激情
上田次郎×山田奈緒子


「ああ先生、お久しゅう」

およそ刑事らしからぬ仕事ぶりと分かりやすい髪型で一部では有名な、矢部からの電話だった。

「おたくの助手のあのー…えらい貧乳の女がおりますやろ。そいつがうちの秋葉の紹介で新しいバイト始めよったんですわ」
「はあ」
「それでですね?暇やからちょいと冷…いえね、刑事が紹介した手前、人様に迷惑かけてへんかどうか、一緒に行かへんかなー思いまして」

矢部のろくでもない暇潰しはともかく、奈緒子の新しいバイト先を知っておくのは悪くないと思い、上田は二つ返事で電話を切った。

やがて、迎えにきた矢部と秋葉と上田の3人で着いた先は、驚く事に秋葉原のメイドカフェだった。
しかし学生の噂に聞くそれとは少し違い、店員の態度がおよそ接客業らしくない。すると困惑する上田を察してか、矢部が耳打ちする。

「何でもね、『ツンデレカフェ』ーいうらしいんですわ。まー愛想が無いあの姉ちゃんには、うってつけですな」

やがて、一人近付いて来たかと思うと、メニューをテーブルに投げ付けられた。

「萌え〜〜〜〜〜!!」

上田は秋葉の声にハッとしてメイドの顔を見ると、そこには愛らしいフリルのエプロンドレスとホワイトブリムを着けたメイド姿の山田奈緒子の姿があった。

「矢部、秋葉、上田!なんでお前ら3人ここにいる!?」

「なんでも何も、秋葉がここ紹介したんやないかい。ついでにお前が妙な事しでかさんように、先生も連れて見にきたっちゅー訳や」
「それにしても」と、矢部は奈緒子を舐めるようにジロジロと上から下まで見る。
「『馬子にもなんちゃら』っちゅー奴ちゃなあ、なあセンセ?」
「………ああ」

上田がそれきり視線を奈緒子から逸らすと、秋葉は一人「萌えー」「萌えー」と繰り返しながら忙しなくカメラのシャッターを切っている。よくよく店内を見れば、ちゃっかりストーカーの照喜名も席に着いてちらちらと奈緒子を見ていた。

「まあメニュー適当に頼め。運んできてやる」

と言って席を離れた奈緒子の態度はいつも通りだが、どうにも矢部達の席を伺う周りの客の反応が違う。
どうやら奈緒子は店内での人気が高いようだった。

「あいつ、売れない手品師なんかより、よっぽどこっちのが天職ちゃうんかのう」

矢部がそう呟く。上田は一人、言い様のない苛立ちを感じていた。

「矢部さん、ちょっと失礼します」

注文より先に上田は席を立つ。そしてそのまま別の席についていた奈緒子の肩を掴む。

「山田、ちょっと来い」
「痛っ…なんですか急に」
「いいから」
「おい、何だよ急に。指名取ってんのかよ」

席にいた客が掴みかかって文句を言うと、上田が一瞥する。
すると気負られたのか、すごすごと席に着く。
その一部始終を見ていた矢部は、「ほほーう」とだけ言うと、すぐに秋葉と二人新しく席についたメイドと戯れ始めた。

