ディナーの後には 洸至編
鳴海洸至×鳴海遼子


遼子のベッドの上には、さっきまで遼子が鷹藤そのもののように大事に持っていた携帯電話が放り投げてあった。

「鷹藤君とメールしなくていいのか」

脚を開いた遼子の後ろに洸至が座っていた。
下着を脱いだ妹の脚を大きく開かせその内腿を指先でゆっくりとさする。

「ぁ…」

返事代わりに遼子は快楽からの吐息を漏らした。
遼子のベッドに上がった洸至は遼子に強く触れることも無く、ずっと指の先で微かに躰じゅうを撫でまわすだけだ。
それがもう10分以上続いている。
たったそれだけの行為で遼子の秘所からは蜜が溢れ続け、シーツの上に大きな染みをつけていた。
遼子を焦らしに焦らし、理性が弾けるのを待つ洸至も部屋に充ちる遼子の匂いに眩暈がしそうなほど興奮
している。

「いい匂いだよ。部屋中お前の匂いだけだ」
「お願い…お兄ちゃん、もう、ちょうだい…」
「何を」

遼子の首を兄が舌で舐めながら聞いた。

「もっと気持ち良くなりたいの…」
「本当に遼子は素直でかわいいよ」

洸至が遼子の顎を掴むと、そっと唇を重ねた。
遼子が重ねた唇から兄の中へ舌を入れようとした時、あえて洸至が身を引く。
洸至の鼻先で妹の瞼が切なげに瞬いた。

「いかないで…」

兄の温もりを求めて遼子が手を伸ばす。
その言葉を背に洸至はほくそ笑む。
部屋のテーブルに置いてあった化粧用の二つ折りの大きな鏡を手に取ると洸至が戻ってきた。

「俺がお前をそのままにする訳ないだろ」

また遼子の後ろに座ると、洸至は遼子の開いた太ももの間にその鏡を置いた。

「いや!」

遼子が太ももを閉じようとするが、兄が足を後ろから絡め膝を押さえつける。
大きく開かれた遼子の秘所が、薄暗がりの鏡の中に映っていた。

「すごいよ…見えるか?シーツまで濡れて…」

洸至の言葉と息に、遼子の耳朶が熱を持ち赤くなった。

「やめて…言わないで…」

遼子が鏡に映った自分のグロテスクな秘所から眼を逸らそうにも逸らせないでいた。
あまりの淫らな眺めに視線が吸い寄せられている。
そこは蠢き蜜を吐き出し快楽だけを貪欲に求める生き物のように見えていた。

「ここを初めて見るのか?じゃ、奥まで見せてやるよ」

洸至が遼子の秘所に人差し指と中指をあてがうと襞を大きく開いた。
微かな光を受けて、襞の一枚一枚が淫靡に輝く。
襞に包まれた中央には薔薇のつぼみのように可愛らしいとば口と、その上に薄く色づく花芯がある。
洸至の指がとば口をそそのかす。

「きれいな色だよ。遼子のここは。ほらここが…男を迎えるところだ。この間もしたんだろ?」

溢れる蜜が跳ね、ぴちゃりと音を立てた。

「違っ…」
「違うんだったら、どうしてこんなに濡れるんだよ。クリトリスも充血してるじゃないか。見てみろよ。

赤く膨らんで、触ってくれって誘ってるみたいだ。男を知らない躰がこんな風になるのか」

「や…」
「ほら、お前のここが欲しがってるんだよ。欲しいんだろ?」

中指がとば口をゆっくりと辿る。それだけで洸至の指先はふやけそうなほど濡れた。
遼子が振り返り、あまりの興奮から兄に縋りつくような視線を送った。

「いじわる言わないで…ちょうだい…欲しいの…欲しくておかしくなっちゃいそう」
「いいぞ。だけど、俺にお前のマッサージを見せてくれたらな」

洸至が舌で遼子の耳たぶを嬲った。

「やだ…そんなの…」
「欲しくないのか」

洸至が遼子の尻に洸至自身を押し当て、鷹藤のものとは違う感触をジャージ越しに遼子に伝えた。
興奮からだろか、遼子の肩が震えた。

「…欲しい…」

遼子は舌舐めずりし、兄に流し眼を送った。それを見た洸至が眼を細める。


遼子の白い指が、赤く色づき蜜を吐き出す秘裂にあてがわれゆっくりと沈んでいく様子が鏡に映っていた。

「はぁ…ん」

鼻から甘い息を吐きながら、遼子が肩を震わせた。
中指を付け根まで呑みこませると、遼子はゆっくりと抜き差しし始めた。

「ぁ…ん…」
「お前は本当にいやらしい妹だよ…聞えていないと思ってたのか…『マッサージ』の時の声がさ」

洸至が楽しげに囁く。

「やっ…違う…」
「毎晩毎晩あえいでただろ。それに今、俺にこうして見られてるのに、お前の指は止まらないで
どんどん激しく動いてるじゃないか。俺に見られて感じてるんだろ」
「ふ…ぁぁ…んんっ」

