芳一
シチュエーション


芳一は陶酔させ啼かせ終わると、

「実に今日は満足した、また明日も頼むぞ」

と頼まれて寺に帰った。
そうして毎夜出歩く芳一を不審に思って坊様が張り込むと
なんという事でしょう。
芳一は骸骨を啼かせているではありませんか。

毎夜骸骨を啼かせる芳一は日に日に痩せ衰えて行きます。
これはいかんと坊様は芳一の全身にありがたいお経を書いてくれました。

「やや芳一が見えぬ、芳一はどこじゃ?」

と探しますが姿が見えません。
芳一は返事をせず、一心にお経を心の中で唱えています。

しかし、なんという事でしょう!
坊様はたった一箇所、お経を書き忘れたところがあったのです。

「おお、こんなところにおったのか芳一。」
「芳一本人がダメならば、その証だけでも持ち帰ろうぞ。」

あくる日、坊様は芳一の無事を確認しに行きました。
坊様が見たものは。。。変わり果てた芳一の姿でした。
お経を書き忘れたソコは無残にも血だらけでした。
坊様はそれを見て天を仰ぐとおっしゃいました。






「すりきれるまでやりおった。おうおう子種を出し尽くし昇天しておるわ。」






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