「なんですか、もう…」

二人は店の裏にいた。

「バイト抜けちゃうと時給に響くので、早くして下さい」

奈緒子は自分の肩を抱き締めるような格好をすると、

「しかも制服半袖で寒いんですけど」

ずっと何も話さなかった上田が、ようやく口を開いた。

「すまない。これで良かったら」

そう言って、自分が着ていた上着を差し出す。

「結構人気みたいじゃないか」
「そうなんですよ。今までで一番時給のいいバイトですし」

奈緒子は本当に嬉しいのか、上機嫌だ。
しかしそれとは対照的に、上田は少々不機嫌な様子で言い放つ。

「フッ。じゃあもうオレに飯をたからずとも生活出来るんじゃないか?」
「そっ、それとこれとは違うだろ!」

奈緒子は上田に近付き、猛然と抗議する。
ちょうど正面から上田を見上げている奈緒子に、そのまま顔を近付けると、吸い寄せられるようにそっと口付けた。

瞬間、固まってしまった奈緒子に構わず、上田は再び口付ける。今度は深く。

「…な…な…な…ななななな何するんだ!バカ上田!!」
「うおぅ!?」

上田の顔面に強烈な右ストレートを決める。
耳まで赤く染めた奈緒子が、わなわなと肩を震わせていた。

「いつかの時もそうだ!何故急にキスするんだ!」
「したいからに決まってんじゃねぇか」

顔を擦りながらも、しれっとした態度で上田は言った。

「こ、心の準備ってものがあるだろうが!」

それを聞いた上田は、「悪かったよ」と一言謝ったあと、こうつけ加える。

「お詫びと言ってはなんだが、バイト終わったら好きなものを奢ってやろうじゃないか」
「本当だな?」
「ああ」
「じゃあ肉!トクウエカルビ!」
「『とくじょう』だ!」

その夜。上田と奈緒子の二人が訪れたのは個室付きの高級焼肉店だった。
「よっし、肉だ肉!」ミスジ、ザブトン、イチボにロース、カルビにヒレ等々、奈緒子は次々に運ばれてくる肉を黙々と焼いては、せっせと口に運ぶ。
一体その身体のどこに入っているのか不思議なくらい、大量に。

「ふー、食った食った」

ひとしきり食べたあとで、奈緒子は満足そうに自分の腹を擦っている。

「そういや上田さん。今日何か変ですよ?いつにも増して」

最後の一言は余計だが、確かに今日の上田はおかしい。
店もいつもより高級で個室だし、値段を気にしてなのか自分はあまり食べなかったりとさすがの奈緒子も不審に思っていた。
すると、そんな上田は唐突に奈緒子の手を握ってきた。

「何ですかこの手」

と、突然、上田の口からとんでもない言葉が飛び出してきた。

「YOUを、抱きたい」

「えぐざいる?」
「それはMAKIDAI!違う、これじゃいつもと同じだそうじゃない!つまりだな、率直に言おう。俺は…お前と、セックスがしたい」

奈緒子はここが個室で良かったと思うと共に、羞恥で全身の血が逆流しそうな気がした。予想だにしなかった上田の言葉に、動揺が隠せない。

「ななな、何を血迷ってんだ!おいこら、手、放せ!」

奈緒子はぶんぶんと力一杯手を振るも、上田がしっかり手を握って放してくれない。

「今日一日見てて、今のうちになんとかしなきゃいけない気になったんだよ。そうしないと…」

上田の目はいつに無く真剣だ。なので思わず奈緒子は目を逸らす。

「だ、だからって、いろいろ急すぎやしませんか」

「それに」と、上田に対して決定的な言葉を放つ。

「『どうしてそんな事をしたいのかという、上田さんの理由が解りません』…ただしたいからとか、何とかしなきゃなんて、到底納得出来ませんよ」
「ここまで言えば、いくら君でも分かるだろう」
「解りませんよ。上田さんはいつもいつも人の都合も考えないで振り回してばかりで。それで何度も危険な目にも遭って」

奈緒子は半分泣きそうな声になっていた。

「そりゃ、最後には助けてくれるけど―――」

少しの間、上田は奈緒子から目を逸らす。
が、やがて意を決したように落ち着いた声で「分かった」と言うと、空いていた奈緒子のもう片方の手を取り、自分の両手でがっしと握る。
そして真っ直ぐ奈緒子の目を見つめながら告白する。

「俺は、ずっと君の事が好きだった。そして改めて今日、群がる男達を目の当たりにして『他の誰にも渡したくない。俺だけのものにしたい』……そう、思ったんだ」

上田は一つ一つ言葉を噛み締めるように言う。そして握る手に力を込めてつけ加える。

「だから、君を…抱きたい…―――嫌か?」真剣過ぎる上田の告白に、奈緒子もたどたどしいながらも本心を伝える。
「い…嫌かどうかと言えば、そりゃ…あの…………………嫌じゃ、ない、ですけど」

