寝たふり
安藤一之×雪平夏見


<みおが戻ってきて良かった・・・それから安藤も・・・本当に、本当によかった・・・>

牧村に腹部を撃ち抜かれた安藤だったが、幸いにも弾丸は内臓を傷つけることなく、着実に快方へと向かっている。
そして、みおも無事元気で戻ってきた。・・・牧村と一緒にいることは、やはり不安ではある。
しかし最近は、父親である佐藤も早々に帰宅しているはずだった。

<まだまだ謎は山積み・・・でも、今日は・・・のんびり休めそうかな>

雪平は冷蔵庫から水を取り出すと一気に飲み干しながら、ベッドに横たわる安藤の安らかな寝顔に目をやる。
そっとベッドサイドに近づきしゃがみこむと、

「それにしても、のんきな寝顔だね〜こいつは」

雪平はそっと安藤の髪を撫でた。

・・・突然、安藤はパチリと目を見開いた。

「のんきとはなんですか雪平さん」
「おまえ・・・!!寝たふりなんて・・・悪趣味だよ」

愛おしげに髪を撫でていたことを気づかれまいと、雪平は慌てて立ち上がろうとした。
その瞬間、安藤の大きな手のひらが、ぐっと雪平のか細い手首をつかんだ。

「雪平さん・・・服くらい着ましょうよ」

いたずらっこのような笑顔で、安藤はじっくりと雪平の全身を見つめる。

そう、雪平はいつものように何も身に付けてはいなかった。

「ちょ・・・何言ってんの!おまえは馬鹿か。手を離しなさい!!!」
「だめですよ。雪平さんいっつも言ってるじゃないですか。僕の前では裸でも平気なんでしょう?」
「そうよ。だから・・・手を・・・きゃっ!!!」

いきなり安藤は雪平の手首を離した。必死で手首を離そうと力を入れていた雪平は一瞬にしてバランスを失う。
安藤はそんな雪平を両手でぐいっとベッドにひき寄せると、そのまま体を開かせるようにして手首をおさえつけた。
生まれたままの姿で、雪平は自らのベッドに押さえ込まれている。
柔らかな黒髪は乱れ、豊かな乳房は先ほどのやり取りではぁはぁと上下している。
きゅっと締まったウエストから下腹部にかけてのラインはぞくぞくするほどになまめかしい。

思わず、安藤はごくりと喉を鳴らした。

怪我をしているとは言え、やはり安藤は男だ。

しかも自分よりもずっと若い・・・

雪平は逃れようともがくのをやめた。

「・・・?」 

不思議そうに安藤が雪平を見つめる。

「・・・いいよ。」
「え・・・」
「だから、いいよ。安藤の好きなようにして」
「え・・・っと。あの・・・すみません、僕・・・」

半分冗談のつもりだったのか、安藤はおずおずと雪平の手首をつかんでいた手の力を緩めた。

しかし、雪平はベッドに横たわったままで優しく微笑んでいる。

「どうしたのよ。さっきの元気は?」

うってかわって、しょんぼりした様子の安藤。

「じゃ・・・」

にやりと唇の端で笑うと、雪平は身体を起こす。

「私から・・・いこうか?」

安藤の耳元でそっとささやくと、優しく安藤をベッドへと押し倒した。

「ちょ・・・えぇっ?!」

髪に手を差し込みながら、雪平は柔らかでぽってりとした美しい唇を安藤の薄い唇に重ねる。
こじあけるようにして舌をさしこむと、安藤の舌を絡め取るようにして吸い上げた。

「んん・・・っ!!!」

安藤はまるで女の子のように喉の奥で喘いでいる。
じゅっちゅっと唇同士のたてるいやらしい音。スウェット越しに感じる豊かな胸の柔らかさ。
安藤は次第に力が抜け、雪平の舌の動きに自らもあわせ始めた。
ねっとりしたキスに雪平も安藤も、次第に頭の芯が蕩けはじめている。

「・・・ゆき・・・ひらさん・・・僕・・・でいいんですか?」

かすれた声で安藤が聞く。

「馬鹿かおまえは」

普段からは想像もつかない天使のような笑みで雪平が笑う。
安藤は体を入れ替えると、最初のように雪平を組み敷いた。

「馬鹿・・・ですね、僕。・・・雪平さんのこと・・・」

雪平は両手を伸ばすと、ぐいっと安藤のスウェットを脱がせようとする。

「能書きはいいから!早く!」

照れくさそうな雪平の顔を見ると、嬉しそうに安藤は自ら裸になった。
ぐるりと巻かれた真っ白な包帯が痛々しい。
雪平はそっと手を触れると

「へいき?」と心配そうにつぶやいた。

「こっちの方は、全然平気じゃないです。」

安藤は、熱く湿り気を帯びた肉塊を雪平の内腿にこすりつけるようにした。
ぎんぎんに屹立した安藤自身は、スレンダーな彼の体に似つかわず驚くほど猛々しい。

雪平は潤んだ瞳で安藤を軽く睨む。
ちょっとはぐらかすように瞳から目をそらすと

「雪平さん・・・ほんとに綺麗ですね・・・」

雪平の体を見つめ、うっとりと安藤が呟く。

「・・・無駄に?」

雪平はやっぱり照れくさそうだ。
安藤は雪平の体に覆い被さると、今までの思いをぶつけるかのように激しいキスをした。
ねっとりと雪平の唇を舐めると、唾液をすいとるようにじゅるじゅると雪平の唇をすいたてた。

