう言って体育の生田先生は百メートル走のところを五十メートル走に、
ソフトボール投げも私の手の大きさを見て、特別に、握りやすいボールならどれでも、
と変えてくれました。

「よおい、スタート!」

運動会ではないので銃声は響きませんが、先生がパンと手を叩くと
小気味よい音が校庭へと響いていきます。眩しい青空をすぱっと切り取るようないい音です。

「渡辺はここまでなー!」

先生が五十メートルのあたりにざりざりと足でラインを引きました。
ストップウォッチ係がそこへ走ってくれます。
みんな私に親切で嬉しいです。

「よおい、スタート!」

パアン、と手を叩く音が響きます。私は走り出しました。
とは言ってもついさっきまでさんざん足を広げていたので、
膝や股関節がガクガクします。
くにゃくにゃと私の意志とは関係なくふらつく膝を騙しながら前へと進むと、
そのたびにゆっさゆっさと胸が揺れました。

そういえば下着を着けていません。
青い小花のついたブラジャーは私のお気に入りの一つです。
誰かが外してくれたはずですが、ちゃんと教室にあるでしょうか。
無くなっていなければいいのですが。

ゆっさゆっさ。
ふらふら。

五十メートルはとても遠く感じました。


帰る前のホームルームでやっと制服に着替えることができました。
体操服はシャツはともかく短パンは、ショーツ無しで穿いたので
股の部分がべちょべちょです。乾き始めている部分は白く固まっています。
これは一度手洗いをしてからでないと、洗濯機に入れられません。
はあ、と溜息をついていると

「渡辺さん。これ」

と川田くんが私のブラジャーとショーツを持ってきてくれました。教卓の上にあったそうです。

「ありがとう」

受け取るとそれは両方ともしっとり濡れていました。ぷん、とにおう磯の香り。
これも手洗いが要りそうです。湿った下着を身につけると、なんだか変な気分になってきました。

ブラウス、スカート、ブレザー、と次々に着、くしゃくしゃに乱れた髪をとかすと、
朝の姿に元通りです。もう、クラスのみんなとは打ち解けたので、一緒に着替えても平気です。

「明日から時間割通りに授業が始まるので忘れ物の無いように」

と古河先生が言い、下校になりました。







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