最後は消え入りそうな程の小さな声だった。
それを聞くと、上田は明らかにほっとした顔で脱力する。
いつも自信過剰だが、根は小心者なのだ。

「ではこのあと、夜景の見えるホテルのスイートを取ってあるんだが―――」

「いやです」

上田は、すわ奈緒子の心変わりかと、さっきまでの晴れやかな顔が一転、蒼白となる。
一方、奈緒子はうっすらと頬を紅く染め、長い睫毛をふせて呟いた。

「……上田さんの部屋が、いいです」

それを聞いて、今度は上田の方が全身の血が逆流しそうな気がした。

上田は、自分の部屋でいつものようにシャワーを浴びているにもかかわらず、どうしようもない居心地の悪さを感じていた。
正直、逃げ出してしまいたいくらいの緊張感。
今このドアを開けて、「奈緒子がやっぱり心変わりして、帰っていたらどうしよう」などと、弱気になりつつもついに覚悟を決めて、腰にバスタオルを巻いて浴室をあとにする。
さっきまでずっと心配していた奈緒子は来た時と同じように、ベッドの端にちょこんと座っていた。

「シャワー、空いたぞ」
「…分かりました」

そう返事した奈緒子は、どこかぎくしゃくとした動きで浴室に向かう。上田はそれを見送ったあと、ものすごい勢いでベッドメイキングに取り掛かる。
本来の予定なら、ムード満点のホテルのスイートで余裕持って、と考えていた上田にとって予想外の展開にテンパッていた。
浴室の奈緒子の方にもその物音は聞こえる程だが、やはり奈緒子もかなり緊張していたので、気にも留めなかった。

恋愛経験の乏しい奈緒子だが、これから上田とどういう事になるのかというのは十分知っている。普通の乙女の心理として、いつになく丁寧に全身を洗い、長い時間シャワーを浴びていた。
シャワーを終えて、濡れた体や髪を拭きながら、これから体験するだろう事を「週刊純情女性」で読んだ知識がフラッシュバックし、一人見悶える。

「…とりあえず、電気だけは消してもらおう」

いつかの母の教えを思い出して独りごち、奈緒子は上田の待つベッドルームへ向かった。

「お待たせしました…」

その声にベッドに腰掛けていた上田が振り向くと、はっと息を飲む。
奈緒子の艶やかな長い黒髪はしっとりと濡れ、白い肌は湯上がりでほんのり上気し、唇は紅をひいたようになまめかしく彩られ、目を見張る美しさだった。
奈緒子はすっぽりと胸から膝までバスタオルで覆い、かつタオルの合わせ目の胸元を片手で押さえているが、緊張のせいかどうにも動きがおかしい。

「…にゃっ!?」
「おおぅ!?」

案の上、足がもつれてそのまま上田のいるベッドの方に倒れる。

時間にしてほんの数秒。しかしお互い経験の無い二人にとっては長く感じられる時間の間、広いベッドの真ん中で折り重なっていた。

次に奈緒子が口を開きかけたその時、視界がぐるりと180°回転した。
上田が奈緒子の肩を掴んで体の向きを反転させ、ベッドに押し倒す。

「………ん、ぅ…」

その直後、上田は奈緒子に噛み付くようなキスをする。
何度目かのキスの後、上田は奈緒子の唇に自らの舌を捩じ込ませてきた。

知識としては知っていても、初めての事に戸惑っている奈緒子の舌を追いかけるように絡ませ、口腔内を蹂躙する。
しかしやっぱり上田も実践は初めてなので、夢中になるあまりに鼻で呼吸をする事を出来ず、限界を感じて唇を離すと、大きく肩で息をする。