「んっんっ〜〜〜っ」

雪平が切なそうな喘ぎ声をあげる。
安藤は激しいキスを繰り返しながら、そっと雪平の豊かな胸に手を伸ばした。

「すごい・・・柔らかい・・・」

下からすくい上げるようにすると、か細い身体からは想像もできないくらいの豊かな乳房が安藤の手のひらに合わせて形を変えていく。
揉みこむように愛撫しながら、思わずその先端のいやらしく尖った薄いベージュの乳首に舌を這わせた。

「はぁんっ!」

雪平の腰が跳ね上がる。
安藤は夢中で乳房を揉みながら、乳首への愛撫を続けた。
口の中に乳首を収めるとコロコロと舌で転がしては、ちゅっちゅっと優しく吸い上げる。
安藤の指で舌で唇で、雪平の乳首はびんびんに感じさせられていった。
胸への愛撫と交互に繰り返される濃厚なキスで、喘ぎ声は遮られ

「・・・ふぅっんっんっ」と鼻にかかったうめき声しかあげられない雪平は、早くも我慢の限界に達しようとしていた。

どろりと膣奥からあふれてくる蜜を感じ、雪平は腰をうごめかせていく。
柔らかな唇からそっと安藤がその唇を離すと、ぬめっと糸をひく。激しいキスの余韻だ。
そのまま安藤は雪平の首筋に口付けると、つつっと唇で耳まで愛撫した。

「・・・僕の太もも・・・びしょびしょですよ・・・?」

吐息のまじったいやらしい声で囁かれ、雪平は耳まで赤くなる。

「そ・・・そういう安藤のも・・・濡れてる・・・?」
「・・・我慢してるってことです。」

すこし苦しそうに、安藤は雪平の側に体を横たえた。

「あっ!!そうか傷・・・痛いよね。」

その我慢じゃなくて・・・と思いながら、安藤はそっと雪平の頭を自分の胸にのせる。

「こっち怪我してないほうなんで平気ですよ。」

そのまま右手を雪平の背中から回し、ぐっと尻の方から股間へと指を差し込む。

「ひゃっな・・・なに・・・」
「利き腕、こっからじゃないと使いずらいんで・・・」

そう言いながら、安藤は雪平のどろどろに濡れた秘所を優しく愛撫し始めた。

「・・・っあぁっあっん・・・い・・・ひ・・・んっ!」

いきなりの刺激に驚きながらもすぐに感じ始める、雪平の切なげな表情を見つめながら安藤は指の動きを激しくした。
耳元に唇を寄せ

「きもち・・・いいですか・・・?」
「ば・・・言わせな・・・いで」
「じゃぁ、やめちゃいますよ・・・?」

そんな気もないのに、安藤が囁く。

「ふぅっあぁ・・・んっっ!!!」

安藤の指は、雪平の一番敏感な部分をこりこりと撫でていた。
真っ白な尻の間に挟まれた安藤の手首は雪平の愛液でべっとり濡れている。

「そこ・・・はっんんっ!!!あぁ・・・き・・・」
「ん?なに・・・?」
「きもち・・・はぁっ・・・い・・・いっ!!!」

目の端がほんのり涙で濡れている。
安藤の胸にすがるようにして喘ぐ雪平の姿は、普段からは想像できないほど愛らしかった。
びしょぬれの柔らかな陰毛の間からぬめぬめと光る赤い粘膜が見え隠れしている・・・
汗ばんだ胸に顔をうずめ、必死で何かを堪えるような表情の雪平に、安藤も我慢の限界を感じていた。
そのまま、中指で雪平の突起した肉芽をこすりあげながら、激しく唇を奪う。
もう片方の手は、びんびんになった乳首を親指で刺激しつつ、やわやわと乳房を揉み込んでいく。
声すら出せなくなった雪平は、いやいやするように首をふりながら、腰をうごめかしていた。
雪平の濡れそぼった秘所からはぬちゃぬちゃといやらしい音が響いている。
激しいキス、乳首への刺激、そしていやらしく執拗な秘所への愛撫・・・
雪平は一気に終焉へとかけぬける。
無理やり唇を引き剥がすと、

「あん・・・どうっ!!!やだっ!!!イ・・・イッちゃうっ!」

小さな叫び声をあげ、雪平は腰をびくんびくんっと痙攣させながら達した。
そして、雪平の締め付けを指で感じ、安藤は例えようのない幸福感に包まれていく・・・

肩で息をしていた雪平は、上気した顔を上げた。

「安藤のも・・・させて。」

そう言うと安藤の足の間に、猫のようにもぐりこんだ。

「えっいや!もう準備できてますから!!ていうか、お風呂も・・・ちょっと入ってないし・・・」

匂いを気にしてか安藤の声がうわずる。
雪平は嬉しそうに、安藤自身を優しく手のひらで包み込むと

「・・・気にしない!!ふふっおおきくなってる。」

つんっと来る男の汗の匂いが雪平の女をさらに刺激する。
グロテスクなまでにそそり立つ肉塊にそっと舌を這わせると、そのまま安藤の目を見つめ、亀頭の部分を一気に口へ含んだ。

