貝辺小学校の七不思議 その一
シチュエーション


貝辺小学校の七不思議 その一 場所……二階の男子トイレ

五年生のKくんがその夕方、暗くなりかけた校内に忍び込んだのは、リコーダーを取りに戻るためでした。
翌日の音楽の授業で、リコーダー演奏のテストが予定されていたからです。
とはいえ、別に必ずしも取りに帰る必要はなかったのですが、まじめなKくんはその日のうちに練習しておきたくてわざわざ足を運んだというわけです。

みんなが下校してから、なにかしら忘れ物を取りに戻った経験がある人ならわかると思いますが、ひと気のない小学校というのはひどく不気味なものです。
昼は大勢の生徒や先生がわいわい喋ったり音を立てたりしているのに、それが夜になるとしーんと静まりかえってなんにも音がしない。
すっかり空気が冷たくなってしまって、廊下の暗闇の先にあらぬものの気配を感じてしまったり、できることなら一人で歩きたくないような場所なわけです。

Kくんは二階の教室の自分の机からリコーダーを取って、はやく帰ろうとしていました。
というのも教壇の影や掃除用具入れの中など、見えない場所に何か隠れているのではないかと、本気で思っているのではありませんけども、漠然とした不気味さを想像していたのです。
窓から外を見てもまっ暗い運動場と遠くの灯りが見えるのみ。
Kくんはいつもより早足で廊下を歩いて行きました。

ところが二階の階段に差し掛かった辺りで急にトイレに行きたくなってしまいました。
緊張しているからなのでしょう、いつもより強く尿意を感じます。
目の前にトイレもあることから、Kくんは怖いのを我慢しつつもトイレに入っていきました。

中は真っ暗。掃除してあるので嫌な臭いはしません。
Kくんは手洗い場の脇にリコーダーをおいて、スリッパをはいてトイレの中に入って行きました。
小便器が三つ並んでいて、Kくんはいつもなら一番奥を使うのですが、この時ばかりは一番手前の便器を使うことにしました。
ジーンズのファスナーをかちゃかちゃやっていると、どこかからピチャっと音がしました。Kくんは驚いて辺りを見回しましたが何も見あたりません。きっと流しの蛇口から水滴が落ちた音だろうと納得して、用を足し始めました。

用を足し終わり、パンツを履こうとした時です。Kくんは違和感に気がつきました。なんと、おちんちんの先に何かが付いているのです。
その太い血管のようなピンク色のグロテスクな管は、Kくんのおちんちんをグッポリ咥えていたのです。
さらにどこからともなく何本もの管がぬっと現れて、Kくんの両手両足胴体にぐるぐると巻きつくではありませんか。
Kくんは恐怖に叫び声をあげそうになりましたが、本当に驚いた時は声が出ないもので、力強い何本もの触手に引っ張られて、一番奥のトイレ個室に引き込まれてしまいました。

触手たちに軽々と全身を持ち上げられ、個室の宙に浮かんだKくん。
触手達は乱暴に、Kくんのジーンズとトランクスをずり落とします。そして、お尻を撫でまわすように細い、粘液の滴る触手の鞭毛が何百本とKくんのお尻を撫でまわし、強張った筋肉をもみほぐし、さらには、その割れ目の奥へ滑り込んで行きました。

「……っ!」

Kくんはいままで体験したことのない感覚に襲われます。そう、触手の先がアナルの入り口をぬるぬると押し広げ、奥へ奥へと侵入してきたのです。
Kくんはあまりの恐怖にさっきしたばかりだというのに、おしっこを漏らしてしまいました。
触手は脈動しながらそれを吸い上げ、そのうねうね動く内部の柔肉はKくんのおちんちんをねぶり回します。
内側の細かい肉襞はKくんのおちんちんの包皮を優しくむきむきし、露わになった亀頭全体を這いまわるように犯していきます。

精通もまだのKくんでしたが、触手のその動きに、むくむくとおちんちんに血液が集まっていくのを感じました。

「だめっ、やめろっ!」

小さく、変声前の高い声で触手にそう言いますが、触手は構いません。
Kくんはこんなことをされながらも少しずつ冷静になってきて、もしこの姿を誰かに見られたら生きていけないと悟りました。
自分でどうにかしようと腕に力を入れますが、触手はがっちりと腕を固定していて少しも動かすことができません。
そうしている間にも肛門に突き刺さった触手は前後運動を始め、少年の前立腺をほじくります。

