アリアと師匠の物語
シチュエーション


部屋の呼び鈴を鳴らすと、額に垢で黄色く汚れた皮膚電極バンダナをつけた師匠が慌てるように出てきた。

「よお、アリア。待っとったぞ」

慌てていたらしく、首筋のインポートリングからはコードが垂れ下がっており、
接続ソケットがひざ元でぶらぶらと揺れていた。

「まあ、上がってくれ」

部屋の中は相変わらず雑然としており、様々な機械と酒瓶が雑然と置かれていた。

私は部屋に入るとすぐに発熱植物に手をかざし、
暖をとった。

「うう。さぶい。こんな寒い日になんの用?なんか、でかい仕事でも入ったの?」

いきなり電話で呼び出しを受けた私は、雪のふるくそ寒い中、
師匠のアパートまで歩いてきたのだ。
正直、けんな寒い日は家でのんびりしていたいところだが、
師匠の呼出しなら仕方ない。


スラムでゴミを漁っていた私を拾ってくれたのは師匠だった。
行き場のなかった私に生きる道を示してくれた。
すなわち私にコンピューターカウボーイーーーすなわちハッカーとしてのイロハを教えてくれたのだ。
師匠は厳しかったが、他に生きる道のない私はこの道にのめり込んだ。
次第にその道では、ちょっとした名前にまでなったのだ。


「うん……まあ、ちょっとな。……来てくれ」

師匠の手招きに呼ばれて、私はいつも仕事で使っているコンソールデッキの前に立った。
コンソールデッキから伸びるコードの、ソケットを師匠は私に無言で差し出した。
私は首筋のシュレーンリングにそれを差し込み、ネットな中に没入した。

まぶたの裏で様々な記号や文字が無数の列を作って、
めちゃくちゃに変色しながら高速でスクロールしていく。
やがて、それらはだんだと行間を狭くしていき一つの大きな光となり、
視界は白一色となった。

気がついたとき、私の目の前に灰色のピラミッドがそびえ立っていた。
しかし、いつもと様子が違っていた。
いつもなら、ピラミッドを構成しているブロックの一つ一つが、
テレビのように様々な映像を流しており、
それが視覚化された接続先を示しているのだ。
エロサイトから、国防省のサーバー、
はては銀行口座のオンラインといった、様々な電子の枝への入り口を普段なら
指し示しているのだが、
どういうわけか、今日はピラミッド全体が、
一つの巨大な激しい砂嵐を表示していた。

次の瞬間、ピラミッドの砂嵐は止みそこには師匠の顔が映った。
ーーー師匠の腕には私が抱かれていた。
つまり、ネットに意識を没入させて抜け殻の私をーーー。

「師匠!」

私は叫んだ。

ーーー正確に言えば、師匠のところに繋がっているはずの通信回線に、電信した。
ピラミッドに映し出された、師匠はニヤリと笑う。

「この日を待っておった。おまえを犯す日を……。おまえを拾った日からのう」

そう言って師匠は、私の本体に唇を重ねた。
ネットに没入した私にはなんの感触もないとは言え、
貪るように私の唇を味わう、師匠の姿に私は悪寒を覚えた。

「……なんで」

私は師匠に問いただした。
口でなんだかんだ言いながらも、師匠に受けた恩は忘れたことがなかったし、
実の父親のように思っていたからだ。

「……なんで?馬鹿が!こんな理由でもなかったらだれが、貴様みたいなガキを拾うか。
わしはこれだけが楽しみでのう。本人の見ている前で動けない身体を犯すのが。
おまえ以外にも……確か五人くらい犯したかな」

そう言うと、師匠は私の上着の中に手を入れて、いやらしく胸を触りはじめた。
私は急いでネット接続を切ろうとするが、いくらやっても回線が切れない。

「ハハハ。無駄無駄。接続が切れないように細工させてもらった。
そこで自分が犯される姿をとくと見ておけ」

巨大なピラミッドの中で蹂躙される自分を前にしながら、
私はどうすることもできずただ途方にくれるしかなかった。

「自分がなにしてるのかわかってるの?」

通信回線にチャンネルを合わせて、私は師匠に怒りを込めたメッセージを飛ばした。

「おお……わかってるよ」

ピラミッドに映し出された師匠は、私の声など意に介さないように、
私の胸を撫で回すように触りながら
私の唇を貪っていた。
ピラミッドに映し出された私は何事もないように、
目を閉じて寝息を立てていた。
感覚がないとは言え、目の前で自分の身体がいじくり回されるのは
良い気分ではなかった。「うむ……やはり若い娘の唇は美味しいの」
スプーンでゼリーを掻き回すような音が、ピラミッド全体から響いてくる。