「…ぷはっ!」
「はあっ、はあっ………あ、あのっ、上田さん」
「何だよ」

上田は滅茶苦茶にキスをした為、知らず知らずずれていた眼鏡を直しながら憮然とした態度で応える。

「その、電気……消して、下さい」

奈緒子の言葉が一瞬理解出来ずにぽかんとしていたが、やがてバスタオルの合わせ目を押さえてもじもじとする様子で察すると、スイッチを消しにベッドを降りた。

「YOU、これでいいか?」

間接照明でほの明るいくらいに明かりが落とされたが、すっかり闇になるものと思っていた奈緒子は上田に抗議する。

「まだ明るいじゃないか」

「この日の為に練習を重ねてきたが、真っ暗で手順を間違ってはベストを尽くせないだろう?」
「たとえば?」
「………違うところに突っ込んだり、とか」

奈緒子は『さすがにそれは無いだろう』とツッコもうとしたが、以前読んだ『週刊純情女性』の告白コーナーにやはり童貞と処女のカップルでそういう事があったという話を思い出す。

普通に考えてみても背筋が寒いのに、上田の巨根で想像しただけで戦慄が走る。
おかげで上田が眼鏡をかけたままなのを突っ込む事も忘れてしまった。

それでも、煌々と明かりが点いた状況よりは落ち着いたのも確かで、奈緒子は横たわったシーツの真新しい感触が気持ちいいと感じられるくらいだった。

「…こ、これ…ひ、ひひ開く、ぞ」

緊張で震える上田の手によって、そろそろと奈緒子のバスタオルの合わせ目が開かれる。
うす明かりの下でも分かる、奈緒子の露になった白いきめの細かい肌に、上田は思わずごくりと唾を飲む。

先程は荒々しいキスだったが、今度は対照的に優しく慈しむように唇が触れる。

(うにゃっ!)

その唇は耳へと滑り込むと、その唇の感触だけでなく、ちゅ、ちゅっ、という音が直に聞こえるのが奈緒子にはたまらなく恥ずかしい。
そうして奈緒子の肩に添えられていた上田の手が胸へと降りると、奈緒子の唇から切なそうな吐息が漏れた。

いつも『貧乳、貧乳』とからかいの対象になっているが、上田の大きな手に包まれた、ささやかな膨らみをした乳房は吸い付くような肌触りでしっとりと手に馴染む。
上田は(大きくないと出来ない事があるのも事実だが)愛しい女の胸に対して、大きさは瑣末な問題に思えた。

そっと撫でると、奈緒子はぴくりと震える。
そのまま手のひらで優しく円を描くように撫でると、さっきより吐息が甘いものに変わる。

「――― 上田さん」

不意に、奈緒子が口を開く。

「あの…何か、話して下さい」
「『何か』って何を」
「……何でもです」

そうは言われても、さすがに非常識な上田も睦事の際にそうそうペラペラと話してする男も居まいと困惑する。

「な、何も話さない上田さんが、ちょっと………怖いんです」

実際過去を振り返ってみても、二人で居ながら就寝時以外でこんなに長い沈黙もほとんど無い。
上田は行為に没入しているが、奈緒子の方はまだ緊張がほぐれていないのだと悟る。

「YOU、乳首立」
「そ、それはただの実況だ!」

上田が言い終わる前にすかさず奈緒子が突っ込む。

「『何でも』って言ったじゃねぇか」
「実況はするな!……………恥ずかしい」
「実際恥ずかしい事してるんだが」
「う…うるさい!黙ってしろ!」
「YOU、さっきと反対のこと」