「・・・っ!!!」

いきなりの直接的な快感に、安藤の腰がひける。
逃げるような安藤の腰をぐっとつかむと、雪平は唇だけで安藤のモノをしごきはじめた。

じゅぶっじゅぷっ・・・

流れ出る涎をぬぐおうともせず、安藤の瞳をいやらしく見つめながら雪平は顔を上下させる。
美しい雪平の唇に、自らの荒々しいまでに勃起した肉塊がくわえ込まれ、濡れた大きな黒い瞳は挑発するような視線をなげかけている。
出し入れされる度にずりゅっずりゅっといやらしい音が響いていた。
ねっとりと舌を絡め先端の亀裂や裏筋をちろちろと刺激されると、腰の方からかけあがる快感に安藤は危うく果てそうになる。

「ちょっ・・・まじでっ・・・まじで出ちゃいますからっ!」

必死で雪平の肩を抑え、かろうじて可愛い唇からペニスをちゅぽんっと引き抜いた。
唾液で唇のまわりをどろどろにしながら雪平は飴玉を取り上げられた子供のようにすねた声を出す。

「出してもよかったのにぃ・・・」

ふっと微笑むと安藤は、雪平の小さな体を自らの上に乗せた。
雪平の唾液でべちょべちょになったペニスを、愛液でどろどろの雪平自身にあてがうと、先端で軽くなぞっていく。

「はぁ・・・」切なく雪平は吐息をもらした。

「だって・・・もったいない・・・じゃないですか」

そう言った瞬間、安藤は思いっきり腰を突き上げた。

不意をつく素早い挿入に、雪平は息をのみ、そのまま激しい突き上げに身を委ねる。

「すみません・・・っちょっと・・・傷が・・・この体勢しか無理そうだったんで・・・」

ぐちょぐちょに濡れそぼった雪平の締め付けに耐えながら、何故だか安藤は言い訳している。

「って・・・ゆきひらさん・・の・・・きついっ・・・!!!」
「あぁっあっはぁっんっ!!!きもち・・・いぃぃっっ!!!」

安藤の言い訳も聞こえないようで、雪平はただひたすら快感にうち震えていた。
四つん這いにさせられ、下から突き上げられる状態の雪平の乳房は、ぶるんぶるんと安藤の目の前で揺れる。
安藤はわざと舌を出して雪平に見せつけるように、乳首を舐めあげた。

「やぁっん!!」

更なる快感に、雪平は安藤自身を締め付ける。

「ま・・・たっ・・・きそう・・・」

唇の端からは、つーっと唾液が流れ落ちていく。
腰には鈍い快感がずんずんと杭をうちこまれるがごとく襲ってくる。

「ゆきひら・・・さん?すっごいぐちょぐちょですよ・・・また・・・イける?」

両手で雪平の小さな尻肉を掴み、欲望をたたきつけるように腰を使いながら安藤が聞いた。
雪平は声も出せず、はっはっと息をつきながら幼女のようにこくこくっと頷いた。

「ぼ・・・僕も・・・もうっ!」

その瞬間、雪平は安藤の唇をふさぎ激しく舌を差し込んだ。
全身を密着させた2人は、お互いを貪り合い感じあい、1つになろうとしている。
舌を絡ませながら、激しく出し入れをくりかえす。
重なりあった唇と、密接した性器はぐちょぐちょと交互にいやらしい音を響かせていた。

「あ〜も・もうっだめだっ!!!出しますよっ」
「ふぅんっもうっだめっっっ!!!イっちゃうぅぅぅ〜〜〜っっ!!!」

2人はほぼ同時に叫ぶと、びくびくと痙攣する雪平に突き立てたまま、安藤は膣奥に向かって思い切り吐精した。

どれくらい、繋がったままだったのだろう。
ずるり・・・と自然に安藤のモノが雪平から抜け落ちるまで
2人は意識を失っていたようだった。

「あ・・・」

雪平の秘所からは、安藤の吐き出した白い液がごぼりと溢れ出す。

「安藤・・・ちょっと!中出ししていいって言ったっけ?!」
「え・・・ご・ごめんなさい・・・あんまり気持ちよかったんで・・・」
「はぁ〜・・・ったく!馬鹿かおまえは。あたしがピル飲んでなかったら、どうするつもりだったんだ?」
「す・すみませんでした・・・でも・・・それでも僕・・・」

ぽりぽりと頭をかきながら、安藤はもごもごと謝っている。

「大体ね〜おまえ怪我してるんだから、こんなことしていいと思ってんの。ほんっとに・・・」

安藤を睨み付ける雪平だが目はちっとも怒っていないようだ。

「ま、気持ちよかったから・・・今日は許してやるか。」

雪平はそう言うと、安藤の唇にもういちど優しく口づけた。






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