洸至の言葉でいたぶられ、自分の中指で秘裂を嬲り、そしてその様子を鏡で見つめながら遼子は快楽に溺れていく。

「や…ぁああああ」

洸至の胸に寄りかかりながら、喉を晒していても遼子の視線は鏡に据えられたままだ。

「自分で自分を犯す様子を見てまた感じてるのか。お前は本当に…淫乱だよ」
「いんらん…じゃ…ない…」
「認めろよ、遼子。『私は淫乱な妹です』って言えたら、ご褒美をやるぞ」

腰を振りながら、指で自分を貪る遼子が切なげに洸至を見上げた。
洸至が後ろから遼子のパジャマのボタンを外し、硬くしこった乳房の先の蕾を意地悪くつまむ。

「きゃぁん!」
「もっといいご褒美、欲しくないのか」
「…ほしい…の…」

狂気に近い程の渇望に支配されているのだろう、遼子は喘ぎながら言った。

「いうんだ、遼子」

洸至が冷然とした声で囁いた。

「私…は……いん…らんな…い…もうと…です…」

あまり恥ずかしさとの男の躰への欲求からか、遼子は眼の端に涙を浮かべていた。

「いい子だ」

己をまさぐる妹の右手に洸至が右手を重ねた。
遼子の中指の上のから、洸至も中指を埋め込んでいく。
まだ狭い肉の道に指が二本。熱く潤む遼子の内奥の感触に洸至も思わず唾を飲み込んだ。

「…っ!!!!」

あまりの快楽にのけぞった遼子の息が止まる。

洸至が遼子の顎を掴むと、鏡が見えるように下を向かせた。

「見ろよ、遼子。俺の指とお前の指が入ってる。男の指が入って喜んでるぞ、お前のここ。指に絡みついてくる…」

重ね合わせた兄妹の指が、遼子の卑猥に赤みを増した秘裂に呑み込まれていた。
吐き出された蜜で濡れ、シーツには恥ずかしい位に大きな染みが広がっている。

「はぁっん…やん…」

洸至が中指を揺さぶり始めると、泡と激しい水音を立てて蜜が飛び散る。

「いや…あっ…あんあんあんあん!!」

洸至の手の下にある遼子の指が己の秘裂の中とクリトリスを容赦なく責め立てる。

「きゃ…やん…もう…だめ…おかしいの…こんなの初めて…!!!」

遼子がのけぞり兄の躰にもたれかかる。
妹に口づけし、舌を絡めながら洸至が激しく指を突き立てはじめた。
半裸の姿で、兄の膝の上で人形のように遼子が揺れる。

「やん…あん…いく…いいっ…いく、いっちゃうよ…!おにいちゃん、いっちゃう!」

ひと際高い声で遼子が細く啼いた。それから、遼子の躰から力が抜け落ちていく。


「ご褒美はまだあるんだぞ、遼子」

肩で息をする遼子をベッドに横たえると、洸至がジャージを脱ぎ始めた。

「欲しいものがあるんだろ。教えてくれよ」

洸至が全てを脱ぎ、立ち膝で遼子を見下ろす。
遼子が洸至の筋肉、そして股間にそそりたつものを見た時、眼が輝いた。
洸至の肌に遼子が指を這わせる。肌の感触を楽しんでいるかのようにゆっくりと。
そして兄の首に手を廻すと抱き寄せ、貪るように口づけた。

「お兄ちゃんが…欲しいの…ちょうだい」

遼子が唇を離し、猛禽のように眼を輝かせて洸至を見た。
理性も禁忌も恐れぬ遼子の表情はいままで洸至が見た中で一番美しかった。
自分が焦がれたものを手に入れた男は満足げに微笑むと、遼子の脚をゆっくりと押し開いた。

その時、遼子の携帯が震えた。
二人の動きが止まる。
携帯電話のウインドウに映された名前を見た遼子が思わず呟いた。

「鷹藤…くん?」

遼子の眼が大きく見開かれた。遼子の表情から淫らな美しさが消えていく。

「お兄ちゃん…だめよ…やっぱりだめ…兄妹でこんなことしちゃ…」

遼子の手が洸至の胸を押し、逃れようとした。

「いまさら…?」

洸至の声が冷気を帯びた。
これ以上は無い程に大きく妹の脚を開かせると、洸至は己のものを一気に突きいれた。

「だめ…駄目なの…ああああっ…」

理性を取り戻したとはいえ、遼子の躰はまだ悦楽にほだされたままだ。
まだ男の躰を憶えたばかりで、初めてに近い状態で固いながらも遼子の肉の道は洸至の大きなものを締めつけ
ながら迎え入れた。