奈緒子の右手が上田の口を塞ぐ。が、塞がれた掌の筋を舌でなぞられ、咄嗟に手を引こうとするが、手首をがっしり掴まれていて離せない。

「〜〜〜〜〜っ」

直接口から掌を舐められる事からは開放されたが、まだ手首は掴まれたまま、一本一本指をねぶられる。

半ば奈緒子に見せつけるようにし、小指をねぶり終える頃には手首を引く力もだいぶ弱くなっていた。

「で、どっちだ」
「え」
「何も話さない方がいいのか、話した方がいいのか」
「ちょっとは、話しててくれた方が楽、かな…」
「そうか」

そう言って、再び上田は奈緒子の胸元に唇を落とし、奈緒子の白い肌にキスマークの花びらを散らす。

「この来る日の為に、練習を重ねてきたというのは最初に話したよな」

話しながら、徐々に手は胸から腹へと滑る。

「いつの頃からかは分からないが」と前置きをして、奈緒子の耳元へ顔を近付けて囁いた。
「その練習でずっとYOUの事を想像していた」

途端、火が点いたように奈緒子は赤くなる。

「ひ、かか勝手にひひひ人を練習にっ…」
「別にどういう事か具体的に説明した訳でもないだろう?……ただ、もう少し想像のYOUは淑やかだったが」
「おい!」

「そして…実に淫猥だった。けしからん程にな」

手は腰のラインをなぞり、舌で臍をぺろりと舐められる。

「………っ!」

もう片方の手は様子を伺うように、そうっと奈緒子の下腹部の繁みに到達する。

「君は、自分でここに触れてみた事はあるか?」

優しく擦るように指を上下させる。

「そ、んなの…お風呂やトイレ以外、あるかぁっ…」

その言葉を聞いて、上田は歓喜にうち震える。奈緒子本人も知らない未知の領域に入るという達成感。そしてこれから行う事の、ある種の支配感。

上田の指は奈緒子の秘部の構造を確かめるように、一つ一つ優しく触れる。武骨な大きな手が、ひどく繊細な動きで。

「……ふ、ぁ」

つい漏れ出た声に、奈緒子は口を押さえてうろたえる。まるで自分の声ではないようで、加えて少しずつ自分の内から湧き上がる衝動と共に、自分自身戸惑っていた。

「YOU、今の」

上田の声は嬉しそうだが、奈緒子はまだ口を押さえたまま首を横に降る。

「気持ちいいなら、素直になれよ…YOU」

上田の声も興奮を隠せない。

「指、入れるぞ」

愛液のぬめりを借りて、奈緒子の秘部に上田の人差し指がつぷりと侵入する。
それだけで、更に艶を増した声が漏れ出た。

「んんっ…ふ……ぅ」
「もっと声聞かせろ…YOU」

上田の指が内側の襞を撫でると、中からとろりと愛液が溢れた。

「…あっ!」

それに満足し上田は、ゆっくりと中指を入れていく。

「もう一本…」
「ひぅん」

口腔と違い、上田の指に絡みつく襞。愛液のぬめりもあって、指先を入れただけでも非常に官能的だった。

「……う、え…」
「?…ここか?」

請われるまま、指を回転させて上の襞を掻き出すように動かす。

「ぅあんっ!………ち、違っ…上、だ」
「じゃあ、こっちか?」

更に奥へと指を入れて、くるくると『の』の字を書くように上を撫でると、とろとろと愛液が流れ落ちる。

「あああ…っ!」

上田の腰に巻き付けたタオルの下で、ずくずくと脈打ちはちきれんばかりにしている猛りは、早く数本の指だけで感じているそこに収まりたくて仕方が無い。

「そっ…そう…じゃ、な…」
「まだ足りないのか?じゃあ…」

上田は奈緒子の秘部に入れた指をそれぞれ順に爪繰る。そして空いている親指の腹で、ぷっくりと膨れた肉芽をそっと押し、くりくりと捏ねる。

「…!?………あ…やぁ…っ…!」

奈緒子の身体ががくがくと揺れる。片手は口元に、もう片方はシーツに広がった長い黒髪の中に。まるで泣きじゃくる子供のような格好で、未体験の快感に溺れる。

「な、に…?……あ、あ…上田さ、う、え…っ………!!」

奈緒子は同時に責められて、強烈な刺激に翻弄させられると、身体を大きくのけ反らせて初めての絶頂を迎えた。






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