「あっ、うっ」

最初は気持ち悪かったKくんでしたが、自分の内部をこんな風に犯されて快感を覚え始めていました。
一回抜き差しするごとの未知の激しい快感が全身を通り抜け、背徳的な気持ちになっていきます。
触手はKくんの乳首にも貼りつき、レロレロと丁寧に舐めあげます。
こんな不気味なやつに襲われてこんな気分になる俺は変態だ、とKくんは自分を責めました。
しかし、両足を空中でM字に広げられ、お尻を掘られ、ペニスを吸い上げられ、Kくんは甘い呼吸をせずにはいられませんでした。

亀頭の裏筋やカリの部分にミミズが這うような感覚。それはあまりに気持ちがよく、一体俺はどうなってしまうんだろうとKくんはグロテスクな触手に根元まで食べられてしまったおちんちんを眺めました。
おちんちんだけではなく、睾丸までも別の触手に一つずつ咥えられ、温かい粘液の中でくすぐられるみたいにコロコロ転がされます。
触手内の突起に、尿道の入り口を入念にちょろちょろと刺激され、おちんちんがとろけてどうにかなってしまいそうです。
Kくんは込み上げてくる何かを感じました。またおしっこがしたくなったとKくん本人は思いましたがそれは違いました。極限まで圧縮されたおしっこの出そうな感覚。それは紛れもなく初射精の、何にも勝る快楽でした。

「やめてっ、やめてっ!」

Kくんは恐怖に泣き出してしまいました。
しかし触手はやめるどころかさらに激しく、その動きを続けます。おちんちん全体を無数の柔毛が締め上げ、回転し、這いまわる。アナルも前立腺を的確に打ち付けられる。乳首は上半身全体が痺れるほどにちゅうちゅう吸いつかれ、睾丸は射精を促すようにマッサージされる。
Kくんの意識は真っ白になり、おちんちんが激しく脈打つのを感じました。ああ、おしっこ出ちゃう!
射精の間も触手の動きは止まりません。
その初めての液体を収斂作用でポンプのように吸い上げ、最後の一滴に至るまですべてを触手は飲み干しました。

「あああ!」

Kくんは涎を垂らして意識を失うほど、強烈な快楽の中に溺れて行きました。

Kくんは気がつくと、全身何も着ないまま。トイレの床に倒れていました。
おちんちんはポロンと丸出しで、いまだ快楽の余韻が残っています。

「一体なんだったんだろう」

いつのまにかさっきの触手に対する恐怖は消え、それどころか脳内では先ほどの快感を反芻しているほどでした。
Kくんは元の用を思い出し、急いで服を集め、着て帰りました。
家に帰って時計を見ましたが、時間は体感したほどには立っていませんでした。
その晩リコーダーの練習など手に付かなかったのは言うまでもありません。

そして次の日の夕方、息を潜めて、興奮する心臓の動きを感じながらトイレに向かったKくん。
しかし触手の姿は隅まで探してもありませんでした。
安心したようながっかりしたような、Kくんは苦笑いしてその場を去ったけれども、その肩を見れば落胆の程は簡単にわかりました。

「おちんちんをいじればいいのかな」

その日以降Kくんはオナニーを覚えました。けれどどうやってもあの日の快感には勝てません。
Kくんはだんだんとアブノーマルなオナニーをするようになりました。
アナルオナニーはもちろんのこと、野外オナニー、露出オナニー、尿道オナニー。
アナルプラグをアナルに突っこんだままニップローターを両乳首につけ、ペニスをしごきあげながら女性を追いかけるプレイはあの日には及ばないもののなかなかの快感を得ることができました。

ところである日Kくんは死んでしまいました。
Kくんは首をベッドに括りつけ、裸のまま仰向けで、お腹の上に冷めた精液を残して死んでいました。
恐ろしい話です。
生前Kくんが友人に残したこの事件の証言に加え、同様の事件がほかの生徒にもあったそうで、この七不思議はまことしやかに伝わっていきました。

貝辺学園七不思議 その一 「トイレの童貞食い」






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