自覚(非エロ)
山倉真一×弥生


梅子さんの結婚式の時、久しぶりにお会いした雪子さんに
どうしてだか、弥生さんと結婚すればなんて言われた僕、山倉。
それ以来、どうしてか弥生さんのことが気になって仕方ない。

坂田先生が亡くなった時、僕の目の前で弥生さんが
耐え切れなくなって泣き出したことがあった。
いつも気が強くて僕に対しても手厳しい彼女が泣くところなんて
初めて見た。あの時はただ手を添えることしかできなかった。

僕にしては珍しく考え込んでいたんだろう。
「あの・・・なんか変ですよ?どうかしました?」
一緒に食堂で食べていた弥生さんが僕を怪訝そうに見ている。
「いえ。大丈夫です。」
「なら、良いですけど・・・
なんか貴方が落ち込んでると調子狂います。」
それだけ言うと、また静かに食べ始めた。

弥生さんは気が強くてずけずけものを言うけれど、
実は優しいところがある。一緒にいると何故か安心する。
初めて会ったときは確か、梅子さんの友達かと思った。
それが気付いたら結構長い付き合いになって、
名前で呼ぶようになって・・・

「もう行きますね。時間なので。」

「あ、弥生さん。」

「・・・なんですか?」

「あ、いえ。どうぞ頑張って。」

「え、ええ。山倉さんも。」

「ありがとう。」

あれ?なんで呼び止めたんだ僕?
ちょっと、もう少し居て欲しいとか思ったような。
ん?? 何なんだろうこの気持ちは。
弥生さんって呼んだとき、なんか心地よかった?

わからない。こんな気持ちは初めてだ。
タイプだった松子さんや雪子さん相手でも
このような気分になったことは無い。
・・弥生さんに対してだけだ。
あれ?これって・・・僕、弥生さんのこと・・・??



自覚し始めた山倉君でした。






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