梅子独白(非エロ)
番外編


「自分に嘘つくなよ」

叔父さんはそう言って去って行ったけど、どういう意味だったのかしら。
あれからずっと心に引っ掛かっている。

そんななか迎えた、お見合い。
早野さん達を見ていて、結婚って一人の人を一生を懸けて
大切にして愛していくものだって感じたの。
本当に好きじゃなきゃ出来ないことだと思う。
見合いの席で言うべきことではないけれど、私のなかには迷いがある。

「私の大切な人は誰なのか」「目の前のこの人を私は愛せるのか」

悩んでいた時、急にノブのお父さんが倒れこんできた。
吃驚したけれど、私の目に入ったのはノブの姿だった。
凄く安心した。きっと慣れない席で緊張していたんだと思う。
そんな時だった。「全く、下品な人達だ」呟くようにお見合いの相手が
言ったのが聞こえた。その瞬間、私は目が覚めた。
私の大切な人達は、ノブを初めとする蒲田の人達。
その皆を下品って言われたことがどうしても許せなかった。
感情を止められなかった。気付いたら私は謝って下さいなど
と口に出してしまっていた。お父さんの声で我に返ったけれどもう遅かった。

失礼にあたる行為は反省してる。でも、ノブ達を下品なんて言う人と
私は絶対に結婚なんてしたくない。だから後悔はしてない。
叔父さんの言葉の意味、完全にはまだ分からないけれど、
少し分かった。
自分を偽ってまで結婚する必要は無いと思う。
そんなの上手くいきっこない。
好きな人がいるから結婚する、私は結婚ってやっぱり
そういうものだと思うの。だから、心から大切だって思える人と
私は結婚したい。






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