「……いい人だって信じてたのに」
「……充分にいい人じゃよ」

美味しい飴玉を、無理矢理口から引き抜かれるように
ちゅぽんと言う音を立てながら師匠は私の唇から、自分の唇を外した。

「……わしは充分にいい人じゃよ。こうやって、おまえさんに、
世の中には善人ばかりじゃないないと、教えてやるんじゃから」

そう、言うと師匠は私の上着を脱がしはじめた。
力無く万歳をさせられた私の身体は、なんなく上着をめくりあげられ、
ブラジャー姿にさせられた。
ブラジャーを捲くりあげられて胸を露出した私の身体は、やはり平和そうな顔をして、寝息を立てているだけだった。

私の身体を自分の股の上にのせると、
師匠は背後から手をはわしてじっくりと私の胸を直接揉みはじめた。

「若い娘の肌はやはり……」

そう言って乱暴に扱われる自分の姿から私は目を逸らしたかった。
しかし回線が切れない以上それは不可能だった。
目の前のピラミッドは物理的に存在しているのではない。
ましてや、私の網膜に映っているのではない。
直接私の脳内に投影されている光景なのだ。

「やめてよ!」

私の叫びをあざ笑うかのように、今度は私の乳首をつまむようにいじりはじめた。糸をよじるように、
中指と親指で私の乳頭をつまわすと、こね回すように指を動かし続けた。

「さて、おまえの感度はどうかな」

同時にもう片方の乳首に唇を近づけ、ちゅうちゅうと
音を立てながらむしゃぶりつくように吸いはじめた。
胸に唇を押し付けるようにうずめたかと思えば、
吸い込みながら乳首を引っ張る。
吸引されるように、引っ張られる私の乳首は、乳房から噛むみちぎられそうだった。

「いい顔じゃ」

そう言うと師匠は、乳首から口を離して、カメラ目線になった。
片手で乳首をいじりながら師匠は言った。

「こちらから、おまえの顔は見えておる。
ネット内に意識を閉じ込められたおまえの姿がな。
……そうじゃ、その顔じゃ。
そうやってネットの牢獄で悔し顔を作りながら、」

わしを興奮させるんじゃ

人を小ばかにするような表情で、師匠は高笑いをあげると、
再び私の乳首に唇を寄せた。
今度は蛇のように、舌先だけを出して私の乳頭を中心に、
ねぶるようになめ回した。

「う……うん」

ピラミッドの中の私、小さく喘ぐ。

「ハハハ。意識はがネットの中にいても、身体が反応するとは……
おまえさんの感度はよっぽど良好なんじゃな」

私は、全身が身震いするような感覚に襲われた。
こんな爺さんに触られて感じるわけがないーーー。「そんなわけないでしょ。早くここから出して」

「安心しろ。ちゃん出してやる」

師匠は、舌を動かすのをやめてこちらに目線を向ける。

「…………?」
「わしがおまえさんの身体に挿入して、盛大に中にだしてやる瞬間に、おまえさんの
意識を本体に戻してやる。そのとき、おまえさんがどんな反応をするか楽しみじゃわい。
わしが中に出すとき、おまえさんをネットの中から出す。
おもしろいじゃろ」

そう言って馬鹿笑いをすると師匠は再び私の乳首をいじる作業に戻っていった。

舌先でなぶられた片側の乳首だけが、つんと隆起していた。

「ほう……固くなってきたな」

手で乳房を握るように掴みながら、師匠は私の乳頭を舌先で転がすようになめはじめた。
まるで味でも確かめるようにれろれろと音をだしながらなめ続けた。

唾液まみれにされた私の乳首はぬめぬめと濡れており、
師匠が舌先を乳首から離す度に、乳頭から唾液の糸を引いた。
時折、師匠は固さを確かめるように唇や歯で私の乳頭だけを噛むようにしては、こちらに下卑た笑いを向けた。
もはや私には師匠の顔は人間の姿には見えなかった。
そこにいたのは餓えた汚らしい野獣だった。