「きついよ…遼子」

根元まで自身を埋め込むと洸至はゆっくりと息を吐いた。

繋がりあう兄妹の横で、遼子の携帯が寂しそうに震えている。
それに眼を遣った洸至が、悪戯っぽい笑みを浮かべた。

「まさか…やめ…」

洸至はイルミネーションを光らせながら震える遼子の携帯を手に取ると、通話ボタンを押し遼子の耳に当てた。

『あんた、起きてた?』

遼子の半開きの唇は言葉を紡げないでいる。
恋人から電話を受けた時に、別の男と-―-しかも自分の兄と寝ているのだ。
何を言ったらいいのか、思い浮ぶはずもない。
その妹の様子を洸至が楽しげに見ていた。

「ねて…た…」

ようやく絞り出した声は、いつもより上ずっていた。

『そっか、ごめんな。少しでいいからあんたの声が聞きたくてさ』

洸至が遼子の太ももを抱えた。それだけで繋がった所では潰れるような水音とともに蜜が滴り落ちた。

「きゃっ…」
『どうかしたか。なんか声、変だけど』
「ううん…もう…寝ないと…やんっ」

洸至が遼子と鷹藤の会話を聞きながら、ゆっくりと腰を動かし始めたのだ。
遼子は胸の奥からせり上がる喘ぎ声を堪えようと、必死で歯を食いしばっていた。
しかし歯の間から漏れ出る短く高い声は、肉欲の存在を電話の向こうの相手に伝えていた。

『あんた…まさか…』
「ちが…ちがうの鷹藤君…あん…」

喘ぎながら、遼子の表情が硬くなっていく。

『ひとりで…してたのか…』

鷹藤は恋人の浮気を露とも疑っていないようだった。
遼子の昂ぶった声は己の情事を反芻してのものと誤解しているのだろう。

「えっ…違う…の…んっ」
『声でわかるよ。そういうことしてるって。あんたの声のせいで俺だっておかしくなりそうだよ』
「違う…違…あんっ」

洸至と遼子の繋ぎ目から、ぬちゃぬちゃと音が立つ。
鷹藤と遼子の会話を聞きながら、洸至が抽送のリズムをあげていく。

「やっ…あんっ…」

『すごいな…この間のあんた以上だよ』

電話越しの鷹藤の声も興奮で掠れ、呼吸が荒くなっていた。

「あんつ…違うの…違うの…」
『何想像してそんなになってるんだよ』
「何…もっあああああっ」

今度は洸至が遼子の太ももを大きく拡げさせより深く繋がると、子宮口にあたるほどの勢いで突き始める。

『俺のアレ思い出してんの?それが入ってる時のこと想像してたんだろ。そういう声だよ…』
「入ってる…入ってるのぉ…あん…だめっ…」
「ほんっと、いやらしいなあんたって…。普段はあんななのに…その声…最高だよ…」

鷹藤が言葉で遼子を責めながら、己も昂ぶらせているらしい。
呼吸がどんどん忙しなくなっているのが、携帯から離れた洸至にも聞えるほどだ。

「やっ…あんっ…あ…」

洸至の刻むリズムに合わせて遼子の啼き声が高まっていく。
鷹藤の方からは何も聞えなくなっていた。聴覚に意識を集中させ、自分ものぼりつめようということなのだろう。

「あっ…だめ…おかしく…鷹藤君、聞かないでお願いっ」
『最後までキッチリ聞いてやるよ。いけって…あんたの声聞かせてくれよ』
「駄目…違うの…鷹藤君、だめ…もうだめ…あああっ…」

遼子がのけぞり胸を震わせながらのぼりつめていく。

『すげえ声…こっちもいきそうだよ…』
「いくいくいっちゃう…だめえええええっ」

洸至が激しく数度突くと弓なりになるほどのけぞった遼子の動きが止まり、それから崩れ落ちた。
気を遣ったらしい。
躰中にしっとりと汗が浮き、妹の白い裸体に淫らな艶を与えていた。
遼子の眼の焦点がゆっくりと結ばれはじめる。