貪るようになめ回される私の身体、
正直可能であれば二度とあの身体に戻りたくはないと思った。

自分の身体をなめ回されることが、これほど気持ちの悪いことだとは思わなかった。

ーーーましてや私は他人に自分の裸体を見せたことは一度もなかったのだ。
私は物心ついたときからスラムでゴミを漁って生きてきた。
一緒にゴミを漁っていた友人の中には売春婦になったものもいた。
それでも私は身体を売ることだけはしなかった。
別に自分の身体を大切に思っていたわけではない。

……スラムの中で生きていて、何度も無理矢理犯されそうになった経験から、
男が信じられなくなっていったのだ。
その生活から救い出してくれた男ーーー
しかし、その男もまた私を犯そうとした連中と変わらなかった。
いや、力ずくで犯しにくるほうがまだましな気がした。
今、目の前で起きている行為は畜生にも劣る卑劣な行為だった。

ーーースラムから私を救い出して、生きる術を教えてくれた師匠が、今最悪の形で私を裏切っていた。

「この卑怯者!」

師匠は私の声など聞こえないように
私の身体をいじくりまわすのに夢中のようだった。
ピラミッドに映る私は相変わらず何事もないような、表情のまま目を閉じていた
師匠は乳首から唇を離すと、爪先で引っ掻くように隆起した乳頭を何度も弾いた。
弾力を持った乳頭は弾かれる度にプルプル震えた。


私に見せ付けるように、ニヤついた目をこちらに向けながら、上下左右に指先だけで乳頭を撫で回した。
それに反応したのか
指だけでいじられていただけのもう片方の乳首も、
意志をもったかのように隆起しはじめ、師匠の二本の指の間でぴんと張りはじめた。

「若いというのは、すばらいしいのお」

師匠は再び乳首に唇を寄せて、餓えた子猿が母親の乳首を吸うように、
私の胸にしゃぶりついた。

「……ずっと、私をそういう目で見てたの……」

私が尋ねると師匠は、乳首からうなじまでベロリとなめあげて、目線をこちらに向けた。

「そりゃ、そうじゃ。色気のない貧相な身体のおまえが、
少しずつ、胸を膨らませて女らしゅうなっていくのを
わしはずっと我慢して見てきたんじゃ」
「あんた……最低ね」
「わしが拾わなんだら、おまえなど今頃野垂れ死んどるか、
売春婦が関の山じゃ。
感謝されるこてはあっても、怨まれる筋合いはないわい」

師匠の暴虐を阻止したくても阻止できないジレンマに、私は強烈な苛立ちを覚えた。
しかし私にはなす術がなかった。
私が、ピラミッドに映る師匠のいやらしい顔を睨みつけていると、
師匠は唇の端を歪ませて楽しそうに言った。

「……さて、上はそろそろいいかのぅ」

そう言うと師匠は私のスカートの中に手を突っ込んだ。
スカートの中がもぞもぞとまさぐられる。スカートの下で何が起きているのか
見えなかったが、いやでも想像はついた。

「やめて!」

無駄だとわかっていても叫ばずにはいられなかった。
師匠がスカートの中をまさぐる度に、私の本体は小さく顎をしゃくりながら、小さな喘ぎ声を漏らしはじめた。

「……うんっ……あっ……あっ……あんっ」

師匠の腕の中で感じている自分に、私は身の毛もよだつような嫌悪感を覚えた。全身が総毛立つ。

「やめてよ!」

私は懇願にも似た叫びをあげた。
それでも師匠は私のスカートの中をまさぐるのをやめなかった。
あいかわらず乳首を弄りながら、私の唇を貪りながらーーー。

しばらくして、ピラミッドに師匠の指先がアップで映った。
師匠の指先は、何かの液体で濡れており、てらてらと光っていた。
頭の中がざわざわと鳴った。

「おまえさんの愛液じゃ」

そう言うと師匠はその指先を自分の口元に持って行き、
美味しそうにしゃぶりはじめた。
私は全身に鳥肌が立つ感覚に襲われ、絶叫した。

「うん……ええ味じゃ。おまえさんもスカートがあると自分が何をされているかわからくて不安じゃろう。
どれ、ちと待っておれ」

そう言うと師匠は、私のスカートをめくりあげ、下着を脱がしはじめた。
ピラミッドにはスカートを腰までまくしあげられて、大股開きで師匠の太ももに座る私の姿が映し出された。
左足首には脱がされた下着が申し訳なさそうに巻き付いていた。

ーーー今、再び師匠の手が私の秘部に伸びようとしているときも、
私の本体は健やかな寝息を立て続けていた。

ピラミッドに映し出された私は、師匠の股の上に腰を下ろしたまま、
平和そうな寝顔で大股を開いていた。
私自身、自分のアソコを、まざまざと見たことはなかったが、嫌でも目に入る。
普段はぴっちりと淫唇が閉じているはずなのに股を開かれているためか、
淫毛の中に桃色の裂け目が見えていた。

「幼い顔の割に意外に毛深いのお」

にやにやしながら師匠は私の淫毛を引っ張っては離すを繰り返し始めた。
わさわさと言う毛がこすれあう音が耳障りなノイズのように、私の耳に届いた。

「やめろ!」

私が怒気を込めて叫ぶと師匠は、わざとらしいおどけた顔を作る。

「……おお。怖い、怖い。
おまえの本体はおこりっぽいのお」

師匠は抜け殻の本体の耳元で、人形相手にでも話すように囁き、私の耳をぺろぺろとなめはじめた。

そして私の淫毛を弄んでいた指先を、私の秘部にあてがって、上下に動かしはじめた。

「そんなとこ、触んないで」

自分の敏感なところに勝手に触れられることほど、おぞましいことはなかった。しかし、師匠は触り続けた。

指先だけをぴくぴくと動かしながら、何度も同じラインをなぞりはじめた。


ーーー師匠の指先は時折往復運動を止めては、小刻みに左右に震えて、ライン状の一カ所をさすりはじめた。
しばらくさすったあと、また上下に撫ではじめては動きを止めては、一カ所を左右にさすりはじめる

ーーーその行為がしばらくの間繰り返された。

その動きを何度も繰り返しやがて師匠の指先がライン状の一カ所を執拗にさすりはじめた。
狙いを定めたように指先は円を描きながら、暴れ回る蛇のように一点でくねくねと暴れた。
入り口を捜し当てた指先は、小刻みに震え割れ目の内部へと侵入していった。

門内に侵入した指先は、さらに動きをエスカレートさせた。
次第にくちゅくちゅと、私の内部を掻き回す卑猥な音が聞こえ始める。
誰かに触られたことなど一度もなかった。
私はその秘部が今いじられ、濡れているーーー
背筋を冷たい氷が走った。

「もう、やめてよ!」

しかし師匠はやめない。

「んあっ……あっ……うんっ……あんっ……」

抜け殻の私は師匠の指先に反応し始める。身体をぴくんぴくんと震わせながら頬を赤く染め、
力無く開いた口から甘い吐息を漏らしはじめたーーー。

自分の意志と裏腹に反応を示す本体の姿は、
私に激しい屈辱感を植え付けるのに十分なものだった。
師匠は皺だらけの指を私の内部に出し入れしながら高笑いをあげた。

「ほうほう。感じはじめじたぞ」

師匠は私のアソコを弄りながら楽しそうに笑う。

「違う!感じてなんかない」

ーーー誰が。誰が。誰が……。

「ひゃっはっはっはっ!
女らしいそぶりを見せんおまえさんでも所詮
こんなもんか!身体は正直じゃのう!」

相手が誰であろうと無条件に感じている自分の身体をみて私は、
拒絶する意識体の自分と、感じている自分、どちらが本当の自分なのか
段々とわからなくなっていった。

そんな私の葛藤を余所に
師匠は、
たんたんと私の身体を好き勝手にいじりまわすのをやめようとしなかった。
最初、指先だけが出し入れされていただけだったが、
師匠の指はだんだんと根本まで私の秘部に侵入し始めた。
チュポチュポと、固めのゼリーをえぐるような音を立てながら、
出し入れされる指先は、
私の愛液で濡れていた。