「鷹藤君、おやすみ。わたし…すごく…疲れちゃった」

肩で荒い息をしながら、遼子が携帯電話へ哀しげに囁く。
そして遼子が咎めるように洸至を見てから携帯電話を奪い取ると、通話を切り電源を落とした。

「もう鷹藤君と話さなくていいのか」

洸至の下にいる遼子が顔を背けた。妹の顔は洸至の位置からは窺えない。
肩が震えているのは涙のせいだろうか。

「怒ったのか。でもなあ遼子」

洸至が遼子の耳元に口を寄せた。

「電話していた時、お前のここ凄くよく締まったぞ。恋人と電話しながら別の男のものを咥える
状況が良かったんだろ。俺に絡みついて離そうとしなかったんだ。いまだって、俺の太ももまで濡れる
ぐらい溢れてる。聞えるか、この音」

洸至が軽く腰を動かしただけで、繋がった部分が水音を立てた。

「やんっ…違うもの…そんな女じゃない」

それに応えず、洸至は憐れむように妹を見つめていた。
薬が端緒だったとはいえ、遼子は異常な程に乱れていた。そしてその遼子を追いたてる自分も…。
兄妹でこんな風に狂えるのは、もしかしたら淫らな母親の血のせいか。
洸至はその言葉を飲み込むと遼子の脚を肩に載せ、激しく遼子を揺り動かし始めた。

「ん…ぁん…だめ…あん…」
「今度はこっちもいかせてくれよ。さっきの鷹藤君のように」
「ああっ!やんっ」

洸至は遼子のパジャマの前をはだけると程良い大きさの乳房に手を這わせ、その頂を指で弄ぶ。

「この声も聞かせてやりたかったな。鷹藤君に」
「いやっ…もうやめて…」

口先では拒否していても、遼子の膣内で肉が洸至にまとわりつき全てを吸いあげるがごとく蠢いていた。

濡れた破裂音を部屋中に響かせながら、洸至が腰を妹に打ち付ける。
遼子の躰に汗が浮かぶ。
汗、雌の匂い、遼子の匂い。
長い間苦しめられていた熱病に近い思いとともに、その全てが洸至を狂わせる。
妹を言葉でいたぶり、優位にいるように見せかけながら洸至こそが気が触れそうな程欲望に追い立てられていた。

「やん…あああっ…あんっ…」
「…お前だけなんだよ…ずっとずっと…」

洸至の腰の動きが更に激しさを増し、遼子を抉るような動きに変わっていく。

「…っいきそう…また…やんっ…や…」

遼子がまた喉を晒し、のけぞり始めた。

「そんなに締めるな・…!こっちもいきそうだ…」

洸至はまたも妹に深く口づけるとベッドが軋む程打ち付ける。

「あ…やんんんんっ…いく…いくっ、またいっちゃう!!」
「くっ…!」

洸至が微かに腰を震わせると、己のものを引き抜いて妹の腹の上に白濁したものを迸らせた。

息を整える洸至の下で遼子が哀しげに呟いた。

「誰にも許されない…私…どうして」

間近にある洸至の顔を、遼子が目尻に涙を浮かべながら見た。

「鷹藤君にも秘密にしておけばいい」

遼子が眼を見開いた。

「鷹藤君を裏切ったのよ…!私は失くしたの…全部…人として大事なもの全部…」
「わかるよ、罪悪感は苦しいよな…。でも味わった快楽はそれ以上じゃなかったか?今…見えるものが違うはずだ」

遼子が胸の痛みからか、顔を歪めた。

「お前は失くしていないさ。逆に手に入れたんだよ…恋人として過ごせる鷹藤と…淫らな本当のお前を見せられる俺と」

汗を浮かべた妹を洸至が愛しげに見つめる。

「大丈夫さ…俺とお前だけの秘密だ…」

新しい絆。
他人には決して明かせない秘密こそが俺達の新しい絆だ。
二人の躰に流れる同族の血以上に後ろめたい秘密こそが二人を強固に結びつける。

「俺がずっと…傍にいてやるから。秘密も、お前もずっと守るさ…」

洸至は身を起すと、投げ出された遼子の手に己の手を重ねると指を絡め合わせた。

「鷹藤君が好きなの…」

それを聞いた洸至の胸が痛む。これほどの汚濁に塗れてなお、遼子は汚れの無い愛を求めていた。

―――俺と一緒か。
闇の底で這いまわり光を求め続けた俺と、自分の中の光を失い贖うように鷹藤を求める遼子と…。

「好きなのに…」

妹の目尻から涙が一筋零れ落ちた。
洸至はそれ以上言葉を聞きたくなくて、妹の唇を奪った。
鷹藤を求める言葉を紡いだはずの妹の舌は、洸至の舌に激しく絡みついてくる。

たとえ遼子の心が純粋な愛を求めても―――。

遼子の躰は俺からきっと離れられない。
淫らで昏い牢獄に妹を繋ぎとめた男はなぜか哀しげな表情を浮かべていた。
そして遼子をきつく抱き寄せると更に深く口づけた。






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