師匠の指先はさらに動きを加速した。
最初出し入れされていただけの師匠の指先は、やがて不規則な動きを見せはじめた。
師匠の指の動きはまるで狭い穴を広げていくように、激しさを増していき、
無遠慮に私の膣内をこねくりまわすように掻き回しはじめた。
そのあまりにも激しく無理矢理ほじくるような指の動きに、
私は自分のアソコが壊されてしまうんじゃないかという恐怖に襲われた。
そんな私の恐怖を差し置いて、
私の本体は師匠の指の動きに合わせるように身体を小刻みに震わせ、
小さかった喘ぎ声をだんだんと大きなものにしていった。
喘ぐ度に小さく顎がしゃくりあがる。

「ひんっ……ひあっ……いっ……あっ……はっ……うんっ」

胸の上で汗が球となり肌の上を幾筋も滑り落ちていく。

身体の異変に対する反応なのか、時折薄目を開ける私の本体は、
まるで助けを求めるように見えたが、
ネットの中に囚われた私にはどうすることもできなかった。

「……充分に濡れてきたみたいだし、そろそろころあいかのう……
が、その前に」

そう言って師匠は私の秘部からようやく指を抜いた。指先から秘部にかけて一筋の糸が引いた。

やっと、私のアソコをいじるのを止めた、
師匠は大股開きのままの私を担いで前に歩み寄った。
ピラミッドには私のアソコがどアップで移された。
淫唇の周囲の淫毛は濡れて湿っており、割れ目から除く内部も水気を帯びて
、新鮮な果実のようにてらてらと光っていた。

「ええ、濡れっぷりじゃろう。
男を受けいれる準備は万端じゃ……さて味もみておこうかの」

そう言うと師匠は再び後ろに下がり、
私のまたぐらに顔をうずめた。

猫が皿のミルクをなめるような音が聞こえはじめた。
大股を開いた私の股間に顔を埋めながら、
師匠の頭は小刻みに揺れた。
師匠の両手は私の胸の上で、せわしなく動き回り、
相変わらず乳首をつねったり、
乳房をしごくように撫で回していた。

自分のまたぐらで何が起きているのか……直接見えなくても、
何をされているかは想像がついた。
それは考えたくもないことだった。
もし本体が受けている感覚が、
電子の海で意識体だけになっている私に伝わってきたのなら
私は発狂しているにちがいなかった。

……しかし、私の本体は真逆の反応を示しているようだった。
眠っている人間がくすぐられているように、閉じた目をぴくぴくと痙攣させながら、本体は小さな喘ぎを繰り返していた。
時折、大きく顎を跳ね上げては、いやらしい吐息を漏らすその姿

ーーー認めたくはないがうっとりしている顔ーーー
は、私の自尊心を粉々に打ち砕いた。

「……あっ……ふぁっ……ひんっ……はんっ」

聞くに耐えない声を無理矢理聞かされるーーー
生き地獄だった。
私がいくら叫んでも師匠は振り返らず、
黙々と私の股に顔を埋めつづけた。
しばらくの間、私の股間が舐められつづける音と、
それに反応する私の声だけが電脳空間にこだました。
延々と続くかと思われた不快な音の共鳴……しかし、だんだんとある変化が起きはじめた。
私の本体が発する喘ぎの感覚がだんだんと短く、
そして声そのものが大きくなっていったのだ。
それに合わせて身体もぴくぴくと痙攣するように震えはじめる。

「あっ、あっ、あふっ、あっーーー」

何かの予兆のように、私の本体は息を荒立て始めた。
次の瞬間、私の本体が電流でも流されたかのように、
びくんと大きく波打ち、叫ぶように声をあげた。

「んあああああっ!」

今だかつて、一度もだしたことのない声。
そして、おそらく作ったことのない表情ーーー
私は自分の身に起きたことが、理解できず困惑した。

……しかし、次の瞬間自分の身に何が起きたのか、
一瞬で理解した。

「きたぞ!」

そう言うと師匠はさっと身体をどかした。
ジョウロから水が流れるような音と共に私の股間から黄色い液体が、
弧を描いて飛び出した。
白い湯気が立ちのぼり、その向こうで、
私の本体は小刻みに震えながら
放尿していた。
その表情は弛緩しきっており、気持ちよさ気だった。
頭の中で、何かがガリガリと音を立てた。胸の中に恥辱と屈辱の波押し寄せ、
誰かに殺して欲しいとまで願った。

ーーーこのジジイの舌で私はイカされたのだ。

そんな私を嘲笑うかのように師匠は嫌らしくにやけて見せた。

「ハハハ。わしの舌でイキおった。どれ、こっちの味もみておくか」

そう言うと師匠は、横向きの蛇口から水を飲むように、
顔を横にして私の尿を口の中に入れはじめた。
無数の水滴が連続して弾ける音と、ごきゅごきゅと喉のなる音。
もはや私の頭は真っ白になり正常な思考ができなくなっていた。
ピラミッドに映る信じがたい光景を、
私はただぼんやりと見つめるしかなかった。
私の本体が放尿をやめると師匠は口元を拭いながら、
こちらに目線を向けた。

「……ふむ。健康なようじゃの。
やや、しょっぱいかな。
おや、どうした。そんなしょんぼりして……
本番はこれからじゃぞ」

そう言うと師匠ズボンを下ろして、股間をこちらに向けて見せた。

白髪混じりの淫毛に覆われたソレは、
青白く張りのない肌に覆われた太股の間でぶらぶらと揺れていた。
エロサイトに侵入したとき、何度か見たことがあるが、
こうしてまざまざと観ると、それはえらくグロテスクなものだった。
しなびた果実のように皮をシワシワにたるませて、
ところどころ縮れ毛を生やした塊から、
象の鼻のように細長いものがぶらりと垂れ下がっていた。
垂れ下がっているそれは、
太い血管の青筋が浮いた皮に覆われており、
先端部分だけが、扇状に飛び出していた。

睾丸と淫茎……とにかく気持ち悪かった。

師匠はそれを掬いあげるように手の平に載せた。

「本番……と、言いたいところじゃが、
わしも年じゃな。
目の前にご馳走があって、
いじくりまわしても、勃たんなんて……はぁ」

師匠はしょぼくれた表情で自分のものを見つめ続けた。
人の身体をご馳走呼ばわりされるのは
腹立だしかったが、内心ホッとした。
ついさっきまで自分の身体がされたことも
許容できることではなかったがーーー初体験を奪われことよりはマシだった。
私は息を呑んでことの成り行きを見守った。
師匠は大事そうに、自分のモノをしばらく見つづけた後、ため息を漏らして
こちらに視線を向けた。

「これではなんともならん……」

私は沈黙を守った。
下手に言葉を発して師匠を刺激するのは
避けたかったのだ。
下手な言葉を挟んでこれ以上何かをされるのはごめんだった。

「……仕方ない」

そう言うと師匠は画面外に歩き始めフェードアウトした。

私は自分の願いが通じたと、心底神に感謝した。
ピラミッドには股を開いて寝息を立てる私の姿だけが
映し出された。
さっきまで、師匠の行為に目を奪われていた私は、
自分の本体をまじまじと見てみた。

ーーーぬめり気を帯びて隆起した乳首。
ーーー濡れて充血した割れ目の中。湿り気を帯びて、ペタリとくっつき合う淫毛ーーー。
ーーー眠っていても、朱く染まる頬。

……我ながら情けなかった。
意思が無いとはいえ、こうも正直に反応する
自分の身体が信じられなかった。
好きな人にされてこうなるのならまだしも……。

「……バカ」

私は自分の本体に一言呟いた。

自分の本体を観察しながら、私は師匠が戻って来ないことに不安を覚えた。
これ以上本体をいじくりまわされないことは、
ありがたかったが、
一向に意識が本体に戻されないことに私は焦りを感じた。

ーーー勃起しない師匠は、私を犯すのを諦めた。
それが、私の願望だった。

しばらくして、師匠はひょっこりと現れた。
手には四つ脚の椅子を持っていた。
師匠のアパートのダイニングに置いてある椅子ーーー痔を患っている師匠のために私が買ってあげた
クッションがついたやつだーーー。
師匠は私の本体の真横にそれを置くと、
下半身を露出したまま膝立ちの姿勢で椅子の上に上がった。
そして、私に目線を向けた。

「わしのモノを勃たせるためには、おまえさんの
手を借りんといかんようじゃ
……正確には、借りるのは手ではなくて口じゃがの」

そう言うと師匠は両手で私の頭を掴み、自分の方に向けさせた。
そして下半身を私の顔に近づけると、
力無く半開きになった私の口に、自分のモノを押し込んだ。

……ピラミッドには股を開きながら首だけを真横に向けて師匠のモノを、
くわえ込んでいる私の姿が映った。

師匠の股ぐらに顔埋める自分ーーー受け入れがたい光景だった。

「これアリア!もっと上手にくわえんか……
と、今のおまえさんに言っても無駄か」

そう言うと師匠は、自分の精器を中心に円を描くように
私の頭を動かしはじめた。
師匠は私の口の中に淫茎と睾丸の両方を、
捩込んでいた。

「……鼻息が荒いな。おまえさんの鼻息がくすぐったいぞ。
そんなに興奮しておるのか?」

口での呼吸が妨げられた私の本体が必死で鼻だけで
息をしているのだろうーーー
私は激しい嘔吐感を覚えた。
あんな汚らしいものが自分の口に捩込まれていることは、
耐えがたいモノだった。
師匠の股間に顔を埋められ、動かされるたびに
私の顔が師匠の淫毛と擦れ合う音が響く。
思うように息が出来ない私の本体は、
苦しそうな表情を浮かべながら、
ますます顔を朱く上気させていった。

「うむ……うむ」

何かに納得するように師匠は何度も頷く。
時折私の口元に掛かる髪の毛を手で払いのけながら、 師匠は私の頭を揺さぶり続けた。
円運動を繰り返していた、私の頭は次第に

ーーー前後に揺さぶるだけの運動に切り替わっていったーーー。

最初、睾丸まで押し込まれていた私の口は、いつのまにか
師匠の淫茎だけを出し入れしていた。
ピストンのように出し入れされていた師匠の淫茎は私の唇と師匠の淫毛の間で、
次第に太くなりはじめているように見えた。

私がそう思いはじめたとき、師匠が動く度に、
内部から突かれるように、私のほっぺのあちらこちらが
ぽこぽことーーー歯磨きをしているときのようにーーー膨らんだ。

それに合わせるように、私の本体はより、苦悶の表情を強めていった。

ーーー私の口の中で、師匠のものが硬度を帯びはじめたのだーーー。

「おお!勃ってきたぞ!」

嬉しそうに師匠は叫んだ。
そんな師匠とは裏腹に私の本体はーーー口の中で膨張するものが呼吸の妨げになっているのか、
あるいは咽頭を突かれているためかーーー
眉間に深いシワを寄せて目尻をぴくぴくとさせていた。
睫毛はうっすらと濡れており、顔色が朱から紫に変わっていった。
今にも吐き出しそうな顔だった。
苦しそうに身体全体がびくんびくんと波打った。

「よし!」

力強く叫びながら師匠は私の口から自分の
淫茎を引き抜いた。
師匠の淫茎の先から、私の唇にかけて、一筋の光が弧を描いた。

「見ろ!おまえさんのおかげじゃ」

師匠はカメラの前にそそり立ったモノを向けた。
師匠のモノは全体を私の唾液に濡らしており、
うっすらと湯気を立てていた。
……ピラミッドに映し出されたそれは、筆舌に尽くしがいモノだった。

「……では、始めるかの」

師匠は椅子から降りると、私の腰を浮かすように持ち上げ、
その下に自分の腰を滑り込ませた。
私の本体は再び師匠の股の上に座らせる格好となった。

師匠は私の脇の下に右腕を差し込み、
抱え込むように私の胸の前に腕をはわせて、
私の身体を持ち上げた。
私と師匠の腰の間に隙間が出来た。
師匠は自分の淫茎に手を添えて、先端を私の秘部にあてがい始めた。
中々狙った場所に自分の淫茎を持っていけないのか、
師匠はもたもたと世話しなく手を動かして、淫茎の位置を調整していた。
私の淫毛の中で師匠の亀頭が、入口を探すかのように、
くねくねとうごめいた。
私にとってその光景は、は恐怖以外のなにものでもなかった。
今から自分に襲いかかる出来事を想像して私は、
身体が凍りつく思いだった。
もたついていた師匠の手元はやがて、ぴたりと動きをやめた。

ーーー入口を捜し当てた師匠の手が淫茎から離れたのだーーー。

「さて、どんな具合かな?」

師匠の淫茎を先端にあてがわれた私の本体は、
先ほどまでの呼吸困難から解放されたためか、
大きく腹を上下させながら、ゆっくりと呼吸を整えているように見えた。
その姿はまるで、焦る私の意識とは裏腹に
これから起きることに備えているようだった。






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